BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年07月02日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

椎名の手が伸びて肩を組んだ。
引き寄せて頬を摺り寄せる。
なんて心地の良い瞬間だろうかと思う。
確かに二人で抱き合うのは気持ちが良いと思い始めていた。
しかし、こうして触れ合う事も抱き合う以上に気持ち良い、椎名だから、鴻山だからお互いがそう思えた。

「宗次さん、飯食おう」
「お前ねぇ~色気ない」

椎名の言葉に脱力する。


「だってアンタと生きるって決めたんだよ、餓死なんてしたくないじゃない」
「ぶっ、お前って。。。確かにそうだな。。。だけどやっぱり色気ねぇの。。。」
「良いじゃない、食欲=性欲っていうでしょ、まだ、出来るよ」

いやらしくニヤリと笑うと唇に触れると深く口腔を犯された。

「はぁ、葉瑠。。。ダメ。。。したくなるから。。。ふっ。。。」
「俺も、休憩、体力補強しないとね」

テーブルの上に置かれたままのトレーを取って二人の前に置いた。
少し冷めた弁当のふたを開けるとから揚げ弁当だ。
椎名の好みで選ばれたのがよく分かった。

「旨そうだね、冷めちゃったけど温めなくていいよね」
「ああ、そのままでもそこのは美味しいよ」


手を合わせて弁当に手を付けた。
そういえば、病院から帰って来てから食事を取っていないことに気付いた。
絶食状態の自分、よくも何度も抱き合えたものだと、今更ながら思え、箸を割りご飯を口にした。
会話も無く食べ薦める。
椎名の満足そうな顔が鴻山に取って何よりのご馳走だった。

食事をしていない胃に負担が生じたのだ、口を押さえてトイレに駆け込みそれに続いた椎名が背中を擦る。

「大丈夫?」
「あははは。。。済まない、俺からこんな生活がしたいって言ったのに、様はない」

背中を擦りながら裸体にバスタオルを掛けてやる。
震える身体を抱き上げてベッドに連れて行く、自分の配慮の足りなさ、そして鴻山の体重の減ったのを思い知った。

「何も食ってなかったのか?」
「病院で食べたけど。。。」
「けどなに?」
「吐いた」
「宗次さん。。。アンタ。。。」
「食べれないんだよ、葉瑠。。。ごめん。。。」

椎名が抱きしめて背中を擦り、「ごめん、気付いてやれなかった」と声を振るわせた。
首を振って椎名を慰める。

「俺が気付いてやれなかったのが悪いんだ。。。ねぇ、おかゆなら食べられるよね」
「さぁ、どうかな」

言葉に椎名が震える。
さっき一緒に生きるって誓ったのに、先に逝ってしまうのではないのかと思え、もう一度抱き寄せる。
泣きそうな声で名を呼んだ。

「宗次さん」
「なんに?」
「食わせて上げる、おかゆ作ってくるね、そうだ服を着ようね」
「ああ、そうだな」

怠惰な生活は終わりを告げた。
作ってもらったおかゆを一口啜ると何も入っていない胃に染み渡る。
なんだか懐かしい味がする。
そういえば結城に一度だけ、風邪を引いて寝込んだときに看病といわれて作ってもらった味に似ていると思った。

「これ、誰に教わった?」
「覚えてないな、俺、放って置かれること多かったから自分で作って食ったことは有るよ、塩加減は適当だし」
「そうか」

心のどこかで結城の味を椎名が継いだのだと思いたかった。
しかし、年が離れているのと椎名が結城の家に居た時期は短い、それに10歳ににも満たない子供に料理を教える事など無いのだ。

「ねぇ、もしかしてだけど、兄ちゃんの味に似てる?」

そう問われて首は横に振った。

「似てない、おかゆなんて塩味だからほら、誰が作っても同じだよ」

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最終更新日  2010年07月02日 03時43分34秒
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