BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2012年04月14日
XML
カテゴリ: 倉本くんの呟き

興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。



このマンションの窓から見える桜もやっと満開を向かえ、俺は一年ぶりの花見酒と洒落込んでいる。
満開となったとはいえ、まだ夜は肌寒い、徳利を傾けながら口にする熱燗は五臓六腑に染み渡りそんな肌寒さをかき消してくれる。しかし、こんな時欲しいのは内からの熱ではなく、隣から流れ込んでくる人肌の温もり、藤野が欲しいと思うのだけど、アイツの課は花見らしい、なんでうちの課と合同じゃなのだろうとぼやいてみても仕方が無い。
花を見ながら酒をすすり、花見を楽しんでいるとけたたましくなるチャイム、穏やかな時間を邪魔するのは誰だ、なんとなく想像は出来る。チャイムを鳴らす人物が誰かなんて確かめもしないでドアを開けると、重い荷物いや違う藤野を連れて栢山が立っている。やっぱりこいつか、ムカつきながらも二人を室内に招きいれ、経緯を尋ねると想像通りの答えが返って来て笑いそうになるのを我慢してふたりには水を出す。
「済みませんね」
そんなこと思っても居ないくせに腹が立つ、俺、大人に成れ、我慢だ。
「倉本ぉ~お酒、花見の続きしようぜ、なぁ栢山」
コップを持って下から見上げてくる表情が妙に色っぽい、こいつの無防備なこれは何時もながら罪作りだ、いや、犯罪だ。栢山さえ居なければベッドへ直行出来るのに、栢山お前家に帰れと心の中で呟いてみる。
「倉本さん、俺はここでお暇させて頂きますよ、先輩を送って来ただけですから」

「栢山、帰っちゃうの?」
「ええ、飲みすぎたのでこれ以上は、先輩は泊まるんでしょ明日は休みだしゆっくりして下さい」
何だ、何故だ、いつもなら意地でも居座る奴が何故、さっぱりわからん、もしかしたらこれは夢落ちか、酒を飲んでうたた寝してるんじゃないだろうな、俺?目が覚めたら寒空で風に吹かれてるって事は無いだろうか、などと考えているとドアが開く、振り向かずに栢山が言う。
「俺は単にあの人の希望を叶えたに過ぎませんから」
何時も上に低い声、冷静に言葉を発しているように見えるが背中からは押さえようのないあからさまな感情が向けられている。だったらお前も残ればいいのに、おかしな奴だ。ドアがばたりと閉まると奥から声がした。
「倉本ぉ~水ぅ~」
忘れてた。
キッチンに戻り、冷蔵庫から水を持ってキャップを開け、口に含むと何故という顔が返って来る。この顔が良い、顔を上向かせて口移しに水を飲ませてそのまま深く口付ける。ベルベットのような舌の感触、探りながら抱き寄せると手が腰に回ってくる。唇を離すとトロリとした目が見詰めてる。
「冷たい水が欲しい」
「ああ、やる、だけど続きしてからはダメか?」
「う~ん」

「花見しよ、酒飲みたい」
「そっか」
いいよ、お前のしたいようにする。
「じゃぁ、外に出ようか、酒は何が良い?」
「う~ん水と冷酒かな」

「ああ、分かった、準備するから先にベランダにな」
「うん」
可愛い、俺ってとことん藤野に甘い、千鳥足でベランダに向かう後姿を送り、望みの物を準備する。花見にはちょっと寒い毛布と電気ストーブが必要かな。
先に酒を運ぶと飲み残しの徳利から酒を注ぎながら先に一杯遣っている。そんなに待ち切れなかったのだろうか、既に温くなって不味いだろうにそんなに咽が渇いているのか、酒が飲みたいのか、酔っ払いのすることは分からないものだ。
「藤野、こっちの方が美味しいよ」
「そう、何時も思うけどここいいよな、ねぇ、タバコ」
こいつって、花より団子か。
「はいよ」
ポケットのタバコを渡して火を点けてやる。
テーブルに酒を置いて毛布や電気ストーブを持ってこようかとしたら手を引っ張られた。
「何処行くの?」
「寒いからな、毛布持ってこようかと思って」
「いらないから行くな」


つづく
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012年04月14日 08時14分08秒
コメント(0) | コメントを書く
[倉本くんの呟き] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: