MY THOUGHTS

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February 27, 2010
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湖山病院 20周年記念式典」に参加しました。

MEMORO「記憶の銀行」 の活動と、なにかご一緒することはできないか

ということで、今回ご招待いただいたのです。


今まで、ウィルウィンドを通じて多くの高齢者施設を訪ね、

また多くのお年寄りのお話をうかがってきました。

しかしながら、今回の式典のように

湖山病院の20年の歩みを学ばせていただき

湖山病院での介護や看護のサービスのあり方を学ばせていただき



広い視点で、高齢化社会や介護というものを考える機会はあまり持ってきませんでした。

そのような中での式典参加。多くの学びと気づきをいただきました。


まず感じたことは、

結婚2週間目から20年間に渡ってご主人のお母さまを介護されてきた

荒木由美子さんの「私と介護」という講演を通じて、

そして、その後の座談会に出席された患者様ご家族代表の方のお話を通じて、

患者様がお亡くなりになったとき、ご家族の方にどれだけ「純粋なるやりとげ感」

を感じていただけるかということが、介護サービスの本質なのではないかということです。


荒木由美子さんは介護14年目にしてお義母様を施設に入れることを決め

その後の6年間、毎日施設に通い、毎日一緒に手をつないでお散歩をし、

そして後半は毎日毎日今日が最後だという覚悟で話しかけられました。



荒木さんは涙とともに思わずガッツポーズをされたとお話されました。

「ああ、やり遂げた」と。


今回、湖山病院の患者様のご家族代表として座談会に参加された方は

入院中のご主人が15年以上の寝たきりの闘病生活を続け

そして以前から出演することが決定していたこの式典目前になって容体が悪化



周囲のみなさんが座談会はキャンセルしてもよいとお話される中、

他の家族が今はつきっきりでそばにいる上、

湖山病院のスタッフの方にまかせておけば安心だからということで

座談会をご主人がプレゼントして下さった機会だとご出席されていました。

「湖山病院になんの不満もない。本当に皆さま良くして下さって幸せです」

そう、涙を浮かべてお話になりました。


「純粋なる」という言葉を使ったのは、

結局病院や施設に入院入所することになっても

そのことに対してご家族が罪悪感を感じずにいられるような

充分な、心のこもったケアサービスが提供されているということ、

そして、ご家族が毎日でも病院に通い、一緒の時を過ごしてて、

心の面でサポートできたという

その満足感を得られるような環境を提供するということ、

さらに、患者様本人に、

可能な限りの自立自尊を感じていただけるような環境を作るということ。

それらがそろってこそ、入院入所させたご家族が、

やれることはやったという「純粋なるやり遂げ感」、「達成感」を

感じられるのではないかと思ったのです。



そして、もうひとつ、式典を通じて得た大きな収穫があります。

長いこと個人的にかかえていたもやもやが、

式典の進行に従って、ある気づきに変わったという収穫です。


私のもやもやとは、

「医療技術の進歩によって高齢化が進み、

 私たち人間が今まで経験したことのない介護や看護に直面しなければならなくなっている。

 はたして私たちはここまで寿命を延ばす必要があったのか…」

ということに対するものです。


それが、今回の式典の中で

スタッフの皆さまの心をダイレクトに感じることによって、ふと思ったのです。


高齢化社会は、多くの人に介護という職を提供し、結果、

今までにない数の人たちがいのちというものに真正面から向き合う機会を与えてくれている。

その奥深さ、素晴らしさ、尊さ、を考えたら・・・

もしかしたら私たちが自らの手によってもたらした高齢化社会は、

人間をもう一度優しくし、

そして人間がもう一度大切なことに気づけるようにと与えられた

神様からのプレゼントなのかもしれない。。。と。


若い人たちがどんどん介護業界に入っていく。

老いと向かい合う。病気と向かい合う。認知症と向かい合う。死と向かい合う。

生きるってなんだろう、いのちってなんだろう、ということに真剣に向き合う。


一昔前までは耳にしなかった「介護業界」というものができ

多くの人が、職業としていのちと向き合う時代になりました。

家族の中の一ケースを見ただけではわからないことを

もっと広い視点で見て感じていくことで、学んでいく。


優しい気持ちをもっていなければできないこと。

使命感を持っていなければできないこと。

生きることの本質にせまらなければできないこと。

それが、こんなにも多くの人たちによって成されているということ。


スタッフの皆さまの真摯でひたむきな姿勢を見て、

高齢化社会は、神様が私たちに与えてくれた

本質に立ち返るためのプレゼントなのかもしれない。。。

なんだかそんな答えがふと浮かび、心が温かくなりました。



MEMORO「記憶の銀行」とのコラボレーションはもちろんなのですが

それ以前に、多くのことを学ばせていただいた一日でした。

私が感じたことは甘く、間違っているかもしれません。

過酷な現実の中には、もっともっと知るべき大切なことがたくさんあるのだと思います。

でも式典を通じてその片鱗を見せていただいたことで、

「みんなやるじゃん」「人間やるじゃん」、そんな希望をいただきました。


もしMEMOROが関われるとしたら、患者様の自立自尊の部分かな。。と思いつつ

でもそんなおこがましいことではなくて、とにかく一人でも多くの方の記憶を

人類の財産として、次世代につなげていくためのお手伝いができたらと思っています。


素晴らしい一日にご招待いただきました湖山病院の皆さまに、

心から御礼申し上げます。























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Last updated  March 4, 2010 04:22:13 PM コメントを書く


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