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以下は 当教室
の今月号のメルマガに、私が投稿した教育コラムです。
よろしければお読み下さい。
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『学校:School』
とにかく教育を変えたい、学校を再生したいということでしょう。安倍総理大臣が登場して、 教育再生会議
というものができて以来、教育問題に関して、実にいろいろな動きがあります。
確かに昨年の未履修の問題やいじめの問題など、教育界にはどこから手を付ければ良いのかというほど、まだまだ多くの課題が山積みです。
つい先日も教育再生関連の三法案が可決されました。これによって、学校の先生たちの免許が更新制になり、指導力不足の教員を排除するというのですが、これとてどう運用されるのか、まだ何も解決されていません。
いったい 『学校』 というものに何を求めるのでしょう。理想の学校というのは生徒ひとりひとり、また保護者によってもさまざまでしょうから、みなが納得するような学校像を描くのはひどく難しいと思わざるを得ません。
そもそも学校って何。たまにはそんなところまで考えてみましょう。
学校は英語で school。この言葉の語源は、ギリシャ語の "ひま、余暇" です。そう、学校(school) というのはもともと暇な人たちが集まるところでした。日々、宿題や部活動に追われている生徒には意外でしょう。
古代ギリシャで、仕事をせずに学問ができるのは生活に余裕のある人々しかいません。そういう人々が余暇を利用して教養を身につけるためにできたのが school:学校です。
(余談ですが...、そうなると、時々、生徒たちが、塾で出された宿題ができなかった言い訳に使う、"学校の方が忙しくて..." というのは言葉の矛盾ですね(笑)。学校は暇な人が行く所ですから。)
さて、日本でも江戸時代から寺子屋はあったものの、今のように誰でも学校に行けるようになったのは、実は比較的最近のことです。われわれの一世代前、つまり生徒たちのおじいちゃん、おばあちゃんの世代は、家の仕事の手伝いがあるために学校へ行きたくても行けない子供は日本にもたくさんいました。
そういう意味では、現代の生徒たちは、仕事から解放されて学校に行けるだけで恵まれているのですが、では、その余暇を使って、学校で何をするのでしょうか。
今度は日本語の 『学校』 という言葉を見てみましょう。 『学』 はもちろん"まなぶ"こと。そして、"まなぶ" の元の意味は、 "まねぶ"、 つまり "マネをする" ことです。『校』 は "交" という字が示すように、人々が交わるところ。つまり、教える、学ぶ(まねる)の交流の場が学校です。
学習の 『習』 という字も "手本通りにすること" ですから、『学習』 というのは徹頭徹尾、人のものまねをするということ。それによって知識を身に付けるのが学習の目的です。
そうなると学校の先生と生徒の関係が実にわかりやすくなります。生徒たちは "先生のまねをするため" に学校に来る。そのお手本となるべき人たちがいなければ学校は、本来の学校ではなくなるということです。
日々の生活の中で、親が子の手本にならなければならないように、学校の先生方も生徒たちが 『学習』 したくなる手本でなければならない、そういう重い使命が課せられていることがわかります。そのために、みんなの税金でできているのが 『学校』 というものです。
難しい法律や複雑な教育のしくみが次々にできますが、やはりその根本にあるのは、『先生』 であると思います。優秀な若者が "教師になりたい" と思うような改革であること、そして "先生のようになりたい" と思う生徒がたくさん生まれる改革であることを願ってやみません。
◎"先生"というのは単に "先"に"生"まれただけでは務まらないんですね(笑)。もちろん、塾の先生である我々の自戒を込めて...。
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