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■2007年12月~2008年2月:時事予想問題■ 後期の期末・3学期末のテスト対策!何度でもいうけれど、特に中学生、定期テストは本番の入試のつもりで!Here We Go! ■■■1.薬物中毒を引き起こした中国の冷凍食品は?2.暫定税率の廃止をめぐり、もめているものは?3.オリンピック予選の再試合が行われ、男女とも韓国に敗北したスポーツは?4.アメリカ大統領選挙で民主党の指名をヒラリー=クリントンと争っている候補者は?5.ジュリアーニの選挙戦撤退を受け、アメリカ大統領選挙で共和党の本命になった候補者?6.当選したばかりの大阪府知事になる弁護士は?7.自動販売機でたばこを買うときに必要となる成人識別 ICカードの名前は?8.1月27日に死去したスハルト元大統領の国は?9.12月27日に元首相であったブット氏が暗殺された国は?10.箱根駅伝で総合優勝した大学は?11.2007年の世相を表す漢字に選ばれたのは? 12.マッサージチェアやカラオケセットなど、税金の無駄遣いが指摘されるのは○○特定財源13.志布志事件に対する発言で物議を醸した法務大臣は?14.EUに加盟しているキプロスとマルタも新たに使うことに決めた欧州単一通貨は?15.血液製剤による肝炎の感染症被害者に給付金を支給する薬害○○肝炎被害者救済法が成立16.インド洋で自衛隊が給油活動を再開するための新○○対策特別措置法が成立17.アメリカ大統領選挙の序盤戦で党の候補者を決めるための予備選挙が数多く行なわれる2月5日の火曜日を何と呼ぶか?18.松下電器産業の新しい社名は?19.ラジオの深夜番組での発言が問題となり現在活動を休止している歌手は?20.韓国の新大統領は?■■■さぁ、どうでしょうか。どれだけ当てることができるでしょうか。学校の社会の先生の性格まで読まなければならないので(笑)、毎回パーフェクトを目指しているんですが、なかなか難しい。いつもに比べれば、割と今回は易しそうで、キリ良く20問にしておきましたが、最近になって、イージス艦「あたご」と漁船の衝突、沖縄の米軍兵士による不祥事、岩国の市長選など、防衛とからんだ問題が続出しているので、要マーク。あとは成人年齢18歳とか、ちょっと難しいところで、キューバのカストロ議長やDVDの規格争い、ヤフーを買収しようとしたマイクロソフトとか、コソボ独立あたりかな。たくさん当たりますように! 当教室の生徒諸君は、きちんと答えを持ってくること!いいね。http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 塾講師も大募集中です! お気軽にお問い合わせ下さい。 mail:info@tokkun.net 東京の 代々木教室(03-3370-4440)横浜市都筑区にある中川教室(045-912-0092)http://tokkun.net 【当教室HP】解答1.餃子(ギョウザ) 2.ガソリン 3.ハンドボール 4.オバマ 5.マケイン 6.橋下徹 7.タスポ 8.インドネシア 9.パキスタン 10.駒澤大学 11.偽 12.道路 13.鳩山邦夫 14.ユーロ 15.C型 16.テロ 17.スーパーチューズディ 18.パナソニック株式会社 19.倖田來未 20.李明博(イミョンバク)
2008.02.29
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久しぶりに英語関連書籍の紹介です。自分が英文法を学んだり教えたりする上で、参考にしてきた本は数多くありますが、本書の著者、中川信雄氏の著作はすべて、中でも本書は今でも時々参考にするほど役立っています。"英語の文法はおもしろい" という高校生が本書を読んでくれれば、学校の先生が説明してくれないようなことや、新しい知識がたくさん出ていて、刺激的な一冊になるのは間違えないでしょう。ところが、"英文法好きな高校生" など、今や絶滅危惧種ですし、本書は非常にわかりやすく書かれているというものの、やはり基本文法が理解できた上のレベルですから、生徒向けというよりも、やはり学校の先生や塾講師の方にお薦めでしょうね。時々、センスの良い生徒から、文法書に出ていないような、ドキッとさせられるような質問をされることがありませんか。本書にはそんな質問がたくさん出てきますし、逆にこちらから話題として投げかけるに適した内容も多く含まれ、授業で役立つ知識が得られます。目次は以下の通りです。1 「こんなときどう言う?」-その微妙な言い方の違い(「すみませんが」の使い分け;きちんと謝るには ほか)2 「あるのか、ないのか」-その小さな違いが大違い("A Happy New Year"は正しいか;「名詞」は取り扱い注意! ほか)3 「知ってるつもりで勘違い」-よく使うそのことばの微妙な違い(bigとlargeの微妙な違い;littleとsmallの微妙な違い ほか)4 「それって一体何の話?」-その文法の微妙な使い分け(be動詞の本当の意味は;受け身にできない文とは ほか) 残念ながら、この目次だけでは本書の魅力はとうてい伝わりません。要するに今まで何とも思わなかったこと、あるいは単に暗記するように言われた(指示していた)ことの裏には、やはりある程度の法則があることなどを教えてくれます。私も自分の授業では、本書からの話題をいくつも借用しました。特に英語に関心のある生徒や英語が得意だと思っている生徒に提供する話題として最適ではないでしょうか。項目別になっているので使いやすいのも大きな利点です。機会があればぜひ手にとっていただきたい、お薦めの一冊です。英文法 その微妙な違いがわからない!?-どこかおかしい、でもなぜかわからなかった101の疑問 (英文法がわからない!?)中川 信雄研究社出版詳細を見るhttp://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 塾講師も大募集中です! お気軽にお問い合わせ下さい。 mail:info@tokkun.net 東京の 代々木教室(03-3370-4440)横浜市都筑区にある中川教室(045-912-0092)
2008.02.28
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■2007年10・11月 時事予想問題■ そろそろ後期の中間・2学期の期末テスト。何度でもいうけれど、特に中学生、定期テストは本番の入試のつもりで臨もう!Here We Go!1・ 民衆デモを弾圧した東南アジアの軍事政権の国は? 2・ 1で軟禁されている民主活動家は? 3・ 現在の日本の首相は? 4・ 連立問題で辞任を撤回した民主党党首は? 5・ 14日にマグニチュード7.7の大地震に見舞われた国は? 6・ 大リーグレッドソックスの本拠地は? 7・ 解約時のトラブルが相次いでいた英会話学校は? 8・ 7が適用を申請した法律は? 9・ 比内地鶏はどこの特産? 10・ 食品偽装事件を起こした企業は? 11・ 薬害で、製薬会社が情報を隠蔽していた問題は? 12・ 10月1日に民営化して再スタートしたのは? 13・ 24年ぶりに値上げされた食品は? 14・ ゴア元副大統領(アメリカ)が受賞した賞は? 15・ インド洋での海上自衛隊の給油活動継続のため、新○○対策特別措置法が審議中。 16・ 10月下旬日本人が誘拐された国は? 17・ 防衛省に備品を納入する会社で問題となった専門商社は? 18・ 17で問題となった守屋前次官に関する問題は? 19・ アメリカで問題となった信用力が低い消費者層に対する融資は? 20・ はじめて民間(三菱)に打ち上げ委託された月周回衛星の名は? 21・ 6年前に多国籍軍に倒されたタリバンが勢力を復活させてきている国は? 22・ ムシャラフ大統領とブット元首相が対立している国は? 23・ 人間の皮膚から「万能細胞」を作り出すことに成功した大学は? 24・ 「麒麟・田村のせつな面白い貧乏生活がついに小説に! 中学生時代の田村少年が、ある日突然住む家を無くし、近所の公園に一人住むようになる超リアルストーリー。ダンボールで飢えを凌ぎ、ハトのエサであるパンくずを拾い集めた幼き日々から、いつも遠くで見守ってくれていた母へ想いが詰まった、笑えて泣ける貧乏自叙伝。」 これは何の本の紹介文? 25・ ロッテ小林雅英が移籍を決めたメジャー球団は? 当教室の生徒諸君は、きちんと答えを持ってくること!いいね。よろしければ、応援の1クリックしていただけるとありがたいです。⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】解答(1・ミャンマー 2・ アウンサン=スーチー 3・福田康夫(91代) 4・小沢一郎 5・チリ 6・ボストン 7・NOVA 8・会社更生法 9・秋田県 10・ミートホープ(苫小牧)、白い恋人(札幌)、赤福(伊勢)、吉兆(大阪) など 11・C型肝炎訴訟 12・日本郵便 13・食パン 14・ノーベル平和賞 15・テロ 16・イラン 17・山田洋行 18・過剰接待 19・サブプライムローン 20・かぐや 21・アフガニスタン 22・パキスタン 23・京都大学 24・ホームレス中学生 25・ インディアンス)(前回分はこちら ⇒ 2007年7~9月時事問題)Homeへ
2007.11.27
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↓の記事のコラムでも取り上げました、当教室の国語講師、吉野秀先生の新刊が発売されましたので、ご紹介しましょう。発売早々に増刷が決まったようで、すばらしいですね。つい先日は日本経済新聞の一面にも広告が出ておりましたので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。(久々の更新なのに、身内の宣伝をするようで気が引けるのですが...、すみません)■目次は以下のとおりです。蔓延する「いちゃもん化社会」クレーマー「悪魔の手口」解体白書ケチをつける人、つけられる人コンセプトワーク-現状把握と「8つの不」の解消観察力と聴察力-相手の言葉でストーリーを読むいちゃもんに立ち向かうための準備と攻略法 総集編 確かに、ギスギスした世の中になっているのかもしれません。そもそも "claimer" (クレーマー) という言葉が、定着しつつあるのは驚きました。■■■ところで、大学入試では、claimer ではなく、動詞の claim が重要単語です。普段は、やはり、"文句を言う" あるいは "いちゃもんをつける" という意味で使っていますから、生徒諸君は間違えてしまう人が多いのですが、正しい意味は "(権利などを)主張する" ですね。注意してくださいよ!受験生は同じ語源の proclaim と exclaim が基本単語。続けて reclaim acclaim さらに、clamor まで覚えておけば、万全です。ガンバレ!受験生!■■■さて、空きはわずかですが、吉野先生の授業は代々木教室で受けられます。私、VIVAの英語の授業もよろしければぜひ...。冬期講習でお会いしましょう! 同時に一緒に働いていただける講師も大募集中です! お気軽にお問い合わせ下さい。東京の 代々木教室 (03-3370-4440)横浜市都筑区にある中川教室 (045-912-0092)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)m⇒ クレーマー・シンドローム-「いちゃもん化社会」を生き抜く交渉術 (サンガ新書 17)吉野 秀サンガ詳細を見る Homeへ
2007.11.26
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当教室の吉野秀先生のコラムが 読売新聞 に掲載されましたので、ご紹介しましょう。"クレーム対応上手は「文句をつける」のも上手い" 世間では多かれ少なかれ、トラブルやアクシデントは起こりがち。ちょっとしたミスでも対応を一つ誤ると、たちまち火の手は大きくなる。最近は学校へ無理難題を吹っかけるモンスター・ペアレント、ネット上で特定人物を攻撃するビット・ヒッターなる輩も登場。いちゃもんや言いがかり、ケチつけの広がりで深刻なトラブル社会へ突入した感が強い。 トラ(虎)とブルドッグ(犬)がぶつかった分には事故で済むが、トラックとブルドーザーの衝突ではまぎれもなく事件。世知辛いと言うのは簡単だが、こうした現実に回避・防衛策が不可欠になったのは間違いないだろう。 ビジネス人にとって、問題解決能力の習得と向上は従来の課題。いちゃもん社会の進行で、さらにその必要性と意義は密度を濃くしている。危機管理の一環として、マネージャー・クラスに強く求められるもので、「平時の●●君より、緊急・非常時の▼▼君」と大手総合商社のトップは話す。 普段そつなく仕事をこなす人材(もちろん悪いわけではないが)を傍目に、混乱した場面などのここぞという時に十分に能力を発揮し、会社へ貢献していくタイプを評価する点をこの発言は意味する。トラブル対応・処理は重要な柱で、遅い・下手・逃げちまう族に一流と呼ばれる仕事人はまずいない。抗議や苦情、申し入れを的確で迅速に処理できる人は、大半のケースで「文句上手」である。腹が立っている時はつい感情が先走り、延々と怒りの声をぶつけたり、相手の言葉尻をつかまえて不毛なやりとりに陥りがち。 ひどい場合、論点からずれた説教をかますツワモノさえいる。蒙った被害に対して、文句上手は少しでも早く回復・代替させることを決してぶらさずに、相手がどう出てこようと打ち返せるシナリオを持っている。配慮こそするが遠慮はしない毅然とした態度を貫く。相手にしてみれば、冷静に突き進んで来られるので納得せざるを得ないわけだ。 文句上手はクレーム対応・処理にこのノウハウを最大限にいかす。抗議者が何を今求め、いつまでに・誰に・何を・どうして欲しいかを最短距離でつかみ、ここでも建設的なシナリオを編み上げる。 前出の商社トップは「クレーム対応上手は相手の不満や不安、不便をすぐに引き出す術に長けている。ビジネスの基本も同じで、これらを解消するモノ・サービスを商材にすれば失敗はないはず」と分析する。 クレームをてきぱきとかたづけ、それを仕事のヒントや糧に変える--、一見したたかだが、たくましさと創造性を持ち合わせてこそ一流への道が開ける。面倒くさい、やっかい、無理難題と端から決め付けた瞬間にクレーマーだけではなく、冷徹な上司など悪魔たちが再びささやき始める......。■■■■■■■■■■ところで、空きはわずかですが、吉野先生の授業は代々木教室で受けられます。私、VIVAの英語の授業もよろしければぜひ...。 同時に一緒に働いていただける講師も大募集中です! お気軽にお問い合わせ下さい。東京の代々木教室 (03-3370-4440)横浜市都筑区にある中川教室 (045-912-0092)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)m⇒ できる人の「書きかた」「話しかた」 伝えたいことを確実に伝える表現力 [ソフトバンク新書]ソフトバンク クリエイティブ詳細を見る ←今月25日発売!HOMEへ
2007.10.22
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北方謙三氏の 『不良の木』 を昨年の秋にブログでご紹介しました。確かに大変おもしろかったのですが、"もう少し、主人公が、スーパーマン的ではないハードボイルドの作品でお薦めがありませんか" と言って、教えていただいた一冊です。(やまちゃんさん、ありがとうございました)さっそく購入して、読んで、感動し、何としても昨秋の間に記事をUPしようと決めていたのに、ついつい今年の秋になってしまいました。別にいつご紹介しても良い、すばらしい作品だと思うのですが、結局、去年の秋と今年の秋、二度読みました(笑)。やっぱり良かったです。主人公は私立探偵のスペンサーという男です。あるお金持ちの婦人から、夫が連れ去ってしまった15歳になる自分の息子を取り返して欲しいと依頼されるところから物語が始まります。仕事を引き受け、難なく子どもをつれてもどりましたが、子どもの様子などから、どうも複雑な事情がありそうだとわかります。しばらくして、同じ母親から、今度は父親が子どもを強引に連れ返そうとするので、住み込みで二人を守って欲しいと懇願され、その仕事も引き受けます。二人と同居してみて、その子どもは結局は、父親からも母親からもまったく愛されておらず、ただの取引の材料に使われていることがわかります。すでにその時、その15歳の少年は、他人はもちろん、親や周囲の人間、そして自分の将来にすらまったく興味を示さず、めったに自分の部屋からも出てこないような生活を送っていました。周囲の大人たちによってそんな風になってしまった少年を、スペンサーが立ち直らせようとする物語です。裏の社会と通じつつ、悪事を働き金儲けに明け暮れる父親と、子どもを放っておいて自分の安易な欲望だけを満たそうとする母親。あることをきっかけに、まず、その二人から少年を引き離し、スペンサーは少年と二人で、自分の恋人の持っている別荘で生活を始めます。そこから展開されるスペンサー流の教育が非常に興味深く、また少年が徐々に心を開き自立していこうとする姿がすがすがしいです。ハードボイルドらしく、その途中には、少年を連れて、殺し屋と戦ったり、盗みに入ったりするのですが、どれも印象的なできごとで、荒唐無稽なところはまったくなく、ドキドキしながら読めると思います。多くの人にお薦めできる一冊だと思います。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。できるだけがんばりますので、よろしくお願いします。m(__)m⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫-スペンサー・シリーズ)ロバート・B. パーカー,菊池 光,ロバート・B.パーカー早川書房詳細を見るHOMEへ
2007.10.19
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さまざまな場面での会話、言葉遣いなど、自分はいつもどのくらい気を配っているでしょうか。あらためて聞かれるとどう答えたら良いのでしょうか。一応、言葉には気を使っているつもりでもあるようで、気軽に話すことも始終ありますから。もちろん面接試験や何かのスピーチをしたり、原稿を書いたりする時などは、誰でも最大限に言葉遣いに慎重になるでしょうが、本書では常にその気持ちを維持すべきだと主張します。私も言葉の大切さはどれだけ強調してもし過ぎることはないと信じておりますが、筆者のように、普段の会話から、それを意識的に、友人はもちろん夫婦や家族であっても相手の気持ちを推し測り、言葉を選んで話すということは、そう簡単に実践できるものではないでしょう。言葉や会話が生き方そのものだというレベルにまで意識を高めているとでも申し上げれば良いのでしょうか。ただし、単に "人の気分を害さないために" 言葉に気を付けようとか、口は災いの元だからね、というような生やさしいことではありません。題名が示すとおり、意図的に "悪" であっても、すべての会話を意識して行うべきであるという意見です。ですからお世辞の使い方から、悪口の言い方、挨拶の意味、うわさの流し方などなど、すべて会話には常に意識を集中し緊張して当たれと説いています。こういう主張は初めて耳にしました。目次をご紹介しましょう。対話とその悪お世辞について悪口について虚偽と韜晦礼儀と挨拶敬語について社交と立場紹介と自己多弁と無言観察と刺激焦りと緊張話題について結び-言葉の快と悪と 人と真正面から向き合えない、携帯電話を手放せない若者たちに対しても対話の意味、そして人生における対話の意味を説きます。悪口、お世辞などの実例が載っていて楽しく読めますが、賛同できるかどうか、読者によってかなり意見が分かれるかもしれません。私も言葉は大切だと思っていても、いつも長電話をするとか、おしゃべりが大好きという性質ではないので、正直、会話がついつい面倒くさいと思うことがあります。が、それを筆者はたしなめます。みなさんはどうなんでしょう。ひとつ、挨拶に関して、私がいつも生徒たちに言っているのと同じような一節があってびっくりしました。この部分は思わずひざを打ちました。『男の子であれば、挨拶がきちんとできて、時間を守ればそれだけで何とか生きてゆける』 というものですが、どうでしょう(笑)。P.S. このブログでは以前に、福田氏の 『魂の昭和史』 と 『総理の値打ち』 を取り上げました。よろしければご覧下さい。それにしても氏の著作はどれも刺激的です。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。できるだけがんばりますので、よろしくお願いします。m(__)m⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】悪の対話術 (講談社現代新書)福田 和也講談社詳細を見るHOMEへ
2007.10.11
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韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領と北朝鮮の金正日総書記が首脳会談を行いましたね。金大中前大統領の訪朝時のような、"歴史的" というほどのインパクトはありませんが、それでも気になります。どうも、報道を見ていますと、相変わらず外交交渉は北朝鮮ペースで進んだ印象で、韓国は大規模な経済援助などを約束したようです。日本から見ているとなかなか理解できないのですが、韓国人拉致については話題にもならないそうですね。本書はそうした日本人にはわかりにくい韓国の政治状況を含め、朝鮮半島全体を知る参考になると思います。北朝鮮国民の窮状を訴えた前著に続き、それを支援する命がけの活動などを紹介し、いっそう国際世論を盛り上げ、中国、韓国、日本の政府にプレッシャーをかけたいという意図で書かれています。氏がどのように北朝鮮内の最新情報を得ているかということなども詳らかにされています。 フォラツェン氏らの活動が徐々に実を結び効果を上げたため、新しい問題が出てきているというのです。それはNGOなどの援助がない脱北者たちが、簡単に中国、韓国に行けると思い込み、周到な準備もせずに大使館などに抗議をし、次々と捕らえられているというのです。また、規模が大きくなったために脱北者に北の諜報員が紛れ込んでいるケースも増えてきた。その上脱北に関する情報提供に対する賞金を中国が大幅に吊り上げてしまって、一般人からの通報が激増し、警官に捕らえられる脱北者が急増しているのだそうです。捕まったら最後、送り返され処刑を覚悟しなければならないことは言うまでもありません。 また、太陽政策をとってきた金大中前韓国大統領を厳しく批判しています。太陽政策は単純な人道主義ではなく、金でノーベル平和賞を買い、北に途方もない額の資金を提供して独裁国家を援助したという見方です。もしそうしたことが真相だとすれば、フォラツェン氏は、韓国政府にとっては邪魔な存在そのものですね。氏は中国にはすでに入国できず、韓国では始終様々な組織につけまわされ、警官と殴り合いになったり、家族まで危険にさらしながら活動しています。それにもかかわらず、本書では、中国に北朝鮮との国境を開かせ、金正日体制を倒すまで戦うことを何度も言明しています。この本の印税もきっと活動に使われるはずです。前著は、以前取り上げました。よろしければご覧下さい。 ⇒ 『北朝鮮を知りすぎた医者』P.S. 以前にも書きましたが、実は、北朝鮮から帰国された5人の拉致被害者の中のお一人と、私の教え子のお母さんは幼なじみでした。そのお母さんは、北朝鮮が拉致を認め、ご自分の友人の名がテレビで告げられた時、震えていたそうです。5人の帰国後、すぐに連絡を取り、何度かお会いになり、頻繁に電話もされていたそうですが、私の教え子も『受験勉強頑張って』と励まされ、プレゼントまでいただいたそうです。ご自分の筆舌に尽くしがたい多難を嘆くどころか、何不自由ない友人の子どもにまで気配りをするということに深く感動しました。そういう善良な市民の拉致をあいまいにしようとする勢力が北朝鮮以外にもありそうで、とても許せません。http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)mだいぶ下がってしまいました。トホホ...。⇒ 北朝鮮を知りすぎた医者 脱北難民支援記ノルベルト・フォラツェン,平野 卿子草思社詳細を見るHOMEへ
2007.10.08
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文部科学大臣をころころ代えてしまった小泉元首相から、教育問題にやたら熱心な安倍前首相、そして、現在、福田首相の誕生となりましたね。いったいどういう教育観をお持ちなのでしょうか。昨日、所信表明演説をしたそうですが...、今日にでも原稿をチェックしてみましょう。いずれにしろ、新聞報道などを追っていますと、ここのところずっと 「ゆとり教育」 と決別する方向性は確かですね。ただし教育予算が増えるのは不明ですね。さて、本書は、易しい内容とは申し上げられませんが、教育問題に関心のある方には、大変示唆に富む一冊だと思います。文部科学省が打ち出す指導要領をはじめとするさまざまな施策、それらが現実の社会の流れの中でどう生まれてきたか、本当にこれからの社会は今の教育政策でよいのかなどを検討しています。 正直、"個性浪費" という抽象的な言葉に魅力を感じ、気軽に手にとってみたものの、ポストモダンなどの現代思想というか、社会学とのかかわりで教育や世間が論じられており、意表をつかれました。ところどころ整理するために読み返さなければなりませんでしたが、こういう論点は私には非常に新鮮に感じられ、おもしろかったです。 個性浪費社会という言葉を説明するのはとても難しいのですが、社会のマクドナルド化(アメリカの社会学者の造語)が進み、皆が感情を抑えて、マニュアル通りの対応をするようになり、顧客の側の対応までも計算され尽くしています。そういう社会では、人をかつてのように地位や所得で判断するのではなく、表層的な個性に囚われて判断するようになるわけです。つまり、本来豊かな人間性を表すはずだった 『個性』 が今や、競争に残るための道具と化し、アイドルの低年齢化などはその顕著な例である。 そんな感じでしょうか。そういう次々と新しい個性を生み出しては、消えていく社会のことを個性浪費社会といっているのだと思います。その変貌し続ける社会と教育行政を論じています。目次を紹介しておきます。第1章 世紀末学力論争の構図(日本教育史の流れからみた「ゆとり改革」;これまでの能力主義を回復すべきなのか-近代能力主義派の議論 ほか)第2章 近代能力主義(モダン・メリットクラシー)の歴史としくみ(学校と社会の接続のしかた;初めから全国標準化された日本の学校系統 ほか)第3章 バブルと「新たなこころの発見」-ゆとり(脱近代カリキュラム)改革の経過(臨教審(一九八四~八七年)の逆ベクトル改革教育的価値のコペルニクス的転換 ほか)第4章 文部行政の宮廷革命-ゆとり改革と脱近代能力主義の政治力学(すべてのはじまりの臨教審(一九八四~八七年)バブル教育政策を支えたポストモダニズム官僚・学者たち ほか)第5章 脱近代能力主義(ポストモダン・メリットクラシー)の近未来(資本主義のフロンティア-地理的外延から「こころ」へ;国際能力主義(グローバル・メリットクラシー)の成長 ほか) "ゆとり教育" なるものに私も反対ですし、多くの論者がさまざまな観点から分析を加えて、教育行政の転換を求めてきました。拙ブログでもいくつもそういう書籍を取り上げました。本書の筆者は、さらにもう一歩引いた視点から、なぜみなが反対するような文部行政がまかり通ってしまうのかというところまで掘り下げています。私は教育学部の出身ではありませんから、教育史的な流れ、社会学的分析がよけいに新鮮で、何回か読み返しました。読みやすい本ではないので、生徒などに薦めるかどうかはさておき、個人としてはさらに岩木氏の著作を読んでみたいと思いました。http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)m⇒ ←おかげさまで久々に1位に返り咲きました。m(__)m ゆとり教育から個性浪費社会へ岩木 秀夫筑摩書房詳細を見るHOMEへ
2007.10.02
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しばらく前のことですが、ある新聞の書評欄で、本書に関して 「とうとう新堂氏がやってくれた!」のように絶賛されていたので読んでみました。新藤冬樹さんという方の作品ははじめて読みました。何も知らずに読んだのですが、何とヤミ金融の世界でのし上がろうとする二人の男の物語でした...。炎と氷は二人の人間の比喩。どんな相手であれ、金のためなら力ずくで、命知らずの戦いをいどんで屈服させようとする "炎" のような男、世羅。 一方 "氷" の方は、中学時代に世羅を、機転を利かせたしかけで暴走族から救ったことのある冷静な男、若瀬。この親友二人が九州で作った金を元手に東京で別々にヤミ金を始めます。 拙ブログでも、『武富士サラ金の帝王(溝口敦)』 を取り上げたことがありますが、本書も想像を絶する、めちゃくちゃな世界が描かれています。新藤氏はこれを丹念に取材をして書いたのか、想像上のことなのか...。実際、随分前になりますが、ご記憶でしょうか、日栄というサラ金の会社が厳しい取立てで 「肝臓売れや!」 などという脅し文句の録音テープがテレビなどで流されました。本書ではそれはまだまだ序の口。下世話な言葉で言えば、"サラ金ならまだしも、ヤミ金はまじでヤバい"。痛切に感じます。自分達にとってじゃまな相手が女性であろうと、子どもや老人であろうと容赦せず、それぞれの "シマ" で順調に活動を続け、業績を伸ばしますが、やがて彼らよりずっと規模の大きいヤミの世界が黙っていられなくなります。入り組んだ事件や闇の世界とのつながりから、とうとう親友であった二人の利害が衝突する事件が起こります。縄張り争いが衝突を招いた結果です。 まぁ、あらん限りの乱暴な言葉遣いや、凄惨なシーンが数多くありますので、高校生以下にはとてもおすすめできませんが、読めばヤミ金にはどんなに困っても近付かないという教訓は得られるでしょう。さまざまなトリックもあり、展開もおもしろく、500ページ近い大作ですが、飽きることなく読んでしまいました。後から知ったのですがファンからは 「新堂ワールド」 と呼ばれているそうですが、私も正直、どっぷりとつかってしまいました(笑)。 http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)m⇒ ←おかげさまで久々に1位に返り咲きました。m(__)m炎と氷新堂 冬樹祥伝社詳細を見るHOMEへ
2007.09.27
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おかげさまで、 50万HIT です ←にあるカウンターが50万を越えました!さっき気付いたら50万HITでした!ありがとうございます。夏休み以降、頻繁に記事をUPできておりませんが、それでも何とか3ヶ月ほどで10万HITを加算し、50万に届きました。いつもコメントで励ましてくださるブログ仲間のみなさん、また、コメントせずとも、定期的に訪れてくださるみなさま、心より御礼申し上げます。なかなか、みなさまのブログにおじゃましてコメントする時間が取れないのが大変心苦しいのですが、見捨てずにご覧いただき、ありがとうございます。もちろん毎日読書をし、実はご紹介したい書籍は山積みなのですが、みなさんに何とか読んでいただけるような記事にする余裕がないというのが本音です。すみません。これからも、ペースアップを目指しつつ、少しでも生徒、ご父母に参考になるような書籍を取り上げられるよう続けてまいります。一日、1000HITに届かない日が続いておりますが、何とか、60万ヒットが年内にできますように...。これからもよろしくお願い申し上げます。■■■ ランキング ■■■わずらわしいとは存じますが、一生懸命がんばりますのでできましたら、応援よろしくお願いします。m(__)m↓にほんブログ村 本ブログ 人気blogランキングへ たまには当教室のHPものぞいてみて下さい。(#^.^#) ↓ ↓ ↓http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】*本記事はGooブログの写しです。 Homeへ
2007.09.25
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山口県光市で99年に起きた母子殺害事件の裁判のニュース、夫の本村洋氏の映像を見るたびに何ともいえない気分にさせられます。殺人という犯罪自体も許せないものですが、その後の被害者の家族とその生活を考えると本当に心が痛みます。特にこの事件は残虐極まりなく、犯人は死刑に相当すると思うのですが、みなさんはどんな感想をお持ちなんでしょうか。オウムの事件も同様ですが、死刑に反対する弁護士の方々が多いということなんでしょうね。光市の事件のことが報道されるたびに思い出すのが本書です。2002年にアメリカで最も読まれた小説で、書き出しは次のようなものです。『わたしはスージー・サーモン。魚と同じ名前よ。一九七三年十二月六日に殺されたとき、まだ一四歳だった。』 14歳で知り合いの男から暴行を受け、その場で殺されてしまった主人公スージーサーモンが、天国に行き、そこから自分の死後の世界を見つめ、家族、友人の幸福を祈りながら、みんなの成長や状況の進展を見守るというスタイルで進んでいきます。 事件後、スージーの父親は犯人と思われる男の捜査に夢中になり、変人扱いされてしまいます。母親はやがて家庭の重苦しさに耐えられずに家を出てしまいます。こうして、何も罪のなかった少女の家族がばらばらになりそうな中で、スージーの妹、弟や友人達が、スージーに様々な思いを抱きながら、それぞれ成長を遂げていく姿が感動的に描かれています。 喪失感をともなったまま生きてゆかねばならない人、時の経過とともに変わってしまう人の心が14歳スージーの優しい言葉で綴られています。450ページほどにもなる長編ですが、中学生、高校生なら夢中で読んでしまうのではないでしょうか。なんと、著者自身も大学生の時、性犯罪の被害者となり、心に大きな傷を負っているという事実。そこから生まれた美しくも重い物語です。 ●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。できるだけがんばりますので、よろしくお願いします。m(__)m⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】ラブリー・ボーンアリス・シーボルド,片山 奈緒美アーティストハウス詳細を見る Homeへ
2007.09.22
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"オレ的にはアグリーできかねるんだよね" と表紙にも書いてあります。こんな言葉使っている人、職場にいますか(笑)?少なくとも私の知っている塾講師にはさすがにいませんが、オトナ語は 「ほぼ日刊イトイ新聞」 の人気コーナーだそうですから、やはり、"いるいるこういう人" という感覚があるんでしょう。本書は、その人気コーナーをまとめたものです。何かの書評に、抱腹絶倒、絶対おもしろいと書いてあったので、読んでみました。そうですね、"とても塾講師的にはリコメンドできかねるんですが(ごめんなさい)"、 ペラペラめくっている分には楽しく読んだ、そんな感想です。確かに、大人独特の言葉というのはありますよね。高校生や大学生がアルバイトなんかしてみると、いきなり出くわす表現です。それらを取り上げて解説している本です。「なるはや」 「午後イチ」 「ペンディング」 などは基礎だそうですよ。それぞれに意味や使い方がユーモラスに書かれています。例えば 『お世話になっております』というオトナ語に関してはこんな説明が。"オトナの世界はこのひと言より始まる。いわば「お世話になっております」は大人の世界における万物の始まりといっていい。使い方の基礎を述べるとすると、とにかく、開口一番、あっという間にそう述べるべきだ。「お世話になっております」そう、たとえあなたがまるでお世話になってなくても。「お世話になっております」 むしろオレがおまえをお世話しているのだと思っても。「お世話になっております」あなたと私は絶対に初対面であるけれど。「お世話になっております」 たとえ先方の電話に出たのがベッカムだとしても。「お世話になっております」 たとえメールを送る相手がローマ法王だったとしても。「お世話になっております!」 "写すの疲れた(笑)。いかがです?一つだけこうして読んでいる分にはおもしろいんですが、ずっと続くとちょっとね。興味がわいた方だけ(笑)、どうぞ!●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。できるだけがんばりますので、よろしくお願いします。m(__)m⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 オトナ語の謎。 (ほぼ日ブックス)糸井 重里東京糸井重里事務所詳細を見るHomeへ
2007.09.20
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当教室の吉野秀先生のコラムが 読売新聞 に掲載されましたので、ご紹介しましょう。私も何度か似たような経験がありますね~。つらいつらい(笑)。 どうぞ!■■■■■ 過去にすがりつくのは現在・未来を侵害すること ■■■■■約10年ぶりに知人から自宅へ電話があった。この人には社会人になった当時(22年前)、大変お世話になり、現在の私へいたる礎を築いてくれたと言っても過言ではない。「近くにいるので、会えないだろうか」。私としては懐かしさ、そして感謝の意もあって、即座にOKした。待ち合わせの場所へ着いたら電話してくれることになったので、取るものも取りあえずすっ飛んでいった。 昔話に花が咲く。久しぶりに会った場面の一般的パターンだが、こちらから切り出す話を次から次へとさえぎる。会ってから約30分後、とうとう知人はしびれを切らしたように話し始めた。 「今、こういう新しい事業に関わっている。それを立ち上げるためには、資金が2000~3000万円足りない。エンジェル(善意ある出資者)を紹介してもらえないか」。 それまで、知り合いに著名人がいるとか、私の実家は裕福だなどと自慢の限りを尽くしていたのが嘘のようなびっくり発言。さらにこう続けた。「私は今まで他人に頭を下げたことはないけれど、今回は相当の気持ちで臨んでいる」。 昔の恩義を振りかざされる 「ある種の危機」 を感じた私は、適当なところでその日を切り上げた。翌日、「昨日の資料を渡したい」と言うので仕方なくまた会った。「たかだか2000~3000万円の資金を調達できないのはおかしい」 ならまだしも、「あなたが見込めるエンジェルにこの場で電話して、アポイントを取って欲しい」と言い出す始末。私は逃げるように帰った。 その翌日にも連絡の嵐。「至急会いたい。近くまで行くから」「エンジェルになれそうな人に、『お世話になった先輩が至急会いたがっているので』 と伝えて欲しい」......。 知人は過日にこう言った。「過去を大事にするから現在がある」。自分の夢や希望の実現のためには、他人の人間関係でも踏みつけにしようとする行動には唖然。私は断りと別れの意をはっきり示した。 追い込まれた・困った時に昔の同僚・知人へ泣きを入れたり、いつまでも上下関係を引きずる人は意外と多い。「何を今さら」とも考えるのは自然で、中には「困ったときだけ言ってくるんじゃないよ」と追い払いたい心境にもなるはずだ。 ビジネスは基本的にギブ&テイクで成り立っている。「今までどうだったのか」も確かに大切だが、「今どうなのか」 「これからどうなるのか」 を重視すべきで、いくら過去に部下だったとしても相も変わらずの先輩風はルール違反。人間関係で、恩は受けた側がいつまでも感じるもので与えた方が押し付け続けるものではない。礼節や道義が疎かになったら最悪だ。特にマネジャーの人望の有無はここで決まる面が大きいと思う。 過去を振りかざし、現在と未来を侵害した瞬間にビジネス資源(ヒト、モノ・サービス、マネー、情報、時間)は逃げていく。できるマネジャーは成長した後輩を讃え、求められれば近況に合わせた適切な助言を与える。それが義務であり、権利ではないだろうか。 ■■■■■■■■■■ところで、空きはわずかですが、吉野先生の授業は代々木教室で受けられます。私、VIVAの英語の授業もよろしければぜひ...。東京の代々木教室 (03-3370-4440)横浜市都筑区にある中川教室 (045-910-1435)現在、講師の方も大募集中です!!!http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)m⇒ できる人の「書きかた」「話しかた」 伝えたいことを確実に伝える表現力 [ソフトバンク新書]ソフトバンク クリエイティブ詳細を見るHOMEへ
2007.09.17
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安倍首相辞任のニュースには驚きました。どうしてこんなタイミングなのか、あまりにも唐突です。好き嫌いや政策はさておき、こういう辞め方はどうも賛成できないのですが、有権者はどう感じるのでしょうか。内閣改造を終えて、所信表明演説で改革の決意を明らかにしたばかり。政治家の言葉や国会という場所をどう考えているのでしょう。一国の首相としてのプレッシャーというのは、常人の想像をはるかに超えているのでしょうが、あまりにも無責任。本当にわかりにくい。アメリカに見放されたか、麻生さんや自民党のベテランか誰かに操られていただけのか、官僚たちとの戦いに敗れたのか、スキャンダルでもあるのか、あるいは気まぐれ...。わかりません。小泉氏が最後に靖国神社に参拝して任期を終えたのとは対照的で、中途半端な幕切れ。"美しくない" と感じてしまいます。他の政策はともかく、公立学校の改革には大いに期待していただけに、そちらの方がどうなってしまうのかも大きな心配です。でもこの人物が日本の教育改革のリーダーだったのかと思うとちょっと...。きっと海外のメディアも驚きを伝えていると思うのですが、どうでしょう。そんなことを考えている間に思い出した一冊が本書です。海外メディアに対し、いわゆる報道検証をしている本です。毎月一度産経新聞に掲載されているものを1999年から2003年7月までのものを一冊にまとめて出版されたものです。ニュースとしては古いのが残念ですが、非常に興味深い内容で、世界における日本・アジアの報道のされ方がよくわかります。ワシントンポストやニューヨークタイムズ、フィナンシャルタイムズ、ウォールストリートジャーナルといったクオリティーペーパーと呼ばれるものだけでなく、人民日報、東亜日報などアジア系の新聞、さらにさらにそれ以外のヨーロッパ、アジア、南米、アフリカなどまでカバーしています。 話題も多岐に及んでいますので、さまざまなことがわかるのですが、筆者の意見では特にニューヨークタイムズの日本関連の記事は、事実関係から誤報が多く、この新聞をありがたがって読んでいる人はいい加減に目を覚ませと主張します。 1999年(ユネスコ事務局長選;国旗国歌・防衛意識 ほか)2000年(首相の東南アジア歴訪;NYタイムズの対日報道から ほか)2001年(森首相のアフリカ歴訪;実習船沈没事故 ほか)2002年(小泉首相の東南アジア歴訪;アフガン復興会議 ほか)2003年(首相のロシア訪問;日本の「新外交戦略」 ほか)ところ変われば...と申しますが、本当に世界の人はいろんなことを考えるものです。英字新聞を辞書なしで読める方なら、本書に頼らずともネットで記事をチェックできますが、それにしても、これほど広範囲に情報を集めることはかなりの手間がかかるはずです。お薦めの一冊です。筆者は昨日・今日のニュースもしっかりウオッチしているでしょうが。続編が待ち遠しいです。P.S. 記事を書いてから話を戻すようで、恐縮ですが、それにしても、それにしても、首相の突然の退陣で、例えば舛添氏はどうするんでしょう。やる気まんまんの期待の大臣だったのに完全にはしごをはずされてしまいました。教育再生会議だけじゃなく、防衛問題や拉致などなど、決着の付いていないものが他にもいろいろあるのに。日米首脳会議後の会見を見て、靖国の曖昧戦略とかいうごまかしを見て、あっ、危ないと感じていましたが、まさかこんな形になるとは...。細川護煕氏の退陣の時とイメージがダブります。日本でも政治家の言葉が軽すぎると痛感した一日でした。●ぐちっぽくなった記事を最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。 ⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 世界は日本・アジアをどう伝えているか-報道検証千野 境子連合出版詳細を見るHomeへ
2007.09.12
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2学期制の中学・高校はそろそろ1学期の期末テスト。何度でもいうけれど、特に中学生、定期テストは本番の入試のつもりで臨もう! 2007年7・8・9月 時事予想問題 7/16 ((1) )県中越沖地震。 7/26 アフガニスタンで韓国人ボランティア23人が「(2) )」に連れ去られる。 7/29 ((3) )議院選挙、((4) )党が大敗して与党過半数割れ。 8/1 横綱・朝青龍に対して日本相撲協会が2場所出場停止などの処分 負傷中にも関わらず、故郷((5) )でサッカーをしていたことが問題化。 8/12 川崎の((6) )で、女性が足親指切断の事故。 8/15 ((7) )年目の「終戦の日」。 15 ((8) )で、マグニチュード7.9の大地震、日本でも小さな津波。 8/16 猛暑が続く列島、国内最高気温を更新。 ((9) )県多治見市と((10) )県熊谷市で最高気温が40度9分 気温が35度を超えた日を「猛暑日」と呼ぶ←原因は((11) )現象 体温が高くなり、めまいやけいれんを起こしたりする((12) )症の被害 8/21 メキシコ・ユカタン半島にカテゴリ5の((13) )「ディーン」上陸 8/22 夏の甲子園決勝 ((14) )北が優勝 8/25 世界陸上が((15) )で開幕 8/28 安倍改造内閣本格始動 【主な大臣】 ((16) )大臣 舛添要一 ((17) )大臣 遠藤武彦←何もやらずに8日で辞任 9/3 ((18) )川でイルカ騒動(イルカは通常淡水では生きられない) 9/6~7 暴風雨をもたらしたのは台風((19) )号 ★今回も絶対、当てますよ。でも、ごめんなさい。多忙につき、答えは自分で調べて下さい。今回は簡単ですよね。 当教室の生徒諸君は、きちんと答えを持ってくること!いいね。よろしければ、応援の1クリックしていただけるとありがたいです。⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】
2007.09.12
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本書の前作、『ほんとうの英語がわかる』 を少し前にご紹介しました。そちらもお薦めですが、続編の本書もなかなか興味深い一冊です。筆者は英語の専門家でもありますが、同時に作家でもあります。本書では4人の登場人物の英会話を追い、その英語の解説と同時にあるストーリーができています。それを追いながら、英語の理解を深めようというねらいです。実際の受験勉強や資格試験に役立つというような、勉強をするための本というより(もちろん勉強になりますが)、日本語と英語の奥深さを知る教養書と呼んだ方が良いかもしれません。英語学習者の正しい考え方を豊富な例文で実に丁寧に示してくれています。不思議な魅力を持った本でした。生徒より先生向きと言えるかも知れません。日本人にはわかりにくいと思われる例を挙げ、なぜそういう意味になるのか、その背景、ニュアンスの違いなどの解説が親切です。目次です。1 短い単語2 長い単語3 皮肉、嫌味、冷笑4 イントネーション、なまり、方言5 擬音語・擬態語、頭韻、英語の音色6 英語のていねい表現7 微妙な表現とニュアンス いくつか本書から拾ってみます。以下のような表現が、日本人にはわかりにくいだろうということで、その意味などを解説してくれています。He is a great little actor. (彼はすばらしい俳優だ)Well, one way or another. (まぁ、一応)You ain't seen nothin' yet. (お楽しみはこれからだぜ)Get a life. (しっかりしろ、いい加減にしろ)いかがでしょう。確かに、あまり教科書には出てこないような表現だと思います。ニュアンスで分かるものもありますが、知りたい!という方にはお薦めします。ただし、上で書きましたように、参考書というより教養書のおもむきです。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。 ⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 新 ほんとうの英語がわかる-ネイティヴに「こころ」を伝えたい 新潮選書ロジャー・パルバース,Roger Pulvers,上杉 隼人新潮社詳細を見るHomeへ
2007.09.09
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つい先日、大学時代の友人と話していた際に話題になったのが本多勝一氏でした。相変わらず、根強いファンがいるものですね。氏の著作では、これまで 『新アメリカ合州国』 を取り上げました。おもしろい一冊でした。本多氏の名前は、大学生以下の世代には、もうちょっとなじみではないかもしれませんが、いわずと知れた元朝日新聞のスター記者で、ベトナム戦争時に関する著作で国際的にも名を知られているジャーナリストです。南京大虐殺の告発のレポートを送ったことで、日本中のエリート層から大変な注目を浴びました。いわゆる市民派とか左翼と呼ばれる人々からは崇められ、反対の側からはののしられることが多い人物です。攻撃がものすごいのか、カツラをかぶりサングラス。顔も出さなければ、誕生日も明かさない、今となっては伝説上と言ったら言いすぎでしょうが、本当に正体不明です。ニュース23の筑紫哲也氏などと、"週刊金曜日" を運営していました。筆者はまだ、本多氏が名声の頂点にいたころから、その著作のいかがわしさを指摘しました。殿岡氏がある雑誌に掲載した本多批判が、本多氏の逆鱗に触れ、とうとう提訴、裁判で名誉毀損や謝罪広告などを請求されました。訴えられたのは昭和59年で、最高裁判所の判決が平成10年だそうです。人生の何分の1か、かなりの長期間に渡って本多氏と戦いました。しかし結果は3戦3勝、すべての裁判所で完全勝利をつかんだのですが、本書はその経過を明らかにしたものです。いったい本多氏というのはどういう人物か、その報道姿勢の問題点、裁判に至った経緯、公判でのやり取り、さらにその間の双方の動きなどをつまびらかにしています。殿岡氏本人は、大新聞社の大記者相手の裁判にほとほと疲れ果てた様子ですが、非常におもしろく読めました。裁判の様子や、本多氏の作戦の展開などがまるで小説を読んでいるかのようで引き込まれました。実に執念深い戦いぶりです。以下が目次です。第1部 裁判提起まで(本多勝一氏との争い;前哨戦(1)東京学芸大学への公開質問状前哨戦(1)本多氏と堤『諸君!』編集長との文書合戦)第2部 裁判始まる(人違い裁判?;くい違う争点)第3部 証人尋問(証人席の本多氏;対比の妙、硬派・村田氏VS.軟派・筑紫氏;剛直の堤氏)第4部 録音テープをめぐる攻防(いわれない"改竄"の汚名;本多氏の謀略;最終弁論)第5部 判決下る(地裁判決;完全勝利;高裁判決;最高裁判決) センセーショナルな週刊誌の書き方に対し、政党や政治家、また出版社が訴えるということを耳にします。つい数日前にも、民主党の議員となった、"さくらパパ" こと横峯良郎氏さんが、賭けゴルフなどを報道した週刊誌を訴えると伝えられましたね。しかし実際は、その後の裁判の経緯が細かく報道されるのは大きな事件だけで、名誉毀損などの裁判の詳細がいちいち伝えられることはまれです。つまり訴えるということ自体がポーズかなと思わせるようなものばかりです。おそらく本多氏の提訴もそういう意味合いがあるのですが、本多氏の執念がすごいのです。筆者の主張は、本多ルポルタージュはルポの名を借りた、政治宣伝であるというような内容です。本多氏を好きな方もそうでない方も、あるいはまったくご存じない方にもお薦めできる興味深い一冊だと思います。 ●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。 ⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】体験的本多勝一論-本多ルポルタージュ破産の証明殿岡 昭郎日新報道詳細を見るHomeへ
2007.09.05
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9月、新学期の始まりですね。当教室の夏期講習も終わったわけですが、毎年のことながら、受験生はみんなよく頑張っていました。もちろんそれに応える講師陣も真剣そのもの。みなさんご苦労さまでした。やっと終わった一休み、といきたいところですが、ふと気が付いてみると大学センター試験まであと4ヶ月半、中学入試も5ヶ月を切ってしまいました。やれやれやっと秋らしく、涼しくなったなどと世間がほっとしている一方で、徐々に緊張感が高まるのが受験生ですから、ゆっくり本を読む時間もなかなか確保できないでしょう。いったいなんでこんなに勉強するの(させられるの) と思っている諸君におもしろい一冊を紹介しましょう。書名通り、女性がどのように学問と関わってきたかについて言及した本です。歴史学者が書くと小難しい研究書になりそうなテーマですが、著者の杉本苑子氏は言わずと知れた歴史小説家。吉川英治氏氏に師事しており、直木賞など多くの賞を受賞していますね。想像力を駆使して、日本史や国文学に興味がない人でも楽しく読める書に仕上げています。配列は年代順ですが、章ごとに違う人を取り上げているので、興味のある章から読むことも出来ます。目次です。第1章 女王ヒミコは、外国語がペラペラだった?嘘ォ、信じられないわ。 第2章 女帝は飛鳥・奈良朝の専売にあらず。江戸時代にもいましたよ。 第3章 いよいよ花ひらいた女帝の世紀。そしてその、明と暗。 第4章 時代の生証人ケヤキの厨子。しかし彼は黙して語らず。 第5章 猛勉強した光明皇后。その師はなんと、則天武后! 第6章 漢詩が得意な内親王、坊さんキラーの皇太后など、世はさまざま。 第7章 女がひっぱる女の足。本箱は壁に向けて置くのが安全よ。 第8章 娘に着せる正月小袖、生首一つで買えるかなあ。 第9章 女の子の教育はおッ母さんの受け持ち。子供は遊ぶひまもない。 "女がそんなに勉強してどうする" というような親ごさんは、今ほとんどいなくなったと思います。申し上げるまでもなく、女性が学ぶことは、現代では当たり前ですが、日本の教育制度がととのって、「教育を受ける権利」 が保障されてから、わずか半世紀ほどですよね。 しかし、さらに歴史を振り返ると、三世紀半ば頃、きっとまだ日本独自の文字のなかった時代に邪馬台国の女王・卑弥呼は、民衆の上に君臨し、なんと隣国・魏の言葉に堪能だったとか。本当でしょうか。 あの聖武天皇の皇后・光明子は、中国の女傑・則天武后の著した書物を、そして紫式部は漢籍を読んでいたらしい。女性と学問の通史とでも言えば良いのでしょうか。受験に役立つ一冊というのではありませんが、秋の夜長に想像力をかりたてられる、楽しめる良書だと思います。 ●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。 夏期講習も終わりましたので、これからはなるべく頻繁に更新できるよう、トップ目指してがんばります!よろしくお願いします。 ⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 女性はどう学んできたか-卑弥呼から江戸庶民の女まで (集英社新書)杉本 苑子集英社詳細を見るHOMEへ
2007.09.03
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この夏休み、生徒諸君はそれぞれ楽しい思い出を作ったことでしょう。そして、子供に思い出作りをさせてやりたいと、お父さん、お母さんもきっと酷暑の中、海・山で楽しい非日常を過ごされたに違いありません。疲れ果てた子供の寝顔に満足して...、で、気が付いてみると、あと○○日で夏休みも終わり、"あっ、宿題はどうなってる?"(笑)。夏休みの宿題の定番は何といっても読書感想文。思いっきり遊んだ後に待っている原稿用紙ですね。受験生なら海や山とはもちろん、読書とも無縁の夏休みになりがちですが、感想文はできましたか。少年・少女の夏は事件いっぱい!ですから、自分が体験したイメージからも感想文にしやすい作品はたくさんあります。夏の読書ということで、これまでも 『カカシの夏休み(重松清)』 や 『夏の庭(湯本香樹実)』 『峰雲へ(阿部夏丸)』 などをご紹介しました。夏の終わりにもう一冊。『峰雲へ』 と同じで舞台は川、あの四万十川です。私も、ずっと以前から、一度行ってみたいと思い続けている場所です。四国の山の中。「コロバシ」というシカケを沈めて、四万十川のエビ・うなぎを獲ります。鮎を獲らせたら玄人はだしの名人級。そんな小学生、篤義(あつよし)は、口数少なく、おひとよしです。クラスで 「ごはんに塩をかけただけの弁当」 と千代子がばかにされるのを見て、自分と比べてしまい、ちょっとほっとする情けない一面を持っています。しかし、教室でその千代子が泥棒に仕立て上げあられた時には、それをとっさにかばう篤義。この弱さとまっすぐの強さを持ったこの小学生の純粋さに大きな魅力を感じるのは、私だけではないでしょう。情景・心情描写が細やかなのも魅力です。やはり映画にもなっているそうです。生徒諸君に夏休み最後のおすすめ作品です!P.S. 宿題の残っている人は世界陸上見てる場合じゃない! ま、でも陸上を見ていると "ラストスパート" の大切さも分かりますね(笑)。ガンバレ~!●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。できるだけがんばりますので、よろしくお願いします。m(__)m⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】四万十川-あつよしの夏 (河出文庫-BUNGEI Collection)笹山 久三河出書房新社詳細を見るHOMEへ
2007.08.28
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夏休みもいよいよ最後の週になりましたね。早いところでは30日くらいから学校が始まりますから、猛烈に宿題を片付けはじめているころでしょう(笑)。ただし、公立の特に小学校は以前よりずっと宿題も少なくなりましたので、それほど大変ではないかもしれませんが、どうでしょう。私は大学生の頃から20年以上、当教室で、大学受験の英語教師をしておりますが、だいたい10年ほど前、その頃からずっと感じ続けているのは、生徒達の英語文法力の明らかな低下です。グローバル化にともなった、英語に対する興味や関心、時代のニーズはむしろ高まっているにもかかわらず、なぜ英語の学力が下がるのか、最初は不思議な現象に当惑したというのが本音です。当教室近くにあるトップレベルの進学校と呼ばれる高校に通っている生徒達を定点観測しながら、授業をしていますと、それまで難なくできた文法問題が年々できなくなっている。一方、公立中学に通っている生徒に目を移しても、中一の生徒達の最初の難関、"3単現のS" に関する定着度がかなり落ちていました。逆に文法がこれまでのようにきちんと理解できている生徒が入塾してきた時に聞いてみますと、ほぼ例外なく、塾や予備校で勉強してきた経緯を持っていました。素朴に "いったい学校で何が起こっているのだろう" という疑問から、それまでも英語学習に関する本はいろいろ読んでいましたが、その頃から "英語教育" に関する本を手にするようになりました。今となっては日本人の英語力低下は、TOEFLアジア最下位という結果でも明らかです。結論として、私が学力低下を肌で感じはじめたよりさらにずっと前、1977年に当時の文部省の肝煎りでスタートした 「会話重視」 の英語教育がその元凶だとわかりました。本書の指摘通りです。それが世間に知れわたったのは、2002年に始まった "ゆとり教育" の論争があったおかげです。"学力低下"問題は英語だけの話ではなかったわけです。講師仲間によく聞いてみると、数学の計算力や国語の漢字の定着度に同様の事態が起きており、当時出版された、『分数ができない大学生』 などの著作に大いに賛同したものです。そうした学力低下に関する書籍の中で、本書はもっとも痛烈に英語の教育政策を批判した一冊です。刺激的なタイトルそのままに、会話重視、そして文法軽視の英語教育を鋭く糾弾し、同時にその背景にある「ゆとり教育」を「愚民化政策」とまで断罪します。目次です。第1章 英語力低下の実態と英語教育改革第2章 英語に対する三つの錯覚第3章 求められている英語力第4章 使える英語への道第5章 受験英語の意味と役立つ証明第6章 ポスト受験英語 筆者は決して英会話が無価値であるとか、日本人には無理だなどと考えているわけではありません。発音やリスニングを日本人が本格的に身につけることは十分可能であるとし、その方法論もしっかりと提示しています。ただしそのためには「運動部としての英会話トレーニング部」が必要だそうです。楽しく英語を身に付ける、という考えは甘いと。 『英語耳(松沢喜好)』 や 『英文快読術(生方昭夫)』 に通ずる指摘で、当然だと思います。学問ですからね。オーラルコミュニケーションの重要性は理解できますが、どう考えても、週一回程度、学校に外国人を招いて英会話の授業をしてもらえば解決するという問題ではありません。舌鋒鋭いので、本書には賛否両論あるかもしれませんが、現場の人間としては、「よく言ってくれた」 というところです。英語教育に関心のある方にお薦めします。P.S. 実は、灘高キムタツこと、木村達哉先生の 『灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編 』 に私が書かせていただいたコラムは、まさにこの問題意識からです。それに対して、木村先生のご著書の書評に、拙文に対するありがたい言及がアマゾンに載っていました。よろしれけばご覧下さい。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。久々の更新で、ランキングを上げようというのはムシが良すぎるのは承知しておりますが...、できるだけがんばりますので、よろしくお願いします。m(__)m⇒ http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 文科省が英語を壊す (中公新書ラクレ)茂木 弘道中央公論新社詳細を見る HOMEへ
2007.08.26
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アメリカのサブプライムローン、低所得者向けの融資だそうですが、その問題で、世界経済が不安定な方向へ行っているようですね。アメリカでも日本でも、株価が急落し、景気全体にも影響しかねないとなると大変心配です。上海やアメリカの景気はバブルだという声は以前からありましたが、やはり調整の局面に入ったのでしょう。日本は依然としてデフレから抜け出していないと言われるだけに、今回うまく軟着陸できると良いのですが…。以前ご紹介した 『黒字亡国ー対米黒字が日本経済を殺す(三國陽夫)』 も現在、景気が良いとされる日本の経済構造の問題点を指摘した非常に興味深い一冊ですが、だからといって一般国民はどう行動すれば良いのかまでは書いていませんでした。まぁ、経済構造、特にマネーの世界は、ヘッジファンドなどに代表されるように複雑になりすぎて、専門家でも経済予測や市場の動きを堂々と間違えるくらいです(笑)。ですから、まぁ素人には完全にお手上げで、じっと見守るしかないのでしょう。。さて、本書は戦後最強の相場師と言われた是川銀蔵をモデルにして書かかれた小説です。現代の相場師が村上ファンドの村上世彰氏だとすれば、かなりおもむきの異なる人物像ですね。 『異形の将軍-田中角栄の生涯』 を書いて話題になった直木賞作家の津本陽氏の作品で、大変おもしろい一冊でした。主人公はこれまで波乱の人生を送り、すでにはたから見れば、隠居生活に入っているのですが、79歳を迎えた時につぶやきます。「いよいよ、儂のこの世で仕残した勝負をはじめるか」 。 妻と二人で質素な暮らしをし、もちろん大変な資産家となって、なに不自由なく暮らせるのですが、それを全部失ってしまうような無謀な勝負に出ます。株を通して大企業や証券会社、他の仕手筋との駆け引き、死闘が繰り広げられます。相場師でありながら、金のためではなく、自分の存在証明をさがしているかのように戦い続けるのです。 株式相場というものにほとんど知識がない私でも、本書で描かれる戦いに引き込まれました。ただし、あくまで小説ですから実話に基づいているとはいえ、投資に役立つというような類の本ではありません。スケールも違いすぎますし。本書を読む前から、是川銀蔵という人物の名前は、どういうわけだか何度も聞いたことがあるのですが、読了してあらためて、Wikipedia を見て驚きました。波乱万丈というのは、まさにこの人の人生を言うのだと。このプロフィール、小説家であれば書いてみたいと思うのではないでしょうか。私もその人柄と人生に関して詳しく読んでみたいと思いました。津本氏の他の作品もまだまだ読んでみたいものがたくさんあります。何かお薦めのものがありましたら教えて下さいね。 ●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)m⇒ (5位) (2位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 最後の相場師 新装版 (角川文庫 つ 4-1) 津本 陽 角川書店 詳細を見る HOMEへ
2007.08.17
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62回目の終戦記念日です。日本の夏は広島・長崎への原爆投下、そして終戦の時期にあたりますから、先祖が帰ってくるといわれるお盆前後は平和や戦争について考えさせられる季節です。まったく出口の見えないイラク戦争。自民党が参議院選挙に大敗しましたので、外交・防衛政策が大きく変わることがあるのでしょうか。護憲を強く主張していた勢力は選挙で支持を得られませんでしたが、イラク特措法の延長に反対していた民主党は大躍進です。靖国の問題もありますね。拙ブログでも、『靖国問題の原点(三土修平)』 などを取り上げました。昨年、当時の小泉首相が公約としていた8月15日の靖国神社参拝をしてから一年、今年、安倍首相はどうするのか注目していましたが、どうも見送りのようです。参拝すれば、せっかく好転し始めた日中関係がぎくしゃくしますが、何もしなければ首相の支持層である保守的なグループからも批判が出る。板ばさみでしょうが、それにしても曖昧戦略というのは、どうなんでしょう。どういう立場の人にもあまり良い印象を与えないように感じます。さらに先日は慰安婦問題で日本に公式謝罪を求める決議案が、"同盟国" と思っていたアメリカの国会で可決されてしまいました。日本の大臣が、"原爆投下はしょうがない" と発言し辞任。戦争の傷跡は何年たっても癒えることはありません。さて、本書です。終戦が昭和20年で、その約30年後、昭和48年にフィリピンのルバング島で発見された小野田寛郎氏の著作です。敬愛する tani 先輩 が、読んで泣けたという一冊です。小野田氏はジャングルから出て、身柄を当局に確保された後でさえ、「上官の命令解除がなければ帰国しない」 と語り、わざわざかつての上官がフィリピンに飛んで直接命令解除を伝えました。 「美談」 ととらえるのか、究極の 「悲劇」 と感ずるか...。それこそ当時は大ニュースで、子供だった私もよく記憶しています。小野田氏の敬礼した写真は今でも頭に焼き付いています。戦争を知らない当時の子どもには、それがどういうことか理解できるわけもなく、単によく30年も、ジャングルで逃げ回っていたものだと感心しただけですが、本書を読むとそれがまったく考え違いだとわかります。小野田氏は30年の間、人目に付かないように、必死で食料だけを集めて逃げていたのだと思い込んでいましたが、とんでもない誤り。実はひたすら日本軍の勝利を信じて、時に人里へ降りて、攻撃すら仕掛けながら生き延びていたということがわかります。書名の通り、本当に氏は30年間一人(途中まで二人) で闘っていたのです。以前にご紹介した 『還ってきた台湾人日本兵(河崎真澄)』 で、その身柄を確保した際の話しにも大変驚きましたが、本書の記述にも同様で、戦争を知らない世代には衝撃的です。以下が目次です。ブラジルの日々30年目の投降命令フィリピン戦線へルバング島での戦闘密林の「残置諜者」「救出」は米軍の謀略工作だ終戦28年目、小塚一等兵の"戦死"たった一人の任務遂行帰還、狂騒と虚脱と生きる ジャングルでの生活の描写も想像を絶するものだったのですが、さらに印象的なのは、氏が日本の変わりようを嘆いているくだりです。戦争に負けてしまったことはともかく、なぜ日本がこうも変わってしまったのかという戸惑いと無念と怒りでしょうか。こんな日本にいるくらいなら、という思いでブラジルに渡ってしまいます。そのニュースを聞いた当時は、どうも腑に落ちない気がしたものですが、本書を読んでその真意がわかりました。日本のために戦い続けた人がなぜそんな決断をせざるを得ないのか、戦争だけでなく、現在の日本社会を考える機会を与えてくれる絶好の一冊だと思います。多くの人に読んでいただきたいと思います。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)m⇒ (5位) (2位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】P.S.また、小野田氏は慰安婦の問題に関して、数年前に雑誌「正論」に論文を掲載しております。よろしければご覧下さい ⇒ 『私が見た従軍慰安婦の正体』たった一人の30年戦争小野田 寛郎東京新聞出版局詳細を見るHOMEへ
2007.08.15
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本書も夏休みに生徒たちに読んで欲しい感動物語です。読書感想文を書くのにもうってつけの一冊です。重松清氏とは対照的に、あまり売れていないようですが(笑)、読みやすく、すばらしい一冊で、しかも中学入試や公立高校入試によく出題されます。2001~6年の集計では何と第3位でした。 ⇒ 公立高校に出題される本・作家ランキングこれまでもいくつか子どもたちの成長を描いた感動物語を取り上げましたが、本書もそのもっとも典型的な内容です。『カカシの夏休み(重松清)』 や 『夏の庭(湯本香樹実)』 のように、"夏" という言葉こそ書名にありませんが、表紙には "Boys' summer story" とあります。舞台は愛知県に流れる矢作(やはぎ)川。実は愛知県は私の故郷で、私の卒業した学校の校歌にも "矢作川" が出てくるくらいですので、親近感をもたざるを得ません(笑)。主人公は少年3人。彼らの住む町でただ一人残る、川漁師のおじいさん、源さんと、その孫を含む少年3人組みとの交流が物語のはじまりです。少年たちの目的は川にある小島に自分たちの基地を作ること。友情と冒険物語というわけです。エピソードやストーリーはまったく異なりますが、"少年たちと川" という設定は、ミズーリ川を舞台にした、マークトウェインの "トムソーヤの冒険" を彷彿させます。もちろん彼の国とは、自然のスケールやら、社会問題などの深刻さなどは比較になりませんが、どちらも少年達の持つ純粋さが素直に表現されていると感じます。帯には "少年の心があると3回泣けます" とよくわからない宣伝文句がありますが、『夏の庭』 同様に、次々とさまざまなできごとがあり、まったく飽きません。学校や地域社会のあり方、障害者の存在や初恋まで...、一気に読んでしまった一冊です。水の事故が連日報道されますので、本書を読んで、冒険をマネされると困るのですが、この夏休みの間に川に行って泳いだり、釣りをしてみたいと強く感じるのではないでしょうか。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)m ちょっと寂しい順位になってしまいました。どうぞよろしくお願いします。⇒ (7位) (3位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 峰雲へ小学館詳細を見るHOMEへ
2007.08.14
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あっという間に夏休みも半分が過ぎましたね。東京も36度と、夏らしい日差しが照りつける昨日、今日です。夏期講習期間中、私たちのような塾講師は海、山へ出かけられませんので、本音では、"冷夏大歓迎" ですが(笑)、暑くないと気分が出ないのも事実でして...。お盆に帰省している人はたっぷり夏のふるさとを満喫していることでしょうね。当然、受験生は勉強一本!ですが、そうでない生徒にはたくさん、本当にたくさん本を読んで欲しい。子どもが読んで感動できて、しかも中学入試にも、公立高校入試にも出る、そんな作家のナンバー1はやっぱり、重松清氏でしょうか。氏の作品は、小説では 『ナイフ』 と、教育論では 『みんなのなやみ』 をこのブログで取り上げました。参考までに... 公立高校で出される作家・作品ランキング氏は私と同年代なので、きっと問題意識が似ているのでしょう、特に教育問題に関しては、本質を突いてくる、そんな印象の作品が多いと感じます。なぜ入試に出るのか。また、なぜ入試に出る作品や作家が集中する傾向にあるのか。それは 『秘伝 中学入試読解法 (石原千秋 著)』 を読むとはっきりわかります。やはり、学校というものの求める生徒像、とその思考回路は案外一定です。さて、その重松氏の夏らしい一冊です。本書は三編を収録しています。まず表題作である、"カカシの夏休み"。故郷をダム建設のためになくした同級生が、一人の死によって再会し、家庭、仕事、人生を考える話です。主人公は37歳、職業は教師です。そして、次の "ライオン先生" も高校の教員の話。ドラマになっていますので、ご存知の方も多いでしょう。ユーモアもあり、印象的です。最後の "未来" はいじめと自殺に関する切ないストーリー。きっと重松氏がもっとも心を砕いて描いたのだと思います。自殺した生徒の遺書により、その加害者とされてしまった生徒の家庭、その葛藤について描いた内容です。いずれも教育、家族、生きることをテーマにしたものですが、重苦しい感じではなく、むしろすがすがしさを感じます。日常から離れた夏休み、生徒たちに味わって読んでもらいたい一冊です。読書感想文にもしやすいと思います。P.S. 受験生諸君は先生たちと教室にこもって勉強!休み中のいろいろな体験が子どもを成長させますが、何年かに一度だけ、勉強漬けの夏、読書漬けの夏も、子どもを大きく、とっても大きく成長させます。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。⇒ (4位) (2位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】カカシの夏休み (文春文庫)重松 清文藝春秋詳細を見るHOMEへ
2007.08.12
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三平方の定理で知られる数学者 "ピタゴラス(本書ではピュタゴラス)" ですが、本当に三平方の定理を生み出したのが彼であるという文献は全く残っていません。自分では何も書物を残していないのです。ピュタゴラスだけでなく、そもそも歴史上の偉人といわれる、同じギリシャのソクラテス、中国の孔子や孟子、さらにキリストや釈迦も弟子の書いたものしか残っていません。書けなかったわけではありません。同時代やその前の時代の書物は残っていますから、謎です。 とりわけピュタゴラスは紀元前6世紀という大昔であることと、謎の新興宗教のようなものを作って活動を続け、最後は焼き殺されてしまうという事態に追い込まれてしまったため、いっそう不可解な人物と言えます。『万物は数字である』という思想を持って活動をしたことはわかっています。 筆者は乏しい文献にあたりながら、ピュタゴラスがその後の哲学者達に与えた影響などについて考察をします。ピュタゴラスはその後の思想の"地下水脈"とまで言っています。他にもソクラテス、プラトン、アリストテレス、プロティノスの思想を紹介します。目次は以下のとおりです。第1章 ギリシャでいちばんユニークだった哲学者(古代ギリシャの哲学者群;エンペドクレスの活躍 ほか)第2章 同時代人の見たピュタゴラス(ピュタゴラスと「ピュタゴラスの定理」;同時代人の証言 ほか)第3章 ピュタゴラスをソクラテスに語らせるプラトン(プラトンの描くソクラテスの変節;ピュタゴラス的言葉を使って語るソクラテス ほか)第4章 アリストテレスが映した奇行と奇妙な戒律(アリストテレスとピュタゴラス;プラトン説に反論するアリストテレス ほか)第5章 思考の地下水脈となったピュタゴラス(プラトンからプロティノスへ;プロティノスの魂論 ほか) 数学と哲学と宗教が一つになっていた時代。学問はやはり命がけですね。受験生諸君!命がけの勉強、読んでみて下さい。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。m(__)m⇒ (5位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 謎の哲学者ピュタゴラス (講談社選書メチエ)左近司 祥子講談社詳細を見る HOMEへ
2007.08.11
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いまさらですが...、ミステリーついでに『半落ち』です。だいぶ前に読みました。ミステリー作品に対して贈られる何か大きな2つの賞(名前を忘れました)を同一作品で独占したのは本書が初、とか何とか新聞に書いてあり、実際に長期にわたり、あまりにもよく売れているので読んでみました。警官の妻殺し、そしてその後、自首するまでの空白の2日間のなぞをめぐり、事件にかかわる6人の男、警官、検察官、裁判官、弁護士、新聞記者、看守の視点が描かれています。各々の立場や、仕事などの微妙な関係がうまく描かれており、飽きさせませんね。ほどよい緊張感を保ちながら、読者を最後まで引き付けておく力はすごいと思います。そういう良質なミステリーですが、あまりにも騒ぎが大きく期待しすぎたために正直、もうちょっと何かほしい気がしました。最後の謎も "すごい!" というような驚きではなく、"な~るほど" という感じだと私は思いましたが、どうでしょう。登場する6人も各々魅力的ではありますが、同タイプですね。家庭や職場に問題を抱えながらも、この事件には自分の信念なり夢をかけて取り組むというスタイルです。それが物語全体に広がりを持たせるようにはあまりなっていないと思うのですが...。それにしても、なぜこんなに売れるんだろう、とず~っと思っていたのですが急に、『あっ、プロジェクトXに雰囲気が似てる』 なんて勝手に思いつきました(笑)。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。少し上がりました。ありがとうございます。⇒ (4位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 半落ち横山 秀夫講談社詳細を見るHOMEへ
2007.08.07
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夏の夜の怪談ではありませんが、ミステリー好きの高校生が夏休みにいどむ長編というにはぴったりの本をご紹介しましょう。ドイツのミステリー小説です。女性作家ベトラ・ハメスファールの最高傑作と評されている一冊です。ある夏の日の午後に事件が起こります。主人公である二十代の主婦コーラ・ベンダーは、夫と幼い息子とともに湖畔に遊びに出かけます。隣では二組のカップルがラジカセで音楽を聴いています。その時、ラジカセの音楽が変わると、突然コーラは二組のカップルのうち、女と抱き合っていた男に向かって絶叫し、もっていた果物ナイフで男をめった刺しにしてしまうのです。男性は即死、コーラはその場で逮捕、連行され取調べを受けるのですが、その中で自分の記憶の中に閉じ込めておいたものが噴出します。その供述は妄想と虚偽だらけ、ときおり錯乱状態に陥り意味不明の話を始める有様で殺人の動機はまったく見えてきません。おそろしく残酷な話ですが、結婚、家族、宗教、暴力、児童虐待、性、、身障者の問題を投げかけてきます。狂信的な母、臆病な父、いつ死んでもおかしくない重病の妹、児童虐待、麻薬、近親相姦、売春、キリスト教、地下室...。何が真実で何が虚偽?殺意の真相とは...。主人公の家族、恋人、警部、弁護士、精神鑑定医、隣人などがさまざまな思惑を持って登場してきますが、取調べや精神鑑定、夢の中で次々と前の証言と矛盾する出来事が飛び出します。実はヒントはいろんなところにばらまかれているのに、知らずに読み進めて通り過ぎていることをあとから気付かされます。(というか普通気付かないよなと思いますが、どうでしょう(笑)。)600ページを超える長編ですが、きっとミステリー好きなら、夢中になって読み進められる作品でしょう。いったい真相がどうなっているのか、読者の頭をぐらぐらゆすっておいて、最後には一つの見事なストーリーとなっています。と、偉そうに書きましたが、正直に申し上げると、私の場合も、一度読んだ時にはどうもすっきりしなかったので、しばらくたって、二度目を読むと上述したことに気付いた次第です。 読む側にも訓練の覚悟が必要な一冊でしょうか(笑)。それにしても、こういうストーリーをよく思いつくものだと感心させられた一冊です。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (7位) (2位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】記憶を埋める女ペトラ ハメスファール,Petra Hammesfahr,畔上 司学習研究社詳細を見る Homeへ
2007.08.06
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きっと安倍首相の現在の気持ちが、この書名ではないでしょうか。それにしても今回の参議院の選挙結果。ついこの前、衆議院選挙で歴史的大勝利をした自民党が、今度は歴史的大敗北...。安倍自民党が負けた要因を挙げるのには苦労しませんが、社会が短期間に変わったわけではないのですから政治の厳しさを痛感します。小泉首相時代の、衆議院選での大勝利の立役者、今回も見事一人区で当選を果たした世耕弘成氏の『プロフェッショナル広報戦略』をご紹介しましたが、今回はどうにもならなかった、広報がどう戦略をねろうとも手に負えない事件が次々とあったということでしょう。さて、今回もタレントを含め、さまざまな経歴の方が出馬されましたが、 「みんな」 の代表として選ぶのが選挙ですが、選ばれるのはもっとも「みんな」とかけ離れたような性格の人ばかり だと思いませんか。本書の副題は 「無責任になる構造」です。ヘンな題名で、筆者も認めているように、ややとりとめのないエッセーのような、現代思想入門のような一冊ですが、おもしろく読めました。 私たちが頻繁に用いる「みんな」という言葉についての考察です。どうご紹介したら良いのか迷ってしまいますが...、 「みんな」という言葉は、社会における無責任体性をもっとも象徴的に表している言葉という認識でしょう。みんなで首相に推薦したけど、流れが変わればみんなで降ろそうとする。「みんなで決めようよ」 とか 「赤信号みんなで渡れば~」 と言う時は、当然、自分もみんなに入りますが、「みんなが私をいじめる」とか 「みんな分かってくれない」 の時は自分はみんなには入っていません。 その都合によって "We" にも "They" にもなる言葉を日本人は使い分けているのですが、いつも変わらずに存在する 「私」 は 「みんな」 なるものをどのように意識しているのか、あるいは無意識に影響を受けるのでしょうか。例えば、「みんな」とは違うんだというところを見せたくて、ファッションでも、情報でも競って手に入れようとする時、それこそまさに「みんな」に向かって自分を受け入れるように働きかけているという矛盾が起きます。わかりますかね以下が目次です。1章 「みんな」って誰?(「みんなやっていることやないか!」;「赤信号」の法則 ほか)2章 「みんな」の西欧思想史(法とは「みんな」の意志である;「みんな」による「みんな」の支配・全体主義 ほか)3章 「みんなの責任」をどうするか?(「みんなの責任」の範囲;「自分で語ることのできない他者」への「責任」 ほか)4章 「みんな」と「わたし」の物語(「みんな」から押し出された「わたし」;「わたし」が「みんな」から目覚める時 ほか)5章 そして、「みんな」いなくなった!(「みんな」はいつまでも「みんな」なのか?;危ない時に出てくる「みんな」 ほか) 私は仲正氏の本が結構好きなのですが、本書はあまり評判がよくないようです(笑)。先日ご紹介した、『新書365冊』 の中で、宮崎哲弥氏が評価していた程度でしょうか。ただ、選挙のたびに、投票率を聞くたびに思い出す一冊です。この紹介文こそ"とりとめのない"ものになってしまいましたが、目次がおもしろそうだと思われましたら、手に取ってくださいね。 http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】ランキングこそ下がりましたが、こうして毎日多くの方に見ていただけると思うと、申し訳ないやら、ありがたいやら...。できる限り、きちんとした記事をUPしたいと思っております。がんばります!「みんな」のバカ! 無責任になる構造 (光文社新書)仲正 昌樹光文社詳細を見る Homeへ
2007.08.03
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当教室の吉野秀先生のコラムが読売新聞に掲載されましたので、ご紹介しましょう。■■■■■ 管理能力よりも指導能力 ■■■■■44歳にして初めて管理職(課長)になった知人は、約1年前にこう言った。 「今の若い連中は基本がなっていないから、そこから徹底的に管理しようと思っている。この日に備えて、マネジャーのノウハウ本はたくさん読んできたんだ」。その意気込みには感心したものの、管理という言葉に私が妙な違和感をいだいたのも事実。その後は連絡がなかったので、「便りがないのは良い便り」とその活躍ぶりを信じ込んでいたのだが......。「若いのが言うことを聞かないんだよ。管理されることに慣れていないんだな。もっとギューギューやらなきゃ」と威勢のいいメール。その1か月後、「若いのが部長にオレのスパルタを言い付け、挟み撃ちで進退窮まった。どうしたらいいんだろう。『これはこうやるといいよ』と部下へアドバイスしても無視されるし」の電話は涙声にさえなっていた。 「管理」を辞書(角川必携 国語辞典)で調べると、「組織や施設などを、運営したり安全をはかったりすること」とある。どちらかといえば形を整えるとか、維持する旨の言葉だと言えるだろう。生身の人間に何となくそぐわないのも無理はない。一時期はやった管理野球は成果を収めたこともあるが、決して長続きはしなかった。それは「管理をすれば(上司の言うことを聞いていれば)、良い結果が出る(成功に近づく)」の方程式をこじつけたからだと思う。 人の上に立ったら、まず模範を示すことが重要。部下より動き、考え、実績を上げる。これらに若い人は尊敬の念をいだき、共感・共鳴するのだ。マネジャー風を強く吹かせるだけで、口先だけのデスク族では同僚の支持を得られるわけもない。良い結果を出させて、初めて管理する資格が得られる。先の知人も実績に基づいた指導を二の次にした点が失敗のもと。一度付いた「精神論を振りかざす鬼軍曹」のレッテルはなかなか取り除けず、この先しばらくは針のむしろにいる心境だろう。 「指導」は「具体的なことがらについて技術ややりかたなどを直接教えること」(前出・辞典)。世間には教え上手と呼ばれる人がいる。余計な言葉を使わずに、ポイントだけを端的に指摘。わかりやすく指南していく。相手の課題を正確に見つけ、その解決策をタイミング良く教えられる人たちだ。意味のない上下関係意識を取っ払っているだけではなく、課題を共有化して協働するのが特長だ。 こんな話をすると、先の知人はこうつぶやいた。「オレにも上司(部長)がいたんだよなあ。お山の大将になったような勘違いをしちゃって。しばらくは自分を管理するよ」 ■■■■■■■■■■個人的には、なにか、耳が痛いようなお話しでした(笑)。いかがです、夏期講習期間中、吉野先生の授業受けてみませんか。まだ、間に合います。私、VIVAの授業もぜひ(笑)。東京の代々木教室、または横浜市都筑区にある中川教室興味のある方、くわしくは当教室HPからお問い合わせ下さい。講師も大募集中です!http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。なかなか伸びませんが、よろしくお願いします。m(__)m⇒ (6位) (2位)P.S. またまた前回記事から久しぶりのUPになってしまいました。この間もご訪問いただいた方々、本当にありがとうございます。夏期講習はまだまだ続きますが、何とか時々はUPいたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。HOMEへ
2007.08.01
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おはようございます!しばらくご無沙汰でした。お越しいただいた方、本当にすみません。久しぶりですが、すばらしい一冊をご紹介しますのでお許しを...。著者の鎌田氏は若い頃にあえて長野の田舎にある赤字経営の病院に赴任したり、何年間もチェルノブイリに出かけたりする使命感あふれる医師です。看護学校の校長であり病院長になった今も、たゆまず理想の病院、医療を目指し邁進している人物。時々、ラジオなどに出演されてお話を聞きますが、本当におだやかな話しっぷりで、きっと、病院で診てもらう患者さんも安心してすべてを委ねられる、そんな気にさせるような人柄だと感じます。以前ご紹介しました 『医者 井戸を掘る』 の中村哲氏の "とにかく生きておれ、病気はあとで治す" という言葉も、アフガニスタンで奮闘する医師の現状を伝える印象深いものですが、本書の言葉も心にしみます。書名 "がんばらない" はその病院内の壁に掲げられていることばです。理想の病院とは?そう考え始めると簡単そうでなかなか答えが難しい。たいていの人は人生の終盤において、病院、そして、医師をはじめとするスタッフに、一時的にせよ自分の命を預けなければならないわけです。ですから、この質問は自分の最期はどうありたいかという問いかけと等しいものになりますから易しくはないのです。氏によれば、自分の病院に "がんばらない" と掲げていることについて、 "我々医者、看護婦ががんばりますから患者さんは自分のままでいて下さい"という意味だそうです。本書の中で氏は理想の医療とは何かということを問いかけるため、身の回りの様々なストーリー(実話)を紹介しています。患者と家族、医者、看護婦、そして病院、どの話も理想的な生き方、そして望ましい最期を描いていますし涙を禁じえないものばかりです。といっても、それらのストーリーに暗さはなく、鎌田氏の筆によって、おもしろおかしいエピソードが挿入され、幸福感、明るさに包まれています。目次は以下のようなものです。命を支えるということ患者が来ない病院ぼくが田舎医者になった理由チェルノブイリへがんばらない医療が変わるあなたはあなたのままでいい 読者の年齢に関係なく読めます。さわやかな読後感を味わえる書物であると同時に、"自分や家族の通っている病院は?お医者さんは?"などと考えさせられてしまいます。つまり、必然的に現代医療の問題点を浮き彫りにします。教育の対象が学力だけではないのと同様に、医療の対象は肉体や臓器だけではなく、患者の心だということを痛感させられます。医療分野へ進学を考えている生徒に限らず、ひとりでも多くの方に読んでいただきたいと思う一冊です。P.S. タイミングが悪く、夏期講習会でみんなが頑張っている時に、この書名はどうかと気付いたのですが、感動的な一冊ですので...。生徒諸君はもちろん精一杯 "がんばる" んですよ!●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。なかなか伸びませんが、よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)P.S. 前回記事から久しぶりのUPになってしまいました。この間もご訪問いただいた方々、本当にありがとうございます。夏期講習はまだまだ続きますが、何とか時々はUPいたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。がんばらない鎌田 實集英社詳細を見るHOMEへ
2007.07.26
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明日から 当教室 でも夏期講習が始まります。生徒諸君、頑張ろう!!!という訳で...昨年は各先生のおかげで夏期講習期間中も記事をUPすることができましたが、今年は授業が数多くあり残念ながら、毎日の更新はできません。時間を見ての記事UPになりそうですがよろしければ時々のぞいて下さい。もちろんメールやブログへのコメントは毎日チェックしておりますので、ご遠慮なくどうぞ。以上、よろしくお願いします。VIVA 気が向いた時に応援クリックしていただけるとありがたいです。(*^_^*)ずうずうしくてすみません。↓ ↓ (3位) (1位) http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】
2007.07.22
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◎今月は超大作という感じはしませんが(何のこと?)なかなか味がある、と思いますよ...。ネコまで笑う! ヽ(^。^)ノ それ! ★★ お・お母様ぁ!★★ 試験直前の高校2年生のS君は宿題が出来ていませんでした...。講師 『試験前なのにいったいどういうことだ?いい加減にしなさい!』生徒 『母親が邪魔するんです』講師 『バカもん!!!人のせいにするな!』生徒 『だって、ZELDAの伝説でどうしてもクリアできないところがあるから、 助けて って泣きついてくるんですよ~』講師 『う~、よし、今度 お母さんに説教する!』(日直:ホントにお説教できるでしょうか(笑)) ★★ お・お父さん!★★ 中学2年生の英語の授業で・・・ 【My father is back home now.】講師 『この文の動詞は?』生徒 『 father!』講師 『えっ、father が どうし? こりゃまた、どうしてどうし?』生徒 『お父さん、よく"動"くから 』(日直:ご家庭でのご様子が眼に浮かぶようです(笑)。お疲れさまです) ★★ ジャンプ!★★ 漫画が大好きなK先生。生徒Nと「少年ジャンプ」について熱く語っていたところ、生徒 『ってか、先生、ジャンプって"少年"ジャンプですよね?』先生 『そうだけど?』生徒 『先生 "少年 " じゃないじゃん!』 ★★○○ジャンプ(続編)★★ (翌日)生徒 『先生、そんな怒んないで下さいよ!』先生 『いい!もう、"少年ジャンプ" は読まないから』生徒 『・・・』先生 『これからは "ヤング" ジャンプにする』生徒 『"ヤ・ヤング" ですかぁ? 』(日直:次はシニアジャンプ(笑)?) ★★ あれ?★★ 高2女子です。生徒 『最近、塾の近くでよく先生とすれ違いますよ。先生気がつかないけど』講師 『本当に?ごめん。今度はちゃんと声かけてよ』生徒 『いやです!』(日直: な・なんなんだ!) ★★ どんな世界?★★ 世界史を選択したK(←実はNよりも手強い)。手始めに世界地理の質問。講師 『じゃあまず、南米の国を3つ言ってごらん』生徒 『はい、ブラジル、ウルグアイと...』講師 『おっいいぞ。それから~』生徒 『 パキスタン!』(日直:何を思ったんでしょう(笑)) ★★ あの手・このテ ★★ 高3生の模擬試験直前です。生徒 『先生。どうしよう模試やばいよ』講師 『そうか、でも今の力を確認するためだからね。精一杯頑張れ』生徒 『 物理なんて等加速度の公式だけですよ。 それでも受けさせるんですかぁ・・・ 他には全然覚えてませんよぉ。 そんな生徒に受けさせるんですかぁ・・・』講師 『変な脅しをするな!あきらめろ!』(日直:脅迫?嘆願?気持ちはわかる(笑)) ◎いかがでしょうか?ではまた (@^^)/~~~ さぁ、スットコ読んだら、勉強、勉強。いよいよ 夏期講習!がんばれ受験生!! http://tokkun.net/jump.htm 【とっても楽しい教室へ】■ ブログランキング ■スットコパワーで追い上げます!どうか応援を...クリックをしていただけるとありがたいです。(*^^)v ↓(3位)(1位)
2007.07.21
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本書の著者、元文化庁長官で、臨床心理学者の河合隼雄さんが亡くなられたそうです。巨星堕つ、本当に残念です。謹んでご冥福をお祈りします。実にたくさんの著作があり、どれほど多くの人の心を癒したことでしょう。河合氏の本を読んで、心理学を志そうと決意した若者も多いと聞きます。今、アマゾンで "河合隼雄" の名前で検索したら、なんと410件!(41冊でも多いと思うのですが...)。小学生にもわかるような本から心理学の専門書までありますね。私が読んでいるのはせいぜい10冊程度ですが、書籍という形以外でも、氏の書いた文をいろいろなところで目にしています。おそらくみなさんもそうではないでしょうか。著作の多さも信じられないほどですが、活動も多岐に渡っており、「日本ウソツキクラブ会長」 なんていう肩書きまでご自分で作られています。また、心理療法の "箱庭療法" を完成・普及させたのも河合氏だそうですね。本書は朝日新聞に毎週掲載されていた氏のコラムをまとめたものです。中学生でも読めるほど平易な言葉をあえて使っていますが、内容はどこまでも深く掘り下げることができるような気がします。一つ一つの話は短いので気軽に読めますし、目次を見て興味のあるところだけ読むこともできます。でも、きっと最後は全部読みたくなる、そんな一冊だと思います。"人"には "おはなし" がどれほど重要かを教えてくれます。 そして河合氏こそ、まさに、おはなしの達人だと確信させられます。目次は以下のようなものです。明恵三題うちの話主人公男と女ただ座っていること自己実現サンタクロース白鳥のお話マージャンガムラン音楽大和魂おくればせ安部公房さんの思い出神話を語るがんとクロッパー先生魔法のまど〔ほか〕河合氏は、代表作のひとつ、『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞を取っています。私も大変感動した一冊ですが、しかし、以前ご紹介した小谷野敦氏の 『バカのための読書術』 の中で、小谷野氏がその本を "学問的意味のない思いつき" として、読んではいけない本リストに入れているのを見て、びっくりしたのを思い出します。また、一年以上前にこのブログで取り上げた、個人的に忘れられない一冊が、私が10年ほど前に入院したおりに読んだ、『心理療法個人授業』 です。南伸坊さんを生徒役に、河合氏が心理学(療法)について、専門的なことをわかりやすく解説したものです。医学部や心理学関係に進学を希望している生徒にぜひ読んでもらいたいと思う内容です。本書でも『心理療法個人授業』でも読んで感じるのは、その底知れぬ知識や教養の高さと、わかりやすさ、プラス、優しいユーモアのセンスです。河合氏の跡を継ぐような方がたくさんいて欲しいと願うばかりです。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。なかなか伸びませんが、よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 おはなし おはなし河合 隼雄朝日新聞社詳細を見るHomeへ
2007.07.20
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当教室、小論文(国語)講師の吉野秀先生の著作をご紹介しましょう。拙ブログを継続的にご覧頂いている方は、吉野先生が "笑っていいとも!" の「口八丁手八丁・いいわけ番長」コーナーに解説者でレギュラー出演していたことをご存知でしょう。言葉の専門家です。読売新聞の『Y&Yしごと』 コラムも現在連載中です。 昔から、大人が若者の言葉遣いに苦言を呈するというのはあったと思いますし、また、日本語が乱れているとか、活字離れという指摘もされ続けていますね。"ら抜き言葉" の論争もありましたし、言葉は常に変化していますから、なかなか難しい問題です。実際、数年前は、『携帯』 という言葉には、"身に付けていること" という意味があるだけで、"ケータイ電話" の意味などあるはずもありませんが、今では広辞苑にもちゃんと出ています。ところが、そうした技術革新や世の中の変化、流行による言葉の正当性に対する疑念などが指摘されるだけでなく、最近は書いたり、話したりする時の表現力、論理性の欠如にまで焦点が当たっています。英語に関しても同じことが時々指摘されますが、国語となるとさらに問題は深刻です。私も一年ほど前にNHKのテレビ番組で、"やらせじゃないか" と思うほど、大卒の新入社員のひどい国語力に関する特集を見た記憶があります。ビジネスの世界では、社員の国語力の欠如が仕事の効率にも影響し始めたということでしょう。もし仮に自分にそういった能力が欠けていると気付いたとしても、こればかりは一夜漬けとはいきません。相当な意識改革とトレーニングが必要となるわけで、本書はそうした現場を熟知した吉野先生が、その問題点や実際のトレーニングの仕方や考え方について述べています。目次です。第1章 なぜ書けないのか第2章 自分に関わることから書いてみる第3章 整理・推敲して形にする第4章 新聞雑誌の記事を材料に「わかりやすさ」を研究する第5章 書いたものを口頭で相手へ伝える第6章 言い訳とクレームで表現力を考える第7章 観察・聴察力の高い人から学ぶ 身内だからほめるのではなく、本書はなかなか、あっいや、とても良いです(笑)。ほんとですよ、韓国語に翻訳されることも決定したくらいです!から。(韓国人の非論理性も日本人同様有名ですから、きっといけるでしょう(笑)。)特にプロ野球の星野監督の言葉の解説、実は私は単に星野監督の熱い性格や、時に見せる優しいキャラクターが魅力的なのだと思っておりましたが、やはり私は素人でした。実に言葉が、(したがって思考が) しっかりしていることが本書の解説でわかりました。ただし、読んだだけで書き方、話し方がマスターできるのではありません。英語の勉強でも、野球ーの技術でもやはり練習が必要なように、書き方、話し方も自分の課題をきちんと認識して、習慣を付ける覚悟でトレーニングを積む必要性を説いています。"読むだけで力が付く" というようなことを謳っていないところも好感が持てます。私も読んだだけでトレーニングを実行していないので、いまだこんな文章ですが...。吉野先生、HELP!なかなか一人でトレーニングできないという方、当教室の夏期講習で吉野先生に直接、個別指導を受けてみてはいかがでしょう。一日2時間で、5日間連続という単位から始められます。(ここだけの話、吉野先生に講演をお願いするとウン十万円もかかるんですって!!!) 当教室のHPへそして...、いつも付け足しておりますが(笑)...私、VIVAや他のプロ講師の授業も受け付けております。まだじゃっかん空きがあります。よろしければどうぞ!●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。なかなか伸びませんが、よろしくお願いします。m(__)m⇒ (4位) (1位)■ついでに...、【 吉野先生や私 VIVAと一緒に働きませんか 】 ということで、塾講師も大募集しております。仮に経験が少なくても、情熱にあふれ、親身になって指導していただける講師をお待ちしております。 ⇒ 当教室HPからお問い合わせ、ご応募下さい。 できる人の「書きかた」「話しかた」 伝えたいことを確実に伝える表現力 [ソフトバンク新書]吉野 秀ソフトバンク クリエイティブ詳細を見る Homeへ
2007.07.18
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いわゆる文法書の中で中級以上の受験生に薦めるとすれば、本書です。代表的な一冊、『英文法解説- 江川泰一郎』 も文法書の中の名著と言われ、私も時々参考にします。他にも十数冊は持っていますが、例えば江川先生のものなどはやや専門的で問題数も多く、英文科を目指す方ならともかく、一般の受験生には薦めかねます。また、以前 『コンプリート高校総合英語』 や 『Forest』 をご紹介しました。これらは逆に高校生には大変使いやすいのですが、入試での最高レベルの踏み込んだ理解をしたい時にはやや物足りない。事典として引くのか、参考書として読んでいくのかきわどいところです。本書にはそれらより詳しい解説が載っています。900ページ近い分量ですから、私のような文法大好き人間ならともかく、受験生は最初から読んでいくのではなく、わからない文法が出てきたら引く。すなわち文法事典ですね。こういう本を使うときの問題は、ある程度学習者に文法知識がないと、該当する箇所にすらたどり着けないという点です。そういう意味では索引がこの種の本ではある意味生命線ですが、本書は非常によくできています。語句索引も充実しています。そもそも引きやすいことをコンセプトに作られており、索引だけで50ページを越えています。文法事典の良し悪しは、内容だけでは決まりません。あいうえお順の辞典とは違い、事典とはいえ参考書ですから、使う側の学力次第という面があります。どれを選ぶか迷ったら、引き比べをすることです。例えば、自分は "関係副詞" というのがわからない。そうなったら実際に図書館や本屋さんへ行って、それぞれの文法書を引いて、もっとも引きやすいもの、解説がわかりやすいものを選べば良いわけです。ただし、少なくとも5つくらいは項目を比べて下さい。"仮定法現在" とか "叙述用法" "決定詞" といった少し高度な文法用語で引いてみたり、 should とか the という語句索引で使いやすいものはどれか探してみたり、"副詞" や "so~that" という基本事項で比較することをぜひお勧めします。さらに練習問題がたくさん付いていたほうが良いのか、いらないのか、そういったチェックポイントは人によって異なります。問題より例文の量や質とその解説も比べられます。難しすぎると思ったら敬遠してください。受験生は志が高いので、たいてい難しそうなものを選ぶのですが、受験後も使うというくらいの覚悟なくして買ってしまうと宝の持ち腐れで、無理に使えば混乱するだけです。勉強はとにかく積み上げですから、難しそうなものは、次に買えば良いと割り切ることです。また受験生の心理として "この一冊さえあれば" という気持ちを持ちたがるのですが、それを抑え、何冊か揃っていても良いくらいの気持ちで選ぶこと。それがこういう本を選ぶ時のポイントです。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。なかなか伸びませんが、よろしくお願いします。m(__)m⇒ (4位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 ロイヤル英文法-徹底例解旺文社詳細を見るHomeへ
2007.07.18
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なんと! 当教室 に通っている中学生が、自分のお兄さんのためにこのテキストの書評・解説を書いて下さい!と持ってきたものです。お兄さんが夏休みの家庭学習でこれを使いたいということです。いや、それにしてもけなげ。心優しい弟くんですが...、『 弟なんか使わずに、塾に来て私の授業を受けなさい!』 と伝えたのですが、どうでしょう(笑)。まぁ、それはともかく、本書です。良い本ですね、きちんと使いこなすことができれば。『Next Stage(ネクステージ)英文法・語法問題』 でおなじみの瓜生豊・篠田重晃の両先生のテキストです。拙ブログでもお二人の 『英文法ファイナル問題集』 を以前、取り上げました。実は、本書と上で挙げた2冊はそれこそ "兄弟" と呼べるほど、問題も解説も似ています。どれか一冊を徹底してやれば、ほぼ文法や語法はマスターできそうですが、それぞれ構成が異なるということ、本の形式が違いますので使い方も工夫して下さい。学校などから生徒に渡しているのは、『Next Stage(ネクステージ)』 です。持っている生徒が多いのですが、一人で勉強するとなると、実はこれが一番使いにくいというか、解説が少ないので、私はお薦めしません。『Next Stage』 は、他の2冊と違い、問題と解説が別冊になっておらず、同じ見開きの左右のページにあります。もうひとつの特徴は一番広範な分野を扱っているということ。例えば、発音・アクセントは 『Next Stage』 にしか入っていません。そういったことが、学校の授業では使いやすい理由なのかもしれませんが、その分解説の内容が薄くなっている印象は免れません。発音やアクセントなども、一応付いているという程度で、その情報量はわずかですから、別のテキストでも十分補えます。『英文法ファイナル』 に関しては記事にしましたので、それを参考にしていただきたいのですが、特徴はまず、標準編と難関大学編の2冊に分かれていること。さらに答案用紙まで用意され、設問に配点を付けたテスト形式であるということです。それが使いやすいかどうかは個人の好みにもよるでしょう。そういった形式を考えれば、夏休みに集中的に文法をやるという時に使うより、一通り学習し終わった生徒が、自分の理解度や弱点を確認するのに良い本です。制限時間内で目標点を決め、緊張感を持って解いていけば、この形式が活かせます。"英文法" という名が付いていますが、語法やイディオムや会話表現などの暗記部分もしっかり入っています。また解説も非常に充実していますから、復習もしやすいはずです。そして、本書。たとえば本書には会話表現という項目こそ設定されておりませんが、入試に必要なものはある程度問題に含まれていますから、実質は『英文法ファイナル』と大差ありません。少なくとも、ファイナルよりは先にやるべきテキストです。ファイナルが総仕上げ的に、分野の区別のないテスト形式になっているのに対し、こちらは時制からオーソドックスに始まりますし、基本からセンターレベル、さらにそれ以上へと段階的に導いてくれます。ただし、まったく初歩の文法からやりたい人には向きません。すべて入試問題ですから、いくら解説が詳しいといっても、1000題プラス復習200題を初歩から理解するには、膨大な時間がかかりますから注意して下さい。中級から難関レベル向けです。結局、この3冊(英文法ファイナルは標準編と難関大学編)は、どれを使っても、その内容すべてを理解すれば、結果的には似たような効果があると言えますが、上記の理由で夏休みに独習するなら、本書がベストです。個人的には、このお二人の参考書はどれも解説が詳しく大変気に入っていますが、どうして、こう似たような本を何冊も出されるのか、事情がよくわかりません。これら以外にもまだ何冊かありますから、受験生はどれを使ったらよいのか迷うのも無理からぬところです。(確かに、弟まで使いたくなる気持ちもわかる(笑)。)こういうタイプの本は、いろいろ中途半端に手を出すのではなく、しっかり一冊を仕上げる方が学習効果は高いはずです。特に本書は問題が小冊子となっており、できない問題にしるしを付けて一つ一つつぶしていけば、自分の学習進捗度も把握しやすいでしょう。本書の中のどこから出されても大丈夫と言えるくらい使い込む。そういう覚悟で頑張って下さい。かなり量がありますので、短期間でやり切るのは大変ですが、良質の問題集であることは間違いありません。P.S. お兄さん!読んでくれたかな?わからなかったり、くじけそうになったら夏期講習に来て一緒に頑張ろうね(笑)。英文法博士になろう。必ずマスターさせるから!●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。なかなか伸びませんが、よろしくお願いします。m(__)m⇒ (4位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 全解説頻出英文法・語法問題1000桐原書店詳細を見るHOMEへ
2007.07.17
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『最後の将軍-徳川慶喜』 司馬遼太郎詳細を見る今回の『読書感想文にお薦めの本』 の最後の二冊。まずは司馬遼太郎氏からです。拙ブログでも司馬氏の作品は 『殉死』 『二十一世紀に生きる君たちへ・洪庵のたいまつ』 『竜馬がゆく』 『坂の上の雲』 などを取り上げました。どれも素晴らしい作品ですが、本書もまた、司馬ファンならずともぜひお読みいただきたい一冊ですね。村井先生の紹介です。徳川15代将軍、「大政奉還」で江戸幕府を終わらせた最後の将軍である慶喜の話です。歴史の授業に出てくるので、この人物の名前は聞いたことがあると思います。ただ、この時代は坂本竜馬や西郷・桂、新撰組といった華やかなヒーローたちがいる中、慶喜はいつも脇役的な存在でなかなかスポットがあたらないため、慶喜は幕府のお飾りなだけ?無能な将軍?といったイメージが付いてしまいがちですが、実は慶喜はとても優れた政治力を持つ人物。激動する時代を見通していた慶喜が、どのような想いで幕府を終わらせたのか...。今まで知らなかった慶喜の人物像を堪能できて面白いです。感想文も書きやすいと思うので、興味ある方はぜひ読んでみてください。■■■■■■■■■■■■『幸福な食卓』 瀬尾まいこ詳細を見る瀬尾まいこ氏は、年齢も作風も全く違いますが、人気なら、司馬氏に劣らないほどですね。氏の作品も、これまで取り上げております。『卵の緒』 『図書館の神様』 『天国はまだ遠く』 です。これらのうちでは、確かに本書が一番感想文が書きやすいでしょう。伊藤先生の紹介です。冒頭からどんな展開になり、家族にどんな過去があるのか・・・ちょっと変わった?家族の物語です。お父さんお母さん、お兄さんそして主人公である妹の成長物語であり、読書感想文を書く際には自分を主人公に置き換え、あるいは自らの家庭を比較しながら書けばスムーズに筆が進むのではないでしょうか。一話ずつが短編になっていますので、とても読み易く、女の子には多く共感できるところがあると思います。中学生以上におすすめです。 ●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。なかなか伸びませんが、よろしくお願いします。m(__)m⇒ (4位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 HOMEへ
2007.07.16
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『素人包丁記』 嵐山光三郎詳細を見る当教室 ならでは!という本を今日は紹介しましょう。絶対、学校では推薦図書にはしないでしょうね(笑)。昨日の文学作品とはえらい違いです。今日ご紹介してくれる先生はお二人とも、超人気講師ですが、こういうことができるのが人気の秘密?まずは、フルヤ先生が取り上げてくれた一冊。嵐山光三郎は以前、私VIVAが 『死ぬための教養』 をブログで取り上げました。よろしければそちらもご覧下さい。では、フルヤ先生の紹介文です。感想文を書きやすい本とのことです。「簡単に泣ける本」 「簡単に笑える本」 を挙げたい所ですが、読んだ人全員が同じような感想を持つような本では、人と違う感想文は書けません。そこでこの本です。元雑誌の編集長でもあり、エッセイストでもある著者が繰り広げるトンデモナイ料理への挑戦。メロンをぬか漬けにしてみたり、おむすびの中にジャムを入れてみようとしたり・・・。突拍子もないアイデア、リズムのいい文章。読みやすく、かつ読んだ人が色んな感想を持つ本だと思います。よくあるグルメ本とは全く違いますよ。 ■■■■■■■■■■■■『夢を叶える社長の「出会い」戦略』倉田俊相詳細を見るそして、こちらは吉野秀先生のお薦めです。お~!偶然にも、上の嵐山光三郎と言えば、『笑っていいとも!増刊号』 の編集長じゃないですか。吉野先生もついこの前まで、『笑っていいとも!』 にタモリさんたちとレギュラー出演しておりました。以前、吉野先生が読売新聞に連載しているコラムを取り上げたおりにお知らせしましたね。 ⇒ 『吉野先生のコラム』それにしても、いったいこういった本をどう料理すればよいのでしょう。分からなければ、当教室で吉野先生の作文(小論文)講座もあります。では、紹介文です。受験生にとって、経営者が描くビジネス書は一見無縁なものと考えられるかもしれない。ただ、大きな目標を達成するために「効果的で創造的」な設計図を作り、それを具体的・継続的に進めていくのはまぎれもない共通点だ。著者はカネなし・コネなし・情報なしから一躍、六本木ヒルズ族の仲間入りをした。受験を通しての人生勉強へ役立つ言葉が数多くちりばめられている。もう一度、自分の将来を考える意味でも、今までとは違った視点・発想での感想文作成に挑戦してもらいたい。 ●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】
2007.07.15
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『走れメロス』 太宰治詳細を見る『走れメロス』 はいまだに多くの中学校の国語の教科書にも載っておりますし、定番中の定番。それが画一的だと批判されるほど逆に言うと人気の高い作品です。読んでいない人はぜひ、一度読んでみて下さいね。本当は本があると何度も好きなときに読めて良いけれど、太宰治や夏目漱石や芥川龍之介など、死後50年以上経った作家の作品は、著作権が消滅し、ネット上で読むことができるものがかなりあります。本作品もすぐに読めます。 ⇒ 青空文庫 『走れメロス』 monta 先生がすすめてくれました。小学校の時読んで以来なのですが、もう一度読んでみました。人を信じるということはなかなか難しいです。だけどそれに応えたとき、築くことができる信頼関係とは一生ものです。友情、さらには人間関係が円滑にいくということは何物にも代えられない、大切なものだと再認識しました。久しぶりに読んでみても、いい小説だったなと感じます。■■■■■■■■■■■■『刺青・秘密』谷崎潤一郎詳細を見るこちらも文豪、谷崎潤一郎です。思い切った推薦だと思いましたが、なるほど、genio先生 の紹介文を読んで納得。"文学青年" 最近あまり聞かない言葉ですが、本書などがきっかけになって、ゲーム少年がどんどん文学青年に変身すると良いのですが...。 genio先生の紹介文です。谷崎潤一郎なので、オススメの対象は高校生のみなさんです(笑)。谷崎と言えば『刺青』が有名ですが、本書に収録されている『秘密』はもっとインパクトが強かったです。目隠しをされて怪しげな場所に連れて行かれる主人公。視界を奪われながらも秘密を隠し持つ優越感、タブーを犯す快感など、共同体から分離しきれない近代人の抱える矛盾を描いています。その奇怪さといったら、さながら都市伝説のようです。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 Homeへ
2007.07.14
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当教室 の7月号メルマガは、『読書感想文にオススメの本』 の特集でした。夏休みの宿題と言えば、読書感想文ですね。書けない人、当教室に通ってください!というわけで、先生方に読書感想文にしやすい作品を紹介してもらいました。『五体不満足』 乙武洋匡詳細を見る乙武氏は生まれながらにして、両手両足がないという障害を持っています。テレビでもキャスターをされていましたし、本書も大変なベストセラーになりましたから、知っている生徒諸君も多いでしょう。当塾の代々木教室にもたくさん生徒が通ってくれている戸山高校 (そして、早稲田大学)の出身ですので、個人的にも非常に親近感を持っている作家さんです。本書は代々木教室の aya先生が紹介してくれました。aya先生の紹介文です。中学校の国語の教科書にも採られている本です。作者の乙武さんは両手、両足がなくても障害者としてではなく、一人の人間として生き生きと生活していることがよくわかります。乙武さんも偉大ですが、ご家族や周囲の人々も素晴らしいと思いました。本書の読書感想文を書く時には、自分がもし、乙武さんの立場だったらどうなるか、また障害を持つ人と健常者との交流はどうあるべきなのか、障害を持つ人のために私達は今、何が出来るのかなどを考えてみると書きやすいと思います。 ■■■■■■■■■■■■『白い牙』 ジャック・ロンドン 詳細を見るこちらは世界的な動物文学の傑作です。これも書きやすいでしょう。原作は100ほど前に書かれたらしいのですが、普遍的な感動物語の一冊で、小学校高学年から読めます。(日本に同名の有名な映画がありますが、本書とは無関係です)福原先生の紹介です。動物物語で主人公は狼と犬の混血です。過酷な運命や厳しい自然と闘いながら、最後にようやく主人の元で安息の時を迎えるまでの力強い一生を描いてます。人間っぽい理屈は抜きです。むき出しの愛、孤独、感動を味わうことができる一冊で、 非常に読書感想文向きの内容です。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 Homeへ
2007.07.13
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いよいよ参議院選挙の公示です。年金問題やら閣僚の事務所費問題で、あんなに高かった安倍首相に対する支持率がここのところ急低下。民主党などの野党にとっては絶好のタイミングで選挙をむかえて大チャンスでしょうが、さてどうなるでしょう。選挙がある時には、定期テストの時事問題にも必ず出されますからね。生徒諸君も注目していろいろと覚えて下さいよ。ちょっと復習しましょうか。参議院議員の被選挙権は30歳以上。任期は6年で、3年ごとに半数を改選する(衆議院は25歳。任期4年で途中解散もある)。全体の定数は242人で、選挙区146議席と比例代表96議席に分かれる。各都道府県を選挙区とする選挙区制(大選挙区制:選挙区ごとに1から5名) と非拘束名簿式で全国統一での比例代表制によって行われ、重複立候補はできない。(衆議院は定数480、小選挙区300人、比例代表11ブロックで180人。拘束式で重複立候補ができる)大丈夫かな?今回は242の半分、121議席を370人くらいの候補者で争うことになりそうです。各党のマニフェストはそれぞれHPでご覧下さい。 自民党 民主党 公明党 共産党 社民党 国民新党 新党日本さて、本書です。安倍首相の支持率が低下しつつあるのとは対照的に、引退時でも 歴代内閣最高の 60%という支持率を維持した小泉政権というのはいったいなんだったのでしょうか。総理総裁を辞めてからはほとんど表に出てきませんでしたが、選挙が近付いた今になって、マスコミにその人気振りが報じられたり、再登板の話題まで出たりするほどです。ところが政治関係の書籍でもブログでも、小泉政治を評価する声はほとんど見聞きしません。どんな政権でも功と罪があると思うのですが、まるで罪ばかりの政権だったかの印象です。このブログで取り上げた本の中では、『戦後政治家暴言録(保阪正康)』 や 『総理の値打ち(福田和也)』 『さらば外務省(天木直人)』 あたりが最も手厳しい批判を小泉氏に加えています。印象としては、政治に詳しい人ほど小泉政権に対する評価が厳しい気がします。私は政治に詳しくないので、功の方もある程度、評価をしています。何といっても電撃的に訪朝し、北朝鮮に拉致を認めさせたことと、不良債権処理を強行し金融機関を再生させたことが最も大きな功績だと思うのですが、これ以上書くと詳しい人から攻撃を受けそうなのでここまで(笑)。罪はどこでも言われているように、あらゆる分野で本当に格差が広がったと感じること。教育問題に関して言えば、"一内閣一閣僚" と言っていたはずが、文部科学大臣をコロコロと変えてしまい、政策にまったく一貫性がなかったことです。戦後3番目の長期政権、5年以上に渡りましたから、いろいろなことがありました。拙ブログで、小泉首相だけを扱った書籍は 『官邸主導(清水真人)』 と 『小泉純一郎最後の賭け(大下英治)』 の二冊ですが、小泉政権周辺による道路公団問題、日中・日韓関係を扱ったものや、その政治姿勢をどう評価するかというものまで、知らないうちに数多く取り上げました。 ⇒ 『政治・経済関連』 本書では、小泉政権がワイドショー型とか劇場型と言われながらも、メディアは最後までその政治姿勢の本質を読み違え、過小評価してきたのではないかという問題意識から書かれています。ただし、小泉純一郎を不世出の政治家であるから、それをきちんと評価しようというよりも、なぜメディアは間違え続けたのか、そこのところを検証しようではないかという意図です。小泉政権誕生直後の組閣人事から報道は間違えました。いやそもそも、総裁選で、最初から小泉氏が勝つという予想すらできなかったのですね。あの超不人気の森政権をつぶそうと起こった、"加藤の乱"。 それ自体は不発でしたが、収まった後、森氏のあとは橋本龍太郎氏に決まりという雰囲気でしたから。その後もいろいろありました。小泉は必ずどこかで折れるはずだというメディアや政治評論家の予想をことごとく裏切って、妥協しない姿勢を貫きました。"丸投げ" とか "使い捨て" "パフォーマンス" "独裁者" という批判をずっと浴びてはいましたね。終わってみると、多くの元自民党の実力者に刺客を向けてまで衆議院解散に打って出たあげくに、郵政の民営化をやり遂げ、中国・韓国の批判を承知の上で8月15日の靖国参拝まで実現してしまいました。以下が目次です。なぜジャーナリズムは敗北したのか政権前夜-嵐の前の静けさ政権発足-テレポリティックスその人脈と側近たち聖域なき構造改革-道路公団改革小泉外交-北朝鮮抵抗勢力の反撃靖国参拝重要法案郵政選挙後継者たち兵どもが夢の跡唯一の相談役ジャーナリズムよ率直であれ 筆者自身が評論家ではなく、まさに記事を書いていた当事者。5年半にも渡って小泉政権をウォッチし、記事にしてきた側で、要するに小泉政権に対するすべての記事を検証することは物理的にも不可能なので、せめて自分が書いてしまった誤った憶測記事そのものやその背景を検証しているわけです。筆者も言うように、確かにある意味、自殺行為ですね。人が忘れているであろう過去の自分の誤報のようなものを、あえて遡上に乗せるわけですから。万国共通のメディアの使命であるとされる権力監視という機能において、ここまで間違えを繰り返していたのだから、やはりその問題点をあぶりだしたいという正義感というか使命感は読んでいて伝わってきます。大胆な選挙予想をはじめ、経済見通しや政局分析、外交評論家など、本当にことごとく知識人といわれる人々が訳知り顔で断定的に予想をし、それが見事にはずれても、まったく悪びれる様子もなく、その後にマスコミに登場し続ける現象は辟易とします。小泉氏の行動を "パフォーマンス" だと切って捨てるマスコミの方こそ、みずからの予想報道の結果を検証もせず、反省もしないまま、日々パフォーマンスを演じている気がしてなりません。それに乗ってくれるいわゆる知識人や田中真紀子氏に代表されるような人気政治家をメディアに登場させていると感じますので、本書の意図には共感を覚えます。筆者の結論として、小泉氏は正直な政治家だったと。自民党はこの前の選挙では勝ちましたが、壊れてしまった部分も確かに大きいですね。そういう意味においては、非常におもしろい一冊だと思います。これから選挙予想もどんどん出るでしょう。権力チェックも必要ですが、そもそもマスコミが権力になっているのですが、それをチェックするのは自分しかいないということを訴えているような一冊です。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 小泉の勝利 メディアの敗北草思社詳細を見る Homeへ
2007.07.12
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"ヤンキー先生" こと義家弘介氏が、自民党から参院選比例区に立候補するそうです。驚きましたね。義家氏には教育再生会議での活躍を期待していただけに、残念です。伊吹文部科学大臣がちょっとしたいやみを言ったそうですが、正直、私も釈然としません。そのために、"教育再生会議" の委員を辞任したわけですが、その後任が "オール1先生" と呼ばれる本書の著者、宮本延春氏です。"ヤンキー" のあとがまが "オール1"!? まるでドラマのシリーズものの続きでも見ているようで、話題つくりが先行してしまっている印象です。少し心配なのですが、有名人を揃えることで教育に対する世論の関心を高める効果があるのでしょうか。それはともかく...、本書は良いです。宮本氏が政府の機関に属してどこまで活躍できるかは知る由もないのですが、宮本氏のような考え方がひとつでも多くの教育現場で実践されることを願います。書名からわかるように、宮本氏はオール1の通知表をもらうくらい小学校・中学校の勉強がわかりませんでした。ひどいいじめなどによって、不登校になり、家庭内暴力や貧困にあえぎながらの生活だったようです。高校進学など夢のまた夢、中学卒業後は大工の見習いになりますが、さらにひどい職場のいじめにあいます。16歳の時に母が亡くなり、職を転々としている時期にラーメン屋だった父も病死。兄弟もいないため18歳で天涯孤独の身になります。その少し前、部屋にこもり、自分の人生の目標を考えに考えて出した結論が音楽活動で食っていくこと。フリーターをしながらバンド活動に没頭するもやはり現実は厳しい。やがてその仲間の紹介してくれた建設会社のアルバイトで働くうちに、これまでとは違う心優しい人々に出会い、仕事の楽しさをはじめて経験し、転機を迎えます。そこの社員となり、仕事に必要な資格を取るために九九を覚えなおし、勉強が始まります。人生の目標が変わります。仕事と勉強に熱中し、バンドは楽しみながら。昔からやっていた少林寺拳法に励む。そんな充実した生活を送れるようになったころ、さらに目標を劇的に代えてしまったのがアインシュタインを扱ったテレビ番組。彼女(今の妻)が貸してくれたそのビデオを見て、科学や自然の不思議さに打たれ、23歳で小学校3年生の算数ドリルから勉強を始め、仕事を続けながら定時制高校に入学します。そこでも、ちょっと信じられないくらいの暖かい先生たちの励ましや、楽しい仲間に出会い、人生ではじめて、楽しい学校生活を送ります。どんどん学問にひかれていき大学受験を決意。寸暇を惜しむ不断の努力と、周囲の暖かい協力を得て、見事、難関の名古屋大学に合格します。9年間研究に没頭し、大学院卒業後、36歳で母校の教師なるというストーリーなのです。目次です。第1章 オール1の落ちこぼれ先生-オール1先生の授業第2章 どん底の十代で考えたこと-"いじめ"と"学校嫌い"第3章 アインシュタインとの出会い-アインシュタインと彼女第4章 定時制高校での猛勉強-目標は超難関大学第5章 オール1から大学受験へ-大学受験第6章 なぜ勉強するのか-大学生活第7章 オール1教師の学習法-落ちこぼれの勉強法大変読みやすく感動的な一冊で、小学生から大人まで手に取ることのできる内容だと思います。九九さえ覚えていない、中学を出た時に知っていた英単語は、本屋の看板で覚えた book のみというのです。ここから、塗炭の苦しみを味わいながら、猛勉強で自分の道を切り開いたわけです。もちろん人並み以上の頭脳と努力をいとわないまじめな性格があればこそなんでしょう。本書を読んだだけでは、どうして多感な若者がこんな苦しみにぐれることなく耐えられたのか、素直な気持ちを失わずにいられたのかわかりませんが、やはりキーワードは 『夢』 や 『目標』 ということのような気がします。最後に紹介されている勉強方法にしても、いわゆる"王道"です。周囲のアドバイスもたくさんあったのでしょう。さまざまな工夫がされ参考になりますが、特別なテクニックがあるわけではありません。全編を通じて、『目標』 を持つことの大切さ、それに向けて 『学ぶ』 ことの意義を生徒たちに伝えたい気持ちがあふれています。現在は先生ですから、通知表を付ける側ですが、やってもできない子には徹底的に付き合うが、やらない生徒には1を厳しくつけるそうです。いじめなどによって、夢や希望を失ったまま生きている生徒の力になりたい、そして本書を読んだ人の人生に少しでもヒントを与えたい、そんな気持ちを感じる一冊でした。 ●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 オール1の落ちこぼれ、教師になる角川書店詳細を見るHomeへ
2007.07.11
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以下は当教室の今月号のメルマガに、私が投稿した教育コラムです。 よろしければお読み下さい。 ■■■■■『学校:School』とにかく教育を変えたい、学校を再生したいということでしょう。安倍総理大臣が登場して、教育再生会議というものができて以来、教育問題に関して、実にいろいろな動きがあります。確かに昨年の未履修の問題やいじめの問題など、教育界にはどこから手を付ければ良いのかというほど、まだまだ多くの課題が山積みです。つい先日も教育再生関連の三法案が可決されました。これによって、学校の先生たちの免許が更新制になり、指導力不足の教員を排除するというのですが、これとてどう運用されるのか、まだ何も解決されていません。いったい 『学校』 というものに何を求めるのでしょう。理想の学校というのは生徒ひとりひとり、また保護者によってもさまざまでしょうから、みなが納得するような学校像を描くのはひどく難しいと思わざるを得ません。そもそも学校って何。たまにはそんなところまで考えてみましょう。学校は英語で school。この言葉の語源は、ギリシャ語の "ひま、余暇" です。そう、学校(school) というのはもともと暇な人たちが集まるところでした。日々、宿題や部活動に追われている生徒には意外でしょう。古代ギリシャで、仕事をせずに学問ができるのは生活に余裕のある人々しかいません。そういう人々が余暇を利用して教養を身につけるためにできたのが school:学校です。(余談ですが...、そうなると、時々、生徒たちが、塾で出された宿題ができなかった言い訳に使う、"学校の方が忙しくて..." というのは言葉の矛盾ですね(笑)。学校は暇な人が行く所ですから。)さて、日本でも江戸時代から寺子屋はあったものの、今のように誰でも学校に行けるようになったのは、実は比較的最近のことです。われわれの一世代前、つまり生徒たちのおじいちゃん、おばあちゃんの世代は、家の仕事の手伝いがあるために学校へ行きたくても行けない子供は日本にもたくさんいました。そういう意味では、現代の生徒たちは、仕事から解放されて学校に行けるだけで恵まれているのですが、では、その余暇を使って、学校で何をするのでしょうか。今度は日本語の 『学校』 という言葉を見てみましょう。 『学』 はもちろん"まなぶ"こと。そして、"まなぶ" の元の意味は、 "まねぶ"、 つまり "マネをする" ことです。『校』 は "交" という字が示すように、人々が交わるところ。つまり、教える、学ぶ(まねる)の交流の場が学校です。学習の 『習』 という字も "手本通りにすること" ですから、『学習』 というのは徹頭徹尾、人のものまねをするということ。それによって知識を身に付けるのが学習の目的です。そうなると学校の先生と生徒の関係が実にわかりやすくなります。生徒たちは "先生のまねをするため" に学校に来る。そのお手本となるべき人たちがいなければ学校は、本来の学校ではなくなるということです。日々の生活の中で、親が子の手本にならなければならないように、学校の先生方も生徒たちが 『学習』 したくなる手本でなければならない、そういう重い使命が課せられていることがわかります。そのために、みんなの税金でできているのが 『学校』 というものです。難しい法律や複雑な教育のしくみが次々にできますが、やはりその根本にあるのは、『先生』 であると思います。優秀な若者が "教師になりたい" と思うような改革であること、そして "先生のようになりたい" と思う生徒がたくさん生まれる改革であることを願ってやみません。◎"先生"というのは単に "先"に"生"まれただけでは務まらないんですね(笑)。もちろん、塾の先生である我々の自戒を込めて...。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】
2007.07.10
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日本史の教科書にも登場する内村鑑三。1908年、今から100年前、英語で執筆され、その後各国で翻訳された氏の代表作が本書です。日本を代表する5人を外国に紹介したものです。 新渡戸稲造の 『武士道』、岡倉天心『茶の本』 と同様、日本人が英語で自国の文化・思想を西欧社会に紹介した著作ですね。そういえば新渡戸稲造も敬虔なキリスト教徒ですが、内村鑑三の場合はキリスト教徒であることがより重要です。二人とも札幌農学校で、"少年よ大志をいだけ" のクラーク博士などに教わっており、その影響力の強さが伺えます。ところが内村はアメリカに行ってみて、あこがれのキリスト教国の拝金主義と人種差別を目の当たりにし大いに落胆したそうです。アマゾンの紹介文の一節にも"自分はイエスキリストに従う者である。と同時に金銭に対する執着や狡猾な駆け引きを嫌うサムライの子である。"とあります。日本におけるキリスト教というのは、『キリスト教と日本人(井上章一)』や『沈黙(遠藤周作)』 『塩狩峠(三浦綾子)』 のどれを読んでも、やはりすんなりと根をおろすまではいかないなぁと実感します。内村も渡米後、二つの J (キリストのJ【Jesus】 と 日本のJ 【Japan】)を信じる独自のキリスト教観を持つに至るわけですね。本書で内村が紹介している5人にはキリスト教徒どころか、日蓮上人が入っています。西洋的な宗教観とは異なる日本人の伝統文化や道徳観を示すために、5人の偉人たちを取り上げて、その生涯と実績を書き綴ったものです。取り上げられている5人です。1 西郷隆盛-新日本の創設者(一八六八年の日本の維新;誕生、教育、啓示 ほか) 2 上杉鷹山-封建領主(封建制;人と事業 ほか)3 二宮尊徳-農民聖者(今世紀初頭の日本農業;少年時代 ほか)4 中江藤樹-村の先生(昔の日本の教育;少年時代と自覚 ほか)5 日蓮上人-仏僧(日本の仏教;生誕と出家 ほか) 翻訳も読み易くなっていますから中学生が読んでも大丈夫でしょう。簡単な伝記として読むこともできますから、興味を持ったらそれらの人物についてさらに深く調べたり本を読んだりしたら理想的ですね。1の西郷隆盛は小学生でも知っていますね。2の上杉鷹山、実は故ケネディー大統領がもっとも尊敬する日本人だと語っています。その時、それを直接聞いた日本人記者の中の誰も上杉のことを知らなかったというエピソードが残っています。ケネディーが上杉を知っていたのは本書を読んでいたからではないかと指摘されています。上杉のことを知らない人も『為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり』という言葉なら聞いたことがあるでしょう。それを残した米沢藩主です。3の二宮尊徳(金次郎)は薪を背負って本を読みながら歩く銅像が、日本のあちらこちらにありましたが、今は撤去されているものも多いそうで、子供たちは見たことが無いかもしれませんね。 4の中江藤樹は難しいのですが、"陽明学" という学問を日本で広めた学者で、最後の日蓮上人は鎌倉時代の僧。知っていますよね。新渡戸稲造の 『武士道』 もそうですが、こういう本を読みますと、きっと自分が当たり前に持っている日本人的なものを再確認できるのではないでしょうか。日本人で良かったと。そして、それぞれが自分の考える "代表的日本人" を挙げられるようになったら言うことありません。私なら、聖徳太子、徳川家康がすぐに思い浮かんで、あとは誰にしようという感じ(笑)。多くの生徒に読んでもらいたい一冊です。P.S. 本書はありませんが、内村鑑三の著作のいくつかは青空文庫で無料で読めます。 ⇒ 青空文庫(内村鑑三リスト)●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 代表的日本人岩波書店詳細を見るHomeへ
2007.07.09
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“数学の本質は論理である!” と帯にあります。副題が数学原論。私は “数学嫌いな人” ではなく、むしろ好きな方ですが、小室直樹氏の名前にひかれて読んでみました。以前、『人を作る教育 国を作る教育』 の記事の中で触れましたように、小室氏のことを日本一頭が良いと、竹村健一氏が評していました。確かに ウィキペディア でその経歴を読むと、なるほど勉強好きなんだなぁと感心します。 ⇒ 小室直樹(Wikipedia)本書では “なぜ数学を学ばなければならないのか” ということなどを説明しています。日本語は曖昧な言語だと言われますし、日本人には数学嫌いが多いとも聞いたことがありますが、数学ができない国民がこれほど科学技術を発展させられるとも思えません。“和算” という伝統もあり、偉大な数学者を輩出していますし、学力低下が言われる現在でも、数学オリンピックで、日本人の生徒たちは活躍していますよね。小室氏は、数学のパワーがどれほどすごいものなのかを理解していないために日本人は中国人や韓国人と論争できないと語っています。日本人が理論を使うのがヘタだということです。私は日本人が理論を理解していても、それを説得に使うとか、直接ぶつけるというディベートのような習慣が欠如しているのではないかと思っていますが、どうでしょう。氏は、ゆとり教育の名のもとにさらに数学的論理を学ぶ機会が減少することを嘆いてもいますが、その通りですね。 そもそも数学は神との対話、論争のために生まれた学問であり、ユダヤ教を持つイスラエルの頑民が生んだのだそうです。ご存知でしたか、こんな数学史。 “神は存在するのか” その一点から論争は始まったというのです。その時、“もし神が存在しないのなら” という仮定を用いて現実の矛盾などを指摘。結局、神が存在することを民衆に納得させた。つまり背理法です。こんなことから本書は始まります。以下が目次です1 数学の論理の源泉―古代宗教から生まれた数学の論理2 数学は何のために学ぶのか―論理とは神への論争の技術なり3 数学と近代資本主義―数学の論理から資本主義は育った4 証明の技術―背理法・帰納法・必要十分条件・対偶の徹底解明5 数学と経済学―経済理論を貫く数学の論理 このあとはアリストテレスの論理学から日韓関係のとらえ方、ケインズの経済学に至るまで、数学の応用範囲を広げて語っています。数式はほとんど出てきませんので、数学の専門知識は必要ありませんが、易しいというわけではありません。世の中のしくみやできごとを数学的(論理的)にとらえるという習慣の有用性を語っているのですが、本書の作り方自体、論理的というより、エッセイ風でもあり、会話が突然入ったりしています。繰り返しもあったり、別に読みにくくはないのですが、体系的ではなく、非論理的だなぁ~と思った次第です(笑)。本書とはおもむきは異なるのですが、以前ご紹介した 『数学ができる人はこう考える(シャーマンスタイン)』 も数学の有用性や不思議さを魅力的に取り上げていました。また、野矢茂樹氏の 『論理トレーニング101題』 も論理学をわかりやすく教えてくれる大変貴重な一冊です。『フェルマーの最終定理(サイモンシン)』 や 『博士の愛した数式(小川洋子)』も数学に対するロマンにあふれた名作でしょうね。 逆にいくら論理的に考えても、株は儲からないよ、理不尽だよということを 『天才数学者、株にハマる(ジョン・アレン・パウロス)』 は示してくれました(笑)。また直接、数学云々ということではなくても、日本人全体に “論理的思考” が欠けていると指摘する本として、『なぜ勉強するのか(鈴木光司)』 『プロ弁護士の思考術(矢部正秋)』 『人生と投資のパズル(角田康夫)』 などを取り上げましたが、いずれも私には忘れられない一冊です。本書は、これらの本のどれとも異なり、世の中は数学が支配しているとでも語っている印象です。我々が日々直面する問題は、数学のようにはすっきり答えの出ないものがほとんどですが、見方を広げるとそこには数学的論理が存在しているというような感想を持ちます。本書は今上に挙げたいくつかの本同様、数学嫌いな人どころか、算数・数学の先生などにもぜひお読みいただき、授業の中でネタに使っていただければ、生徒をぐっとひきつけられると思わせる一冊でした。 ●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 数学嫌いな人のための数学―数学原論東洋経済新報社詳細を見る Homeへ
2007.07.07
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いわずと知れた、伊藤和夫先生の代表的テキスト 『ビジュアル英文解釈』 を取り上げましょう。こちらは昨日ご紹介した、西田実先生の 『英文解釈のトレーニング PLUS』 や 木村達哉先生の 『灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編』 よりずっと易しいところから始まります。 なんと中学生レベルの英語から難関大学の受験でも役に立つような英文解釈力を付けさせようという意図です。英語が苦手な人用の本というのは、たいてい、単に内容が削られていたり、単語が簡単になっているだけですが、本書は違います。その点がすばらしいですね。英語が苦手だからといって、詳しい説明を省いたら、普通ますます分からなくなります。できないからこそ丁寧に時間をかけて説明してあげなければならないはずですものね。というわけで本書もかなりのボリュームです。我々がつい何気なく使う、"中学英語" とか "高校英語" という言葉がありますが、もちろん本来英語にその区別があるわけではなく、日本の教育界の事情で勝手に区切っているわけです。ところがいったん区切ってしまいますと、それをもとに教科書ができあがり、参考書ができ、受験もそれにあわせます。従って、中学英語は中学のその割り当てられた学年でしっかり理解しておかなければ、後から戻ることは困難です。いったん英語が苦手になると、それを克服するのがなかなか難しいのは、そういう事情があるからで、数学など他の科目でも同様でしょう。さらに中学・高校のつながりが問題で、日本の区切り方ですと、中学英語が年々とても少なくなり、高校にはぎゅうぎゅうに詰まっています。従って、高校生になってから英語が突然難しくなり、英語嫌いが急増しますが、上で述べたような事情で、戻って学習する機会はなかなかないのです。ですから中高一貫校などで、中3時点で高校の内容を勉強するのは、バランスから考えて当然のことで、詰め込みでも何でもなく、理にかなっているわけです。本書は英語が苦手になってしまった人でも独習で、英語の全体像が理解できるように工夫されたものです。書名に "ビジュアル" とありますが、イラストがじゃまにならない程度入っているのと、わかりにくいところは英文のつながりを図で示しているからでしょう。解説が語り口調ですし、会話などもふんだんに入っていますので、イメージとしては以前ご紹介した 『山口英文法講義の実況中継』 的な読み方ができるのですが、何度も前にやったことに言及をしたり、簡単な確認の質問があったりして、筆者の工夫、熱意が伝わってきます。説明の仕方も、伊藤先生独自というか、これまでの豊富な指導経験から、生徒が理解しにくいところ、間違えやすいところを指摘し、一般の参考書と比べれば、大胆に説明の順番や仕方を変えています。そういう意味では英語が苦手な生徒にどう教えるかというヒントにもなりますので、教える立場の人も一読されたらいかがでしょう。ただし、実際の生徒に薦めるには、本書が非常に個性的なものゆえ、かなり判断に迷います。生徒と一緒に読んでいくぶんには良いのですが、生徒一人で、Part1・Part2 を通読して理解するとなりますと、ページ数で、600近くになり、かなりの時間がかかりますので、今の時期の高校3年生にはちょっと薦めにくい。高1か高2でしょう。また、中学生レベルの英語から入りますので、ある程度の実力がすでにある人には特にPart1はまどろっこしく感じるかもしれません。が、だからといって Part2 のみで勉強するとなると、これまでの解説が充分に参考にできず、果たして大きな効果が上がるかというジレンマがあります。しかも単語のレベルが一気に上がる印象です。こちらは1987年に出されており、すでに20年も前の本ですから、この息の長い人気が本書の良さを示しているものの、どんな人に薦めるのが非常に難しいと感じます。非常にユニークな構成ですから、生徒によって合う・合わないが大きいということです。一般的に言えば、適しているのは、英語が得意な高校1年生、苦手な2年生という気がします。ただ、最低限の文法用語は理解していないと最初からつまづきます。ですから、購入を考えている生徒は、 最初のそうですね20ページくらいは実際に手にとって読んでみてから決めた方が無難でしょう。よく知られている本書ですから、当教室の生徒でも実際に持っている人が何人もいましたが、Part1の最後までやり終えるのでさえ、残念ながら少数でした。くどいようですが、万人に最高の参考書などというのはありません。良い内容であっても、自分にとって良いかどうかはまた別の問題ですから、個性的な本は自分で確かめるしかないということですね。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 ビジュアル英文解釈 (Part1)駿台文庫詳細を見るHomeへ
2007.07.06
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当教室も夏期講習に向けて、準備が一段と忙しくなってきました。夏休みはすぐそこですし、とうとう、来年のセンター試験まで、あと200日を切りましたが...、受験生諸君、気付いていましたか。来年は1月19日・20日がセンター試験です。夏休みの重要性は大学も高校・中学受験も変わりません。まとまって時間が取れるこの期間に大きく学力を伸ばしたいところです。まずは自分の課題を正しく把握し、しっかりと計画を立てて、それらを克服、悔いのない夏を過ごして欲しいものです。さて、そういう時間のたっぷりある時期に、京都大学の英語入試問題のように和訳が大きな比重も占めている大学の受験生に向いているのが本書です。和訳や大意要約ばかりの問題集ですから、他の大学の受験生にとっては実践的ではありませんが、私の好きな参考書の一冊でかなりハイレベルです。似たタイプのテキストで以前、西きょうじ先生の 『ポレポレ英文読解プロセス50』 を取り上げました。そちらも私にとっては貴重な英文集ですが、本書の方が英文が長く、さらに難易度が上がっています。したがって相当、実力のある受験生でないと一人で最後までやるのは厳しいと思われます。英文の問題の方が薄い冊子で別になっており、本書自体はその文法解説や解答・解説が各問題に対し、4ページずつ書かれています。切り離せる英文問題の方が45題で80ページほど。本体の方は、最後に本文で出てきた単語と語源のまとめが入って274ページというボリュームです。最近珍しく、訳順、つまり英文のつながりがわかったあとに日本語に直す際の解説が詳しいのですが、まぁこれは英文科に進むのでなければそこまでは必要ないかという気もします。出されている英文もかなりヘビーで、E.H.カーやM.ペイなどの学者の論文、W.チャーチルやB.ラッセルなど本格的なものばかりです。ですから気軽に手を出すのは危険です(笑)。哲学や宗教、社会学的な内容で読み応えがあります。その分、やや古めかしい印象はぬぐえません。そこが本書の長所でもあり、短所でもあります。つまり時代を超えて読まれるようなすばらしい英文ばかりで、受験生にもじっくり読んで欲しいのですが、例えば地球の温暖化とか遺伝子治療、ましてネット社会の問題などというものは出てきませんから、直接の入試対策にはやや心もとないということです。『ポレポレ英文読解50』 の記事でも指摘しましたが、本書も10年以上前、1994年に出されていますので、今や必修単語の、Global warming や Internet に関わる単語が出ていないことと、CDが付いていないのが残念です。先日取り上げました、『灘高キムタツの国立大学英語リーディング超難関大学編(木村達哉)』 とそこが大きく異なる点です。まぁ、木村先生のテキストは和訳の技術を磨くということに主眼を置いたテキストではありませんが。京大志望で、なおかつ英語が得意な生徒が、受験のためにさらに幅を広げる、教養を深めるという目的にはぴったりの一冊だと思います。また、こういう英文集は貴重だと思いますので、英語を大学受験生に教えている方が読んでおいて損のないテキストではないでしょうか。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (3位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 英文解釈のトレーニングPLUSZ会出版詳細を見るHomeへ
2007.07.05
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米国の原爆投下を「しょうがない」と発言し、厳しい批判を受けていた久間防衛相が辞任しましたね。被爆者だけでなく、国民感情を考えても、久間氏の発言が極めて不適切なのは自明です。しかも被爆地、長崎県選出の政治家だというのですから。ただ、原爆は「しょうがない」どころか、断固「許せない」として...、日本政府がこれまでアメリカの原爆投下に対して謝罪や賠償をあらためて求めるとか、あるいは久間氏とは逆に、あからさまに原爆投下を非難するという行動を取った大臣がいるのでしょうか。久間氏の発言は現役大臣でもあり大問題ですが、日本のこれまでの態度は、政府自体もそう考えていると思われても仕方ないのではないかという気がするのですが。よく指摘されるように、広島の原爆記念碑には 「安らかに眠って下さい/過ちは繰返しませぬから」 とあります。インドのパール博士がこれを見て、「原爆を落としたのは日本ではない。アメリカだ」 と嘆いたというものです。逆に日本軍の慰安婦問題では、当事国でもないのに、アメリカから日本政府に公式謝罪を求めた決議案が委員会で採択されましたね。どう見ても、日米が対等の関係とは言えない気がします。さて、本書は著名なお二人の実に激しい戦争論です。少し前の本ですが、何度か読み返してみるたびに、新しい発見があります。これまで田原総一朗氏の著作は、西部邁、姜尚中氏との共著 『愛国心』 を、小林よしのり氏の著作では 『いわゆるA級戦犯』 をご紹介しました。田原氏は1934年生まれで、小学生時代に終戦を迎えた世代。小林氏は1953年生まれで、団塊の世代のすこし下。年齢に20歳の開きがあります。双方とも強烈な愛国者ですが、第二次世界大戦に関する捕らえ方は全く異なっています。二人とも大変な知識と説得力があり(当然ですね)、片方の発言部分を読んでいる時は、そちらに分があるように感じ、発言が変わればこちらも変わるという緊迫したやりとりが魅力です。ノーガードの打ち合いというより、老練な田原氏が繰り出す直球、変化球を、小林氏が真正面から打ち返している印象です。そしてお互い、まだ話すのかと思えるほど、へとへとになりながらの論争が繰り広げられています。「サンデープロジェクト」や「朝まで生テレビ」 をご覧になっている方は田原氏の様子は想像できるかと思います。挑発したり、おだてたりですね。そういった番組が好きな人であれば、勉強になるしお互いの感情のぶつかり合いも楽しめます。お薦めの一冊です。 P.S.それにしても、今回の防衛相辞任のニュース、そして本書。これらに触れると、安倍政権の標榜する 「戦後レジームからの新たな船出」 はそうそう容易ではないように感じた次第です。●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (4位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 戦争論争戦幻冬舎詳細を見るHomeへ
2007.07.04
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歴史家である会田雄次氏の数多い著作のなかでも本書は極めて優れた現代評論ではないでしょうか。学問的見地からいえば、氏の代表作は何よりもまず 『アーロン収容所』 (昭和37年)ということになっていますが、そちらの方はいわば"古典的名著"としてひとまずおき、読みやすさと具体性の点で、本書の方をお薦めします。 "逆説" ですから、普通、人は勧めないことが出てきます。 "バサラ(乱暴狼藉)のすすめ" "喧嘩決闘のすすめ" "ぜいたくのすすめ" "なまくら四つのすすめ" "日本的知的生活のすすめ" などから構成されています。会田氏はヨーロッパ史が専門で、本書は日本との "比較文化論" でしょうが、内容は決して学問的なものでも、難解なものでもありません。中学生以上であればストレスなく読めるはずです。"学校や塾にこんな社会の先生がいたらおもしろいだろうな~"というものです。 読み手の年齢にかかわらず、問題意識を持ち前向きに生きようという人にとっては、非常に勇気付けられる一冊。なぜ、してはいけないと一般に言われていることをみなこっそりしてしまうのか。実はそれには大きな利益もあることが示され、日本社会はそれを許容しないためにダイナミズムが失われているというような内容です。本書が最初に出版されたのは昭和54年ですが、そのどこまでも深い洞察力と歴史考察にもとづいた問題提起であるために、古いどころかとても新鮮な内容で、現在の日本の混乱振りを予見しているかのようです。氏の日本に対する危機感はすでにその当時でもかなりのものでした。 司馬遼太郎氏も"もはやこの国を救う方法は無いに等しい"という旨のことを記していますし、会田氏にも同様の諦観が無いわけではないのです。しかし心ある人々に何とか歴史的に見た現代の問題点を冷静に理解し、失われた矜持を取り戻してもらいたいという情熱が伝わってきます。氏は平成9年に亡くなっていますが、時代が後になってから出版されるものほど危機感が強まり、使われている言葉も過激なものになっていきます。晩年の執筆活動は口述筆記の形になり、最後の著作 『歴史家の心眼』 には序文もあとがきもありません。氏の著作をずっと読んできますと、体力の衰えと相俟ってますます世の中に対する焦燥感がつのっているのが手に取るようにわかります。本書を含め、年々氏の著作が古書に頼らざるを得なくなり、入手しにくくなっているのが残念で仕方ありません。本書に限らず、会田氏の著作を読んで共感できる方がいればうれしいのですが...。 ●最後までお読みいただきありがとうございました。記事がいくらかでも参考になりましたら、応援のクリックをしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。m(__)m⇒ (4位) (1位)http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】 逆説の論理-新時代に生きる日本の英知PHP研究所詳細を見るHomeへ
2007.07.03
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