若菜の思い出

若菜の思い出

July 27, 2005
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カテゴリ: 思い出話
あの日から 恋人同士になった 私たちは

毎日のように 会っていた

平日は仕事が終わってから 数時間のドライブを楽しみ

休みの日には 映画やショッピングへと出掛けた

そんなある日 私は初めて あなたの部屋へ行く事になった

出向でこちらに来てるあなたは アパートでの一人暮し

そのアパートは 会社が一括して借りているものなので

住民は 皆 会社の人たちばかりだった

あなたの部屋は 2階の一番奥



男性の一人暮しの部屋に入るのは 初めての事だった

ふと 右の壁に目をやると 一人の女性の写真が飾ってあった

白い半そでのワンピースを着て 楽しそうに笑っている女性

『これ 彼女?』

私がそう聞くと あなたは慌てて写真をはずし引き出しに入れた

『ごめん・・はずすの忘れてた』

『・・・別に いいよ』

『あれは彼女じゃないよ おれの彼女は若菜だろ?』

『・・・うん』

『・・あ!これさ~ この本!面白いんだよ』

焦って話題を変えようと 必死になってるあなたに



『笑うなよ ほら、こっち来て 一緒に見ようよ』

『うん!』

先日から あなたが面白いと絶賛していた本を

2人で笑いながら見ていると 

あなたが突然 私の肩を抱き寄せ 言った



私は黙って 首を横に振った

『でも信じてほしい 今おれが愛してるのは若菜だけだよ』

私は また黙って うなずいた

あなたは 私の頬に 両手をそっとあてた

そして あなたと初めて 口づけをかわした

ドキドキしていた 嬉しいけど ちょっと怖かった

あなたは そのまま 私の胸に手を置いた

もちろん そういう事もあるだろうと 考えてはいたけど

ついつい あなたの手首をつかんで いやだ と言ってしまった

あなたはちょっと寂しそうな顔をして

『ごめんね おれ 若菜の気持ち考えてなかったね?』と言った

『・・・・・』

『やっぱり あの写真が 気になってるんだよね?』

『・・え? 違うよ。それは もういいの』

『そうなの?』

『うん でもね・・そんな事じゃなくてね・・』

『うん?』

『あのね・・私ね・・こういうこと した事ないの・・』

『あ・・』

『だからね・・ちょっと怖かっただけ』

『そっか・・そうだったんだ』

『うん・・・』

思わず泣き出してしまった私の涙を 

あなたは優しく ぬぐってくれた

『じゃあ もっともっと若菜のこと 大切にしなきゃな』

『ごめんね・・・』

『謝ることないんだよ よし!気分変えてドライブに行こう』

『うん』

あなたは 私のこと 大切にしてくれてる

もちろん 私も あなたのことが 一番大切だよ

でも どうしても あと一歩が踏み出せないでいる

ごめんね あなたを傷つけてしまったかも知れないね

あとちょっと 勇気が出せれば 

私は完全に あなたのものになる

あとちょっとの勇気   



出せるかな・・・・・







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Last updated  July 27, 2005 10:02:18 AM
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