若菜の思い出

若菜の思い出

August 25, 2005
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カテゴリ: 思い出話
Tさんと別れてから 夜の街に復帰した私は

ほとんど毎日のように ネオンの中に漂っていた

私の家庭は・・・

ちょっとした事情があり 心休まる処ではなかった

昔から そうだった

私の家には 私の居場所がなかった

だから なおさら 夜の街に居場所を求めていた

街は・・お金さえあれば 心地良い居場所をくれる

楽しい時間もくれる 笑っていられる



すっかり 夜の街に染まってしまった私は

ずいぶんな遊び人に 思われていたらしい

でも・・男遊びといわれるものは 一度もしたことがなかった

男は 信用できない 

例え 遊びだって・・・男に使う時間はない

すっかり 男性というものを 毛嫌いしていた

友達や知り合いとしての男性なら たくさんいた

でも それは決して 恋愛とか 体の関係とかを伴うものではなかった

行きつけの店の店長さんに 過去のことを話したときに

こう言われた

『若菜ちゃんはさ 恋愛に真面目すぎるんだよ

          それが問題だったのかもしれないね?』

『え~?真面目じゃダメなの?愛し過ぎちゃダメなの?』

『ダメってことはないけど そういうのって重いんだと思うよ
  男って勝手だから 重過ぎると逃げたくなっちゃうんだよね』

『じゃあ・・どうすればいいんだろ?』


      その結果 いい恋愛に巡り合うもんだと おれは思うよ』

『う~ん・・まだまだ修行が足りないってことだね?』

『だね。若菜ちゃんは可愛いんだからさ もっと気楽に行けよ』

『うん。ありがとう 店長』



そんな ある日のこと

会社で 私のヘンな噂が 広まっていた


   若菜ちゃんって 100人以上の男を 経験してる

   若菜ちゃんって 誘えば すぐにホテルに行くらしい

   若菜ちゃんって 相手は誰でもいいらしい

   若菜ちゃんと 付き合う男は ひどい目に遭うらしい




くだらない噂だな~と 気にせずにいた

でも 職場の人たちの目が 明らかに違ってきた

友達も 私と付き合うのを 避けるようになってきた

上司にも ヘンな目で見られ 行動を慎むように と説教された

私は 何もしていない 普通に出勤して 普通に仕事をしてるだけ

でも 結局 あの人との事が原因で ヘンな噂が広まっていた

そのうち 職場の男の人が 本気で 私を誘うようになってきた

私を物陰に連れていき なんとも えげつない言葉で・・・


『ね~若菜ちゃん 一回だけ いいだろ?』

『おれ たまってんだよね すっきりさせてよ』

『付き合えとは言わないけど やらせてよ』


会社にも いづらくなった私は 会社を辞め

それが原因で ますます 家にも いづらくなった

そして 私は この家から この街から 出て行くことを決心した

よその土地には 身を寄せる親戚も 知り合いもいない

私は 女性週刊誌の 求人情報を見た

どこへ行こうとも 頼れる人がいないんだから まずは仕事だ

女性週刊誌には 『寮完備』の職場が たくさん載っている

もちろん 普通の仕事だなんて 思ってはいなかった

水商売だというのは 分かっていた

でも そんなこと 言ってられなかったし 

そういう仕事が 一番手っ取り早いだろうと 開き直って探した

関東のS県の あるお店に決めて 早速 電話をしてみた

『もしもし・・あの・・求人を見たんですけど』

『あ~はいはい で、何歳?』

『21歳です』

『21歳ね で、どこの方?』

『どこ・・といいますと?』

『地元?それとも県外?』

『あ・・M県です』

『遠いねぇ で、いつ頃 来るの?』

『来週の金曜日ですけど・・』

『じゃあO駅に着く時間が決まったら また連絡ください
                     今日中に決まりそうかな?』

『はい 大丈夫だと思います
  じゃあ 後ほど また ご連絡いたしますので
               よろしくお願いします』

『じゃ~待ってますね~よろしく~』

その足で みどりの窓口へ行き 

来週の金曜日 午前10時の新幹線の チケットを買った

そして 先ほどのお店に電話を入れた

『はいはい じゃあ午後2時くらいに 迎えが行くからね
  何か目印になるものが あればいいんだけど・・何かある?』


『えっと・・・』

『あなたの特徴とかでも いいんだけど』

『背は小さいです ポニーテールにしてて・・・
  あ、じゃあ ワインレッドの大きめのリボンをつけていきます』

『ワインレッドのリボンに ポニーテールね』

『あと 大きな荷物を何個か持ってるはずなので』

『分かりました~ じゃあ土曜日 お待ちしてますね~』

『はい よろしくお願いします』

『はいはい~よろしく~』

仕事探しは 拍子抜けするほど 簡単に終わった

あとは 家族に さとられないように 荷物をまとめ

当日を待つだけだ













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Last updated  August 25, 2005 02:13:22 PM
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