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December 24, 2009
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「真夜中のスカイダイビング」


ツインの別々のベッドに横たわる二人。

月明かりとネオンの明かりが彼女の横顔を照らす。

彼女は眼を開けて天井のほうを向いていた。

「隣にいってもいい?」

「うん」

二つの枕を立てて背もたれにして並んだ。

右手で彼女を抱き寄せて長めのソバージュを撫でた。

「この髪にずっと触れたかった。



「思ってました」

「おれでいいの?」

「うん」

今度は彼女と向かい合った。

なかなか彼女は眼を合わそうとしない。

彼女と眼が合ってから言う。

「好きだよ」

「うん私も。先生」

彼女の呼吸をしばらく止めた。

額と額を寄せて、鼻と鼻で触れた。

そして彼女の手に触れた。自分よりひとまわり小さな手。



彼女の指と指の間に自分の指を絡ませながら思う。

(そういえば初めて女性と手をつないだ日から、

女性を知るまでに10年もの歳月がかかった。

自分ほど晩熟な男もなかなかいない)

幻想的な月明かりの中でまだ見ぬ彼女の全て。



情熱のオーラがゆるやかに二人を包んでいった。


しばらくして静寂が訪れた。

いつの間にかネオンは消えて月明かりだけになったようだ。

ただ裸で横たわって自分を見ている彼女の顔を見るには

十分な明るさだった。

(この時空を彼女とずっと共有していたい。

だが、この不安な気持ちは何故だろう。そういえば

彼女が悲しげな顔をしているような気がする。気のせいかも)

(違う。やはり何か大事なことがあるに違いない)

不安は的中した。

「あなたに話しておかなければならないことがあるの」

「どういうこと?」

「私のことを嫌いになるかもしれない。でも隠しておけないから」

「わかったよ。それでなに?」


彼女の言葉を聞いてまもなく、

全身の力が抜けていった。

そして真夜中のスカイダイビングのような絶望感に襲われた。

そこにはもはや善悪を判断する気力も残されていなかった。


舵を失った船の船長は正気の無い世界へ漂うことになる。

(つづく)









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最終更新日  December 24, 2009 10:07:56 PM
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