■ガス室送り
今月17日、宮崎市大瀬町の県中央動物保護管理所に、二つの「荷物」が届いた。底が抜けそうな段ボール箱には茶色の犬が押し込められ、右の後ろ脚をけいれんさせていた。ピンクのバスケットには黒猫が入れられ、静かに座っていた。
(中略)
約20分後にふたを開けると、鼓動を止めた亡きがらが横たわっている。まだ温かい。職員は死んだことを確認すると隣の焼却炉の重い扉を開け、黒猫の首根っこを持って投げ入れた。犬は首輪を外され、スコップで抱えられて中へ。処分器の底には、黒猫が絶命直前に失禁した跡があった。
■職員にも緊張
県内には管理所が5カ所。うち3カ所で「殺処分」しているが、ほかの2カ所で預かった犬猫は、今回の2匹のように処分のために送られてくる。
(中略)
昨年度は合わせて犬約3500頭、猫約3700匹が処分された。犬は6割弱、猫はすべてが飼い主から持ち込まれたものだ。捕獲された犬も首輪を付けており、飼い主が捨てたとみられる。
職員も厳しい環境の中で仕事をこなす。犬舎に入れ、世話から焼却までの一切をこなす。犬が病気にかかっている可能性もあり、常に緊張を強いられるという。持ち込んだ人にもう一度考え直すように説得しても、動物愛護法は「求められたら引き取らなければならない」と規定。最終的に引き受けざるを得ない。
ガス室に連れていくときもゴム手袋1枚で、大型や狂暴な犬は2人がかりでかごに追い込む。ある男性職員は「感情を押し殺さないとできない。無責任な飼い主には放棄がどれほど罪深いことか知って欲しい」と苦しい胸の内を明かす。
■遅れる保護行政
県内では昨年度、いったん保健所や管理所に来たが、飼い主に返されたり譲渡されたりした犬猫の「生存」率は1割ほど。先進的な動物愛護行政で知られる熊本市の8割弱に比べ、格段に低い。
(中略)
この状況を少しでも改善しようと、宮崎市の「みやざき動物のいのちを守る会」(会員140人)は、動物愛護センターの設置を求め、昨年11月、約2万7千人分の署名を知事に手渡した。
(中略)
県は現在、動物愛護の普及・啓発や県民と一緒になった愛護体制の構築を目指し、県動物愛護管理推進計画を策定している。4月から始まり、10年間の計画。23日までは県民の意見を募集している。県の素案などは県ホームページで見られる。問い合わせは衛生管理課(0985・26・7077)まで。
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