ダニ媒介感染症、患者血液から感染事例も
-新たに2人死亡、医療機関は予防策を
マダニを介した新感染症の「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」による死者が国内で確認された問題で、厚生労働省は13日、新たに2人の死亡が確認されたと発表した。同日開催された厚生科学審議会感染症分科会感染症部会でもこの問題が取り上げられ、SFTSが発生した中国で、ダニ以外にも患者の血液や体液から感染があったことを専門家が報告。委員からは、患者から医療者への感染や、ペットを介したまん延を懸念する声が相次いだ。
厚労省によると、愛媛、宮崎両県内で昨年秋、それぞれ成人男性がSFTSで死亡。1月に死亡が確認された山口県の女性に続き、国内でSFTSによる死亡確認は3人になった。いずれも最近の海外渡航歴はなく、検出されたウイルスも中国のものとは遺伝子レベルで差異があり、国内で感染したとみられる。患者の血液から検体を確認した国立感染症研究所には、約20件の相談が寄せられており、SFTSの疑いのあった9件のうち4件の検査を実施済み。今回死亡が確認された2件が陽性だった。
厚労省は、医療機関からの情報提供の要件として、38度以上の発熱、おう吐や腹痛、下痢、下血などの消化器症状、血小板・白血球の減少、血清酵素の上昇などを提示している。死亡した山口県の女性にも、発熱やおう吐、下痢(黒色便)の症状のほか、白血球数や血小板数が著しく低下し、血液凝固系の異常や、マクロファージによる血球貧食を伴う低形成髄の所見が認められたという。
13日の感染症部会では、参考人として出席した国立感染症研究所ウイルス第1部の西條政幸部長が、2009年に中国の湖北省と河南省の山岳地域でSFTSが初めて確認されたことや、死亡率が12%であることなどを説明。インフルエンザのような空気感染や飛沫による感染拡大はないとしながらも、患者の血液や体液から感染が確認されたとの中国の事例を挙げ、「血液中には大量のウイルスが存在している。医療機関においては、手袋やガウン、マスク、防護服を身に着けて、標準予防対策をしっかりしてほしい」と述べた。
また同部会は、SFTSを医師の届け出や積極的な疫学調査の実施を定めた「四類感染症」の対象疾病に加える厚労省案を了承した。
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