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わたしはあまり好きではありませんが、
「毒親」という概念が、
世間に浸透した時期があります。
親の存在が、子どもの自我の発達を阻害し、
健康的な自立や、社会への巣立ちに、
悪影響を与える場合もある。
とまあ、そんな雰囲気かと思いますが。
毒になるか否かはさておき。
親の存在は、誰にとっても大きなもの。
とくに思春期は、親と自分を分化する、
人生でも大切な時期。
親と自分のアイデンティティが異なることを、明確に意識し、
反抗といった形をとりながら、自立を目指します。
そのステップが順調に行くか、はたまたすったもんだとなるかは、
それまでの親子のあり方が、左右すると言っても過言ではありません。
とかく、母の存在、母との関係は重要。
母子一体化、ともだち母子という言葉もあるように、
母の存在は、子どもにとって、とても近いもの。
なんせお腹の中では、へその緒一本でつながっていたわけだし。
十月十日は、同じものを見聞きする近さであったわけで。
なかなか、分化し難いのは事実でしょう。
母子関係の中で、母の存在と離れがたくなると、
物理的に、心理的に、分化が難しくなった場合、
その年代に応じ、
いろいろな形でこどもの成長に反映されます。
例を上げると、小学校入学後の母子分離不安、
思春期以降に起こりやすい、摂食障害などの精神症状、
ひととの安定した人間関係を築きにくくなる愛着の課題。
社会適応上の課題に、母子関係が影響していることがあります。
子どもにとって母親は、
生まれて一番最初に、何らかの関わり、
人間関係をもつ存在です。
そこで安定的に受け入れてもらえるか、偏った関わりであるかなどは、
子どものその後の人間関係構築のあり方に、大きく影響するといわれています。
子どもはどんな子でも、お母さんが大好き。
人生の中で、ピンチや危機を経験した際、
母親の顔や声を思い出ヒトも多いでしょう。
お母さんは太陽だ、なんていうCMもありましたね。
どの子にとっても、母は、明るく照らし、
人生を導いてくれる、
そんな存在であってほしいものです。
子どもたちのカウンセリングをしていると、
心から、そう思います。