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BIOMEGA(6)最終巻です。3月に既に買っていたんですが、自分の中でどうしても消化しきれずになかなか記事が書けませんでした。読み応えもあり、物語の主軸である点と線は繋がりましたが、「長編SF」の構想で始まったこの作品がわずか全6巻で完結したことにやはり納得のいかないものがあります。amazonに寄せられたレビューでは好意的な物もあるんですが、それはあくまで旧作の『BLAME!』を知っていることが前提になっているようです。連載回数にして僅か42回という短さで完結してしまった部分では不満が残ります。第5巻までの展開がとても良かっただけに、#38でいきなり復物主(ふくぶつしゅ)の子であるフニペーロが大人になり、造一達がMSCF(最厳重警備隔離施設)を破壊しながらニアルディに向かい400年が経過したという「空白部分」が何故描かれていないのか。「外伝を描けば良いし、それによって弐瓶ワールドが広がる」というような意見には違和感を覚えます。でも弐瓶氏のブログを見ると今でもコミティアに参加するなど同人活動を続けているようなので、何か本(同人誌)を買いに行ってみようかなという気にもなりました。この作品は#10までを描いた時点で「ヤングマガジン」での連載が打ち切られ、#11から「ウルトラジャンプ」に引き継がれた物ですが、「ここでもやはり読者には受け入れられなかったのか」という思いがあります。庚班とDRF(技術文化遺産復興財団)の400年に及ぶ戦いの中で、「ある場所へ行ってカギを開ける」という使命を与えられたコズロフに関する部分がかなり省略されています。胚珠の望みを実らせる復物主、その復物主の子であるフニペーロはコズロフに「この世界はあなたの願いでつくられたのよ」と言う。地球での「ドローン禍」から舞台が復物主本体へ移るまでの過程がかなりの密度で描かれていたのに対し、地球再生の願いは叶わず、地球をそもそも知らないフニペーロがニアルディの望む世界を拒絶することの説明が不足している気がします。作者は当然描くつもりだったが、読者アンケートの結果がそれを許さなかったということでしょうか。誰が望んだものなのか分からない世界で、総主の示現構成体を見たことのない人々が旧世界の遺物を目指す。その遺跡、大陸繋留索(たいりくけいりゅうさく)にいる不死の少女、イオン・グリーン。庚班は最終区画を目指し果てしのない戦いを続けている。「東亜重工」という同じ企業が登場しながらも、作品としての連続性はないんですが、この辺りは『BLAME!』序盤の、果てしない巨大構造物を霧亥が戦いながら登っていく姿を彷彿とさせます。お前を造るのに苦労した、発芽の瞬間を共に見ようと言うニアルディにフニペーロは「私の母はヤー!! 世界はもう二度と作り変えさせないわ!!」と剣を抜く。造一とフユが辿り着いた時、ニアルディは死んでおり、発芽しなかった復物主と癒着していた統主は造一に「まだ 人類を救う事などを望んでいるのか? そもそもあいつらは人間なのか?」と言い放ち、コズロフは扉を開けようとする。そのコズロフがレーフと不死者のヴィエフ・チイエナの交配によって生まれたこと、イオン・グリーンの本名こそヴィエフ・チイエナと明らかになる。ニアルディは「不老不死こそ人口統制」と言ったナレインに「種族全体の不老不死に存続可能な発展などありえん」と答えていた(第3巻)。物語の根底にあったのはニアルディとナレインの人類総改換計画を巡る確執だったということではかなりスッキリしました。その背後にはDRF創設時にレーフが打ち立てた本来の計画があり、DRFの前身であるマイクロボルトが創設された西暦2272年に創設メンバーの一人であるレーフは既に復物主の発芽に備えていた。最終話のラストシーンで全ての発端の西暦3005年の火星に視点は戻り、入植地跡に乗り込んだ探査船乗組員が一人の女と出会うシーン。マスクを脱いだ探査員が「リル… 僕だよ」と言い、完結です(火星に行った不老不死者のリルオード)。この男こそが、今まで顔を描かれず、記録の中にその名があっただけのレーフであったという解釈が間違っていなければ、確かに遠大な物語です。機械生命だけで構成された新世界、DRFの起源がデータテロで失われた記録の復旧であったこと、そんな絶望の中で熊の着ぐるみを着たイオンがコズロフと再会できたこと、AIのフユを治(直)せるかもしれないという希望に救われます。タンノ(異人)と呼ばれたヒグイデの役回りは良く分かりませんでしたが。インゴルヌルカ姫と占師チャイドドリンは結局何だったんだ。「もう少し長く続けて欲しかった」というのが正直な感想です。弐瓶勉独特の、鳥肌が立つような描写も最終巻では少なかったですね。雑誌を買わずにアンケートはがきも送らなかった私に文句言う権利ないかもしれないけど。お薦め度:★★★☆☆第1巻~第5巻先月から新連載『シドニアの騎士』が始まったようです。「アフタヌーン」を買ってないのでどんな話なのかはまだ知りませんが、単行本を楽しみにしてます。透明ブックカバーはこのサイズ透明ブックカバー☆B6版用ブックカバー(5pack)☆透明ブックカバー☆B6版用ブックカバー(10pack)☆にほんブログ村漫画、マンガ、まんが、コミック青年マンガ
May 9, 2009
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ゴルゴ13(152)表題の『真のベルリン市民』、ゴルゴの影が薄いと感じる方もいるでしょうが、さいとう・たかを先生が『ゴルゴ13』で描いている一番大切なテーマ=「人間の約束と責任」をどうか感じ取って下さい。物語は冷戦期の1981年の西ベルリンを舞台に幕を開けます。西ドイツ連邦情報局のカンプは死んだオットー・マインの息子・ヨセフを尋問する。この時点で、既にオットー・マインの依頼を受けていたゴルゴは葬儀の様子を陰から見守っています。何年、何十年先になるのか分からない依頼に備えていた、それが「ゴルゴ13」と云うテロリストの人間としての魅力です。22年後、レベル4の施設に隔離されている、地中海で感染し、情報提供を条件にベルリンに帰還したヘルムート・グラス元西独陸軍中佐の処遇を巡って、英国の細菌学者として成長したDr.ヨセフ・マインとドイツ情報局のカンプは再び出会う。彼の口から明かされる、自分と同じく細菌学者であった父の過去。1948年のあの日以来、1961年に東西ベルリンを隔てた「壁」をも超えて育まれた西のオットー・マインと東のカール・ネフの友情、そして「真のベルリン市民」と呼ばれた架空の秘密結社の目的。カールは1961年に境界線が強化されて以来、「絶望」で発狂しそうなほど精神的に追い詰められる。境界線に立ち西を見ると光のシャワー、東を振り返ればなんの音も聞こえない暗闇。オットーとマインが編み出した独自の「手話」は、二人の友情をつなぎ止める役を果たした。少なくともオットーはそう信じていました。ファシストの犯した罪のために分断され米ソの支配を受けているベルリン。「真のベルリン市民」はマールブルグ・ウイルスを使用して三日間だけ世界を壮大なペテンにかける計画を秘密裏に、時を待ちながら進行させます。東西ベルリンの統一のために…。物語の点と線が繋がるのは2003年にカール・ネフが狙撃された時です。オットー・マインが依頼人としてゴルゴに会ったのは1980年、作戦実行日の前年。依頼内容は「真のベルリン市民」内部のスパイの排除とヨセフ・マインの殺害を企てる者の排除。ベルリンの壁崩壊7年前の1981年、「歩いて」壁を越えると言った父・オットーはカールの裏切りを知りながら笑いながら死んだ。1980年に受けた依頼の一つ目が1981年に遂行され、二つ目が23年後の2003年に遂行されたというわけです。ゴルゴが40年間歳を取らず、周囲の人間ばかり老いて死んでいくことの説明に関しては第126巻『HAPPY・END』を参照して下さい。『ある女の視界』はゴルゴをフィルムに収めてしまった女性カメラマンの話。写真に撮られることが死への報復に繋がるゴルゴですが、ゴルゴはネガは燃やしたと言う彼女を無言で許します。『地上の太陽』は仏米の核融合炉の誘致合戦。2030年に枯渇すると言われていた石油燃料だが、イラク戦争で勝利したアメリカは100年後も石油を出し続ける。米国の石油会社の依頼で核融合研究所を破壊するゴルゴ。ただし狙撃の結果、依頼人の期待するように事態が展開するかどうかはゴルゴの保証する処ではないという皮肉な結末です。『真のベルリン市民』(2003/4)『ある女の視界』(2003/3)『地上の太陽』(2003/10)の3編を採録。透明ブックカバーはこのサイズ透明ブックカバー☆B6版用ブックカバー(5pack)☆透明ブックカバー☆B6版用ブックカバー(10pack)☆にほんブログ村漫画、マンガ、まんが、コミックゴルゴ13
Apr 14, 2009
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『NGライフ』を完結させた草凪みずほさんがブログを始められてます。草凪みずほのNG Lifehttp://yaplog.jp/sanaginonaka/『NGライフ』第9巻の感想は私のgooブログの方でご覧下さい。切手収集と愛煙家のブログhttp://blog.goo.ne.jp/wrlz/夏からの新連載『花冠のヨナ』(仮)も楽しみです!にほんブログ村漫画、マンガ、まんが、コミック
Jun 22, 2009
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パラノイアストリート(1)パラノイアストリート(2)パラノイアストリート(3)なんだなんだ? 28件しかヒットしない上に漫画作品はどれも在庫なしい?実は私は駕籠真太郎の作品を全部持っている(笑)『パラノイアストリート』、すげぇ面白いですよー。「駕籠真太郎」は以前は「かごめしんたろう」ですが今は「かごしんたろう」になってますね。放浪の渡り鳥探偵黒田、毎度奇妙奇天烈な地方の町で奇妙な体験を。第1巻の最初は「目測町」、実は測定器産業で発達した町で、住民の8割が測定器製造にかかわっいます。「先生 私は 殺されるのです!!」と依頼を受けた黒田、しかし殺される理由・覚えはまったくなく、そんでほんとにこの人が死んじゃうんだけど、黒田は病院に居合わせた刑事に警察に連行され「だってお前が犯人なんだから」と勝手に殺人犯にされてしまいます(笑)「別の線の捜査はしてるんですか!」「してない する必要がない」「だから何を証拠に!!」と反論すると・ウソ発券機 蛇山製作所 価格23万円:98%・犯罪実行率計 価格32万円:96%黒田の助手の小娘がまたいいキャラしてるんですよねぇ。あと面白いのが『凸凹ニンフォマニア』ですね。Amazonには在庫あります。ただ新品の方は1,260円の再版で、画像は東京三世社から出ているISBN4-88570-922-9です。現在ユーズドが6点出品されています。「排泄」をこうも見事に料理しているのはすごい。実は昔、この手の漫画が大好きな20代の女の子と話したことあるんですが、こっちの古い方の『人間以上』ってもう手に入らないんですね・・・。すげぇ羨ましがられました。2002年に『人間以上-駕籠真太郎ショッキング劇場』として未採録の作品を加えて再版されています。あと『丸尾地獄』持ってるんだよーって言ったらすげー羨ましがられました。あのなー・・・一応女だろ?(笑)
Feb 1, 2007
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夢みる太陽(3)「新しい恋」私は 次はどんな人を好きになるのかな朝陽さんみたいな 笑顔がステキで優しい人がいいな次の恋はうまくいくといいなぁ---「別冊 マーガレット」の看板作品になりつつある『夢みる太陽』ですが、この作品だけ単行本の出るペースが何故かのんびりです。『ストロボ・エッジ』と『青空エール』は雑誌に載った途端最新刊が出るんですが。13日(「別マ」発売日)に読んだ回がその月末に出た単行本にもう採録されているというような慌ただしさはありません。vomicは興味ないので聞いてません。・夢を持つこと・恋をすることの二つの条件で、21歳の若さで何故か検事をしている虎(たいが)の家に同居させてもらっているしま奈。いつの間にか大家さんの虎を好きになっていたしま奈は、家に押し掛けたクラスメイトに「もう帰って!!」と怒鳴ってしまいます。雷の中、家を飛び出してしまったしま奈を迎えに来てくれたのは、朝陽でも大家さんでもなく、善。「気に入られてんだね "大家さん"」と虎に言う朝陽。父に前橋の裁判の控訴を頼んできた。「もう負けないって伝えて あんたの親父 藤原純正に」。その息子、虎は「……わかった」と答えます。虎が口うるさい親父、朝陽先輩がお母さん、自分が長女、善がペット(え?)。まるで「家族」のようなこの関係、この環境がみんなにとられてしまうと不安になったのかもしれないと思うしま奈。善はただ、「おまえは悪くない」と抱きしめてくれた。そんな善の夢は、漫画家になること。風邪をひいた善を看病していたしま奈は、善の部屋にある何本もの完成原稿を目にします。照れながらも読んで構わないと言う善ですが、しま奈が「おもしろいよ これ すごくー」と言ったボクシング漫画のネームを読み始めると態度が豹変し、「つまんねぇから」とそのノートをゴミ箱に捨ててしまいます。突然来訪する善の兄の拳(けん)。「今日部屋に泊めてくれる?」と言った途端、倒れてしまいます。善そっくりの行動パターンの拳、手を握るわ勝手に部屋に入ってくるわ(笑)大家さんと高校時代に同級生だったという拳は、「知りたいことあったらなんでも俺にきいて」と。あくまで自分はしま奈の「保護者」という立ち位置の虎は、「しま奈に手出すなよ」。四人で食卓を囲んでいて、拳がボクシングをやっていたと知るしま奈。練習がきつくてもう辞めたとへらへら笑う兄に、「うそつけよ やりたいならやれよ ボクシング」と善は食って掛かる。「夢なんかなぁ 叶うもんじゃねぇんだよ」と逆切れする拳。虎と二人になり、タバコを勧められた拳は「あ いや いい」とそれを断ります。まだボクシングに未練があるんだろうと言う虎に、俺達は大人で、未練や夢を持っていてはならない、現実を見なくてはならないと答える拳。「…そうだな」と言う虎。謎の多い男ですが、何か夢があって、その夢を諦めたような顔。かつてしま奈に自分の夢は「おまえらが成長すること」(第1巻)と言った虎は、寂しい表情でただ子ども達を見守るだけ。失恋したらどうしたらいい?と訊くしま奈に次は「新しい恋」だと答える虎。いつの間にかしま奈を好きになっていた善は朝陽に味方して欲しいところですが、前回しま奈に助けられた朝陽は今度は自分がしま奈を応援する、と。河原で一つの肉まんを分け合う善としま奈。善は「虎さんは好きにならない方がいいよ」と。好きになるなら可能性のあるやつにしろ、俺はおまえが傷つくとつらいからさぁと言う、いつもと違う善。もうお前とケンカしないって決めたから もうひどいことも言わない 俺は絶対おまえを傷つけない! ただまっすぐな善の目 言わなくても伝わる許す だから 全部なかったことにして キスしたこと あと 大家さんには絶対 言わないで拳のライバル、坂本選手がしま奈たちの暮らす家にやってくる第14話まで採録です。私が去年初めて買った「別冊 マーガレット」12月号に載っていたのがこの第14話で、この回を読んで気に入りました。坂本より自分の兄貴の方が強いと言い張る善、もう辞めたの一点張りの拳。酒に酔った拳が打ち明けた本音。夢を諦めるつらさも、誰かを犠牲にして夢を叶えるつらさも、どちらも選べない。「可能性」のあるなしで夢も、恋も、諦められるものではない、しま奈に「拳には1人逆らえないやつがいるんだ」と協力してくれそうな大家さんです。お薦め度:★★★★☆第1巻~第2巻透明ブックカバーはこのサイズ透明ブックカバー☆新書版用ブックカバー(5pack)☆透明ブックカバー☆新書版用ブックカバー(10pack)☆デラックスマーガレット 2009年 05月号 [雑誌]にほんブログ村漫画、マンガ、まんが、コミック少女マンガ
May 8, 2009
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