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ふと気づいたら一週間のご無沙汰となってしまいました。いわゆる朝から晩までという仕事のパタンになっています。内容をまとめてから書くという作業はなかなか出来ないでおります。と言いますか、別のブログも運営してきたせいもあって手が回らない状態です。申し訳ありません。休みを使ってまた書かせていただきます。リンク先サイト様をご参照くださるか、もし、ここの過去の記事がお役に立てることがありましたら、今しばらくの間、そちらをご利用下さいませ。 -管理人 XENO ゼノ-
2005/07/26

夏休み前は忙しい時期です。また更新できずに気がついたら三日経ってしまいました。わざわざおいで下さった皆さんには申し訳ありませんでした。今日は楽天ブログ内に新しいテーマを投稿しました。「教育と競争についてどう考えるか」です。 以前に、「何のために学ぶのか」というテーマで記事を書きましたが、自分の中では双子のテーマであると考えています。「何のために学ぶのか」については既に大まかな枠作りは終えたと自分の中では決着がついているのですが、こちらは山登りに例えれば5合目といったくらいでしょうか。さて、今日は取っ掛かりのお話です。 かつて塾で中学受験クラスを担当する打ち合わせの席上、上司から「子どもをかわいそうだと思うな。」と言われたことがあります。もちろん、合格に向けての学習指導をするわけですし、それでお給料を頂いているので仕事として当然のことなのかもしれません。 しかし、中学受験のあと、第一志望校に合格したバーンアウト(燃え尽き)が原因だったと思うのですが、学業に興味をなくし不登校に陥っていたお子さんの家庭教師をさせていただく経験が学生時代に既に2件ありました。 そんなこともあって心の中にわだかまりがずっとありました。学校には定員というものがある以上、志望者が多ければ当然不合格者が出ます。試験に落ちるというのは誰にとっても快いものではありませんね。勝ち抜いて合格したはずの子どもが入学後、学業に興味を失うことがあるのだとしたら何のための受験勉強なのでしょうか。 受験クラスを受け持っていると、たまたまその教科が苦手な子が新たに入ってきたとき、子どもたちの中にこんなことも知らないのっていう雰囲気が生まれることが少なからずあります。実際、地域教室で学んでいて本部のクラスには行きたくないという子が本部は怖いからという感想を持っていることがありました。雰囲気で済めばいい方で、できないことをはやし立てる子もいたりします。へたをするとわからない子に教えるのはライバルを増やすだけだから損だ、あるいはできる子に対して、あいつは塾をやめてくれればいい、そうしたら自分の順位があがるとまで口走る子が出てきたりします。切磋琢磨とは言いますが、その辺は子どもは残酷です。 逆に、自分のできなさ加減を隠さざるを得ないということになって、答えが間違っていても丸をつけていたり、消しゴムで消しては正解を家で考えついていたかのようなノートに仕立て上げてしまう子が出てきます。こちらも気をつけていないと、普段は答えが書けているように見えても実は全然力がついていなかったりする子が出てくるので要注意です。講師は子どもの力を伸ばすことに腐心するのですが、テストの結果をフィードバックしているうちに、テストで評価されることにネガティブな価値観を教え込んでしまっていることが往々にしてあります。受験勉強を通じて子どもの学ぶ意欲をつぶすつもりはないはずなのに、受験情報やテスト結果をわたすうちに、知らず知らず、そうした隠れたネガティブな価値観を子どもに伝えてしまっていることがあります。 これは、自由競争が最善の結果を生むといった経済学の理論がそのまま教育に当てはめられるものではないということを表しているだろうと思うのです。経済学上、自由競争によって市場全体は健全化することがあるのかもしれませんが、個々の子どもの人生や学ぶことの価値づけを考えると、教育に競争原理をと単純には割り切れないのです。もし、その敗者がわが子だったら、家族だったらと考えるとあまり人事だとはいえない気がします。ペーパーテストの得点を競うことによって個人の能力が伸びるように見えて、実は個人が他者と関わって課題を解決するという能力の芽を潰すという側面があることは見逃してはいけないだろうと思うのです。 たぶん、人づくりということでもそうだろうと思います。集団は優秀な個人の力を欲する余り、競争を導入することがありますが、管理手段としての競争主義は、結局、集団が一部の個人の能力に依存し、能力のない人だとのレッテルを固定化してしまう一方、能力があるとされた人がいなくなったときに集団にはノウハウが何も残らないということになってしまうと思います。集団内での競争が厳しくなればなるほど、自分のノウハウなど人に公開しませんもの。一般企業のみならず、学習塾の講師育成もそうなのかも知れません。 話がずれてしまいました。私がかつて中学受験で1年間受け持った子で、ずっと塾内1位を通していたのですが、授業中、講師攻撃の激しい子がいました。少しでも板書の書き損じや言い間違いをしようものなら罵詈雑言、またほかの子の珍解答も許せなかったのでしょう、随分不寛容な発言をする指導の難しい子でした。 おかげで勉強になりましたが、ある時、個人面談をする機会があって何でずっと1位を通せているのかほかの子の参考にしたいからと話をする機会がありました。とつとつと話してくれたことには、どんなテストでも90点以上でなければ父親に殴られるというのです。お父さんは大きな病院の経営者で、お兄さんも中学受験をし、医師を目指していました。小学校6年生でその双肩に重い課題が課せられているということがわかって言葉が出ませんでした。そして、その子の不寛容な態度のわけが分かって私の側の対応にも少し含みが生まれたのでしょうか、彼自身もホントに厳しいことは言わなくなっていったように思います。彼自身が青年期になってもう一度、医者としての適性やアイデンティティの立て直しの課題をうまく乗り越えられるように願わずにいられませんでした。 子どもたちは、合格して入学後もさらに進学を考えたら、1学年300名なら1位から300位迄、順位をつけられるわけで、競争にはキリがありません。 そこで子どもたちには言うのです。「入学後にあなたの隣に座るのはあなたと同じくらい賢い子です。ほんのちょっとした努力の違いがまた順位の違いを生みます。それでずっと勝ち抜いていけなどとは言うつもりはありません。人と比べて自分を測ることばかりに関心を向けるのではなくて、自分自身が教科書や本に書かれている知識や真理と向き合う態度でいなければ、今やっていることは何ら役にたちません。もし、できる子だと認められたくて勉強しているのであれば、もしかしたら入学後は思ったように順位を取ることができなくてそうは見てもらえないかもしれない。お父さんお母さんを喜ばせたくて勉強しているのであれば、入学後はそれはできなくなるかも知れない。まず自分の目標とする自己最高の結果が出せること、自分に課せられている課題に正面から向き合うこと、そのために仲間と協力しあうことも大切であること。自分で学んだことをほかの人に役立ててもらうという感覚は大事です。結局、頭はいいけど使えない大人ってそういう学び方をしてきてしまったからではないのだろうか。大人になってから周りの人を説得したり、周りの人から学んだり、あるいは後輩を指導したりなんてできなくなってしまうのではないだろうか。」なんて説教クサいことを話したりすることがあります。 私立の名門K大学の大学生協では赤本が売られているとかつて聞いたことがあります。たぶん今でもそうなのではないでしょうか。たとえ最高峰とされる東大に入ったとしてもさらにその中で学科分属の振り分けがあり、官僚を目指す人はさらに所属官庁の内定の取り合い…。結局どこまで行っても勝者は一握り。いや、本当は勝ち続ける勝者などは存在しないのかもしれません。 私の周りにいた人たちは、いろんな選択をする人がいました。大学には行かずに大卒以上の英語力を身につけ翻訳の仕事をしている人。決して一流官庁と言われてはいなかった当時の環境庁(現環境省)に入りたいと東大に進み、見事、夢を実現した人がいるかと思えば、通産省キャリアと地方公務員の両方に合格して、あえて地方公務員を選択した友人もいます。そのまま会社に残っていれば重役クラスまでいけそうなくらい優秀なのに会社を辞めてしまった人。直近では、講師で学生さんですが、情報科学の修士号まで取れそうなのに、医学部受験を決意し合格した人、逆に医学部に在籍しながら塾の仕事の面白さに取りつかれ医師と塾講師との進路選択を真剣に悩んでいる人もいます。 そういう世間一般の価値観とは相容れない、リアルな選択が人生にはあるのだということは年をとってから分かるようになりました。 どうしてこんなことを書く気になったかというと、「ドラゴン桜」をビデオに撮って見たせいでしょうか。あまりに短絡的に東大を目指せというのが好かない感じがしました。東大に入りさえすれば何でも道は開けるなんて人生そんな単純なものではないでしょう??? 英語なら東京外国語大の英米の方が難しいでしょ。外大以外にも日本には一流とされる専門大学や伝統のある地域の大学、日本にはそこしかない特色のある大学がいくらもあります。そういう大学ではなくて、なぜ東大なのかわからないのです。単にその方が分かりやすいから。ただそれだけではないのかと訝(いぶか)しく思うのです。「立身・苦学・出世」といった古くからの学歴信仰のテーマがそのまま残っている感じがします。ホントに学問をしたいなら浪人などしないで地域の大学でしっかり学んでから東大大学院へでも入る方がずっと簡単です。そういう手もあるでしょう。東大大学院って外部出身者が結構いることは案外知られていないのでしょうか。 自分にとっての東大、いや、東大という言葉すら使いたくない気になりますが、自分にとっての最高の目標というものがあるでしょう。プロ野球選手になることの方が東大に行くよりずっと難しかったりするのですから。それに第2回の放送で紙幣を破るシーンがありましたが、大の弁護士なら貨幣損傷は罪になるって知っているはずだからあんなことはしないと思ったりして見ていました。(最後は余分ですね。) メーテルリンクに出てくる幸せの「青い鳥」の正体は「鳩」だったと言います。求め続けたものが結局身近にいる「鳩」だったという例えから、学ぶ上で競争をするにも、もっと身近な所から、もう少し地に足をつけて「学び」を考えた方がよいだろうと疑念を述べておくことにします。 今日から、競争と教育を書き始めてみました。これは前回の「何のために学ぶのか」を書いたときほど私の中で明確な形を持っていません。思いついたまま少し書き残しておこうと考えたのです。論点が整理されていない分、今まで以上に思い込みの強いことを書いてしまうかもしれません。これまたどうなりますことやら。3日分まとめたので長くなってしまいました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あまり興奮せずに筆を進めれれたら幸いです。【ランキングに参加しています。ご協力いただける方はぜひクリックお願いします。】→ と
2005/07/19

今日は花火大会があったり、地元の高校生の行燈(あんどん)行列が出たりと街中賑やかでした。行燈の下で高校生たちが何人かで担いでいるのですが、写真ではわかりにくいかも知れません。青森のねぶた祭りに比べたらかなり小さめです。しかし、優に車一台以上の大きさがあります。久々に若いっていいなあと昔を思い出しました。行燈行列は今年で30周年。この高校は、NTTドコモ現相談役大星公二氏の出身校であったと記憶します。(画像にポインタを合わせればわかります)さて、解答発表です。【昨日の問題の解答】次の同音異義語の漢字を書き分けてください。1 シュウシュウ ア 切手をシュウシュウする。イ 事態ををシュウシュウする。〔解答〕ア 収集 集めてまとめることイ 収拾 乱れた状態を収める、落ち着かせる2 セイサンア 過去をセイサンする。イ 運賃をセイサンする。ウ 今度の勝負にはセイサンがない。エ 農作物をセイサンする。〔解答〕ア 清算 整理する、始末をつけるイ 精算 ちゃんと細かく計算するウ 成算 成功する見通しエ 生産 ものごとを作り出すこと3 タイセイア 政治タイセイの変革。イ 出動タイセイを整える。ウ 平均台の上でタイセイを立て直す。エ 天下のタイセイを見極める。〔解答〕ア 体制 国家・社会・組織のしくみイ 態勢 あることに対する一時的な身構えや態度。ウ 体勢 体の姿勢エ 大勢 だいたいの様子、世の中の成り行き4 ツイキュウア 幸福をツイキュウする。イ 責任をツイキュウする。ウ 真理をツイキュウする。〔解答〕ア 追求 広く一般に「追い求める」という意味。イ 追及 追いつめるという意味。(責任・犯人などに対して)ウ 追究 奥深くまで明らかにする(真理・学問などに対して)5 トクチョウア トクチョウのある顔。イ 新製品のトクチョウを売り込む。〔解答〕ア 特徴 目立つ点(良いところにも悪いところにも使う)イ 特長 長所のみをさす。6 ホショウア 生活をホショウする。イ 身元をホショウする。ウ 損害をホショウする。〔解答〕ア 保障 財産・権利などを守るという意味。イ 保証 その人・その物についてたしかだとうけあう。ウ 補償 損害をつぐなう・埋め合わせる。7 イジョウア コンサートに千人イジョウ集まる。イ 今年はイジョウな暑さだ。ウ 点検の結果、イジョウなし。エ 権限をイジョウする。〔解答〕ア 以上 それより上イ 異常 普通とは違う(形容動詞として用いる)ウ 異状 普通とは違った状態(名詞としてのみ使う)エ 委譲 まかせてゆずること8 コウイア ある女性にコウイを寄せる。イ 友人のコウイに感謝する。ウ カンニングは不正コウイです。エ コウイ室で着替える。〔解答〕ア 好意 親近感・愛情(自分の他人に対する気持ち)イ 厚意 親切・思いやり(他人の自分に対する気持ち)ウ 行為 おこないエ 更衣 着物を着替えること9 イドウア 交通のイドウ手段。イ 人事イドウで左遷される。ウ 誤りがないか下書きとイドウを確かめる。〔解答〕ア 移動 位置が動く。イ 異動 地位・勤務・住所の変更に対して使う。ウ 異同 異なっている点・違っている点という意味。10 セイチョウア 子どものセイチョウが楽しみだ。イ 植物のセイチョウには水が必要だ。ウ ごセイチョウありがとうございました。〔解答〕ア 成長 厳密に区別できないが、主に動物に対して使う。イ 生長 主に植物に対して使う。ウ 清聴 演説・講演などの最後に聴衆に対して使う。単に「静聴」とすると「謝意」は含まれないことになります。【ランキングに参加しています。ご協力いただける方はぜひクリックお願いします。】→ と
2005/07/15
友人からの情報です。日本子ども虐待防止学会 北海道大会のお知らせ9月2日(金)札幌市 共済ホール(N4W1 共済ホール6F) 映画「誰も知らない」上映会と是枝監督をお招きして17:00 会場 17:30~開始予定 20:51 終了予定映画上映会事前申し込み 興正子ども支援センター 上映会申し込み締め切り 7月22日 上映会費1000円 養護施設併設で相談窓口もHP上にありますので、ご迷惑のかからないようFAX番号かEメールをお調べになって連絡されることを強くお勧めします。上映会申し込み問合せ先 → 興正子ども支援センター第11回学術集会 北海道大会9月3日(土) 札幌市 北海道厚生年金会館9月4日(日) 江別市 札幌学院大学学会申し込み締め切り 7月22日 ネット上から申し込みができます。学会申し込み問合せ先 → 日本子ども虐待防止学会北海道大会事務局
2005/07/14

同音異義語は今日で最後の出題とします。やはり高校受験向き。力のある小学生も取り組んで見てください。受験生がおやりになるなら、前回と同じようにパソコンでの変換は禁じ手です。実際に書いてみてお考え下さい。【今日の問題】次の同音異義語の漢字を書き分けてください。1 シュウシュウ ア 切手をシュウシュウする。イ 事態ををシュウシュウする。2 セイサンア 過去をセイサンする。イ 運賃をセイサンする。ウ 今度の勝負にはセイサンがない。エ 農作物をセイサンする。3 タイセイア 政治タイセイの変革。イ 出動タイセイを整える。ウ 平均台の上でタイセイを立て直す。エ 天下のタイセイを見極める。4 ツイキュウア 幸福をツイキュウする。イ 責任をツイキュウする。ウ 真理をツイキュウする。5 トクチョウア トクチョウのある顔。イ 新製品のトクチョウを売り込む。6 ホショウア 生活をホショウする。イ 身元をホショウする。ウ 損害をホショウする。7 イジョウア コンサートに千人イジョウ集まる。イ 今年はイジョウな暑さだ。ウ 点検の結果、イジョウなし。エ 権限をイジョウする。8 コウイア ある女性にコウイを寄せる。イ 友人のコウイに感謝する。ウ カンニングは不正コウイです。エ コウイ室で着替える。9 イドウア 交通のイドウ手段。イ 人事イドウで左遷される。ウ 誤りがないか下書きとイドウを確かめる。10 セイチョウア 子どものセイチョウが楽しみだ。イ 植物のセイチョウには水が必要だ。ウ ごセイチョウありがとうございました。今日も出題のみです。明日解答発表いたします。【ランキングに参加しています。ご協力いただける方はぜひクリックお願いします。】→ と
2005/07/14

楽天ブログの日記にも文章修飾タグが簡単に入れられるようになりました。ちょっとうれしい。いままで直接入力や、メモ帳に修飾タグを打っておいてコピペで対応していました。フォントも文字の大きさ・色も簡単につけられるようです。ラクになりました。それでは、同音異義語4回目です。【昨日の問題の解答】次の同音異義語の漢字を書き分けてください。1 ソウゾウア 自分の未来をソウゾウする。イ 新しい文化をソウゾウする。〔解答〕ア 想像 「想い描く」というときはこちらを使います。イ 創造 「新しいものを作り出す」という意味です。2 サイゴ ア 残ったサイゴの願いをかなえる。イ 母のサイゴを看取る(みとる)。〔解答〕ア 最後 一番あと・終わりイ 最期 人生の終わり *「末期の水」(マツゴのみず)という言葉もあります。死に際に口に含ませる水・死に水のことです。3 イシア 強いイシの持ち主。イ 個人のイシを確認する。ウ 父のイシを引き継ぐ。〔解答〕ア 意志 意欲の意味が強いとき。イ 意思 考え・気持ちの意。意思表示と使います。ウ 遺志 死んだ人の生前の志(こころざし)。4 シュウカンア 三シュウカンの滞在。イ シュウカン誌を買う。ウ 悪いシュウカンがつく。〔解答〕ア 週間 期間の意味。イ 週刊 毎週発刊(刊行)。ウ 習慣 毎日繰り返ししている行動のこと。5 シンチョウア 洋服をシンチョウする。イ シンチョウに行動する。ウ 意味シンチョウな言葉。エ シンチョウと体重〔解答〕ア 新調 新しく作るという意味。イ 慎重 用心深いということ。ウ 深長 意味が深くて含みがあるさま。エ 身長 背丈。 アに使われている「調」にもいろいろな意味があります。「調べる」は読める子が多いですが、「調える」とするとなかなか読めません。「ととのえる」と読みます。「調える」はきちんとする、用意する、そろえるという意味で用います。例えば「調味料」は「味を調べる」のではなくて「味を調える」ものです。昔々、都立高の漢字の読みに出て、えらい正解率が低かったそうです。6 ケントウア 試合でのケントウを称(たた)える。イ 大まかなケントウをつける。ウ 内容をよくケントウする。エ ボクシングのことをケントウという。 * エはお遊びです。受験範囲外の漢字です。〔解答〕ア 健闘 力いっぱい立派に戦うことイ 見当 おおまかな目安・予想ウ 検討 ものごとのよしあしを良く考えるエ 拳闘 エ 「拳闘」の「拳(こぶし)」は「挙」と書き間違いをする子がいます。もちろん入試にはここまで出ませんが。ちょっと大きくしてみましょう。拳 と 挙部首はどちらも「手」です。7 キカン ア 長いキカンの入院。イ 戦場から無事キカンする。ウ 国会は立法キカンである。エ 消化キカンの病気。オ キカンに痰(たん)が詰まって咳(せき)が出る。〔解答〕ア 期間 ある一定の時期の間イ 帰還 帰ってくること・戻ってくることウ 機関 組織・団体エ 器官 一定の形と働きを持つ生物体の一部分。「器管」は×オ 気管 のどから肺までの円柱状の管8 コウエンア 有名人のコウエン会。イ 劇団のコウエン。ウ 青年のコウエンな理想。エ 文部科学省コウエンの映画。オ 犬とコウエンを散歩する。〔解答〕ア 講演 大勢の人の前で話をすることイ 公演 観客の前で演じることウ 高遠 高くぬきんでてすぐれているという意味。エ 後援 背後から援助することオ 公園 憩い(いこい)の場として作った庭園や遊園地9 キカイア キカイ体操。イ 工場のキカイで製造する。ウ めったに会うキカイがない。〔解答〕ア 器械 (小さくて)動力のないもの・道具イ 機械 (大規模で)動力があり可動的なもの・動くものウ 機会 何かをするのによいとき・チャンス よく見かける書き分けです。10 ドウシア 子どもドウシ仲良くなる。イ 同じ夢を持つドウシを募る。ウ 英語のドウシの変化を覚える。〔解答〕ア 同士 同じ仲間・種類イ 同志 同じ志(こころざし)をもつ者という意味ウ 動詞 動作・動きを表わす言葉。文法でもやりました。今日も解説だけとさせていただきます。同音異義語の最期の出題は明日。【ランキングに参加しています。ご協力いただける方はぜひクリックお願いします。】→ と
2005/07/13

昨日は解説を書いていて、次の問題まで作成する時間がありませんでした。辞書とにらめっこしながら書くというのは結構時間がかかるものですね。今日はまた出題のみです。受験生がおやりになるなら、前回と同じようにパソコンでの変換は禁じ手です。実際に書いてみてお考え下さい。【今日の問題】次の同音異義語の漢字を書き分けてください。1 ソウゾウア 自分の未来をソウゾウする。イ 新しい文化をソウゾする。2 サイゴ ア 残ったサイゴの願いをかなえる。イ 母のサイゴを看取る(みとる)。3 イシア 強いイシの持ち主。イ 個人のイシを確認する。ウ 父のイシを引き継ぐ。4 シュウカンア 三シュウカンの滞在。イ シュウカン誌を買う。ウ 悪いシュウカンがつく。5 シンチョウア 洋服をシンチョウする。イ シンチョウに行動する。ウ 意味シンチョウな言葉。エ シンチョウと体重6 ケントウア 試合でのケントウを称(たた)える。イ 大まかなケントウをつける。ウ 内容をよくケントウする。エ ボクシングのことをケントウという。 * エはお遊びです。受験範囲外の漢字です。7 キカン ア 長いキカンの入院。イ 戦場から無事キカンする。ウ 国会は立法キカンである。エ 消化キカンの病気。オ キカンに痰(たん)が詰まって咳(せき)が出る。8 コウエンア 有名人のコウエン会。イ 劇団のコウエン。ウ 青年のコウエンな理想。エ 文部科学省コウエンの映画。オ 犬とコウエンを散歩する。9 キカイア キカイ体操。イ 工場のキカイで製造する。ウ めったに会うキカイがない。10 ドウシア 子どもドウシ仲良くなる。イ 同じ夢を持つドウシを募る。ウ 英語のドウシの変化を覚える。【ランキングに参加しています。ご協力いただける方はぜひクリックお願いします。】→ と【後記】最近このブログのタイトルは「目安箱」でいいのかとふと疑問に感じています。改名した方がいいかなあ。ご意見があればぜひ頂戴したいと思います。
2005/07/12

昨日は同音異義語(同じ音読みで意味が違う語)を出題しました。禁じ手のパソコン変換ですでに確認された方もいらっしゃるかもしれませんね。解説を加えておきます。【昨日の問題の解答】次の同音異義語の漢字を書き分けてください。1 タイショウア 誤りがないか原典とタイショウする。イ 中学生をタイショウとした本ウ 左右タイショウの図形〔答え〕ア 対照 照らし合わせ・比較・正反対の意味で用います。イ 対象 相手・目標・目的ウ 対称 左右のつりあい 「タイショウ」の書き分けは就職試験等でももっともよく使われる同音異義語です。その人の国語力を測るのに適しているということなのでしょう。もちろん、中学卒業段階で書き分けができるようになって欲しい漢字です。あと、「大将・大勝・大賞・隊商」などを混ぜて難しくすることもあります。2 カイトウ ア 要望にカイトウする。イ 問題のカイトウウ カイトウしたマグロ(鮪)。〔答え〕ア 回答 質問や照会に対してただ返事をする場合はこちらを使います。イ 解答 問題・疑問を解き明かすという意味ではこちらを使います。ウ 解凍 これは凍ったものを溶かすという意味ですね。3 コウギア 大学のコウギイ 対応にコウギする。ウ コウギに解釈する。〔答え〕ア 講義 大人でもうっかり「ごんべん」をつけて「議」としてしまいます。イ 抗議 反対意見・要求を申し立てることウ 広義 これは「広い意味」ということです。対義語は「狭義(きょうぎ)」 ウで使われる「義」の意味を確認しておきましょう。同義語、対義語などと使われますが、「義」とは「意味」という意味の漢字です。あれ?わかります?[義=意味」です。「字義=字の意味」と使ったりします。正義の「義」は「正しい道、正しいおこない」をいう意味です。漢字には思いもつかない使い方がありますね。 平成教育委員会だったかな?中学受験国語の過去問からの出題で、「告白・自白・白状・独白(ひとりごと・モノローグ)」から「白」という字に「言う」という意味があることに気づかせる問題がありました。「白」の意味を私が知ったのは大学受験のとき、漢文の入試問題をやっていたときでした。漢字って中学受験も大学入試も変わんないんでしょうかね。うーむ。4 カイホウア 窓をカイホウする。イ 奴隷カイホウウ 病気がカイホウに向かう。エ 病気の父をカイホウする。〔答え〕ア 開放 開け放つの意味です。イ 解放 自由にするというときはこの字を用います。ウ 快方 病気が良くなる方向という意味です。エ 介抱 世話をするという意味ではこの字を使います。 これらは同音異義語として習わないと普段の生活だけでは身につかないのではないでしょうか。 5 カテイア 結果よりもカテイを重んじる。イ 中学のカテイを修了する。ウ もしもの時をカテイする。〔答え〕ア 過程 途中・経過・段階の意味です。イ 課程 ある期間の学業・カリキュラムという意味で用います。ウ 仮定 問題文にもあるとおり、「もしも」の意味です。6 カンショウア 芸術作品のカンショウイ 熱帯魚をカンショウする。ウ 余計なことにカンショウする。エ 秋にはカンショウ的な気分になる。〔答え〕ア 鑑賞 芸術作品に対してのみ「鑑」を使います。イ 観賞 美しいものを眺めて楽しむだけなら「観」です。ウ 干渉 余計な口出しのことです。エ 感傷 悲しがったり寂しがったりして心がき傷つきやすいことです。 特に「鑑賞」と「観賞」の違いをもう一度、取り上げます。「鑑賞」の「鑑」は「鑑定」などと使い、「良いものを見定める」という意味です。訓読みは「鑑みる(かんがみる)」です。一方、観賞の「観」は「観察」に使われるように「観る(みる)」ことが中心の意味のとき使います。7 シンニュウ ア 会場内シンニュウ禁止イ 住居不法シンニュウウ 今年度シンニュウ生エ 雨水が屋内にシンニュウする。〔答え〕ア 進入 進み入るという意味です。イ 侵入 他人の領域に不法に押し入るとき「にんべん」の「侵」です。ウ 新入 新しく入るの意味。これは考えれば易しい。エ 浸入 液体・水などがしみ入るというとき使います。だから「さんずい」 特に「侵入」の「侵」は「侵す(おかす)」という訓読みがあります。ここで「犯す・侵す・冒す」の同訓異字も取り上げておくことにしましょう。 「犯す」は「法や道徳を破る」という意味で「罪を犯す」などと使います。「侵す」は「不法に、あるいは無断で入り込む」という意味で「領土を侵す」などと使い、「冒す(おかす)」は「やみくもに、あるいは無理にしようとする」という意味で「危険を冒す」と使います。 また、「浸入」の「浸」は「浸る(浸る)・浸す(ひたす)」という訓読みを持ち、「水がしみこむ、水につかる」などの意味で使います。「浸水・浸透」などの熟語があります。8 コウセイア コウセイな裁判。イ 文章をコウセイする。ウ 番組コウセイを考える。エ コウセイ年金 コウセイ労働省(前と同じです)オ コウセイに名を残す。カ 犯罪者をコウセイさせる。〔答え〕ア 公正 公平で正しいこと。イ 校正 「校」には比べるという意味があります。原本と比べ合わせて 誤字や脱字、不備な点を正しく直すということです。ウ 構成 「組み立て」という意味です。エ 厚生 生活を豊かで健康にすること。オ 後世 のちの世の中。カ 更生 立ち直ることという意味です。9 ジテンア 国語ジテンイ 百科ジテンウ 主に字を集めた漢字ジテン〔答え〕ア 辞典 「辞」は言葉という意味で、言葉を調べるのが「辞典」イ 事典 「事典」は事がらを調べるものです。ウ 字典 「字」そのものの解説は「字典」です。10 カンシンア 好きなことにカンシンを示す。イ 模範となるカンシンな生徒ウ 社長のカンシンを買う。エ カンシンに堪えない重大事故〔答え〕ア 関心 興味があるというときはこの字です。イ 感心 へえ、すごいと感動できるときはこの字。ウ 歓心 うれしく思う気持ちのことです。 「歓心を買う」とは気に入られようとご機嫌を取るということです。エ 寒心 非常に心配すること。 「寒心に堪えない」とは心配で仕方がないということです。 5月の列車脱線事故がまさにそうでした。 書いているうちに次の出題問題を精選する時間がなくなってしまいました。続きはまた明日ということにさせてください。【ランキングに参加しています。ご協力いただける方はぜひクリックお願いします。】→ と
2005/07/11

昨日の「すんごい学習ゲームのサイト」の記事は反響が大きくこのブログの1日の最高ヒット数を記録しました。ありがとうございました。ただ、もうご存知であった方には申し訳なかったです。アンケート機能がここにはないので調べようがありませんけれども、有益なサイトを発見したらまたご紹介します。 「学習ゲームの広場」で相当数の漢字をこなせるので、今さら学習記事を書くのも気が引けますが、いずれブログに書いたことをまとめてHPにするという大望に向かってこれまでと変わりなくポツポツ牛の歩みで行こうと思います。 さて、今日は同音異義語(同じ音読みで意味が違う語)を出題します。やり始めると、これも実際には相当数ありますので、受験対策となるような代表的なものを取り上げることにします。高校受験向きですが、中学受験でもよく出るものが入っています。もし、受験生の方がおやりになるならパソコンで変換するのは禁じ手です。実際に手で書いてみて後でパソコンで変換して確かめてください。正解は明日発表です。【今日の問題】次の同音異義語の漢字を書き分けてください。1 タイショウア 誤りがないか原典とタイショウする。イ 中学生をタイショウとした本ウ 左右タイショウの図形2 カイトウ ア 要望にカイトウする。イ 問題のカイトウウ カイトウしたマグロ(鮪)。3 コウギア 大学のコウギイ 対応にコウギする。ウ コウギに解釈する。4 カイホウア 窓をカイホウする。イ 奴隷カイホウウ 病気がカイホウに向かう。エ 病気の父をカイホウする。5 カテイア 結果よりもカテイを重んじる。イ 中学のカテイを修了する。ウ もしもの時をカテイする。6 カンショウア 芸術作品のカンショウイ 熱帯魚をカンショウする。ウ 余計なことにカンショウする。エ 秋にはカンショウ的な気分になる。7 シンニュウ ア 会場内シンニュウ禁止イ 住居不法シンニュウウ 今年度シンニュウ生エ 雨水が屋内にシンニュウする。8 コウセイア コウセイな裁判。イ 文章をコウセイする。ウ 番組コウセイを考える。エ コウセイ年金 コウセイ労働省(前と同じです)オ コウセイに名を残す。カ 犯罪者をコウセイさせる。9 ジテンア 国語ジテンイ 百科ジテンウ 主に字を集めた漢字ジテン10 カンシンア 好きなことにカンシンを示す。イ 模範となるカンシンな生徒ウ 社長のカンシンを買う。エ カンシンに堪えない重大事故【ランキングに参加しています。ご協力いただける方はぜひクリックお願いします。】→ と
2005/07/10

今日はすんごい学習ゲームサイト見つけました!! 同音異義語のネタ探しにネットサーフィンしていたら、以前このブログでも紹介した『yahooきっず』の中に学習ゲームを扱うサイトを見つけました。リンクフリーでしかも無料。これだけの学習ゲームソフトが置いてあるサイトは、私もネットデビューしてから2ヶ月経ちますが初めてです。既にご存知の方も多いのかもしれませんけれど、このブログの推薦☆参照サイトリンク集に速攻入れておきます。その学習ゲームサイトは → フナハシ学習塾さんの『学習ゲームの広場』です。 ページ中央より少し下、ゲームへの入り口「学習ゲーム」より入ることができます。無料で、かつ、その種類の豊富さに驚きます。使う時は少し説明を読んでからでないと、どうやって動かしたらよいか迷いますが、すぐ遊べます。 国語の漢字・ことば・ローマ字・百人一首はもちろん、算数・数学・理科・社会・英語まであります。 自分の趣味で、おもしろいなあと思ったのは『難読漢字博士』と『回転15ゲームDE四字熟語』。これを子ども向けというにはもったいない。 全部やろうと思ったら数ヶ月はかかるのではないでしょうか。ということで、同音異義語の資料を作って記事を書こうという気も失せて、今日は記事をお休みにさせていただきます。 休日を使って親子でおやりになっても楽しいのではないでしょうか。普段の学習での使用にも充分耐えられるものであると感じました。 役に立つ情報だったと思っていただける方はクリックお願いします。 → と
2005/07/09

類義語3回目です。早速、昨日の問題の解答を発表します。【昨日の問題の解答】1 対等 =( 互角/匹敵 ) 2 知己「ちき」=( 親友/友人/知人 )3 著名 =( 有名 ) 4 同意 = ( 賛成 )5 発達 =( 進歩 ) 6 不意 = ( 突然 )7 無事 =( 安全 ) 8 重宝「ちょうほう」=( 便利 )9 方法 = ( 手段 ) 10 没頭 = ( 専心 )11 容易 = ( 簡単 ) 12 用意 = ( 準備 )13 落胆 = ( 失望 ) 14 了解 = ( 納得 )15 冷静 = ( 沈着 ) 16 異郷 = ( 外国/他国 ) 以上、どうだったでしょうか。やはり12問以上正解の方はかなり語彙力があると思います。普段の生活ではなかなか使わない言葉が入っていますから、すぐには思いつかないものがあったのではないでしょうか。解説が必要だと思われるものをいくつか取り上げておきます。 1 対等 = 互角 力量に優劣の差がないさま。同じ程度であること。「匹敵」を思いついた方はそれも可です。「互角」は牛の左右二本の角(つの)の長さ・太さに差がないことからできた言葉とされています。 2 知己「ちき」 = 親友/友人/知人 「知己」という言葉は今はもう日常生活でほとんど使いませんね。「知己を得る」と使います。もともと「己(おのれ)を知る」人、つまり、自分のことを知っている人という意味です。3 著名 = 有名 「著」は「著しい(いちじるしい)」と読んで「目立つ」という意味です。「名前が目立つ」ところから「有名」が類義語となります。ところが、「著」にはもう一つ、読み方があって「著す(あらわす)」とも読みます。これは本を書いて世に出すと言う意味で「著者(ちょしゃ)」という言葉があります。ほかに「作者」(詩や小説などの文学作品に対して)「筆者」(論説・説明文や随筆などに対して)という言葉があります。「著者」は最も広い意味で書物を書いた人を指す言葉として使います。5 発達 = 進歩 辞書的にはこれで正解となっていますが、「発展」、「成長」あたりも正解にしたいのですが、どうでしょうか。明確にそう書いてある辞書を持ち合わせていません。英語のdevelopment にこうした発展/発達の意味もあることを思い出しました。6 不意 = 突然 「不意に」とすれば「急に」と同じ意味です。これに関して、誤解されている言葉に「徐に(おもむろに)」という言葉があるのですが、「急に」という意味だと思っている子どもは多いです。「徐(おもむろ)に立ち上がる」などと使いますが、「徐」という字は、列車の「徐行運転」とか、「徐行」という交通標識に使われます。ですから、「徐に」は「ゆっくり静かに、そっと静かに」と言う意味なのです。徐行運転が急な運転と考えては事故になりかねません。8 重宝「ちょうほう」= 便利 「これがあると、重宝するね。」などと「役に立つ」という意味で使うのは、もう年配の方でしょうね。まず「ちょうほう」と子どもたちは読めません。「じゅうほう」と読んでしまいます。一応、重宝には「貴重な宝」という意味もあります。9 方法 = 手段 この類義語は最重要です。よく入試問題でも見かけることがあります。「やり方/手だて」という意味です。10 没頭 = 専心 「専心」を思いつかなかった人は多いのではないでしょうか。「没頭 = 専心」として辞書には載っているのですが、「熱中」や「夢中」でも良いような気がします。素人考えですみません。「創造⇔破壊」ではいけないのかと疑問を持ったときと同じように辞書に文句を言いたくなります。 13 落胆 = 失望 「落胆」という言葉自体を知らない子は多いです。「失望」以外にも「消沈(しょうちん)」でも可。「がっかりした」と言ってあげた方がピンときます。 気持ちを表す言葉(心情語)のうち、こうした書き言葉でしか出会わないものがいくつかあります。 歓喜(かんき)・悲哀(ひあい)・安堵(あんど・安心)・憤然(怒っているさま)などや焦燥感(しょうそうかん・あせり)、躊躇(ちゅうちょ・ためらうこと)、嫉妬(しっと・やきもち)、驚嘆(きょうたん・おどろき)、嘆息(たんそく・ため息)など、気持ちを押さえて読まなければいけない文学的文章(物語や小説)の読解には必須です。 こうした心情語や感情語は、読解に必要なものなのですが、受験参考書で心情語のまとめとしてちゃんと書かれているものは少ないです。そういう本がいずれたくさん出てくるでしょう。ほかに入試に取り挙げられるもので心情語というと、みなさんはどんなものを思いつきますか。ぜひ、コメントよろしくお願いします。集めてみたいと思っています。15 冷静 = 沈着 この二つで「冷静沈着」四字熟語になります。「感情的にならずに落ち着いているさま」。 16 異郷 = 外国/他国 「異郷」の対義語は「故郷」です。「異郷」は「他郷」とも言うようです。 以上、解説でした。次は同音異義語でしょうか。どうするか少し考えます。ランキングに参加しています。ご協力いただける方はクリックお願いします。→ と【後記】表示すると、解答の列がいつも乱れるので、今日は平打ちしたものがそのまま表示される<pre>~</pre>というタグを使ってみました。
2005/07/08

【昨日の問題の解答】以下の熟語の類義語をそれぞれ考えてください。1意外 = ( 案外 ) 2永遠 = ( 永久 ) 3願望 = ( 希望 ) 4機転 = ( 機知 ) 5欠乏 = ( 不足 ) 6傑作 = ( 名作 ) 7貢献 = ( 寄与 ) 8遺憾「いかん」= ( 残念 )9自然 = ( 天然 ) 10危篤「きとく」= ( 重態 ) 11将来 = ( 未来 ) 12消息「しょうそく」 = ( 音信 ) 13厚意 = ( 親切 ) 14節約 = ( 倹約 )15短所 = ( 欠点 ) 16長所 = ( 美点 ) 如何だったでしょうか。12問以上正解の人はかなり語彙力があると思います。 解説が必要と思われるものを取り上げてみます。4 機転 = 機知 「機転が利く」「機知に富む」と使います。とっさの時の智恵・頭の回転の速さという意味です。7 貢献 = 寄与 力を尽くして役に立つこと 8 遺憾「いかん」= 残念 「遺憾」の類義語は「残念」とすれば大まかな意味はわかりますが、「遺憾に思います。」という言葉は、本来、相手を非難するときにも、自分の行為をわびるときにも使う言葉なので、他人事のように聞こえてしまいます。テレビで謝罪会見などを見ると判で押したように使われていますが、どうも印象のよくない言葉です。10 危篤「きとく」= 重態 病気が重く生命が危ういこと。身内の人が危篤ですなどと言われたら、気が動転し病院に向かう途中、気を失ったり別の事故を起こしたりする危険があるので、少し軽い症状でまず伝えるのが配慮だということを大人になってから知りました。12 消息「しょうそく」 = 音信 連絡・便り・手紙のこと 消息不明、音信不通と使うのをよく聞きます。15 短所 = 欠点 16 長所 = 美点 「短所」の類義語を「欠点」だと思いついても、「長所」の方はわからなかったという人も多いのではないでしょうか。「欠点⇔美点」で対義語の関係でもあります。あと、「悪徳⇔美徳」という言い方もします。では、あらたに16問出題です。【今日の問題】1 対等 =( ) 2 知己「ちき」 = ( ) 3 著名 =( ) 4 同意 = ( )5 発達 =( ) 6 不意 = ( )7 無事 =( ) 8 重宝「ちょうほう」= ( )9 方法 = ( ) 10 没頭 = ( )11 容易 = ( ) 12 用意 = ( ) 13 落胆 = ( ) 14 了解 = ( )15 冷静 = ( ) 16 異郷 = ( ) やっぱり中学3年生でも難しいものが含まれています。解答は明日です。ランキングに参加しています。ご協力いただける方はクリックお願いします。→ と
2005/07/07

前回まで対義語でした。ネットで調べていると、あと出題したいのが少しばかりあるのですが、お話のネタ切れの時にとっておいて、今日から3回ほど使って類義語をやります。類義語は全く同じ意味の言葉ではありません。よく似た意味の言葉と考えるべきです。使うときはやはり微妙にニュアンスが違ったりします。記述問題などで答えを表現したり、言い換えたりするときに言葉が出てこないと致命傷になります。言葉を増やすという意味でも類義語に取り組むことは有益です。 今回も公立高校受験レベルですが、中学受験を考えている人にも取り組んで見て欲しいものを集めてみました。はっきり言って普通の小学生では難しいものがいくつもあります。中には中学3年でも言えないものがあります。【今日の問題】以下の熟語の類義語をそれぞれ考えてください。1意外 = ( ) 2永遠 = ( ) 3願望 = ( ) 4機転 = ( ) 5欠乏 = ( ) 6傑作 = ( ) 7貢献 = ( ) 8遺憾 = ( ) *「いかん」と読む。9自然 = ( ) 10危篤 = ( ) *「きとく」と読む。11将来 = ( ) 12消息 = ( ) *「しょうそく」と読む。13厚意 = ( ) 14節約 = ( ) 15短所 = ( ) 16長所 = ( ) 以上16問。今日はまた出題のみです。どうだったでしょうか。解答は明日。ランキングに参加しています。ご協力いただける方はクリックお願いします。→ と
2005/07/06

今日は対義語の解説最終回です。今回のシリーズに楽天内で記事に〔注目〕マークをつけていただいたのに最終回はつじつまあわせです。ん? 内容じゃなくてメインテナンスのときにメモ帳にバックアップを取っていて、お知らせに注意と書いたことが評価されたのかも。残った10問に追加の2つを加えて解説をさせていただきます。11 拡大 ⇔ 縮小 「大きく拡(ひろ)げること」と「小さく縮めること」で対義語です。「縮少」と間違える解答が後を絶ちません。「大」⇔「小」と考えるようにして下さい。12 理想 ⇔ 現実 結婚の理想と現実なんてタイトルがありましたっけ。どういうわけか中学生にやらせても正解率のいい対義語です。それだけ切実な使われ方をして、日常生活でもよく聞くのかも知れません。理想は「こうであって欲しい、こうありたいという最善の状態」ということですが、「実際=現実」は理想に遠く及ばないという意味の対義語です。「どんな高邁な(こうまいな)理想も実現したとたん、腐臭(ふしゅう)を発する」と教えてくれたのは大学時代の恩師でしたが、結婚にも当てはまるのでしょうか。はて?13 個人 ⇔ 社会 私(わたくし)と公(おおやけ)と考えても同じ意味です。これはよく論説文でとりあげられるテーマでもあります。こういう対立関係が人間が生きていくときには必ずあるという普遍的なテーマです。「個人⇔会社」と考えたくなるのは私だけでしょうか?14 許可 ⇔ 禁止 これはそのまま。15 自由 ⇔ 束縛(そくばく) 束縛は「行動に制限を加えて思いのままにできなくすること」です。若い人たちも「恋人に束縛される」なんてよく使います。16 保守 ⇔ 革新 保守は「これまでのあり方や伝統を尊重する態度や立場」で、「革新」は「これまでの古いやり方や習慣を改めて新しくしようとする態度や立場」のことです。政治の話題になるときによく使います。17 単純 ⇔ 複雑 単純は「こみいっていないさま」複雑は「こみいって面倒なさま」という意味です。受験国語では最もよく出る対義語の一つです。「複雑」の「複」のころもへんがしっかり書けるかどうかがポイント。「簡単⇔複雑」としても正解です。18 形式 ⇔ 内容 どういうわけか中学受験の問題の方でよく見かけます。中学生になるととたんに正解率が落ちる不思議な対義語。「形式にこだわるのはよくない、内容が大事だ。」などと使い、「型」と「中身」という意味で対義語になっています。19 生産 ⇔ 消費 「ものを生み出す」のが生産、「ものを使い果たすこと、使ってなくすこと」が消費です。この対義語は生態系を扱う説明文でも「生産者⇔消費者」などとよく見かける重要対義語です。20 破壊 ⇔ 建設 これは5の問題でも指摘しました。辞書的には「破壊⇔建設」とします。やったことがないと試験会場でうっかり「破壊⇔創造」としてしまう子がいます。もちろん文章中では「破壊⇔創造」をテーマとして書いてある文章はあり得ます。 一応調べてから始めた対義語でしたが、どうしても最後につけ加えておきたいのが2つあります。21 偶然 ⇔ 必然 偶然は「たまたまそうなること」必然は「必ずそうなること」です。中学生の定期テストでよく見かけます。「偶然⇔当然」という誤答が多いので注意します。当然は「あたりまえ」という意味ですから、必然とは意味がずれてしまいます。22 普遍 ⇔ 特殊 普遍は「広くゆきわたること、あらゆる場合に当てはまること、あるものごと全てに共通して存在すること」特殊は「普通と違って特別であるさま」という意味です。「一般⇔特殊(特別)」とすることもあります。意味や概念がとらえにくい言葉ですが、普遍は「いつでもどこでもあてはまる」という意味で、「愛と憎しみは小説の普遍的なテーマだ。」なんて使います。特殊は「個別的でまれである」という意味で「小鳥が猫に恋をするなんて特殊だ。」と使います。あまり例文がよくありませんね。ちなみに、「殊」は「殊に(ことに)」と読む訓読みがあって、「特殊」と言う熟語は「特に=殊に」で、意味が似通った漢字の組み合わせの熟語です。 最後に2つ対義語を追加しました。もう一度、最初の問題に戻って見直してみてください。繰り返しになりますが、対義語の知識が文章を読み抜くときの手がかりになるのだということをお忘れなく。今日はここまで。ランキングに参加しています。ご協力いただける方はクリックお願いします。→ と
2005/07/05

昨日、対義語20問出題したもののうち、最初の3つまで解説をしました。 1 主観 ⇔ 客観 2 具体(具象)⇔ 抽象 3 絶対 ⇔ 相対 今日はその続きからです。対義語がなぜ文章読解のかなめとなるのか確認しておきます。以前の記事「国語ができない原因を考える」というシリーズの中でも書いたことなのですが、文章の内容をつかむときには、大きく文章をとらえる枠組みを持っていることが大切だと述べたことがあります。 文章の論理(すじみち)にはいくつかのパタンがありますが、その中でも逆接・対比型の文章をとらえるためには、対義語は必要不可欠な知識です。大学受験の国語になると、「二項対立」という言い方になって再登場します。考えてみると中学受験段階から大学受験段階までずっとそういう文章のとらえ方を学ぶわけで、身につけるまでに随分時間のかかる話だなあと思ったりします。というか、国語の問題を解くことだけに専念するあまり、文章のとらえ方は後回しになっているということなのでしょうね。 それから、対義語のお話を始めるときにホントはしておかなくてはいけないことがありました。対義語には、例えば「表と裏」「奇数と偶数」など純粋に反対語として考えられるものがありますが、一方を否定しても他方にならない組み合わせもあります。むしろ単なる対(つい)〔=ペア〕として考えておくべき組み合わせになるものです。「白と黒」(紅白でもよい)「長いと短い」(中くらいの長さもありうる)「海と山」(海と陸、空と海の組み合わせもあり得る)などがそうです。前述した二項対立(対比)で文章が読み取れる場合も、こうしたとらえ方をちゃんと踏まえておいた方がよいだろうと思います。 では、解説を始めます。4 精神 ⇔ 肉体/物質 「こころ」と「からだ」、「こころ」と「もの」どちらでも対義語の関係です。「身体論」として、そのまま論説文・説明文のテーマとして扱われることが多いですね。自分の体は自分で始末をつけられるという「身体所有論」の話を始めると、「尊厳死」や「臓器売買」「自殺正当化の論理」などデリケートな問題に立ち入らざるを得ないことになります。現代に生きる大人も子どもも、ちゃんと話し合わなくてはいけない重要なテーマだと考えているのですが、機会を改めてお話しすることとし、宿題にします。自分の体は自分のものではあるけれど、人とのつながりの中で実は社会的なものであり、自分だけの都合でどうにかするのは適切ではないという立場で考えているということだけ言って止めておきます。5 創造 ⇔ 模倣(もほう) まず、「創造」と「想像」の違いから確認しておきます。「創造」は「これまでになかった新しいものを生み出す」という意味です。「想像」は「頭の中に思い浮かべる」というだけの意味です。そうすると「創造」の反対は「人の真似をする」という意味の「模倣」(もほう)というのが正解です。高校入試では取り上げられることがよくあります。「創造⇔破壊」と考えた人はいなかったでしょうか。20問目最後の問題にも取り上げたとおり、辞書的には「建設⇔破壊」で対義語とされていますので注意してください。ただ文章のテーマとしては「創造⇔破壊」という取り上げ方もある気がします。6 原因 ⇔ 結果 「原因は結果に先行する」という『因果律』は「だから、それで」などの接続語を正しく補充するときに知っていなければいけない言葉です。7 供給 ⇔ 需要(じゅよう) 中学受験問題集でこれを扱わなければなければならないときは厳しいです。もともと中3の公民で経済を習ってからだったら、イメージがつくのでしょうが。「供給」は「要求・必要に応じて補ったり与えたりすること」「需要」は「求めること・欲しがること」という意味です。消費者の「需要」に応じて商品を「供給」するなどと使います。 8 義務 ⇔ 権利 「義務」は「しなければいけないこと」「権利」は「あることをしてもよい、あるいはしなくてもよいという資格のこと」 ふつう、権利があるところに義務も必ずあるはずなのですが、大人も子どもも、そして私も忘れがちです。「権利」には人類の歴史の中で長く虐(しいた)げられた人たちが団結して勝ち取ってきた、あるいは、たくさんの人々の血が流れてきたたという経緯があります。9 慎重 ⇔ 軽率(けいそつ) 「慎重」は「注意深く・用心深く行動すること」「軽率」は「よく注意せずに行動すること」 この問題は単に対義語として受け取っておけばよいでしょうか。特に解説を思いつきませんでした。10 平和 ⇔ 戦争 単純に戦争でなければ平和だと対義語としてだけ押さえるにはもったいない気がします。平和学によると「平和」には「消極的平和」と「積極的平和」という考え方があります。「消極的平和」は単に戦争がないということですが、本当にそれだけで平和だといえるでしょうか。犯罪・貧困・飢餓・南北問題・人種差別・宗教対立・民族対立・人口問題・環境問題など、そういった人類を脅(おびや)かす問題もひっくるめて平和を考えることを「積極的平和」といいます。考えてみれば戦争になる前のそうした根本的な問題に解決の見通しをつけていかなければ、本当の平和は訪れないという人類の智恵から生まれた考え方です。 ようやく10問解説終了。重いところは抜けたので、明日残りをやって次に行きます。 ランキングに参加しています。対義語が文章の論理を見抜く手がかりになるのだという意図がわかっていただけた方はクリックお願いします。→ と
2005/07/04

昨夜はまた、楽天ブログのメインテナンスでした。おいでいただいた皆様には申し訳ありませんでした。原稿を送信したとたん、利用停止になり、原稿が消失しました。今回は2/3書いたところでメモ帳にバックアップしてあったのでそこから書き直しました。ブログの中でも楽天はメインテナンスが多いというのはよく知られた事実ですが、原稿消失は今回で3回目。ふうっ。ちゃんとお知らせに気づいてないとやられます。 さて、対義語20問一度に出してしまったので、先に一通り答えを掲げておきます。もしかすると思っていたのと違うというものがあるかもしれません。問題集などでやらせるときは、ただ覚えろで済ませてしまう指導も多いのですが、どこかでちゃんと解説してもらわないと、普通はずっとおざなりのまま大学受験を迎えることになるのかも知れません。【昨日の問題の解答】次の熟語の対義語を考えてください。20問あります。1 主観 ⇔ ( 客観 ) 2 具体 ⇔ ( 抽象 )3 絶対 ⇔ ( 相対 ) 4 精神 ⇔ ( 肉体/物質 )5 創造 ⇔ ( 模倣 ) 6 原因 ⇔ ( 結果 )7 供給 ⇔ ( 需要 ) 8 義務 ⇔ ( 権利 )9 慎重 ⇔ ( 軽率 ) 10 平和 ⇔ ( 戦争 )11 拡大 ⇔ ( 縮小 ) 12 理想 ⇔ ( 現実 )13 個人 ⇔ ( 社会 ) 14 許可 ⇔ ( 禁止 )15 自由 ⇔ ( 束縛 ) 16 保守 ⇔ ( 革新 )17 単純 ⇔ ( 複雑 ) 18 形式 ⇔ ( 内容 )19 生産 ⇔ ( 消費 ) 20 破壊 ⇔ ( 建設 )とりあえず最初の3問だけ解説しておきましょう。1 主観 ⇔ 客観 『主観』は「自分の立場」からものを見る立場のことです。『客観』は「他人の立場、多くの人が納得できる立場」でものを見るということです。 「それは主観的な意見だ。」と言われたら、独りよがりな個人的な意見だということになります。例えば、「あの人かっこいい。」と友達に話しかけても「全然よくない。」と言われたりします。「あの人かっこいい。」というときのAさんの「かっこいい」とBさんの「かっこいい」とは違っていることになりますね。それはお互いに主観でものを言っているからです。自分の物差しでしか見ていないからです。ところが、何人もの人に意見を聞いていくと「確かにかっこいい」と思う人がたくさん出てきたりします。そうすると、自分の意見は客観的であったということになるのです。変でしょう?ここから言えることは、主観と客観は本当は全く反対の関係にあるのではなくて主観の延長線上に客観があるということです。多くの人が同じ考えを持つとそれは主観ではなく客観になるのです。主観から始まって他人の考えも取り入れて、あるいは含めて考えられるようになると客観ということになります。 実は客観にはもう一つの意味があります。別の例を出しておきましょう。昔、人類は「太陽が地球の周りを回っている。」(天動説)と考えていました。ところが、ガリレオ・ガリレオという人がコペルニクスが既に唱えていた「地球の方が太陽の周りを回っている。」(地動説)という説に証拠を示して言いました。ところが、これはどちらが正しいか裁判になり、裁いた方の教会は宗教的な理由もあって納得せず、ガリレオを処刑してしまいました。皆さんはいまどちらが正しいか分かっていますね。地動説の方が正しいのです。多くの人が納得行かなかったけれども、証拠を示し、ちゃんと筋道を立てて考え、たとえ一人ぼっちになっても地動説を唱えたガリレオの方が客観的だったのです。ここから言えることは、多くの人は納得できないかもしれないけれど、ちゃんと根拠や証拠を示し、筋道を立てて考えてみる見方を客観的というのだということも覚えておいてください。 客観という言葉の2つの面を説明しましたが、国語の問題の答えを考えるとき、多くの人が納得してくれる答えとなっているか、また、ちゃんと根拠や証拠のある、筋道を立てた考え方で答えを導き出しているかが客観的な解答を書く鍵だと考えています。2 具体 ⇔ 抽象(ちゅうしょう) これは小・中学生にとっては意味を考えるのは難しい漢字です。「具」は訓読みすると「具える・具わる」(そなえる・そなわる)と読みます。「持っている・そろっている」という意味です。「体」はからだという字ですが、「正体、体裁(ていさい)、風体(ふうてい)」などと使って「姿・格好・形」の意味も表します。そうすると、具体とは「姿・形を持っている・姿・形をそなえているもの」という意味になります。 また、具体の類義語に「具象」という言葉もあります。以前、象(しょう)は訓読みで「象る」(かたどる)と読むのだというお話をしました。動物の「ゾウ」という意味ばかりではありません。「象る」は形をとるところから「形・姿」などの意味です。「像」と「象」は意味が重なる部分があるわけです。ですから、具象も「姿・形を持っている・姿・形をそなえているもの」という意味になります。 一方、抽象の抽は「抽選・抽出(ちゅうしゅつ)」などと使い「取り出す」という意味です。くじ引き抽選なんて使いますね。そうすると、抽象は、象の意味も考え合わせて「姿・形を取り出したもの、姿・形を取り除いたもの」となり、言い換えれば「姿・形のないもの」ということになります。 具体とは「姿・形を持っている・姿・形をそなえているもの」抽象は「姿・形のないもの」と押さえたうえで、お話を進めます。 具体と抽象の例を挙げておきましょう。具体は「姿・形のあるもの」ですから、目に見えるものは具体です。机・本・イス・かばん……。一方、形のない抽象は目に見えないもの、愛・勇気・友情・平和・努力など。それぞれ挙げたらキリがありませんね。具体と抽象、だいたいイメージがついたでしょうか。 さて、国語でよく問題文中にある、「具体的に述べなさい。」なんて書いてあることがありますが、どんな答え方をすればよいのでしょうか。 「あなたは何が好きですか。」と聞かれて、「フルーツです。」と答えるよりは「イチゴです。」と答えたほうがより具体的な答えだと言われます。具体的とは例を挙げるということです。ちゃんと名前を出して答えるということです。国語の問題で具体的にと聞かれたらこんなふうに、ものやことがらの名前(地名や人名などもそうです)をいうか、数字を挙げて言ったり、本当にあったできごとをいうと具体的に答えたことになります。これは「具体的に述べなさい。」と聞かれたときの答え方のコツなので覚えておきましょう。3 絶対 ⇔ 相対 この場合はペアという意味の「対(つい)」ではなくて、の「対」は「対面・対比」などと使うときの「向かい合う・比べる」という意味です。絶は「絶つ・絶える・なくなる」ですから、絶対というのは「ほかと比べることを絶つ・ほかと比べない」という意味です。一方、相対は「相(あい)対する」ですから、「お互いに比べる」ということです。 今では、子どもたち自身が、集団の中でほかの子と自分の成績を比べない「絶対評価」とほかの子と自分の成績を比べる「相対評価」なんていう言葉を知っていますから、それでイメージがつくのかもしれません。少し言い換えた意味での捉え方も挙げておきましょう。絶対は「ほかからの影響を受けない」、相対は「ほかからの影響を受ける」という意味で使うこともあります。 ところで、国語の読解問題の解答に絶対に正しい答えというのは存在しません。大まかに的を射た、相対的によりよい解答というのが存在するだけです。たとえ模範解答であっても、ほかの表現のし方をする別解が充分ありえます。答えを選択肢の中から選ぶ問題であっても、その選択肢の中から最も適切な答え、他と比べて相対的によりよい答えを選ぶということをやっているに過ぎません。国語の正解とは相対的に正しい答えであるということも言えるのです。 今日取り上げた対義語を拾ってまとめておくと、受験国語では、より客観的な考え方で、より具体的な、そして相対的によりよい答えを探すのが重視されているということができます。 こういったお話は小学生には少し早いのでしょうか。少なくとも中学生には分かってもらいたいですね。ぐちゃぐちゃしゃべっておりますが、対義語の意味をしっかり検討しておくことは国語力の伸長には必要不可欠だと考えています。4~10の解説は次回以降に回すことにします。ランキングに参加しています。言いたいことはわかると思っていただけた方はクリックお願いします。→ と【追記】以前、天動説を信じている子どもが増えているという記事がメディアを賑わせていました。ネット上で「天動説・地動説」で検索すると面白い記事がいくらも見つかります。
2005/07/04

昨日記事にしたホトトギスの鳴き声はお聴きになったでしょうか。私は「特許許可局」と聞きなすと言われてもまだすっきりしないですね。「テッペンカケタカ」よりは何となくそう聞こえますが。皆さんはどう思われましたか。 さて、語句編も、ことわざ・慣用句・四字熟語・故事成語と進んできました。今日は「対義語」を取り上げておこうと思います。これは中学受験のみならず、高校受験であっても大学受験であっても一貫して国語の問題を考えて行くうえで必要な言葉です。特にその内容について深く考えておかなければならないものがいくつか含まれています。解説には2、3回かかるかもしれません。まずは単純に対義語(反対語)を考えてみてください。ただし、小学生にはまだ少し難しいものもあります。【今日の問題】次の熟語の対義語を考えてください。20問あります。1 主観 ⇔ ( ) 2 具体 ⇔ ( )3 絶対 ⇔ ( ) 4 精神 ⇔ ( )5 創造 ⇔ ( ) 6 原因 ⇔ ( )7 供給 ⇔ ( ) 8 義務 ⇔ ( )9 慎重 ⇔ ( ) 10 平和 ⇔ ( )11 拡大 ⇔ ( ) 12 理想 ⇔ ( )13 個人 ⇔ ( ) 14 許可 ⇔ ( )15 自由 ⇔ ( ) 16 保守 ⇔ ( )17 単純 ⇔ ( ) 18 形式 ⇔ ( )19 生産 ⇔ ( ) 20 破壊 ⇔ ( )今日は出題のみです。大人の方でもひっかかるものが含まれています。8割行けたらすごいです!!解説が聞きたいと思っていただけた方はクリックしてください。→ と
2005/07/02

昨日、故事成語の解答解説を書いていて、「漱石枕流」(そうせきちんりゅう)という故事成語を思い出しました。「石に口漱ぎ(すすぎ)流れに枕する。」夏目漱石はこの故事成語から自分の名を取っています。千円札はもう野口英世に代わりつつありますが。トップページに貼ったリンク集「ことばのレシピ」に行ってみると、やはりこの「漱石枕流」が載っていました。「意地をはること・負け惜しみ」という意味です。また「流石(さすが)」という言葉のもとになった、このお話はぜひ、そこで調べてくださいね。 今日はそこから連想したとりとめもない随筆です。受験には役に立たない部分の方が多いと思います。 夏目漱石は「坊ちゃん」や「我輩は猫である」の作者であるということは広く知られていますが、前期三部作「三四郎」「それから」「門」」後期三部作「彼岸過迄」「行人(こうじん)」「こころ」といった青年を描いた作品や他の著作物も含んで、ずっと近代日本の個人主義の問題を考え続けた人でもありました。私は大学受験をするにあたって、予備校でそういうことを初めて教えてもらいました。漱石は晩年、「則天去私」(そくてんきょし)〔天に則(のっと)り私を去る〕という思想にたどり着き、個人主義の持つ問題に解決をつけようとしました。未完のままの絶筆は『明暗』という小説です。高校受験でこのくらいの文学知識はあってもいいかなと思います。私は教えるようになってから冷や汗をかきかき、文学史を調べて覚えたものです。 ところで、私生活の漱石はたびたび精神的不調に悩まされ、何度も胃潰瘍(いかいよう)を起こしています。「坊ちゃん」の舞台となった松山中学では実は1年間(明治28年28歳のとき)しか勤務していません。その後、熊本第五高等学校(旧制高校)に移り(明治29年29歳のとき)、物理学者であり随筆家としても有名になった寺田寅彦らを指導します。寺田寅彦は「災害は忘れた頃にやってくる」という言葉を残した人です。この熊本にいた時期に長女筆子が生まれます。漱石一家が当時住んでいた家は今も残っていて、私が熊本を訪れたときに見てきました。その後、漱石はロンドンに留学。大した成果をあげることもなく帰国します。で、小泉八雲(ラフカディオ=ハーン)の後任として東京大学文学部英文科講師として収まります。(明治36年36歳のとき)今回調べていて明治の年号と漱石の年齢が一致していることに気づきました。 私が北海道に来て漱石について新しく知ったことは、彼が25歳から亡くなる47歳までの22年間、本籍をずっと北海道の後志(しりべし)にある岩内町に置いていたことです。兵役を逃れるためだったと考えられているそうです。今でも岩内町の郷土館には夏目漱石の戸籍謄本が展示されています。夏目漱石の本籍地が北海道岩内にあったというのはあまり知られていないのではないでしょうか。お墓の方は東京の雑司ヶ谷(ぞうしがや)墓地にあるそうです。 岩内町と言えば、有島武郎(たけお)の小説「生まれ出(い)づる悩み」のモデルとなった、漁師にして青年画家であった木田金次郎のいた町でもありましたね。彼の美術館もあります。 さらに漱石と親交のあった正岡子規は俳句・短歌の大御所ですが、漱石と同様に彼の名前にもいわれがあります。子規は肺結核を患(わずら)い、血を吐きながらの生活をしていたので「鳴いて血を吐くホトトギス」という数え歌にもある「ホトトギス」の別名、「子規」という俳号を使いました。「子規」は別名ですが、ホトトギスは「不如帰」「時鳥」などと漢字で書くこともあります。正岡子規の俳句の会に集まった人たちを「ホトトギス派」というのはここに由来しています。ちなみに、ホトトギスは夏の季語。石川啄木の「啄木」が「啄木鳥」(きつつき)だということも有名ですね。啄木鳥は秋の季語。 調べてみると、ホトトギスは鳴くときに口を開けると真っ赤で血を吐いているようだとか、ホトトギスは血を吐くまで鳴くのだと説明されているHPが結構ありました。 そういえば、日本史上も、戦国時代の三英傑の性格の違いを表わす川柳として 鳴かぬなら殺してしまえホトトギス (織田信長) 鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス (豊臣秀吉) 鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス (徳川家康)がありましたね。こちらは有名なのでご存知の方も多いはず。 で、ホトトギスって何て鳴くの?と疑問に思われた方はいませんか。ホトトギスは昔から「テッペンカケタカ」と鳴くと言われてきたのですが、最近では「トッキョキョカキョク(特許許可局)」と聞こえると説明する人が増えているようです。真偽の程はご自分で確認してみてください。参照ページ・リンクフリーサイト →『Goichi's Birds』の「森のコンサート」(写真とさえずり)で「ホトトギス」を探せば聞けます。今日は取りとめもない随筆でした。【参考】 昔の数え歌(私はこの歌を知りませんでした。) 「武夫と浪子」十一 心願かけたれど 浪子の病は治らないごうごうごうとなる汽車は 武夫と浪子の別れ汽車二度と合えない汽車の窓 鳴いて血を吐くホトトギス三月三日わらびとり 武夫は浪子の手を引いて武夫がボートに移るとき 浪子は白いハンカチを振り振り振ってねえあなた 早く帰って頂戴ね父は陸軍中将で 中将に生まれた浪子嬢鹿児島武夫と生き別れ ああなさけなや汽車の窓まあおもしろかったと感じていただける方はをクリックしてください。→ と
2005/07/01
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