受験国語の目安箱

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2005/06/06
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 昨日に引き続き、用言の活用のお話。昨日の予告で「遊ぶ」という動詞は実際には活用(変化)させて使うのだといいました。ほかの動詞・形容詞・形容動詞にも活用があります。今日はまず、動詞の活用形に絞ってまずお話しをします。

 以前、お話した橋本進吉先生たちは日本語の動詞を調べあげ、それぞれ『後に続く言葉』によって6通りの形の使い方しかしないことを突きとめました。大変な作業であったろうと思います。そして、それぞれの活用の形に名前をつけたのです。これを『活用形』といいます。活用形には『未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形』の全部で6つがあります。

 もう一度「遊ぶ」を使って、6つの活用形を整理すると次のようになります。

遊ば-ない  未然形  まだしない・してないという意味を表わす形
                「遊ぼ-う」も未然形。
遊び-ます  連用形  下に助動詞などがつき述語(用言)となる形
                「遊ん-だ」も連用形。
遊ぶ-。   終止形  句点「。」がついて文の終わりとなる形

遊べ-ば   仮定形  「もし(仮定)の意味で「ば」に続く形
遊べ-(よ) 命令形  命令する意味で使う形

 漢字の部分は変わらないことに気づきましたか?この変化しない部分を『語幹』といいます。風が吹いても揺れない「木の幹」のようなものということでしょう。一方、漢字のすぐ後にくっついている部分は「ば・び・ぶ・ぶ・べ・べ」と変化しています。ここを『活用語尾』と言います。『語幹』と『活用語尾』をあわせて『活用形』と言います。さらに、その後の「ない・ます・。・こと・ば・(よ)」を『あとに続く言葉』と言います。


【注1】動詞によっては「見-ない」のように語幹であるはずの漢字と活用語尾が一つにまとまって、すぐ『後に続く言葉』がついてしまうこともあります。この場合は「語幹はない」と考えます。また、「見る」を活用する場合は、未然形に「見-よう」連用形に「見-た」があり、動詞には、ふつう未然形に「う・よう」連用形に「だ・た」のそれぞれどちらかを使い分けます。ここでは、その接続の話まではしません。

 さて、『下に続く言葉』で活用形の名前をつけたのですから、『下に続く言葉』で活用形を見分けることができるようになればいいんです。未然形から順に『下に続く言葉』を「ない、(よ)う、だ(た)、ます 。 こと、ば、よ」と並べてみました。最後の命令形には命令口調であれば無理に「よ」をつける必要はありません。「内容だます。言葉(よ)」とまず覚えてしまってください。(*注2)

◎ ポイント 活用形は『あとに続く言葉』で見分ける!
       「内容だます。言葉(よ)」をまず覚えよう。

具体的には、『あとに続く言葉』を使って、次のような問題に答えることができればいいのです。

例題)傍線部分の動詞の活用形は何か。

1朝顔の花が 咲か
2公園に 行き ます。
泳ぐ ことは苦手だ。

1は傍線の直後に「ない」がついているので、傍線部分は「未然形」です。2は直後に「ます」がついているので連用形です。要するに、傍線の『あとに続く言葉』で見分ければいいのです。3は直後に「こと」とあるので連体形です。いやでも『あとに続く言葉』を覚えておかなければ活用形の名前を答えることはできません。とりあえず「内容だます。言葉よ」と覚えてくれれば、7、8割はこの手の問題は解けるようになります。しかし、もっと突っ込んだ問題もあります。



4お使いに 行か せる。
5このキノコは 食べ られる。
6こっそり 隠し ておいたお金。
勉強する のは嫌いだ。

 すぐにはちょっと分からないでしょう。そこで『あとに続く言葉』を拡張して覚えておくと対応できる幅が広がります。

『活用形のあとに続く言葉』(拡張版)

未然形  ない、ぬ、う・よう、れる・られる、せる・させる
連用形  「、」(読点)た・だ・で・て・ます 
終止形  「。」(句点)~から
連体形  こと・とき・もの・の 直後が体言
仮定形  ば
命令形  命令口調(よ)

 例題の続き)の解答は、4「 行か せる」は「せる」がつくので、前の一覧で調べると、未然形。5 食べ られるは「られる」がつくので未然形。6「隠して」は「て・で」がつくので連用形。7は「勉強するの」の「の」は「こと」という意味の体言と同じです。したがって、連体形です。「の」の部分が「時間・場所」という体言になっても同じ連体形と答えます。

 特に、未然形と連用形をしっかり覚えておくと、この範囲の文法はほぼ満点を狙えます。もう一度、未然形につくのは「ない、ぬ、う・よう、れる・られる、せる・させる」。連用形は「とうてん、ただでてます」と覚えておきましょう。

◎ 活用形を見分けるためのポイント

1 未然・連用・終止・連帯・仮定・命令の6つの活用形をまず覚える。

2 あとに続く言葉で活用形を見分ける。
  「ないようだます。ことば(よ)」は最低でも覚える。

3 あとに続く言葉(拡張版)まで覚えたらほぼ完璧。


最後に、最高レベルのいじわるな問題です。

8)早く 歩き なさい。

 傍線部分の活用形は何でしょうか。命令形だと思い込む子が多いのですが、「なさい」という『あとに続く言葉』は紹介していませんね。知らないものが出てきてしまった場合は、知っているものに置き換えてみます。

「ない・よう・だ・ます・。・こと・ば・(よ)」のうち、「なさい」と置き換えられるのはどれでしょうか。「なさい」と置き換えて読んでいくと「歩きない・歩きよう・歩きだ・歩きます・歩き。・歩きこと・歩きば・歩きよ」→「歩きます」だけが通じる日本語です。したがって「歩きなさい」の「 歩き 」は連用形だったのです。こんなふうに困ったときは、覚えたもので『置き換えて考えてみる』というのが応用です。ちなみに、命令形と誤解するのは「なさる」の命令形、「なさい」に反応してしまうからです。かなりできる子でもコロコロ引っかかります。傍線が引いてあるのは連用形の 歩き のほうです。

今回は少し難しかったかも知れません。問題を通じて何度も確かめながら身につけてください。                今日はここまで。

【*注2】この教え方は私のオリジナルではなく『国文法入試の達人』 小鹿良太 文英堂 1993/09出版 によるものです。(現在入手不可 紀伊国屋書店Bookwebにて確認済み)塾の先生が書いたとても参考になる本でした。小鹿良太さんの本はほかにも出ているようですね。最近追っかけてなかったので私も勉強させてもらいます。


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Last updated  2005/06/07 01:21:14 PM


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