台北短期留学日記
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今日の朝刊各誌を賑わせた光華寮訴訟。独立国家の日本、司法権の独立が確保された最高裁において、あまりにも無責任な判決ではないかと、一人の日本人として、大変情けなく思いました。今回の判決では、日中共同声明後の原告としての「中国」について指摘されていますが、争点がそもそもずれているような気がします。当時、光華寮を購入したのが中華民国政府であれば、日本がどちらを「中国」と見なそうが、光華寮の所有者は一つの組織としての中華民国政府という解釈で取り立てて問題はなく、「一つの中国」という話とは別の問題と思われます。そしてそもそも、今回の訴訟が両岸関係を包含し、裁判所を悩ませることになったのも、裁判所が早い段階で判断を示すことなく、先送りにし続けたからこそ話が複雑化した、という、ある意味自業自得な、傍目にあまり見栄えのしない結果と見受けられます。仮に今回のような判決を出すくらいなら、最低限、もっと早い段階で提示すべきであり、20年かけた意義が理解できません。中国との友好関係の構築が必要であるのは理解できますが、中国に媚びるばかりでなく、主権国家としての誇りある態度がまず必要と思います。そして、地球最大の親日国家である台湾との更なる友好関係を。少なくとも、日本を信頼してくれている台湾のみなさんの期待を裏切ることのないよう、立法、行政、司法ともに期待したいです。日本人は「日本精神」を失ってしまったのかという、日本語世代の台湾人の声が聞こえてきそうです・・・。過去の日記 : 2006/02/26 蔡焜燦著「台湾人と日本精神」
2007.03.28
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