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善信

善信

2005.07.09
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カテゴリ: 道場
会場に入ると、今までになく騒然とした雰囲気でした。

蹴り合う。
だいぶお互いに慣れてきたようで、もともと顔見知りではなかった者同士でまでじゃれあっていました。

最高学年の子に追いかけられた中学年の子が逃げてきて背後に隠れました。
「あの人がいじめるぅ~」
善信「だめだよ。いじめたら。」
追いかけてきたほうがむっとして反論します。
「だって、こいつがゴリラって言った。」


準備運動の後、全員で五歩拳を行いました。
3回ほど行ってから、全員に呼びかけます。
「よぉし、今日は一人ずつやってもらうぞ。どぉだ、出来るやつぁいるか?」
誰も名乗り出ないので、前列の子数名に個別に問いかけます。
「どうだ、やってみるか。」
結局、一人もやってみたいという子はいませんでしたが、これによって何人かが動作の確認の質問をしてきました。それらに個別に回答してから、また、全員で套路を繰り返します。

正味45分程度の時間にもかかわらずその時間の半分を過ぎると、集中力が切れてきて、例によって、突いた、蹴った、あの人が云々…が始まりました。
各々を注意しても、結局、もぐら叩き状態になることが分かったので、報告に来た者にのみ対処。

少年A「あの人が練習してません。」
少年B「こいつもさっきから練習してません。」
早い話が、どちらもサボっているわけです。


今日は、質問した子や自主的に練習している子にだけ回答・助言しながら進めてみました。
「ここはどうすればよいのですか。」
「ここはどういう意味ですか。」
「こうされた場合はどうしたらいいですか。」
動作を覚え切れていない者、動作の使用法を尋ねる者、套路の技とは関係なくいわゆる護身術的な質問をする者…。


一区切りつけたところで、いよいよ、太極拳に入ります。
当初、彼らの想像を絶する、緩慢な動作の拳法に笑いや不満の声が上がっていたため、しばらく行っていませんでした。しかし、太極拳を掲げているのに長拳だけで終わってしまっては、おかしな話ですし、なにより自分自身が納得できません。

通常は自然呼吸で動作を覚えてもらうところから始めるのですが、この連中にはそのやり方が通用しません。推手から、という切り口も1回で飽きられてしまいました。
と、いうわけで今回はさらに角度を変えてアプローチしてみます。

「みんな、呼吸…息をしているね。太極拳は技と呼吸を合わせて動くんだよ。いいかい、この時、吸って、この時吐く…。」
起勢から、ラン雀尾、ポン、リー、ジー、按まで動作しながら呼吸を指示します。すると、これがなんと、食いついてきました。

「吸う」
スー
「吐く」
ハー
何人かがわざとらしく声を出します。
無視していると、
誰かが、
「ダースベイダー!」
何人かがゲラゲラ笑い、殆ど全員が、真似をしてしまいました。

「吸う」
スー
「吐く」
ハー

そういえば、今年はスターウォーズの夏です。
ちらっと、後ろを振り返ると全員ちゃんと動いていました!
金髪少年のグループも揃って動いています。

終了時刻を過ぎ、整列して解散しましたが、ちょっとなつき始めた中学年の子が数人寄ってきて色々話しかけてきました。
「この鞄どう?」
「疲れた。もう駄目。送っていって。」
「今度、太極拳する時これ(←指先の出た手袋)してもいいですか。」

5回目にしてようやく自分のペースを掴むことができたような気がします。





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Last updated  2005.07.09 18:24:19
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