All The Things You Are

January 9, 2006
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テーマ: Jazz(2024)
カテゴリ: カテゴリ未分類
『All Of Me』(オール・オブ・ミー)

この曲は、セイモア・シモンズの作詞、ジェラルド・マークスの作曲で、1931年に作られたものです。

ルイ・アームストロングの歌と演奏のものが1932年にビルボードのチャートの1位になり、
彼の最初の大ヒット曲になりました。
そのほかにも、ケイト・スミスやラス・コロンボの歌ったものや、
ポール・ホワイトマン楽団でミルドレッド・ベイリーが歌ったものなど次々とヒットしました。

その後、ビリー・ホリデイやダイナ・ワシントンなど多くのジャズ・シンガーに歌われ、
ジャズのスタンダード・ナンバーの中でも最もよく知られている曲の一つになりました。

1932年の映画「Careless Lady」など、映画にも多く使われています。


日本のジャズ・シンガーが、まず最初にレパートリーに入れるほど好まれている曲です。
私の知り合いの女性ジャズ・シンガーも、一番最初に覚えたジャズの曲がこの曲だと言っていました。

そんなわけで、この曲は、星の数ほど歌われているでしょうが、
私としては、ビリー・ホリデイの歌の印象が強烈で、これ以外は「All Of Me」らしく聴こえないと思えるほど、
この曲は、ビリー・ホリデイのイメージが強いものです。

ビリー・ホリデイは、この歌を1941年3月に、ビリー・ホリデイ名義のオーケストラで、
オーケー・レーベルでレコーディングしました。
そしてこれは、ビリー・ホリデイとレスター・ヤングのコラボレーションの真髄を伝えるもので、
ここで二人は、最高のインタープレイを聴かせてくれます。

ビリーは、いじらしく切々と訴えるように歌い、この雰囲気こそがこの曲であると思えるくらい「素晴らしい」
としか言いようがないもので、とても言葉では言い表せません。

ビリー・ホリデイの作品の中で、私が最も好きな曲です。

この曲は、ジャズを歌い始めたアマチュア・シンガーがまず最初に歌う曲ということで、
ジャズの曲として歌いやすい簡単な曲と言うイメージがあるかもしれませんが、
ビリー・ホリデイの歌を聴くと、それはまったく違うものであることがわかります。

ビリーの歌うこの曲は、まったく違う曲ではないかと思えるほど、完全にブルースになっているのに驚きます。

レスターのソロや、からみもまた、このビリーの雰囲気によくマッチしていて素晴らしいものです。

私としては、これがまさにジャズ・ヴォーカルだと思っているくらい困った偏見を持っています。
このビリー・ホリデイのものは、「ジャズ・ヴォーカルとはこういうものだ」ということを示しているものだと思うのです。
それは決してビリー・ホリデイの歌い方をマネすれば良いということではなく、
上手に歌うという、うわべのテクニックを超えた、「体の中からしみ出るもので歌う」ということです。
(ジャズにおいては、マネをしたものには何の価値もありません。)

「どうして私のすべてを奪ってくれないの?
サヨナラを言われたら私は泣くだけよ。
あなたなしで、どうやって生きていけって言うの。
あなたは私の心の一部をもっていってしまったのよ。
だったら、どうして私のすべてをもっていってくれないの?」

この曲は、決してハッピーなラヴ・ソングではなく、悲しく切ないトーチ・ソング(失恋ソング)です。
しかし、この曲のウラには「誘惑ソング」とも言えるセクシーなものを隠し持っていて、
この曲の邦題として「犯され志願」と名付けた人がいたようですが、
それは、まさにこの歌の本当の意味の核心をついているのではないかと思います。
実際、それだけ性的誘惑の露骨な曲と言ってもよい曲なのです。

いずれにしても、この歌を歌うときはかなり心して歌わなければならない、難しい曲の部類に入り、
処女には決して歌えない歌であることは確かです。
女性シンガーが特定の男性を見つめて歌うときはそれなりの覚悟が必要だし、
男性が女性シンガーに目の前で歌われたら、心を決めないといけないというわけです。
まあこれは半分冗談ですが、難かしい曲だということは本当です。

歌詞の内容からすると女性が歌う歌のように思えますが、英語の歌の場合は必ずしもそうとは限らず、
フランク・シナトラなども愛唱しており、男性シンガーも数多く歌っています。

この曲はヴァースがありますが、ビリー・ホリデイやフランク・シナトラなどみんな歌っていないので、
私は、ヴァースを歌っているものを聴いたことはありません。

*****

●オール・オブ・ミー
All Of Me

作詞:セイモア・シモンズ
作曲:ジェラルド・マークス
1931年


《ヴァース》
あなたは私からキスを奪い、愛も奪った
あなたは私に愛することも教えてくれた
私は片思いの恋の残り物になるだけなのかしら?
あなたが奪ったものは、みんな私が喜んで捧げたものよ
だから、もう何も残ってないわ

《コーラス》
私の全てを、どうして私の全てを奪ってくれないの?
わかるでしょ?私はあなたがいなくてはだめなの
私の唇を奪って、いらないんだから
私の腕を取っていって、そんなものもう使わないから

サヨナラを言われて、あなたに去られてしまったら、私の目には涙がいっぱいにあふれて泣くだけよ
あなたなしで、どうやって生きていけって言うの?
あなたは私の体から心の一部分だけをもっていってしまったのよ
だったら、どうして私のすべてをもっていってくれないのよ!





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Last updated  January 9, 2006 11:04:10 AM
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