オトコの育児ライフ  ~毎日を楽しく~

『つわりと母心』


『つわりと母心』

 妊娠したことが判り、
 してはいけない事や気をつける事、を調べた。
 もともと彼女はタバコも車の運転もしないし、
 無理な食事や運動をせず、普通の生活を心がければ良いという感じだった。
 でも、
 そんな普通の生活をもおくれないようになっていった。

 「つわり」というヤツが襲ってきたのだ。

 TVドラマなどで観た事のある、あの「つわり」。
 ’吐きづわり’や’食べづわり’などいろいろな種類があるようだが、
 彼女の場合は’食べづわり’だった。
 何か口に入っていないと気持ち悪い。
 けど、量は食べれない。
 小さい菓子パンを常備しておき、ちょこちょこそれを食べる。
 という、苦しい時期が続いた。

 そして、一番問題なのは、彼女は吐けない体質という事だった。
 (同じにしてはいけないけど)
 酒を飲みすぎた時でも、吐いて少し楽になるというのは定石だが、
 吐きたくても吐けない、しかもそれが毎日のように続くというのはツラい。
 つわりを知らない男の僕でも多少は想像ができた。

 事実、つわり中に彼女が吐いたのは1,2回だけ。
 その1回は、寝る時だった。
 布団に入ろう、という時になって彼女は突然手で口を抑えた。
 瞬間的に、
 (布団を汚してはいけない。)
 と思ったのだろう。
 近くにあったビニール袋を手であけつつ、ベットから降りようとした。
 が、一瞬間に合わず、
 自分の手とフローリングの床を少し汚してしまった。
 僕は濡れたタオルを持って、彼女の手と口をふいたが、
 「汚れるからいいよ。」
 と言う彼女を見て、思わず笑ってしまった。
 「汚れる」という意識はなく、
 「吐けたじゃん。やったね。」という想いだけだった。

 一言いっておくと。
 自分の優しさをアピールしているワケじゃなく。。

 つわりという苦しみを経験し子供を宿し続ける女性は神秘的で偉大だ。
 そしてそれは母としての準備が着々と進んでいる証なのだろう。

 負けてはいられない。

 こっちも父として精神的な準備を進めていかなければ。
 それは妊娠中の彼女をサポートする事でも育まれるはずだ。

 「しっかりしなきゃ。」
 方法はわからなくても、その想いだけは忘れずに心に刻んでおこうと思っ  た。


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