オトコの育児ライフ  ~毎日を楽しく~

『破水~入院』


『破水~入院』

 妊娠10ヶ月ともなると、
 いつ産まれてもおかしくない状態といえる。

 「産まれてもおかしくない」

 というか、

 「産まれても大丈夫」

 な状態にお腹の中の赤ちゃんが成長している。
 という意味だけど。

 6月中旬になって、
 僕も彼女もなんとなく毎日落ち着かなかった。
 何かをしていても、
 これからの3人での生活に対する想像や、
 もうすぐ迎える出産への緊張が、頭の中を巡っていた。
 予定日が7月2日だったので、
 たぶんあと1ヶ月しないうちに産まれてくるはずなのだ。

 今出来ることといえば、
 その時に少しでも慌てないように準備をしておく事くらいだ。
 僕は僕で、
 病院までの道順を頭の中で何度もシュミレートしていたし、
 彼女は彼女で、
 入院準備の備品を確認したりしていた。

 そして、その日は突然やってきた。

 6月19日の夜11時頃、寝る時に彼女が寝室を出て行った。

 「トイレか。」

 と思って、僕はそのまま布団に入った。

 なかなか戻ってこなかった彼女が寝室に入ってきて口を開く。

   「、、、これって破水なのかも。。。病院に電話してみる。」

   「・・・・え?!・・・・え?!」

 一瞬でパニックになった。

 病院に電話をして症状を伝えながら、
 はい。はい。と言われたことを聞いている彼女を見ながら、
 僕は病院に持っていくカバンを玄関に置いた。

 (きた。。ついに、きた。)

 心臓がバクバクいっている。

 病院に車を走らせながら、

   「(あぁ。まだ違いますね。帰ってイイですよ。)
    なんて言われたりしてね。」

 と笑いあっていたが、
 間違いなく僕の笑いはひきつっていたと思う。
 彼女の様子をうかがう余裕もなかったが、
 おそらく彼女も、その笑いに半分うわの空だったように思う。

 病院に着き、
 夜間用の受付けで名前と先ほど電話したことを告げた。

 名前を呼ばれ、診察がはじまった。

 結果を待っているこの時間がとてつもなく長く感じられた。

 自分の性格なのか、
 みんなもそうなのか、
 こういう時の意識というのは、とかくマイナスに考えがちで、
 この時も悪い方、悪い方、、とイメージが広がり、さらに待ち時間を長く感 じさせた。

  (もし赤ちゃんの心音がしなかったら。。)
  (彼女の身体に異常が発見されたら。。)

 しばらくして、
 彼女が車イスに乗って僕の前に現れた。

    「やっぱり破水してたみたい。
     このまま入院だって。」 

 少し苦笑いしながら彼女は言った。

 入院用の準備はあらかじめしていたので持ち物に困りはしないが、
 ホンの1時間前までは家でTVを観ていたのだ。
 それが一気に病院へ、そして入院である。
 なんとなく、実感する余裕を置いてきたまま、
 話がとんとん拍子にすすんでいた。

 車イスを押す役を看護婦さんと代わり、
 夜中の静かな病院を産婦人科へ、と向かって歩き始めた。


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