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朝から三田の少し奥まで法要に出かける。昔トンネルだらけですすまみれになったことを思い出しながら。しらぬまにあたりはすっかり開けて間違っていないか確かめたしかめたどり着く。
従姉妹の息子の奥さんの一周忌 従姉妹はもう随分以前に亡くなって今はもう子供の代である。そんな遠縁の・・・と想われるかもしれないが・・・私はこの亡き従姉妹に昔世話になっている。
戦争中 都会で暮らすものは食べ物に不自由した。そのとき田舎の大地主の所へ嫁いでいった従姉妹の所へ お米を分けて貰いに行ったのが私である。お米を運んでいても当時女学生だったから捕まりにくいと言うわけだ。
お米を本のケースに入れて風呂敷に包み 本のように見せかけて駅の取締官の前をすりぬけるのだ。(お米は統制物資で売り買いは禁止であったから)我が家の古い本箱の百科事典の1冊にはケースが無い 一度見つかってケースごと没収された為である。あんな惨めな思いは誰もして欲しくない。(そのような時代であった)
だが今頃になって私の苦労より 嫁ぎ先への従姉妹の思いや気苦労の方が いかばかりであったかと気づく 唯唯感謝あるのみである。そんなこんなで今でも法要には訪れる。
雨の中 亡き妻の墓石の前で打ち鳴らす鐘の音に思わず涙した。色々想い出される一日であった。
(イラストは「なにわいばら」)