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「えっ、僕たちも~に行こうとおもっているのだけど、
車で一緒にいきませんか」
たった、これだけのお誘いの会話ができないのだ。
先に、宗谷駅での槌谷の初めての軟派のエピソードを書いたが、
それが成功したとは書いていない。
成功していれば、ここで、うさぎ狩りなどしていないのだ。
ところで、堀芳号の堀芳と佃井は
YH
には止まらず、
自然の中でキャンプをしながら旅をしている。
それが彼らの目的だ。
私たちに比べ、いたって、健全だ?
堀芳号とは、 小清水原生花園
で
AM8
:
00
に待ち合わせていた。
私たちは目的を果たせず、もやもやの気持ちで
YH
を出発。
堀芳たちは、手ぶらの私たちを見て
きっとからかっただろう。
「うさぎはどうした。
どうせ、おまえらが、誘うことなんて、できないだろう」
「いや実はウサギが
2
匹いたが、約束の時間に遅れそうで…」
と、悔しさから、言い訳する。
「どうして誘わないんだよ」と、さらに責められ。
「待ててやるから、当たって砕けてこい」と突き放される。
「じゃあ、誘ってくるか」
背中を押されて再チャレンジである。
普通、このような展開だと、
すでに女の子たちは出発していて後の祭りという結末が
私たちには似合いなのだが、
その時だけは、神様が悪戯したようだ。
YH
に引き返してみると、
ちょうど
2
人が出てくるではないか。
YH
には多くの人が宿泊していたのに、到着のときも、出発する時も、
YH
の玄関先で、私たちは彼女たちだけに出会っている。
運命の出会いを感じずにはいられない。
「これからどこへ行くの」、うっ、聞けた。
「バスで原生花園にいくの」
「僕らもそこに行くんだけど、乗っていく?」
これが違う目的地であっても、同じ返事を私たちはしたであろう。
都合よく、堀芳号を待たせている原生花園である。
2
つ返事で
OK
が出た。
こんなにうまくいくとは思わなかった。
原生花園で堀芳と佃井に紹介する。
彼らは、驚いていた。
私たちは得意顔だったに違いない。
でも本当の驚きは、
女の子たちが堀芳と同じ高校の後輩だったことだ。
原生花園の中の遊歩道を歩きながら、
「なんだ、俺の後輩かよ。
こんなところまできて、ろくな男に捕まらないな」
堀芳なら、これくらいは言っただろう。
私たちはのっけから、関西弁で打ち解けた。
原生花園は、網走から海沿いを東に
10Km
ほど行ったところである。
濤沸湖(とうふつこ)と、海岸の狭い間にある。
夏の季節だ。ハマナスや、蝦夷キスゲなどの花が咲いていただろう。
原生花園を見た後も女の子たちは道連れとなるだけでなく、
S.
晶さんは、私の車を手なずけている。
ノートに「53
K
mも北海道を運転出来て幸!」と
感想を書き残してくれた。
ウトロの手前
10Km
の海沿いに、 オシンコシンの滝
がある。
私たちはここで再び泳いでいる。
彼女たちに、オホーツクで泳いだ話をしたら、
「いいなあ、私たちも泳ぎたいという」
彼女たちも水着を持ってきていた。
泳ぐ気、満々なのだ。『 彼女が水着に着替えたら
』
水着姿を拒否できる男などいない。
再び、『ヌード・マン』である。
しかし、オシンコシンの滝の水が流れ込む河口近くで
泳いだのが悪かった。半端なく水が冷たかった。
「海は冷たかったけど、いい思い出」
それでも、
K.
彩さんは感想をノートに残してくれている。
原生花園で再合流してから、オシンコシンを出発するまで
約
3
時間。
原生花園の散策が
1
時間。運転時間が
1
時間。
滝の見学と泳ぎが
1
時間。って、配分かな。
知床半島の中頃を東西に国道
334
号線が横断している。
西側の端がウトロで、東側の端が羅臼である。
オシンコシンの滝を出て、
10
分ほどでウトロに着いている。
昼食、ピラフとある。貧乏学生とはいえ、地域色のない食事だ。
「
熊の足の親指は人間様とは逆である」とは何なのか?
『クマの手のひら』と検索してみると、熊の手を食する記事ばかり。
『クマの手足』と検索して、
『 ヒグマ研究室
』というブログを見つけた。
それによると、
前足も後ろ脚も、指の大きさからみて、
並びが人と逆になっているように見える。
それを、どこかでクマの剥製をみて知ったのだろうか。
ウトロから、更に知床半島の先端部に
15Km
ほど進み、
知床国立公園内の 知床五湖
を見に行っている。
五個を巡る遊歩道がある。
知床五湖の歩き方ガイドによると、
『全周約
3
キロで、見学時間の目安は約
3
時間。
小ループもあり、距離は約
1.6
キロ、見学時間の目安は約
40
分。
短い時間で森の散策と高架木道からの眺望を楽しめる欲張りなコース』
とある。時間からすると、私たちは小ループを歩いたようだ。
でも、どうして牛乳の飲み放題なのか因果関係がつかめない。
ウトロに戻り、国道
334
号線に入り、知床半島を横断。
中頃に 知床峠
がある。
周囲には地面をはい回るように ハイ松
が群生している。
お椀を伏せたような、知床富士と呼ばれる 羅臼岳
が眺望できた。
羅臼側には トド
を食べに行っただけだと記憶している。
ここでしか食べれないと聞くと、誰しも行ってみたくなるものだ。
『高砂』という店は検索しても見つけられなかったが、
『 純の番屋
』という店をみつけた。
雰囲気はこのような店がったと、微かな記憶がささやいている。
メニューにトド肉もある。
見栄えは悪く、どす黒い。
味はくじらのようだと当時の私は評している。
羅臼から国後島までの距離は
20Km
ほどだ。
この日はよく見えたのだろう。叫んでいる。
ヒカリゴケは 羅臼郷土資料館
で見ることが出来るようです。
私は、食堂で見たと思う、少なくとも資料館はまだできていなかった。
トド肉の後、もう一度国道
334
号線を夕日に向かって引き返し、
ウトロ
YH
に向かっている。2食付き、2700円。
帰りは羅臼岳が見えたようだ。堀芳号はこの日もキャンプ場である。
お土産屋の女の子によそ見している。それでいいのか、お前。
私も槌谷も写真が趣味だった。
就職した会社もお互いライバルカメラメーカーだった。
その時のうさぎさんたちは、格好のモデルだった。
北海道の自然を背景に、彼女たちの写真をたくさん撮った。
私と槌谷、それと堀芳と佃井の旅の目的は少し違う。
女の子たちを同乗させたことで、その違いが鮮明になる。
なんとなく、私は腹の痛みと共にその違和感を持ち始めていた。
それが、お土産屋の女の子に対するよそ見である。ほんと?
うさぎは不思議の国から飛び出してどこに向かうのか。続く。
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