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2021.03.04
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カテゴリ: Love 和歌山
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​私は和歌山出身で、大学まで関西で暮らしていた。
就職で関東に上京し、以後定年まで関東で暮らした。
関西と関東で色々な違いに驚いたものであるが、
今日の出だしの話題は桜餅である。

私はお酒も好きだが、甘い物も好きという両刀使いだ。
「桜餅下さい」
和菓子屋で注文すると、
ピンク色をした、どら焼きのようなものが出てきて驚いた。

​ 調べてみると ​、
関西で『桜餅』と呼ばれていた物は、
関東では『道明寺』という。
ちなみに、関東の桜餅の正式名は『長命寺』というらしい。

『道明寺』? 
「それって安珍と清姫の寺やん」
初めて道明寺と聞いた時に私はそう思った。
『道成寺』と勘違いしていたのだ。

「道明寺って、どこの寺や」、と調べてみると、
大阪藤井寺市にある『​ 道明寺天満宮 ​』。
「なんと神社だったか」と、思いきや、
​ 昔は尼寺 ​のお寺もあって、こちらが餅の本家だったとか。

話変わって、私が奥さんと一緒に都内の芝公園に遊びに行ったときの事、
大きなお寺が隣にあって、「何という名の寺や」と妻に聞くと、
『​ 増上寺 ​』と教えられた。
その時も、「それって安珍と清姫の寺と同じやん」と思った。

和歌山県人は前にも言ったが、
『さ行の濁点』と『た行の濁点』の区別がつかない。
『増上寺』と『道成寺』は
同じに聞こえるし、同じように発音してしまう。

前置きはこれくらいにして、
今日、ご紹介したいのは、
『​ 道成寺 ​』である。
この和歌山県最古の寺にまつわる話は大きく2つある。

一つ目は、創建者が、藤原不比等の娘、​ 宮子 ​であること。
二つ目は、歌舞伎で有名な、​ 安珍と清姫の物語 ​の舞台であること。

まずは一つ目。
何故、藤原不比等の娘、宮子が創建者なのか、
宮子は天智天皇の娘の持統天皇の孫の文武天皇の夫人であり、
701年、文武天皇とともに、紀州に行幸に出た折に創建を願い出たとある。

宮子は不可思議な人である。
同じ701年。後の​ 聖武天皇 ​である皇子を生んだ。
産後、心的障害により、皇子を抱くことも出来ず、
平癒したのは737年。36年ぶりにすでに天皇となっている聖武と会ったそうだ。

何故、ここに道成寺を立てたか?

****いつものように、私の勝手な想像が始まる****

熊野古道の入口の​ 藤白神社 ​に​ 有馬皇子 ​を祀り、
熊野詣の安全を祈願したと、藤代神社のところで勝手な言い分を述べた。
ちなみに同じ7世紀の後半に、熊野古道の通りで有田川のリバーサイドに
​ 糸我稲荷神社 ​ができている。これは稲荷神社で一番古いとされている。

藤白神社は政府天皇家の出先機関。
糸我神社は経済界の大物、秦氏の出先機関。
藤原氏が台頭してくるのは、​ 縣犬養三千代 ​が​ 不比等 ​の妻になってからである。
三千代が後に聖武天皇の皇后となる​ 光明子 ​を産んだのが、なんと701年。

聖武天皇も光明子も同じ年で、どちらにも不比等の血が流れている。
一方、不比等は​ 藤原京 ​の遷都にも当然関わっていただろう。
日本書紀には、690年に藤原京の着工が始まり、
694年から710年の16年間に都として機能していた。

​ 飛鳥池工房遺跡 ​は7世紀から8世紀にかけて稼働していた。
少なくとも藤原京に都があった時には不比等が実権を握っていただろう。
もしかしたら、藤原京内にも新しい工房を作っていたかもしれない。
そのため、貴金属の素材確保が重要となり、熊野古道上の拠点に道成寺を作った。

創建者は宮子となっているが、裏で不比等が動いていたと考えている。
道成寺のある場所は、日高川のリバーサイドだ。
不比等の子、​ 藤原4兄弟 ​が、天然痘で死んで一度は落ちぶれたが、
その後、復活し長く政界を牛耳った。熊野古道のルートも藤原が管理していた。

****第一部の想像はここまで****

二つ目の安珍と清姫の話から、
事件が起きたのは、928年。
一夜の宿を求めた僧・安珍を清姫が好きになった、
安珍は熊野参拝の後に、もう一度よるからとその場を逃れる。

しかし、帰りによらず過ぎ去ろうとする。
清姫は裏切られたと知るや大蛇となって安珍を追い、
最後には道成寺の鐘の中に逃げた安珍を焼き殺すという、
事件が起きた。それが後に、安珍清姫物語として歌舞伎などで演じられた。

何故、このような事件を作り出したのだろう?

****いつものように、私の勝手な想像、その2が始まる****

偶客婚というのをご存じであろうか。
小さな村の中だけで婚姻を続け、子孫を残し続けると、
血が濃くなり、子孫に遺伝子異常が起きてしまう。
それを避けるには、他からの血を導入する必要がある。

人を連れて来るのは誘拐となってしまうので、
村を訪れた旅人に一夜の宿を貸すとともに、
妻を伽に差し出すのである。
そして、旅人の遺伝子をいただくのである。

今でも中央アジアの遊牧民にこの風習が残っているらしいが、
太古の昔には全世界であった風習である。
この偶客婚の風習が熊野古道の界隈にもあったとしたらどうだろう。
安珍清姫物語は、この「偶客婚を断ったら呪われるぞ」という脅しともとれる。

それじゃあ何故、
熊野古道の入口付近で偶客婚を断るなという脅しが必要なのか。
熊野古道界隈の村々の住民は、
何かにつけ、紀州鉱山と関係があったのではないだろうか。

紀州鉱山で働いていたとすると、
鉱山の毒素・鉱毒にやられて病気になっていた可能性がある。
当時は何が原因か分からなかったであろう。
鉱毒に侵された人が子供を作ると、子に移ると考えたとしたら。

極力、他の地域の遺伝子を受け入れて子孫を残そうと考えたと思われる。
熊野詣が盛んに行ったのは、貴金属の資源を確保するとともに、
労働力となる地元民の子孫を増やすための
外からの遺伝子を運ぶ目論見があったのではないだろうか。

上皇は、家来たちに、
熊野古道の入口で安珍清姫の物語を聞かせ、
「一夜の遇客婚を決して断るでないぞ」
と意識づけたのではないだろうか。

それで、そう言いふらしたタイミングであるが、
安珍清姫の事件は928年に起きたとあるが、
それが書物に残されたのは、
『 大日本国法華験記 』及び 『 今昔物語集 』である。

『 大日本国法華験記 ​​​​​​​ 』は、 長久年間( 1040 年 -1044 年)に
首楞厳院(比叡山の横川中堂)の鎮源が書いたものとされる。
安珍清姫の話が収録されているが、
すごくあっさりとした内容である。

一方、 『 今昔物語集 』は、 1120 年代~ 1449 年の間に成立したものと思われ、
安珍清姫の物語もしっかり脚色されて載っている。
作者不明だが、当時の権力者の意向が反映されていた
と考えてもいいのではないだろうか。

それで、当時の権力者とは、白河天皇とその父、 後三条天皇で
藤原の支配から脱却しようと画策していた、まさにその頃である。
政敵は藤原 道長とその長子・ 頼通であり、藤原家絶頂期である。
しかし、その藤原家はつまずいてしまう。

白河天皇は院政を始め、天皇家の権力を取り戻す政策を次々と打ち出していた。
鳥羽離宮の建設もその一つで、まるで、遷都の様だったという。

道成寺の『かみなが姫』の伝説もその一つだ。

それまで、道成寺は、藤原宮子の非凡な才能を伝承として語り継いでいたが、
それを『安珍清姫の物語』で上塗りした。
現在でも、道成寺=安珍清姫物語で通じるが、
藤原宮子の『 かみなが姫』の伝説を知る人は少ない。

つまり、 白河天皇は、
道成寺の藤原の伝承を打ち消す良い方法はないかと考えた。
当時、白河天皇が手に負えないのは、
「賀茂河の水、双六の賽、山法師」だったそうだ。

そんな折、山法師(比叡山の僧)に関係した僧が
『 大日本国法華験記 』なるものを書いたという。

白河天皇は「これだ!」と思ったに違いない。山法師も利用できる。

近しい物書きに 『 大日本国法華験記 』の話を元ネタに、
脚色した、万人好みの物語を作らせ、 『 今昔物語集 』に収録した。
この 『 脚色された 安珍清姫物語』は道成寺に送られ、
寺の伝承として流布するように指示をだしたというのはどうだろう。

​​
いやー。不謹慎かな。
でも、熊野本宮大社のすぐ近くに、湯の峰温泉がある。
小栗判官の話で有名な『壷湯』があるところだ。
壷湯の効能に毒消しというのがある。

上皇たちが熊野本宮大社に参る前に、
この湯の峰で湯ごりをしてから参ったそうである。
この湯に入れば、自分たちは鉱毒から守られると
考えていたのではないだろうか。

などと、想像しながら、道成寺を参ってみるのもおもしろい。

おまけ、昨日は3月3日ひな祭りである。
私はりっぱな主夫でもあるので、
昨日は道明寺を買ってきて、ちらし寿司を作り、
妻と娘と息子夫婦に食べさせた。

それがこれです。



自分でいうのもなんだが、おいしかった。

​
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​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​





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最終更新日  2021.03.04 22:47:19
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