庭に木を植えるとき迷った
白木蓮にしようか
紫木蓮にしようか
白木蓮の清楚さも
紫木蓮の優雅さも捨てがたい
ふと田舎の庭を覗いた時のときめきが
紫木蓮と決めたのだが
それは親しいものに付きまとうように
私にまとわりつき離れない
二〇一一年の震災の時から
そういう関係は深くなっていった
春が近づきつぼみが膨らむと
咲き出る日を待ちわびる
ふっくらとつぼみが膨らんで
わずかに花を開く時が一番美しい
どこかで飛びたったひな鳥が
すっと降り立つ瞬間の姿
その姿を見逃すまいとする
それは東北の海から飛び立ち
その枝に降り立った娘
赤紫の花びらは娘の着物の色
今にも花開こうとしている蕾は
ふっくら膨らんだ娘の頬
四月の風は枝を揺する
まるで揺りかごのように
by ドレミ・どれみPR
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