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作者のマリー・ルドネは好きな作家ですが、小説しか読んだことがなかったので、戯曲を読んでみることにしました。
やっぱり戯曲は戯曲ならではの特徴がありますね。基本人物のセリフだけで成り立っているので、物語の展開が早い。この人の小説はよく言えば独特のリズムがあり、悪く言えば癖があるのですが、それが戯曲の方では緩和されていたように思います。
なかなかの人間ドラマで、読みごたえがありました。どちらの戯曲もラストがすっきりしています。
戯曲には「狂言回し」という役柄が配置されていることが多いです。観客と物語とをつなぐ役柄ですね。一般的に物語の本筋にはかかわらないことが多いのです。
それが「パンドールサーカス」では脚本家という役柄なのですが、それがいつの間にか物語の本筋に巻き込まれていて、最終的に物語にとって大変重要な役をこなす、という役柄になってしまいました。
とてもいい構成の戯曲でした。70ページくらいの短い戯曲なのですが、一つの世界や宇宙を見ているようで、大長編を読破したような充実感があります。まあ、マリー・ルドネの小説はどれも世界観がすごいんですけどね。
「ガンボ砦」にも脚本家が登場しますが、こちらは本当にただの「狂言回し」でした。
事件に遭遇した時に「今起きた出来事は我々には関係ない」と言い切っていたのにはちょっと笑ってしまいました。遠回しに「自分は狂言回しである」と言っているようなものですね。戯曲ならではの面白さです。