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2026.08.01
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​カポーティの未完の問題作でもあり、遺作です。「冷血」後のカポーティを考えるうえで、読んでおいてもいいかなと思い、読みました。

主人公は作家志望の男娼で、作品の売り込みの中で数々の有名人やセレブと知り合っていく、というのが大筋です。
中でも物議をかもしたのが、実在人物のスキャンダルを暴露したことで、上流階級の人々を大いに怒らせて公私とも破滅した、といういわくつきの小説です。
しかもそのうちの一人がそれが原因?かどうかはわからないのですが、小説の発表後、自殺してしまったという。。。

ここで唐突に思い出したのは「冷血」に登場する死刑囚、ペリー・スミスでした。
カポーティはスミスに共感を寄せていたそうですが、その根拠がよくわからなかった。
それがちょっとだけわかった気がしました。
スミスが「冷血」の中で「やらかした」ことと、カポーティが「叶えられた祈り」の中で「やらかした」ことは同種のような気がします。

それが分かっただけでも、これを読んだ価値がありました。

ところで本の内容ですが、いかんせん未完の作品なので、評価をするのは難しいです。
有名人のスキャンダル話が多めなのでバカバカしい箇所も多いです。下ネタ?も多いし。
「いつまでこの馬鹿話が続くんやろーもう読むのやめよっかなー」と思い始めたところで違う展開があり、また読み始めてしまうという(笑)この辺の読者を引き込む力はやっぱりすごいですね。

そしてセレブと同じくらいに、底辺の人間もたくさん出てきます。そもそも主人公が男娼ですからね。
底辺の人間の生態も何気に描写されています。意識的にセレブ達と対照的に描いているのでしょうか。

そんな風に風通しのよくない小説世界なのですが、それでもきらりと光る箇所はあって、それが主人公が作家のコレットに会い、教えを乞うシーンです。
コレットは実在の作家で、主人公が彼女をとても尊敬しているのがよくわかりました。
シニカルで野心的な主人公が、この時だけはとても純粋に見えました。
それと、美しい女性、ケイト・マクロードに出会うエピソードですね。
いつも人をくったような主人公が、ケイト・マクロードには思慕を寄せていきます。

カポーティが生きていたら、この続きを書いていたんじゃないかなあと思うと、とても残念です。
続きが読みたかった。

ところで新潮文庫の表紙、ホッパーの「ナイトホークス」ですね。
この絵はとても好きなのですが、この小説に合うかどうかはよくわかりません。
ホッパーのほかの絵の方がよかったんじゃないかなあ。





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Last updated  2026.08.01 19:20:04
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