令060401
富田菜摘展「古き良きものたち」「密やかな棘」
@ Galerie Tokyo Humanite
令060330
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? 国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ Does the Future Sleep Here?: Revisiting the museum's response to contemporary art after 65 years
@ 国立西洋美術館
令060330
第47回 从展
@ 東京都美術館 1階 第4展示室
令060322
斎藤りえ 2020~2024 (ムンクのような銅版画)
@ Galerie Tokyo Humanite bis
令060206
レイ ホラチェック「乱気流の痕跡」 Ray Horacek: Traces of Turbulence
@ Galerie Paris
(銅版画2017年作 "Breakdown of the Body III" を \22,000 で購入。祖父母世代がチェコから渡米、1980年マサチューセッツ生まれ、在日韓国人と結婚)
令060129
Bumi 個展「風と生命 ―深層のイメージ―」
@ Galerie Tokyo Humanite bis
令060129
藝大日本画一年展 roots
@ アートスペース羅針盤
令060129
令和5年度 東京藝術大学 卒業・修了作品展 Tokyo University of the Arts Graduation Works Exhibitions, Faculty of Fine Arts Bachelors and Masters degrees
@ 東京都美術館、東京藝術大学美術館、ほかキャンパス内の4棟
令060126
和田誠 映画の仕事 Makoto Wada: Works on Film
@ 国立映画アーカイブ展示室
令060125
唐茄子屋 不思議国之若旦那(宮藤官九郎・作)
@ 日本橋高島屋美術画廊Ⅹ
令060123
Phantom of the Opera by Ken Hill オペラ座の怪人 ~ケン・ヒル版~(英語上演)
@ 東急シアターオーブ
令060123
極並 佑 Yu KIWANAMI: My Name Is
@ Shibuya Hikarie CUBE 1, 2, 3
令060404
Never Let Me Go (Vintage International, New York 2006) Kazuo Ishiguro 著
(2005年作品。1990年代おわりの英国、世間のご都合に翻弄されるはげしくも繊細な若い人々の心情のひだ。人間のぎりぎりの尊厳とは何か、何が人権を構成し何が人権を奪いうるのか、劇的に問いかけてくる小説だ。)
令060328
大日本 技術立国日本の恩人が描いた明治日本の実像 (実業之日本社、平成11年刊) Henry Dyer 著、平野勇夫 訳
(原著は1904年刊Dai Nippon: The Britain of the East. 日本と日本人に向けられた温かい眼差しと幅広い視点。日本の技術導入史の本かと思っていたが、国民性や歴史、経済そして政治の動きに広く目配りし、第三者からの視点も多くの引用で盛り込み、十全の書となっている。≪日本が欧米から一目置かれるようになったのは藝術や学問の進歩のせいだと、20年ほど前には日本人も本気で考えていたが、現実の体験がそんな思い込みを雲散霧消させた。今日では、戦争に勝つだけの国力を備えたゆえだと悟っている。≫≪日本人が西洋文明を取り入れようと懸命なのは、自分たちの国が劣等国として蔑まれるのは我慢ならないという国の面目を意識してのことである。≫≪もしも将来、日本の外交政策がヨーロッパ諸国との衝突を招くことがあるとすれば、そのときの戦争の真の原因は(たとえ見かけはどのようなことであれ)、清国の支配をめぐる対立であるに違いあるまい。≫ この和訳本はとうに絶版だが、英文原著はペーパーバックで容易に手に入る。)
令060226
資本主義の中心で、資本主義を変える (ニューズピックス、令和5年刊) 清水大吾 著
(良識の王道。著者は伊方町1975年生まれ。GSを6月に退社して9月に本書が出ているから、それはもう一気呵成の執筆だ。新時代の愛国者の書でもある。締めの章で Return on Earth(地球利益率):「どれだけの地球資源を使って利益を上げているのか」という概念を提示しているのに、しびれた。ここまでパラダイムが変われば、将来のあるべき姿から逆算して、いまやるべきことを是々非々で判断していくという非連続的な変化が求められると。わたしが嫌いな西郷隆盛だが、こんな言葉を残しているそうで、これにも心を動かされた:≪命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。此の仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業を成し得られぬ也。≫ GS ではシニアになるほど the first penguin であれというプレッシャーにさらされるという。みごとな文化。著者の言うように、企業が何を評価するかが、企業文化を形成するうえで決定的に重要なのだから。そして企業文化こそは、経営戦略の上位概念だ。)
令060116
Eleven (Grove Press, New York; originally published in the U.K. in 1970) Patricia Highsmith 著
(英語の小説を読むよろこびで満たされた。映画 Perfect Days で役所広司さんが和訳本を古本屋で購入し店主が「パトリシア・ハイスミス、最高だよね」と言っていた。映画の帰りに Amazon で発注した原作本。)
令060216
なぜフランス人は自信満々なのか (海竜社、平成10年刊) 倉田保雄 著
(戦前、お兄さまが Le Monde の前身 Le Temps を購読していたというくらいだから、たいへんな生まれのかただった。ご友人の仏人曰く「日本語は議論向きでなく議論がケンカに発展してしまう。フランス語はいつまでも議論していられる」これもなるほど。フランス語習得にはまず徹底して暗誦をこなし、文法はあとから取り組んで暗誦文の整合性を確認すればよいとのご持論、つくづく至言。)
令060212
だれか、来る (白水社、令和6年刊、原作 平成8年刊) Jon Fosse 著、河合純枝 訳
(ふたり同士の掛け合いが子供のパズルのようにはめ込まれた作品。原作は、ノルウェー西海岸諸方言と古語を綜合した文語のニーノルシュで書かれており、それを反映すべく「…よ」「…ね」のような終助詞を徹底排除したため、朗読詩の匂いだ。上演台本には不向きだが、さぁ日本の演劇人はどうする?)
令060203
エネルギーの愉快な発明史 Retrofutur: Une contre-histoire des innovations energetiques (河出書房新社、令和元年刊) Cedric Carles, Thomas Ortiz, Eric Dussert 著、岩澤雅利 訳
(短命に終わった省エネ発明の数々。政界・財界の不協力あるいは発想の時代離れした先進性(同時代の技術水準より進みすぎていた)が原因。1792年 Joseph de Montgolfier 発明の le belier hydraulique(水撃ポンプ)が揚水発電の揚水力に使える、と指摘するあたりから、もうタダ者でない。水素燃料電池は1839年に Sir William Grove が発明。1887年に屋井先蔵が寒冷に強い世界初の乾電池を発明し、特許取得はドイツ人に先を越されたものの、日露戦争で日本軍を大いに助けた。Car sharing は早くも 1939~46年に米国でガソリン消費減のために喧伝された。 )
令060119
How To American: An Immigrant's Guide to Disappointing Your Parents (Da Capo Press, New York 2018) Jimmy O. Yang 著
(一見ハチャメチャだが、顔を微妙にひきつらせつつも倦まず弛まず努力を重ねた人生行路。≪I never looked at these challenges as barriers; I saw them as opportunities to grow.≫ まさしく!)
令060109
言語学で解明する英語の疑問 (大修館書店、令和5年刊) 畠山雄二・本田謙介・田中江扶 著
(正月早々、駄本を読んでしまった。the cause of success とは言わないと嬉々として語るが、Google 検索すれば盛大に用例があり、the cause of failure より件数が多い(爆笑) その他、首をかしげたくなる記述がそこここに。アクセントに触れた箇所も勇み足や不適切表記だらけ。唯一 remind されたのは He is resembling his father. が He resembles his father. と異なり、変化を表すという箇所。言語学など登場しておらず、書名からして羊頭狗肉。)
令051231
It Was On Fire When I Lay Down On It (Villard Books, New York 1989) Robert Fulghum 著
(フルジャムさん連作の2冊目。こういう躍動感ある文章で学生に英語を教えてみたいね。)
令051224
Invisible China: How the Urban-Rural Divide Threatens China’s Rise (The University of Chicago Press, 2020) Scott Rozelle and Natalie Hell 著
(名著にして、ひたすら衝撃の書。かの愚帝がこの問題に向き合うならそれこそ中国史に英名を残せようが、urban-rural divide と教育破壊こそ愚帝が崇拝する毛沢東の所産だから、愚帝が君臨するかぎり中国に希望はない。インフラ整備ブームが去り、外資工場も撤退し、低賃金労働者の働き口が激減。2015年時点で労働人口の70%が高卒未満。いまから労働人口を高学歴に入れ替えるには45年もかかる。小児人口の75%が農民戸籍。中国ならではの「農民戸籍」の児童は「鉄分不足による貧血」「寄生虫」「赤ん坊のときに適切な認知刺激を受けないことによる知能未達」で半数以上が学業不振。教育予算が地方政府に丸投げされ、地方政府は財源に乏しいうえに どうせ都会に出ていく児童にカネをかけるインセンティブがない;教育充実は地方政府に短期的経済浮揚効果がない。今後の中国は監視カメラを一歩離れるとアブナい犯罪集団にからめとられるのだろう。)
令051203
サラゴサ手稿〔上〕 (岩波文庫、令和4年刊) Jean Potocki 著、畑 浩一郎 訳
(原著 Manuscrit trouve a Saragosse (version de 1810). 仏革命~ナポレオン帝政のころ活躍した教養あるポーランド名門貴族が仏語で著した、入れ子のごとく組み上げられた物語の大伽藍。カトリック、ユダヤ、イスラムの諸文化への親和にあふれる、冥界と愛欲の物語の数々が、次々に話者を得て紡がれる。和訳もみずみずしい。)
令051124
文法知識と読解力を高める上級英文解釈クイズ60 (左右社、令和5年刊) 北村一真 著
(二択~四択のクイズ形式が読みやすい。正解なら解説を読むことなく先へ進めるのでスラスラ読めた。悔しいが60のうち5つ間違えた。for all the world like sth = exactly like sth というのは全く知らなかった。教訓を得て後半は引っかからなかったので、著者に感謝せねばならない。|著者の筆のあやまりを指摘しておきたい。第17問:正解は「テーマを言葉で伝えることは不可能だ」ではなく「テーマを言語形式ぬきに伝えることは不可能だ」。第32問:. . . who was offended by us asking them to be vaccinated という TIME 誌からの引用を使って、この asking が動名詞か現在分詞かを問うているが、そもそも、この us asking という形はほんらい our asking でなければならない。ワシントン州立大のこのサイトに詳述あり https://brians.wsu.edu/2016/05/19/gerunds-pronouns/ 第41問:「誰も問いは発していない」を正解としているが、「彼女の視線が無言のうちに語っていた」が正解。)