ひこじいさんのブログ

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2013年02月05日
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有名な李白の漢詩に、月光を見て情景と心情を見事に詠んだ詩がある。私が漢文を好きになったのは、この漢詩を知ったことが切っ掛けになっている。

牀前看月光  疑是地上霜。
舉頭望山月  低頭思故郷。
(床前月光を看る、疑うらくは是れ地上の霜かと。 頭を舉げて山月を望み、頭を低れて故郷を思う。)

月を見て感じる「あわれ」(深いしみじみとした感動・情趣)は、洋の東西を問わず万人の心に響くもののようだ。

関東の住宅地ではこんな情景を経験することは不可能だが、これが南アルプスの裾野の山里では見事なまでに現出される。

お定まりの八ヶ岳颪に、寝付かれないままカーテンを開けて窓の外を見ると、畑と霜枯れた枯れ草が中天に懸かった月光を受けて、まるで霜が下りたように見える。
この詩は、恐らく霜月のころの満月の夜の情景であろうと思われるのだが、厳寒の時季の下弦の月でも雪に覆われた南アルプスの峰々と目の前の景色を青白く照らし出す。



満月は右から欠けて行って、月齢22日頃が下弦の月となりやがて新月となる。新月は右から膨らんでいって、月齢8日頃が上弦の月となる。

弦とは、円を半分にした時の直線部分を指していて、円弧の膨らんだ部分を指して言うのではない。三日月の時には上弦の月や下弦の月とは言わず、半月の時に限って使われる。

また満月に向かうのが先なので上弦とし、満月から欠けるのが後だから下弦とするのだとの説もある。

上弦の月は、夜中の12時までには西の空に沈む。一方、下弦の月は0時頃に東の空から上る。したがってほとんどの場合、夜中の0時になる前に見えるのが上弦の月であり、夜中の0時より後に見えるのが下弦の月であるが、季節によっては下弦の月が夜中の0時前に上ることもあり、上弦の月が沈むのが年に2~3回は夜の0時を過ぎてしまうこともある。

十六夜以降の月のことを「有明の月」と言う。
百人一首には月を詠んだものが11首あるが、その内21、30、31、81が「有明の月」を詠んでいる。また内容から36の月も有明の月であることが類推できる。

枕草子には「月は有明の、東(ひんがし)の山ぎわにほそくて出づるほどいとあわれなり。」(『枕草子』池田亀鑑校訂・岩波文庫)と書かれている。

日本人は古来より、有明の月を詩情豊かに愛でていたことが分かる。


今朝6時半に、赤く染まったカーテンを開けて外を見ると、文字通りの「東雲」の朝であった。
東の空に低く掛かった雲は真っ赤に染まっていて、中天には月齢24.5の有明の月が掛かっていた。

月は古来中秋・長月・霜月の月が多く詩歌に詠まれているが、今の時期の有明月も詩情をそそられる情景ではある。










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最終更新日  2013年02月06日 08時41分27秒


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