ひこじいさんのブログ

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2013年11月21日
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フィリピンを襲った895hPaという猛烈な台風30号は、甚大な被害をもたらした後華南に至り温帯低気圧に変わった。

この低気圧が北極圏から噴き出す寒気団を日本列島に押し出したため、その影響を受けた列島は時ならぬ真冬の寒気に襲われた。

11月15日は予報通り午前9時過ぎからかなり強い氷雨が、午後3時過ぎまで降り続いた。

雨が上がり、雲が切れ始めた紅葉真っ盛りの南アルプスの山塊は真っ白に雪を被っていた。

7日に甲斐駒ケ岳に初冠雪があってその一週間後の雪化粧には驚かされたが、雪国以外に住む人は昔から雪の降るのを心待ちにしていたようである。

芭蕉が庵に降る初雪を心待ちにしていて、漸く降った初雪を詠んだ句がある。

     初雪や 幸ひ庵に まかりある

貞亨3年12月8日に詠まれた句と言う。太陽暦では1687年1月31日にあたる。

この句には「我が草の戸の初雪見んと、余所にありても空だに曇り侍れば急ぎ帰りることあまたたびなりけるに、師走中の八日、はじめて雪降りけるよろこび」の添え書きがある。



松尾芭蕉は1677年から3年間、現在の文京区関口の「龍隠庵」に住んだ。この庵は一度焼失し、現在の芭蕉庵は第2次大戦後に再建されたものである。

この句が詠まれた時代から325年を過ぎた現代でも、東京に初雪が積もるのは1月の中旬以降になることが多く、そう考えれば1687年の初雪が特に遅かったわけでも無さそうである。

この時芭蕉は43歳になっていたというのに、「初雪」の句作のために子供のように雪の降るのを心待ちしていたのであろう。

1634年に、丹波国氷上郡柏原藩(現在の兵庫県)に生まれ、江戸時代の女流歌人・俳人で貞門派の女流六歌仙(六俳仙)と呼ばれた田捨女が6歳の時に作った句として有名なのが、

        雪の朝  二の字二の字の  下駄の跡
である。

芭蕉の初雪を待つ執念に似た息遣いに比して、こちらは起きて戸を開けた時に目に飛び込んできた偶然の情景を、躍動感ある子供の感性でしかも率直な表現でとらえていてみごとである。

この句を多くの人は「初雪や…」と間違えて記憶しているが、「雪の朝…」が正しい。

今では雪の朝に、「ニの字」が印されるようなことはほとんど無くなった。





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最終更新日  2013年11月21日 19時29分32秒


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