ひこじいさんのブログ

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2014年04月07日
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江戸時代の安永頃から昭和40年代初期まで、三業の花街には夕闇の迫る頃になると「新内流し」が姿を現わした。

2人が一組となって「新内節」を流しで聞かせる花街の風物で、料亭の通用口から仲居に呼び込まれて宴席に上がり客の注文曲などを演奏した。

『明烏夢泡雪』浦里雪責の一節に「主を想うて給もるもの わしが心を推量しや、何の因果にこのように 愛しいものか さりとては 傾城に誠なしとは訳知らぬ 、譬えこの身は淡雪と共に消ゆるも厭わぬが、此の世の名残に今一度 逢いたい見たいとしゃくり上げ、狂気の如く心も乱れ 涙の雨に雪とけて 前後正体なかりけり」というのがある。

初代・鶴賀若狭掾が作ったとされる新内節3大名曲の1つで、雪の中松の木に縛り付けられ厳しく折檻される遊女・浦里の哀切な姿を描く場面で、恋人の時次郎が救いに来たと思ったのは一場の夢だったという結末が語られている。

また、柿本人麿は、「まきむくの ひばらもいまだくもいねば、こまつがうれゆ あわゆきながる」(巻向の檜の林は、まだに雲はかかっていないのに、小松の先にあわゆきが流れるように降ってくる。)と歌に詠んでいる。

万葉集などに表現されている「沫雪」は、そのまま「沫(うたかた)のような」の意味で使われたが、中古以降にみられる「淡雪」には「淡い」「はかない」などの意味が含まれて用いられるようになった。

あわゆきはぼたん雪・綿雪とも言われ、積もっても儚なく消えていく春の雪を言うことが多い。
気温が低いときに降る雪はさらさらした粉雪になるが気温が高いと、雪の結晶どうしが幾つも結び付いて雪片となって降り淡雪となる。

春先に降る雪で泡のようにやわらかく溶けやすく、うっすらと積もって消えやすいところから、ものの哀れや儚さを表す言葉として「春の…」と使われることが多い。



あわ雪は淡雪の他、沫雪・泡雪・綿雪の別字や、かたびら雪・たびら雪・だんびら雪などの別称がある。

あはゆきの つもるつもりや 砂の上 (久保田万太郎)
淡雪が砂の上に降っていて、見ていると結構激しくなってきた。淡雪とはいえこれほどまでに降るのは、もしかして積るつもりなのだろうかという意味だ。

4月5日は全国的に気温が低く、山荘の辺りも南アルプスから吹き下ろす強風によって体感温度は5℃以下に感じられた。
朝から吹き荒れた甲州名物の空っ風も、夕方にはすっかり止んで一層気温が低下してきた。

夜8時過ぎには、月齢5.3の上弦の月が甲斐駒ケ岳の山頂に近く浮かんだ。

6日の早朝5時半に、シンとして風の音一つしない外の様子に目覚めてカーテンを開けてびっくり仰天凡そ5cmも積雪をしていたのだ。

淡雪に覆われた山の景色は、都会人には決して味わうことができない一幅の絵であり見事な自然の芸術であった。

今が満開のエドヒガンや梅の花は雪に覆われて白く変わり、咲き始めた連翹もカマクラ状態になり高村光太郎もさぞやビックリしたことだろう。(4月2日は、光太郎の連翹忌)

2月大雪の積雪が溶け切らない内の積雪であったが名前通り「春の淡雪」で、陽が上がると共に今日一日で消えて無くなる運命であろう。





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最終更新日  2018年07月11日 05時42分07秒


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