ひこじいさんのブログ

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2016年08月04日
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暑さはこれからが本番で庭の藤袴の蕾も未だ堅いというのに、早くも庭の茂みの下でか細く秋の虫が鳴き出した。

古今集1020に「寛平の御時、きさいの宮の歌合せの歌」として、在原棟梁の
「秋風に 綻びぬらし藤袴 綴り刺せてふ きりぎりす鳴く」がある。
作者の「ありはらのむねやな」は業平の長男で、五位筑前の守。898年没

秋風が吹いて、藤袴の花がほころんできたようだ。(それを見て)つづりさせというきりぎりすが、(袴の裾が綻びているから、綴り刺せと)鳴いている。藤袴の開花を衣服のホツレに見立てて、詠んだ歌である。

ここでいう「きりぎりす」は、蟋蟀の古名である。農作業がぼつぼつ始まろうかという時期に鳴き始めるので、繕いものをして農繁期や冬に供える時期が来たことを教えているのだという言い伝えから綴れ刺せ蟋蟀という。

エンマコオロギはコロコロコロと鳴くが、この虫形コオロギの鳴き声はリィリィリィリィリィである。
古人はこの鳴き声が「肩刺せ 裾刺せ 綴れさせ」と聞こえたと言うが、意識して聞いてもとてもそうは聞こえない。



万葉集には、
夕月夜心もしのに白露の置くこの庭にこほろぎ鳴くも
秋風の寒く吹くなへ我が宿の浅茅が本にこほろぎ鳴くも
蔭草の生ひたる宿の夕影に鳴くこほろぎは聞けど飽かぬかも
庭草に村雨降りてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり
こほろぎの待ち喜ぶる秋の夜を寝る験なし枕と我れは

などの歌が見られる。

この場合の蟋蟀は蝉も含めた、秋に鳴く虫を総称した名称と考えられている。

キリギリスでは平安時代に藤原良経が詠んだ、「きりぎりす 鳴くや霜夜のさ筵に 衣片敷きひとりかも寝む」(こおろぎが鳴いている。こんな霜の降る寒い夜に、むしろの上に衣の片袖を自分で敷いて独り(さびしく寝るのだろうか。)が百人一首にあり有名である。

キリギリスはススキなどの草むらを好みしばしば明るい外灯の下では夜でも鳴くことがあるが、日中に鳴く虫である。
蟋蟀は暗がりの床下や部屋隅でも鳴くが、多くは夜に鳴く。



英語名「The Grasshopper and the Ants(バッタとアリ)」は、1934 年制作のディズニー映画では「アリとキリギリス」になっている。





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最終更新日  2016年08月04日 07時52分51秒


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