ひこじいさんのブログ

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2016年11月29日
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ここに出てくる芋粥とは薄く切った山芋を甘葛(アマチャヅルの煎じ汁)で軽く煮て粥状にしたもので、食事の最後に出されたデザートのようなものであったという。

中学生の頃芥川の芋粥を読んでトロロ汁を思い浮かべたが、実際は全く異なった料理であることが分かったのはかなり後になってからである。

仕事柄多くの料理屋で食事を食べたり見たりしてきたが、今までアマチャヅルで煮た芋粥なるものを提供しているのを見聞したことは無い。

平安末期(1120年代)に成立した今昔物語の「五位と芋粥」に出てくる芋は、日本原産の山の芋(ヤマノイモ)であったことは間違いない。

ヤマノイモは日本原産で、自然薯・自然生・ヤマイモとも呼ばれ日本原産である。
形も似ていて同じような食べ方をするナガイモは山の芋とは別種で、原産地の中国から17世紀に伝来したとされるので今昔物語が成立した頃には日本には無かった。

現在流通しているもののほとんどはナガイモで、自然薯は栽培も少なく高価で流通は極僅かである。

ジャガイモは、通常生食はしない。しかし同じように多量に澱粉を含むナガイモは、澱粉分解酵素のアミラーゼを多く含んでいることから生食しても消化がよい。



変色の原因はナガイモが含有するアクに含まれる酵素のポリフェノールオキシダーゼの働きによって、ポリフェノールが酸化されることによると言われている。

ポリフェノール類には数千種もあると言われ、ほとんどの植物に含まれる色素や苦味成分である。

尻より頭頂部分などの、細胞分裂が盛んな部位に多く含まれる。未成熟なうちに収穫されたナガイモに、変色が多く見られるのはそのためである。

変色を防ぐ方法として皮を剥いてから酢水に漬け、摺り下ろしたトロロには食酢を2~3滴入れればよいなど幾つかの方法が言われている。
しかし、皮を剥いている中に既に赤紫色に変色する芋は、酢水に漬けても変色を止めることはできない。

しかも、変色する芋は味が極めて悪い。健康上の害はないとしても変色の可能性があったらその部分は、むしろ諦めて廃棄した方が全体を無駄にしないで済む。

我が家では冬季の常備野菜で、展ばすための出汁作りから摺り下ろしてさらに摺り鉢で摺るところまでいつも自分一人で行う。

トロロ汁は熱いご飯に掛けたりトロロ蕎麦で食べるが、子供や孫の何人かはこれが苦手らしくそのままツルツルと飲んでいる。

南信州伊那谷で昔ながらの栽培法で栽培した、見事なナガイモを貰った。これを掘るには大変な労力を要したことだろうと想像しながら、今秋初めての新ナガイモをトロロ汁で味わった。





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最終更新日  2016年11月29日 11時21分44秒


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