
「コロッケー ( コロッケの唄)」という、 大正9年に流行したコミックソングがある。
♪
ワイフ貰って、嬉しかったが
何時も出てくるおかずはコロツケ
今日もコロツケ
明日もコロツケ
これじや年がら年中コロツケ
アハハハ、アハハハ
こりや可笑し
作曲者は不明だが、詩は 実業家 ・ 劇作家 ・ 音楽家 ・ 貴族院 議員でもあった 男爵 の 益田太郎冠者 ( 明治 8 年~ 昭和 28 年 ) である。
彼は ヨーロッパ 留学中に本場の オペレッタ ・ コント に親しみ、帰国後その経験を生かして喜劇脚本を多く執筆した。
コロッケの唄は、特に有名である。
現代の日本においては誰でもがコロッケの何たるかを知っており、日本人にとってはラーメンと同じように日常的な食べ物となっている。
この食べ物の名前には相当する漢字が無く「ころっけ」または「コロッケ」と表記され、もともとは外国から渡来した食品であろうことは想像がつく。
しかしその名前の由来は何かと問われると、明確に答えられる人は少ない。
語源説についてはポルトガル語や英語由来とするものなど様々あるが、フランス語を正しいとするものが多い。
ポルトガル語であるという説は、安土桃山から江戸時代にかけてやって来たポルトガル人が伝えたとする説である。
しかし江戸時代の我が国の当時の書物には、コロッケに似た食物は出てこない。
昭和初期から一般的になった「コロッケ」という言葉は、江戸時代ではなく明治維新後になってから入って来た言葉であるとの考え方がある。
明治維新後フランスあるいはイギリス・アメリカからこの食物がその名称とともに伝わり、コロッケの名称がその時新しく外来語として定着したと考えるのが妥当であるとしている。
コロッケは英語では、 croqutte と表記する。
croqutte はフランスの事典には、クロケットの初出文献は 1740 年との記載がある。一方イギリスの文献にクロケットが登場するのは、 1706 年である。
この両者の年代には 34 年のタイムラグがありクロケットの起源説には謎が残るが、フランス語の Croquette は croquer (押し潰す)という動詞から派生したとされるフランス語である。
以上からコロッケを意味する英語の croqutte は、フランス語の Croquette が語源であるとしている。
それらから考えると1600年代以前にすでにフランス語には、 Croquettes という言葉があった考えられる。
コロッケの表記は英語では croquette 、フランス語 Croquettes 、ドイツ語 Kroketten 、ポルトガル語 Croquetes 、イタリア語 Crocchette である。
コロッケの原料になるジャガイモは、 18 世紀末になってロシアから飢饉対策として 北海道 ・ 東北地方 に移入されたとされる。
しかし本格的に導入されたのは 明治維新 後になってからで、 北海道 の開拓作物として利用された。
やがて洋食の普及とともに、徐々に家庭料理にも取り入れられるようになっていった。
特に昭和初期から一般的になった「コロッケ」は、ジャガイモの栽培普及の時期と一致している。
日本のコロッケはフランス料理のクロケット(ホワイトソースがベースのクリームコロッケ)を、日本人の好みに合うじゃがいものコロッケに作り変えたのがそのルーツとも言われている。
明治期にコロッケが世の中に登場し、また料理本などに紹介され始めたもののすぐには普及しなかった。
大正時代の「コロッケの唄」の大流行が、庶民の口には縁のなかった洋風料理の名前を日本中に広めることになった。
以来現在でも惣菜として愛され、人気ランキングならびに冷凍食品製造量とも 第一位である。
フランス料理のクロケットは、小さな丸い揚げ物料理である。
主な材料は マッシュポテト ・ 挽き肉 ・ 魚介類 ・ 野菜 ・および白パン・ 鶏卵 ・ タマネギ ・香辛料とハーブ・ ワイン ・ 牛乳 ・ ベシャメルソース またはこれらの組み合わせであり、パン粉で包むことが多い。
通常円筒形または、円盤型であり油で 揚げ て作る。
2003 年 10 月 1 日発売の コロッケ の唄 ( 作詞:浜口庫之助 作曲:浜口庫之助 ) があり、五月みどりが歌っている。
♪こんがり コロッケ にゃ 口もない 目もない 手もない 足もない
だけど コロッケ は 知っている あなたとわたしの あの頃を
今日も コロッケ 明日も コロッケ これじゃ年がら年中 コロッケ コロッケ
しかしこの歌の♪今日もコロッケ…以下は、メロディーも詩も大正時代に 益田太郎冠者が作ったコロッケの歌そのままである。
♪
今日もコロッケ 明日もコロッケ…の歌詞では時系列が正しくない。
明日は未来でおかずがコロッケになるかどうか不確定なのに、明日と入れて年がら年中とどうして続けたのだろうか。
昨日も今日もとすれば、論理的には正しくなると思うのだが。
我が国の著作権の保護期間は死後 50 年間だから、 益田太郎冠者が作ったコロッケの唄 の保護期間はとっくに切れており自由に改変して使用しても著作権法上の問題は無いのだろう。
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