
新聞やテレビで毎日のように、高齢者の自動車運転事故のニュースが見られる。中でもブレーキとアクセルの踏み間違いや自動車専用道路の逆走などによる重大事故が多い。
我が国では 65 歳以上の人口が 3,459 万人と高齢化が急速に進み、高齢化率は 27.3% となった。 ( 平成 28 年 10 月1日現在 )
今後総人口は減少するが高齢者人口が増加することにより引き続き高齢化率は上昇し、 2036 年には3人に1人となり、 2042 年以降高齢者人口が減少に転じた後も上昇を続け 2065 年には 38.4% に達すると推計されている。 ( 国立社会保障・人口問題研究所の推計 )
平成 28 年末の運転免許保有者数は約 8,221 万人で, 27 年末に比べ約6万人( 0.1% )増加した。
このうち 75 歳以上の人口の約3人に1人の約 513 万人が自動車運転免許を保有しており、 10 年前に比べ 7.3%(35 万人 ) 増加しており今後も自動車運転免許を持つ高齢者は増加すると推計されている。
平成 28 年の交通事故死者数は 3,904 人(前年比 -213 人)で、昭和 24 年以来 67 年ぶりに4千人も下回った。
そんな状況の中で人口 10 万人当たり死者数は高齢者人口の増加に伴い、高齢者の占める割合が平成 28 年は過去最高の 54.8% となっている。
75 歳以上の運転者の死亡事故件数は 75 歳未満の運転者と比較して、免許人口 10 万人当たりの件数が2倍以上多く発生しているという。
75 歳以上の運転者による死亡事故について死亡事故件数全体が減少する中、全体に対する構成比は上昇しており平成 28 年は全体の 13.5% を占めた。
また 75 歳以上の運転者による事故は車両単独事故の割合が多く、全体の 40% を占めている。これは、 75 歳未満の運転者による割合( 23% )と比べてかなり高い。
75 歳以上の運転事故はハンドル等の操作不適による事故が最も多く、次いで前方不注意・安全不確認の順となっている。
具体的には道路上を進行中、車線を逸脱し物件等に衝突する工作物衝突が最も多い。さらにオートマチック車のブレーキとアクセルの踏み間違いによる死亡事故は、 75 歳未満では死亡事故全体の 0.7% に対し 75 歳以上では 5.9% と高い。
高齢者の特性として「加齢に伴って視力等が弱まることで周囲の状況に関する情報を得にくくなり判断に適切さを欠くようになる。」、「反射神経が鈍くなる。」、「体力の全体的な衰え等から、運転操作が不的確になったり長時間にわたる運転継続が難しくなったりすることから、状況を客観的に把握することが難しくなる。」ことなどが挙げられこれが死亡事故を起こしやすい要因の一つと言われる。
2017年度中に認知症のおそれがあると判定されたドライバーの数は、57,099人である。
認知症は加齢とともに発症することから、 75 歳以上の運転者を対象とした臨時高齢者講習及び免許証更新時の高齢者講習を適切に行うため「記憶力・判断力」の判定を内容とした認知機能検査が実施されるようになった。(平成 29 年 3 月 12 日施行)
認知機能検査は検査員の説明を受けながら、①「時間見当識 」、②「手がかり再生」、③「時計描画」という 3 つの検査項目によって受検者の記憶力や判断力の判定 が行われる。
時間見当識は 15 点、 手がかり再生 32 点、時計描画 7 点の配点で、正答点数にそれぞれ 1.15、 1.94 、 2.97 の係数を掛けて加算した数で認知機能の判定を行っている。 ( 得点に係数を掛けて足すと、実際には 100. 12 になる。 )
その結果総合点が 49 点未満は記憶力・判断力が低くなっている者(第1分類)、 49 点以上 76 点未満は記憶力・判断力が少し低くなっている者(第2分類) 、 76 点以上は記憶力・判断力に心配のない者(第3分類)と分類される。
第一分類に該当する場合は、臨時適性検査又は医師の診断書等の提出が必要となる。
この場合認知症とされると、免許停止または取り消しとなる。
認知症で無い場合は 7950 円の受講料を払って、自動車教習所で 3 時間の講習をうけなければならない。第二分類と判定された場合も、同様である。
第三分類の場合の受講料は 5100 円で、 2 時間の講習を受ければよい。
免許の更新時期が来て、今回初めて認知機能検査を受けた。内容は 3 年前に受けた、認知機能予備検査と全く同じものであった。
前回もそうだったのだが 時間見当識・ 手がかり再生は満点であったものの、時計描画で 1 点減点されていた。
満点であると思っていたのに、非常に不思議であった。
2 ヶ月後の高齢者講習の折に担当者に説明を受け、時計の描画については非常にあいまいな採点をしていることが判明した。
時計描画は、自分で描画した文字盤に 1 時 45 分の針を描くものであった。
長針を記入するのは簡単だが、短針は 1
時を指したのでは間違いである。
なぜなら長針が 45
分を指した時角度は270度進み、短針は 1
時から 2
時に向かって 1
時間 30
度の 3/
4つまり 22.5
度動くからである。
したがって短針は12時を頂点とした時、52.5度の位置に来る。
短針は 1
時から 2
時へ3/4進んだ、2時に近い位置を指すのが正解である。
教習所の担当者の説明では本当は指摘される通りだが、このテストでは短針は1時と2時の間にあって 1 時により近いところを指すのを正しいとして判定しているとの答えであった。
より判定の正確さを求めるならば 1
時・ 2
時・ 3
時…など、正時を描画させるべきであろう。
私の場合第二分類とされる恐れは全く無く 1 点 (1.15) のことで目くじらを立てる必要もないのだが、これが 75 点の人にとっては1点差によって金も講習時間も余計にかかることになり誠に不合理である。
これから認知機能検査を受ける人は、注意が必要である
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