註1:いわゆる「ジェイコブソン対マサチューセッツ」訴訟。ちなみに,1927年,連邦最高裁は,「バック対ベル」訴訟で,州が精神発達遅滞者に断種手術を強制することを定めたバージニア州法を「合憲」と認定したが,その際「ジェイコブソン対マサチューセッツ」の判決における「危険な疫病」の部分を「劣悪な遺伝子」に置換した論理が採用された。 註2:「健康であれば天然痘にかからない」とするファイファーの考えは,予防接種強制反対派の中でさえも「異端」とされていた。 註3:ファイファー事件が「予防医学の勝利」でなかったどころか,「First, Do No Harm」の原則に照らしたとき,米医学史に残る「汚点」となったことは今さら説明するまでもないだろう。