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ついに、お泊り出張の日を迎えた。アキラと約束をしていたアタシは、予約してあったシティホテルにチェックイン。部屋番号をアキラにメールで知らせた。ものの10分もしないうちに、アキラがドアを4回ノックしてきた。しばらく二人で会話を楽しんでいたら、アキラがアタシの上に乗っかってきた。アキラは優しくアタシを愛撫する。そして、一枚一枚、アタシの服を脱がせ始めた。アタシもアキラのYシャツのボタンを外し、ズボンのファスナーを下ろす。ホテルの窓からは海が一望できた。16階の窓から見えるものは、海と、そして、ホテルより低いビルディング。やがて一つになった。感激。アキラ、とっても上手いね。アキラはニコっと笑った。1時間くらいかな、ずっとそうしてた。アタシ、男とセックスしたのって何年ぶりだろ。ユウと別れてから、夫と何度か寝たことがあったけど。夫に男を感じたこともなければ、ただ時が過ぎ去るのを待つのみのセックス。あんなセックスは、「セックス」じゃないね。アキラとは、終わらないでほしい、ずっとこのままいたい、そう想い続けた時間だった。何度も何度も 頭を興奮が貫いた。その後、ホテルを出て、二人で街に。映画を観て、その後、小さな割烹料亭に入り、食事をした。少し酔ったので、料亭を出て、また二人で夜の街をふらふら。「どこ行く?」 とアタシ。「ホテルに帰る」 とアキラ。また、ホテルに戻った。そしてまた重なる。時計を見たら、終電の10分前だった。慌ててアキラを帰すアタシ。アキラは、小走りにアタシの部屋を後にした。奥さんのいる家に帰るアキラをそっと見送るアタシ。寂しさが一気にこみ上げてきた。16階の窓から、真っ暗な海を見つめながら、複雑な思いだった。そこへアキラからメール。「今日はありがとう。うれしかった。それだけ。いっぱいいっぱい、言葉は浮かぶけど、文字に出来そうにない。オヤスミ、Rei!」
2006/07/18
アキラと、また久しぶりに逢う機会があった。アタシの出張で、アキラの会社の近くまで行くことになったからなんだけど、結局一緒にいられた時間って、1時間足らず。それでも、いろ~~んなことをおしゃべりして、楽しかった。アキラは別れ際にアタシにキスを何度も何度もしてくれた。抱きしめてくれた。アキラといると、ふわふわとした気持ちになれる。アキラが好き。だけど、ユウを好きだった頃のアタシとは違う。アキラとは、恋愛ごっこをしている感じ。長身でハンサムのアキラと一緒に歩くことや、手を繋いだり、抱き合ったり、キスをしたりすること。そういう雰囲気を楽しんでいるようなアタシがいる。でも、嫌いな男とキスは出来ない。だからやっぱり、好きなんだろう。アキラがアタシを好きと言ってくれる限り。再来週は、また出張があって、ホテルに泊まるんだけど。アキラが部屋に呼んでほしいという。さて、困ったな・・・。
2006/07/05
先週、久しぶりにアキラと逢った。以前のラブホデート以来のこと。実は、アタシは、もうアキラを好きじゃなくなりかけていた。というのも、あれから、いろ~~~んなことが、アキラの身にあって。例えば、家を新築したとか。例えば、子どもが生まれたとか。たった2ヶ月の間に、そんなことがあったみたい。どちらの情報も、兼ねてからアタシの耳には入ってたけど、だからと言って、少しずつ、アタシとのやりとりが減るのが許せなかった。メールもろくに来ないし、電話ももちろん無い。超放置。だから、アタシはもう、こっちから連絡をするのも止めてた。久しぶりにメールが届いたと思ったら、新築した家の画像が貼られてたり、またその次には、赤ちゃんの写真が貼られてたりで、なんっか興ざめも甚だしいところ。で、次第に薄れていく気持ちの変化を感じてたわけ。でも、アキラが逢いたいと言ってきたの、先週。ちょうど、アキラの支店近くに出張する予定があったので、アキラと逢って、お茶してきた。少し歩いたりもした。アキラの、アタシを見つめる瞳は変わってなかったし、アタシを抱きしめて愛しそうに顔をうずめてくる様子も、以前よりもさらに増して強かったように思った。アキラって、本当にアタシのことが好きなんだ・・・・・。アタシ、別れ際、アキラにいっぱいいっぱいキスをしてあげた。愛を与えてくれてありがとう。アタシも、まだしばらくは、アキラを好きでいようと思うよ。
2006/05/30
アキラがケータイを替えたらしい。アキラからのLANメールで、そのことを知った。「大至急、Rei、ケータイにメールを! それと電話番号も!」なにやら慌しい(笑)。どうやら、新しいケータイに替えたはいいけど、いじってたら、アタシのデータが消えたらしいの。なんだよ、それ・・。「要らないから消したんじゃないの?」半分からかう感じで返信してみた。「Rei、俺、昨夜からReiのデータがなくなって、半狂乱!!!お願い、早く送ってくれないと、仕事にならない!」あ・の・ね・・・・。土日は全然メールも送ってこないくせして! よく言うよ!(笑)新しいケータイのセキュリティ面、ちゃんと万全の対策をね!って、ケータイから、電話番号も入れてメールを送信した。「俺、Reiからのメール、一通一通削除してるよ!お気に入りのはフォルダーに残してるけど。」って返信が・・・。消してるの????そこまでやってるとは思わなかった。お願いだから、とにかくお互いに、誰にもバレないようにしなきゃね。アキラとアタシの夫は、そして、アタシとアキラの奥さんは・・・アタシとアキラつながりで、友達なんだもんね。間違いなく、アタシたちは、いけないことをし始めてるんだもんな。そういえば、ユウはケータイを完全にロックしている人だった。これは、妻的に見れば完全なる確信犯なんだけど。アタシはこの方法が一番だと思ってた。アタシも、ユウと付き合ってる頃は、ロック派だった。マモルは、まったく対策を講じない男で、すぐ奥さんにバレたっけ。カズは、いつもポケットにケータイを肌身離さず入れておくタイプだったな。さて、昨夜、アタシもちゃんとしとかないと・・と思って、初めてケータイの取説を読んだ。アキラからのメールは、自動的にアキラのフォルダーに入るように設定してあるんだけど、そのアキラのフォルダーのみロックをかけることが出来ない。保護とシークレットは出来るのに、ロックが出来ないんだよ!何だよ、このケータイ! 大昔、カズと付き合ってたときに使ってたケータイでも、フォルダーのロックは可能だったというのに!富●通さん、お願いです、ココ、改善しないと、ますます売れないですよ!今日は春分の日。休みの日は、アキラからは絶対にメールは来ない。アタシは、そろそろ子どもを起こそう。
2006/03/21
アキラと、久々に逢うことになった。アタシが、まったく花粉で目も開けられない状態なので、アキラが気を利かせて? ラブホに誘ってきた。言っとくけど、アキラとアタシは、まだキスしかしたことが無い(笑)。しかも、同僚としての付き合いが長かっただけに、ラブホに入る瞬間の心地悪さというか、違和感というか・・・。照れくさかった。「アキラとアタシがラブホってのも、なんだかねぇ?」なんて言いながら、部屋に入った。しばらく二人で、仕事の話や子どもの話で、楽しく時間が過ぎていた。そして、アキラは、ソファに座っているアタシに、そっとキスをしてきた。アキラの手は、キスの傍ら、アタシの体をまさぐり続け、やがて、ブラウスの中にも入ってきた。想定内だった。アキラの股間は、パンパンに膨れ上がっていた。そんなふうにして、やがてソファからベッドに移動。寝っ転がって、またお互いの体を、好きなだけ触れ合っていた。アタシは、アキラの股間に手を入れていた。アキラの指も、アタシのスカートの中に入ってきていた。どれくらいの間、そんなふうにしていたんだろう?アキラは、そっと手を止めた。「今日は、ココまで。俺、まだReiとは、早いと思ってる。これからもゆっくりと、付き合っていきたいから。今日はもうココで終りにしておくよ。 Rei、ありがと。」はぁ?信じられる???(笑)本当に、この続きは無かったです(笑)散々1時間以上も? まさぐり合って、こんな感じで終り? だってアキラ、その股間(笑) どうするよ?(笑)なんだか、アキラ的には、股間に困った様子だったけど、アキラは一度決断したことは、貫き通す主義らしい(笑)。こんな男は初めてだった。信じられない。こんなに焦らされて、アタシはもう、エネルギーを消耗しまくり。セックスをしたより疲れたかも(笑)。ラブホを出て、アキラと別れた後、ケータイにアキラからメール。「Rei、今日はありがと。Reiへの気持ちを再確認できたよ。ますます好きになった。これからもこんな感じで、末永く宜しく!」はぁ? (T_T) わけわかんないんですけど(笑)。とまぁ、ユウと別れて以来、久々に男に体を触れられたわけだけど、ユウのほうが格段に上手い(笑)。これまた事実であります(笑)。比べちゃいけないけどね。
2006/03/20

昨夜、真夜中にベッドのそばに置いてあった私の携帯が震えた。目が覚めた。すると、2通のメールが入っていた。1通は、目が覚めたときの2通目のメールの10分ほど前に入っていた。アキラからだった。1通目には 「Rei、今すぐ声が聴きたい」そう書いてあった。2通目には 「寝てるよね・・ごめん」とあった・・・。アタシは、「起きたよ、でも電話は今無理・・旦那に気づかれちゃうし」って返信した。すると、アキラからは「Rei、こんなに好きになっちゃってごめんな。」アタシ、こう返信していた。「アタシも、すごく愛してるよ。」 ただ、愛されたいだけなのかな、アタシって・・・。こういうメールを貰うと、心の底から、アキラを愛しく思った夜だった。
2006/03/01

不思議なんだけど、アタシが夢をみると、たいてい出てくる男は学生時代に好きだったAくんってことが多いの。でも、土曜の夜は違ったよ。疲れているせいもあって、早めにベッドに入ったけれど、深い深い眠りの中で出逢った相手は、ユウだった。懐かしい笑顔、懐かしい髪の感触、懐かしい指。アタシとユウは、のんびりとお昼寝をしていた。そういえば、二人でよく、お昼寝もしたよね。ユウと一緒にいると、日常の疲れが解け、とってもよく眠れた。いつもそうだったけど、ユウの腕枕・・重くない? って気にしつつ、そのまま寝ちゃってて、ユウは後で腕が痺れてることもあったよね。ユウは言ってくれたよね。「Rei、すっごくよく寝てたよ。俺、ずっとReiの寝顔見てたんだ。キスもしたんだよ。全然気づかなかっただろー。」幸せだったな。あの頃は・・・。何の他愛もない、ただのお昼寝の夢だったように思うけど、久しぶりにユウと逢えてうれしかったよ。ユウ、アタシはやっぱり、今でもユウを愛してるのかもしれないね。だって、アキラのことは、まったく思い出さない土日だったもの。
2006/02/27

アキラとは同じ会社の本社と支店なので、LANメールでやりとりをしている。何気に届いた今朝のアキラからのメール。「今週末は横浜に出張。同期の●●ちゃんでも誘って食事してくるよ。」こんなメールに、アタシったら、嫉妬?とっても不愉快になった。「楽しんできてね。」 とだけ打って返信。アキラからまたメール。「ん?メールを凄く冷たく感じたけどーもしかして怒ってる?Reiと食事に行くのが俺は一番楽しいんだよ。」とっても不愉快。一番でも二番でもどっちでもいいや。アタシは逢いたくても逢えないで我慢してるのに。そんなふうに考えている自分に、ふと気づいた。もしかして、アキラがアタシを想う以上に、アタシがアキラのことを好きになってる?「勘違いしないでね。アキラのこと、彼氏だと思ってるわけじゃないし、そんなことで妬いたり、怒ったりしないよ。」そう返事を送ったら、アキラからは・・「勘違いはしてないよ。Reiのことを彼女だとか、そんなふうには思ってないよ。」どういう意味???本当、わかんない。もう、どうでもいい。バカ、アキラ。
2006/02/21

考えてみれば アキラと知り合って もう10年くらいたつ。知り合った頃は、お互いもう結婚してたっけ。年齢も近いし、同僚として、とてもいい奴だった。一緒にランチに行ったり、お酒を飲んだり。家族をまじえて、一緒にキャンプに行ったり、温泉に行ったり。夫も、アキラのことをとてもいい奴だと話していたし。アタシも、アキラの奥さんと同い年だったので、二人で温泉に入って、ゆっくり話し込んだことがある。アキラの奥さんは、美人で、とても穏やかで女らしい女性。アキラともお似合いだと思う。そう思えたのも、アタシはアキラを好きだと思ったこともなければ、タイプだと思ったこともなかったからだよね。今は・・・?アキラのこと、やっぱり今更タイプじゃない。顔はハンサムだし、長身だし、頭もよくて、優しい。だけど、タイプではない。アキラを好きと思い始めたのは、結局ユウやカズ、マモルのときと同様、彼が、アタシを好きだと言ってくれるからに過ぎない。アキラがアタシを好きじゃなくなれば、アタシもそのまま気持ちは萎むんだろうね。アキラに言った。「毎日毎日、好きだと思い続けるには、気持ち的に無理があるよ。アタシは、アキラのことをそれほどまで好きじゃないから、意思表示してくんなきゃ、きっとしばらく逢わないうちに、気持ちフェードアウトしちゃうから。」アキラは、まめに連絡するから、意思表示も頑張るから、って言ってた。アキラは、遠距離恋愛にも不安は無いんだって。いつも頭の片隅に、Reiがいるから、大丈夫。そんなふうに言ってた。アタシは、毎日連絡くれなきゃいやなんだけど。(言えない・笑)結局、アキラに依存しているんだよね、アタシって。本当に愛しているとは言えないよね。今も、ユウを好きだった頃とは全然違う自分がいる。ユウを好きだった頃は、寝ても覚めても、ユウのことしか頭に無かった。今日みたいな休日は、なおさらそうだったな。アキラは何をしているのかな?とか そんなこと思わない日曜。ゆっくりいこう。
2006/02/19

アキラとの初めてのキスから、約1ヶ月。昨日、またアキラと逢うことになった。出張なんだけどね。そんなことでもないと、アキラと逢えることはまず無かった。アキラは支店勤務、アタシは本店。距離にして、80キロくらいあるんだよ。そうそう、逢える距離じゃない。駅で待ち合わせ、二人で、ホテルの最上階でランチを楽しむことにした。同僚として知り合ってからもうすぐ10年。その期間があまりにも長すぎて、今さら恋人に・・なんてのもなんだか気恥ずかしいもの。こんなふうに、普通に友達として、同僚として・・このままでいいよ、アタシ・・・。そんなふうに思いながら、楽しくおしゃべりをしていた。あっという間に、アキラとの楽しい時間が終わる。これから会議があるから、とアキラに別れを告げる。別れ際、用意していたチョコを、一日遅れで、アキラに手渡した。3時間半の会議も終り、アタシは雨の中、駅でぼんやり電車を待っていた。まだ仕事中のアキラにメールを入れる。「もうすぐ電車来るから、帰るね。今日はごちそうさま♪」そこへ電車が来た。 携帯をバッグにしまい、飛び乗ろうとすると、携帯が鳴る。アキラだった。「ちょっと待って、あと3分で行くから。」 そう言っていた。アキラは走っていた。声でわかった。慌てて電車から飛び降りた。こういうアキラだから、アタシは少しずつ好きになっていったのかもしれない。傘もささずに、アキラは白い息を吐きながら、走ってきた。「仕事は?」 と聞くと、「いてもたってもいられなかったから」 とアキラは答えてはにかむ。―少し帰る時間を遅らせよう―アキラと、駅の近くのビルディングに上がった。ビルの2階から、二人で雨の降る駅を、手をつないで眺めていた。幸せだった。家族のことや、仕事のことも何もかも忘れ、ただアキラと二人でいられるだけで、心がぽかぽかしていた。「来てくれて、ありがとう。 もしかしたら?って思ったけど、まさか本当に来てくれるとは思わなかったよ。」そう言った瞬間、アキラの腕がアタシの腰にまわり、やがてくちびるが重なった。また、しばらく逢えないけど、こんな感じで、これからもよろしく・・・アキラはそう言った。恋人として、付き合おうってことだよね? って聞くアタシ。「かな?」 とアキラ。そしてまた、くちびるが重なった。アキラのことを、本当に好きになっていく自分に気づく。アキラの優しさ、包み込むような優しさ。アキラにはじめて告白されたのがちょうど1年前。ユウと別れて、もう2年以上も経つんだもんね。少しずつ少しずつ、アタシの心はアキラへ・・・。ユウ、あなたを本当に忘れられそうな気がしてきました。ユウのときみたいな、激しい恋じゃないけれどね。名残りは尽きなかったけれど、アタシは・・電車に乗った。少しずつアキラが視界から遠ざかり、見えなくなった。また、しばらく逢えないな・・・。そこにアキラからメール。「Reiとは最後の恋。俺、本気だよ。」そう書いてあった。
2006/02/16

先週、久しぶりにアキラと逢った。紅葉を見に行って以来のこと。アキラとワタシは、遠距離住まい。「遠距離恋愛」とは、敢えて書かない。アキラは、もしかしたら付き合ってるって思ってるのかな?アタシは思ってないから。全然。アキラの支店に、出張で出向くことになったので、仕事が終り次第、アキラとお酒を飲みに行くことにしたの。小さなダイニングバーに入ると、二人で好きなお酒を選び、美味しいお料理を食べながら、家族の話や、趣味、仕事の話などで盛り上がった。その後も、夜の街を二人でふらつき、寒かったけど、繋いだ手が、少しだけ、寒さを和らげてくれた。日付も変わった頃に、そろそろアタシは帰ることに・・。アキラは、当然のように別れを惜しみながら、私を抱き締めてきた。困惑。アタシは受け入れられずにいる。だけど、背の高いアキラを上目遣いに覗くと、その柔らかい眼差しに、アタシを愛してるという、切ない気持ちが十分伝わってきた。アキラに身を任せていると、アキラは、アタシを何度も何度も抱きしめて、アタシの首筋に顔をうずめたり、髪の毛や体を撫ぜながら、とても名残惜しそうだった。「もういいよ、やめて、恥ずかしいし。」とアタシ。「うん、わかってる。もう少しだけ。」とアキラ。こんなふうに、男性に愛されることって、ユウと別れて以来、一度だって無かったな。しだいに高揚していくアタシの女としての部分。二人は、いつの間にか、口づけを交わしていた。甘くて、解けてしまいそうなキスだった。アキラはキスを止めようとしなかった。アキラの足の付け根に、異物を感じた。ダメだ。 アキラは・・・・・!アキラは、アタシの手をとり、歩き出した。その先に何が待ち受けているのか、わかった気がした。アタシは、てくてくとアキラについて歩いた。けれど・・・。しばらく歩いて、アタシは足を止めた。「やっぱり帰るわ・・私・・・。電車なくなると困るし・・・。」そのままアキラとは、別れた。アキラと交わした初めてのキス。凄く心地よい夜だったけれど。まだ、アタシの中で、アキラに対する気持ちは、宙に浮いたまま。アキラ、ごめんね。
2006/01/24
とは言え、アタシ、アキラのこと、別に「愛して」なんていないと思うのね。多分、「好き」なんて言われて、ちょっとときめいているだけなのね。それを言ってしまえば、カズのときも、マモルのときも、そして、ユウのときも・・・・・・最初は、なんだか久々に味わったみたいな「ときめき」から始まったように思います。長い間、誰かに「好き」とか言われたことなかったしね。アタシが恋愛なんてすること、夫がありながら有り得ないって思っていたし。アキラを見てたら、本当、ユウやカズと感じが似ているの。特に家庭に不満があるようにも思えない。アキラが言うには、「Reiと話すとすごく楽しくて、Reiと会えば、また明日から頑張ろうって気持ちになれるんだよ。」ふぅ~~ん。アタシ、別に、アキラが原動力にはならないね。寝ても覚めても、ユウのことしか考えてなかったあの頃のアタシとは違う。アキラは毎日アタシのことばかり考えてるらしいけど。アタシがそんなふうにアキラを想えるようになるには、きっともっと二人の時間が必要だろうな。アキラは言うの。「家庭は大事にしたい。Reiと家庭の間に、きちんと線を引いて、Reiと付き合っていきたい。」勝手よね(笑)。それに、アタシ、アキラの奥さんと、友達なんだよ。そう・・。アタシとアキラの奥さん、いえ、アタシの家族とアキラの家族は、家族ぐるみのお付き合いなんだよ、実は。お互い、バレたらどうすんのよ?アキラ、何も考えてないだろうな・・・そんなこと。この前は、アキラと二人で紅葉を見に行ってきた。ユウと二人で一度訪れたことのある素敵な場所へ。ユウと、確かこのベンチに腰掛けたよなーとか、この遊歩道を手を繋いで歩いたよなーとか、そんなことを思い出しながら、その場所に、今アキラといる自分が不思議だったよ。アキラじゃ、ユウの代わりは無理だろうね。アキラのアタシへの想いが強過ぎる。一方的過ぎるのよ。ベンチに座ってると、アキラは、アタシの腰に腕を回し、背後から抱き締めてくる。こんな感覚、なんて久しぶり。女としては、全然悪い気はしない。だからって、これが恋とは限らないよねー。手を繋いだ。ドキドキした。だからって・・・アキラを愛しているとは思えないのよね、まだ・・・。
2005/12/04
「ユウとの日々」というblogを書こうと思ったきっかけは、ユウとの思い出を、アタシ自身の中で、絶対に風化させたくなかったから。何か形にして、留めておきたかったからです。いえ、絶対に忘れることなど出来ないわけですけど、それでも時間の経過や、日々の雑多な出来事などで、記憶ってずいぶん曖昧になるものですよね。それで、少しblogを綴る時間を設けて、過去を回想してみようと思ったわけです。綴り始めると、それまで煙っていた記憶も、みるみるうちに、鮮明に蘇ってきました。今、読み返してみても、足りない部分はあるけれど、書いていることは全て事実を綴ってこれたと思います。その日の気分で一気に綴ったので、遡って最初から読んでくださる人には、読みづらい日記でしたでしょうね。メッセージを入れてくださっているたくさんの方には、本当に嬉しく思います。共感して欲しいとは思っていないのですけれど、共感してくださる人がこんなに多いのも、やはり婚外を選ばれている方の多さを物語っているのでしょうか。そして、やはり悩みが深いのも、男性より女性なのかもしれませんね。それにしても、この日記は、ユウが読めば、すぐにアタシたちのことだってバレるよ・・(^_^;でも、素直に綴ってきたつもりです。もう、同じ過ちは繰り返さないつもりでいたのにね、いえ、今もそのつもりなんですけど。今、アタシを好きだという男性がいます。彼は、カズと同じ、会社の別支社の男。年齢は一つ上。既婚。一児のパパ。カズと同期になるのかな(汗)。以前一緒に仕事をしていたことがあり、その頃から同僚としては仲が良かったのだけど、5年くらい前に彼が別支社へ転勤してしまってから、メールのやりとりが始まり・・・。ユウが、この彼からのメールに、よく怒ったりしてたけどね。そういえば、ユウとベッドにいる最中に、この彼から電話があったことも。ユウ、ものすごい血相変えて怒ってた(笑)。アタシの中ではただの同僚だったのに。でも、彼はそうじゃなかったみたい。ユウも、感じとってた?その彼に、好きだといわれたのが、今年の1月くらいだったかな。びっくりしちゃったけど、嬉しかった。それが女心というものかな。だけど、だからといって、彼のことを好きになることなんて、絶対無いって思ってたの。でも、彼の想いは、嘘じゃなかった。少しずつ、少しずつ・・彼のことを考える時間が、アタシの中で増えていく今日この頃。これって・・・恋の始まり?これからは、この彼のことについて、時々このblogを利用して、綴っていこうかなと思っています。彼の名前は、「アキラ」。よろしく(^_^)
2005/12/02

夫のことをこのblogに何度か書きました。不思議と、ユウと別れて以来、喧嘩はなくなりました。喧嘩をする時間も無いほど、お互いに忙しくなったという理由もありますが。夫にまとわりついていた女の影は、今のところ見当たりません。そんな暇もないでしょ。相変わらずセックスレスは続いています。これを克服することは、とても難しいと思います。克服には、レスする以上に、相当なお互いの歩み寄りと努力が要るでしょう。そんな余力は、アタシにはありません。夫も然り・・・かな。セックスが無くても、夫婦は成り立ちます。陸や海の父親、母親として、アタシたちは毎日頑張っています。あの子たちが居るから、アタシたちはまだこうして、「夫婦」という仮面をかぶっていられるのだと思います。だけど、ユウと付き合っていた頃に向けていた、夫への憎悪のようなものや、嫌悪感は一切ありません。もう、嫌いじゃありません。かと言って、彼に「男」を求めるつもりも、もう死ぬまでありません。アタシの中の女の部分は、もう消えてしまったのかな。でも、やっぱり、こんな人生、寂しいっちゃ寂しいですけどね。ユウ以上に愛せる人は、もう現れないと思うから。いや、それはわからないんだけど。
2005/11/30

ユウとの最後のメールでのやりとり・・・。結局それが、アタシたちが恋人同士として最後に交わしたメールで、別れへと繋がったメールなわけですが、お互いに、決定的な別れ話をしたということは、最後まで無かったわけです。その後、ユウからのコンタクトは無かったのか?って思う人もいらっしゃるかもしれません。実は、一度だけ「ユウかな?」って思ったことのある人から、ケータイにメールが届いたことがあります。アドレスは、アタシが知っていたユウのものとは違っていました。「今何してるの?」仕事中に舞い込んだメールは、そんなメールだったと記憶しています。「誰?」 と返信すると、そのメールの主は、ユウの名前を名乗りました。心臓がドキドキしました。そして、夕方になると、付き合っていた頃のユウがよくくれた、「Rei、お仕事お疲れさま♪」のメールが届きました。本物のユウなのか、それとも誰かの悪戯なのか・・・・。気味が悪くて、アタシはメールを受信できなく設定しました。もしかしたら、本当に、ユウからだったのかもしれません。だけど、「私、あなたのことを知りません。」とだけ返して、そのままやりとりをやめました。あの時、もしアタシが、そのメールに食いついていたら・・・・。それから数ヶ月後・・・、ユウのところに生まれたお子さんの写真と名前を見る機会がありました。女の子でした。名前を見たときに、この子の名前はユウがつけた名前じゃないと思いました。そういえばユウは言っていました。二人目の子どもの名前は、カミさんがつけるんだって。とっても可愛らしくて、アタシでは絶対につけられないような、愛情たっぷりのお名前でした。その子も、もうすぐ2歳になるはずです。アタシたちが別れるきっかけとなった子です。絶対に、幸せになってもらいたいな。心から、そう思っています。
2005/11/25

ユウと別れて丸2年が過ぎました。このblogを始めて、ユウとの出逢いから別れまでを一気に綴り終え、その途端に、ユウのことをまったく思い出さなくなり、更新が途絶えました。別れてからの2年間、あまりにもユウとの間に思い出があり過ぎて、最初の一年は、ユウの居ない季節を、泣きながら、噛み締めながら暮らしていました。ユウの居た跡が、アタシの周りにはたくさん残っていました。誕生日に貰った指輪。ユウとおそろいの黄色いテディベアのキーホルダー。アタシが欲しいって言ったら買ってくれたんだよね。ユウの分とアタシの分と二つ。クマのキーホルダーなんて持ってたら、奥さんに怪しまれるよ?って言ったら、ユウは笑いながら、自分の車のキーにつけてたよね。ユウは、アタシたちが知り合う前の、お互いの昔の写真を交換しようって言ったよね。ユウからもらった写真。オフィスのデスクの中に何枚も入ってるよ。高校生の頃のユウのあどけない写真。娘さんと一緒に写っている写真。仕事中の白衣を着た写真。今でもあるよ。 見ないようにしてるけどね。アタシのも持ってるよね? まだ持ってくれているの?学生時代の写真。独身の頃の友人と旅行したときの写真。一番新しいので、ユウと付き合い始めた頃の、海がおなかにいる頃のマタニティ姿の写真。写真をほしいと言ってもらえて、凄くうれしかったよ。バレンタインには、ユウに生チョコを作ったよね。ユウは美味しい美味しいって言って、食べてくれたよね。ユウから貰った、ユウのおさがりのTシャツもあるよ。もう、さすがに別れてからは着られなくなった。でも、付き合っている頃は、パジャマ代わりに着て寝てたよ、アタシ。ユウの会社の近くまで行ったときに、ユウは仕事着のままで出てきてくれたよね。そのとき、胸のポケットに入っていた、仕事用の定規とボールペン。アタシ、強引に貰っちゃったよね。今でも使っているよ。ユウが使っているコロンを小分けしてもらったの憶えてる?ユウのコロンを、アタシはいつも愛車に乗せて、助手席に振りまいていたよね。もうあのアドマイザーは空っぽになっちゃってる。その頃乗ってた車はもう無いし。ユウのあの香り、大好きだったよ。柑橘系の、とってもいい香り。ユウ、タバコの量、少しは減ったの?一日にこれだけしか吸っちゃダメだよって渡したシガレットケース。今もちゃんと使ってる?体、大事にしないとダメだよ。いつだったか、ユウの誕生日に贈ったPUMAのスニーカー。もう履きつぶしちゃったかな?今でもウォーキングしてますか?太ってない? 細身のユウがかっこいいよ。ユウ、今でもあの車、乗っているの?アタシの座っていたシートは、まだあるのかな。アタシがあげた、ムスカリの球根。たくさん増えてるでしょう?春がくるたび、アタシを思い出してね。銀木犀の木や、南天の木も、あげたよね。大きくなった?あ、ラズベリーの木もあげたっけ? もうだいぶ実が生りだしたかな?マイホームのお庭造り、だいぶすすんだ? 会社で凄く仲の悪かったあの人と、今は上手くいってるの?今も一緒に仕事しているの?ゴルフやってる? 上手くなってるんだろうね。釣りは行ってる? 一緒にイカを釣りに行ったときのこと、よく憶えているよ。楽しかったよね。一緒に並んだ、行列のできるラーメン屋さん。美味しかったね。 でも、もうあの店、閉めちゃってるよ(笑)。いっぱいいっぱい。思い出があり過ぎるの。嫌なことは、不思議と思い出さないみたい。ユウとの思い出は、今はとってもいい思い出。でも、なんだか、こうして綴ると、もうこれで、おしまい。永遠に、胸にしまいこむことができそうな気がします。今、Reiは、自分の趣味や生きがいを見つけて、毎日頑張っています。陸や海の子育ても大変だけど、楽しくやってるよ。ユウのおかげだよ。ユウがいたから・・・いてくれたから、今、こうして明るい前向きの自分がいるのだと思うの。ユウと出逢わなければ、アタシはまだ、あちこちを彷徨っていたかもしれない。今の自分を、大切に生きていきたいと思っています。ユウとの本当のサヨナラです。ユウ、もう貴方のことは振り返りません。本当に、ありがとう。そして、いつまでもお元気で・・・・・・・。
2005/11/22

「ユウからメールが来るかもしれない!」メルアドを変えたので、そんなことを考えることもしなくてよかった。ユウが今、何をしているかというようなことも、考えはしても、知ることが無意味になった。彼が、毎日何時に起きて、この時間には出勤して、会社に何時に着いて、昼食は何時、そして、退社時間が何時。夕飯が何時頃で、寝る時間は大体いつもこんな感じ。そういう彼のタイムテーブルが、アタシに染み付いてしまっていたけれど、それももう、気にする必要がなくなった。ケータイを常に肌身離さず持つ必要も無くなった。持ちたくも無かった。あの忌まわしい最後のメールがまだ残っているからだった。ユウと一緒に写した写真も、ケータイの中にはたくさん残っていた。もう、見るのが怖かった。削除するにも、もう一度見なければならない。だから、それすらも出来なかった。目にするのが怖かった。ユウと別れて、時間が、嘘のように出来た。陸や海と遊ぶ時間が楽しかった。今までアタシは一体この子たちを置いて、何をしていたのだろう。こんな可愛い子どもたちを置いて・・・。いや、それよりも不思議だったのが、子育てをしていると、忙しい。こんなにも忙しいのに、アタシは一体、どう時間を工面して、これまでユウと逢っていたのかということ。そんな時間は、ユウと別れてからは見出すことが出来ないくらい忙しかった。きっと、アタシが子どもを置き去りにしてユウと逢っている間、ずっと夫が、海のオムツを替え、陸や海に食事を与え、遊んでやり、アタシの帰りを待っていたのだろう。夫に対する申し訳なさもひしひしと感じた。だけど・・だけど・・・・アタシは、ユウをまだ、愛していた。苦しい。ユウ・・・。だけど、戻れないことも解っていた。少しずつ、少しずつ、思い出に変えていくしかない。それがアタシに与えられた試練だった。
2005/10/31

最後に逢ったその日、どんなふうに家まで辿り着いたのか、まったく記憶に無い。そのときのセックスが、アタシとユウの交わした最後のセックスだった。逢ったのも、記憶違いでなければ、たぶん最後。心がユウを閉ざしていても、逢って、また体で結びつけば、何かが変わると思っていたのに。ユウも、アタシがこうまで自分を拒否することに、ショックを受けたに違いない。それからまた、しばらく、二人の関係はぎくしゃくが続いた。ユウの態度次第では、まだ、アタシには考える余地があったかもしれない。だけど、ユウは、それ以上アタシが納得するような言い訳もしなければ、アタシが満足するような言葉も、態度も、表すことは無かった。どうすることも出来なかったのだろう。アタシも、どうして欲しいということも無かったし。言い訳ももう聞きたくなかったし。アタシに残された道は、ただ耐えること。耐えて、ユウに向き合うこと。それしかなかった。だけど、アタシの閉ざした心は、開くことは無かった。最後に交わしたメールのやりとりを、今もはっきり覚えている。それは、最後に逢った日から、約1ヶ月後のことだった。お互い仕事も休みの、ユウが家族と過ごす休日。全然メールが来ないから、「ユウ、今何してんの?」とメールを送った。ユウからの返事は、「掃除してる。」これだけだった。こんなユウではなかった。そんなメールしか送れない状況にあったのかどうか、定かではなかったけれど、責めて、アタシが今どうしているかの問いかけだとか、今日は何をする予定だとか、いろんなやりとりが欲しかったのに。ただ、それだけの返事しか来なかった。いつもなら、朝起きたら、一番にくれるおはようメール。トイレからでも何処からでも、いつもアタシにメールをくれていたユウ。そんなユウの素っ気無い態度に、アタシは、勢いで、「ユウ、もういいよ、サヨナラ。」と打った。ユウからは、「Rei、怒ってるの?」たったこれだけだった。これが、アタシたちの最後に交わしたメール。これ以上のメールのやり取りは、以後一切あり得なかった。すぐに、アタシはメルアドを変えたからだった。電話も、ユウからの着信が入らないように設定した。これ以上、ユウとやりとりを続けていても、アタシには何もいい事が無い。2年間、明けても暮れても、ユウを愛して、そしてユウもアタシを愛してくれて、貴重な時間を二人だけのために、一体どれだけ割いてきたことか。意味が無かった付き合いではなかったはずなのに。それが、最後はたったこれだけのメールでの、サヨナラだった。元々ユウと知り合ったのもメール。だから終りもメール。二人にふさわしい終わり方?アタシたちって、そんなに脆くて、簡単な関係だったの?そんな関係は、今の世の中、珍しくもないのかもしれない。ユウも、どこかで終りを感じとっていたのかもしれない。こうして、やっと、アタシは、どうしようもない不倫地獄から抜け出すことが出来た。そんな気がした。もっとも、ユウにしてみれば、アタシとの関係は、地獄でも何でもなかったかもしれない。ただのお遊びだった?違うって言うかもしれないね。アタシも、ユウと結婚したかったわけじゃない。元々、ゴールなんて最初から無かった付き合いだった。仕方なかったのかもしれない。この先、どれだけ苦しい時間がアタシを待ち受けているのか、このときのアタシには知る由も無かった。ただただ、アタシは、ユウからの解放感で満ち足りていた。
2005/10/31

おそらく、お互いの関係がぎくしゃくしていたと感じていたのは、アタシだけだっただろうと思う。ユウ自身は、何にも自分が変わったつもりは無かったのだと思う。アタシがユウの元に戻ることに決めた途端のユウの安堵の表情。そして、それまでには一切語らなかった家族の話や、ユウの胸のうちも多く語るようになってくれたことも事実。よほど話したくていられなかったのだと思う。奥さんが妊娠していることをアタシに告げることができ、そのことをアタシが受け入れてくれたことによって、ユウ自身、もう何も隠すことは無くなった・・・・ということなのかもしれない。ユウと久しぶりにゆっくり逢う日が来た。いつものとおり、ホテルデートだったのだけど、朝からゆっくり逢えたので、久々にいろんな話をした。例の不審なメールは、あれからもどんどんエスカレートしていったらしく、ユウも耐え兼ねて、ようやくメールが入らないように設定したとのこと。かえって相手を挑発しかねないのだけれど、何かあったらタダではおかないと思っていること。特に、愛娘や、奥さんに何かあったら、絶対に許さないということ。そんな話を、ユウは興奮しながら話していた。解るんだよ。その気持ちは解る。だけど、そんな話を聞かされながら、どことなくユウの心が遠くにあることを感じていた。アタシを抱き寄せるユウの腕。今までとどこか変わったか? と言われれば同じだったけれど、アタシには違って思えた。キスの仕方も同じ。ベッドに連れていこうとする仕草も、セックスの初めから終わりも、終わった後のタバコも、アタシの知っているこれまでどおりのユウだった。だけど、何かが違う。アタシは、気分が悪くなって、慌ててシャワーを浴びに行った。もう、金輪際アタシに触れないでとも思った。突然のことで、ユウはびっくりしていた様子だった。シャワーを終え、でてきたアタシ。それでも、バスローブをひっかけたまま、もう一度アタシがベッドに入ってくると思っていたのかもしれない。アタシは、なぜだか解らないけれど、一目散に、ブラウスを着ていた。ユウは慌てて、ブラウスのボタンを留めるアタシの腕を強く掴んだ。愛しいユウ。だけどアタシはその手を振り払った。ごめん。ごめん、ユウ。アタシはもう、ユウのことを、受け入れられない。気持ちだけじゃなく、体までが、受け入れられなくなっちゃってたよ。知らず知らずのうちに、アタシの体が、そんなふうに変わってしまっていたのだった。自分自身でも考えられないことだった。こんなに愛しているのに、ユウとはもう終わりだと、思った。
2005/10/29

ユウを愛しているという気持ちに、嘘は無かった。ユウの奥さんが妊娠しているという事実を知る前も、知った後も、アタシはやっぱりユウを好きだった。何度となく嘘をつかれたり、騙されたりしたことや、アタシたちが付き合っていく上で起こる弊害、そういう事を積み重ねてきても、やっぱり、アタシにはユウが必要であったし、きっとユウもアタシが必要なんだ・・・と自分に言い聞かせた。嫌だったこと全てを、胸の内にしまい込んで、またユウとやり直すことを決めたアタシ。だけど、夏の初め頃から少しずつ変化していった、ユウの微妙な変化・・・それは、アタシがユウの元へ戻った以後に、最も顕著にあらわれてきた。ユウは、アタシと元に戻ったことに安堵したかのように、あまり連絡をくれなくなった。いや、連絡をくれてはいたのだと思う。だけど、アタシが満足するような、一日に何十通ものメールは無かった・・。イライラが募った。アタシの中のわだかまりも、表情に出さずにいるのが辛かった。ユウを許そうと思う気持ちとは裏腹に、やはり、アタシはまだ根に持っている。許せていない。いや、現状を受け入れられていない。現実、彼の奥さんのおなかの中には、ユウの子が宿っているのだった。嫉妬。これから訪れる、ユウの奥さんの出産。そのときの、ユウの喜ぶ顔。そんなユウを、アタシはこれからも平常心で見つめていられるのだろうか。とても自信が無かった。ユウは、アタシが海を生んだときも、ずっと見守っていてくれたのにね。なんて勝手な話だろう。そんなふうに、ぎくしゃくした関係は続いていた。久々に、ゆっくりとユウと逢える日がきた。逢えば少しは気持ちが変わるかもしれない!
2005/10/28

本当は、ユウとはもうダメだと思っていた。終りにするしかないと思っていた。だけど、ようやくわかった。アタシの帰る場所はひとつしかない。戻れる場所は、ユウの元。ユウの胸の中に、今すぐ飛び込みたい・・・・。うちから、ユウの住む町まで一体何キロあるんだろう。とにかく走った。実は、この夜まで、何日もユウからの連絡を遮っていた。ユウを受け入れられそうになかったので、ユウからの電話もメールも、ずっと拒否していたのだった。車を走らせながら、拒否設定を解除した。そして、ユウのケータイに、着信を入れる。ワンコールで切る。ユウ、お願い。アタシに気づいて。今、そっちに向かっているよ。気づいて。もう、拒否したりしないから。ユウはこんな遠い道のりを、いつもいつも逢いに来てくれてたんだね。帰りだって、いつも送ってくれたよね。ユウ、早く逢いたい。車をどんどん走らせていると、着信に気づいたユウから電話があった。その声に、涙があふれ出た。夫じゃなく、電話をくれたのはユウだった。ユウ!今、そばまで向かっていることをユウに告げた。ユウも今すぐ出てきてくれると言ってくれた。ユウ!そして、指示された場所でユウを待った。ユウがやって来た。いつから逢ってなかっただろう。アタシ、痩せたでしょ?ユウも・・・少し痩せた?ユウ、ごめんね。ユウ、ごめんね。 全部アタシが悪いの。ユウの胸の中に飛び込んで、ただもう、アタシは泣きじゃくるだけだった。ユウは黙ってアタシを抱きしめてくれた。もう一回。もう一回やり直しましょう。アタシ、頑張るから。「どんな困難があったとしても、俺たちはこれからなんだよ。ゆっくりゆっくりいこうって、俺いつも言ってたろ?俺は、少しも余所見していない。Reiのことだけしか愛してないよ。」その夜のキスは、終りがないのかと思うくらい長かった。
2005/10/28

久々の更新です。更新が途切れがちになるのには、理由があります。ほとんど断片的にしか記憶していないのです。それくらい、ユウの告白がアタシの全てを狂わせた・・と言っても過言ではないのです。妻帯者と恋愛をしている女性は、どこまで割り切ってお付き合いをされていますか?元々、アタシは不倫体質じゃない。人のものは、人のもの。自分のものは、自分のもの。はっきりしていないと嫌いな性質。ユウは、アタシだけのものだと思っていました。もちろん、ユウが奥さんとセックスをしていたなんて、夢にも思っていませんでした。だって、アタシ自身が、ユウだけのものだったから。夫とは、一度も寝たことがない。そういう女なんです。でも、ユウは、アタシとの関係もうまく持続させながら、家庭も上手く築いていこうとやっていたなんて。当たり前のことなんだよね。それがアタシにはわからなかった。そして、ユウが、その事実を半年もアタシに隠していたことは、何より、アタシが悪かったに違いないのです。アタシがユウにそうさせたに違いないのです。言えなかったのよね、ユウ・・・。ごめんね。やり直そう、ユウ。アタシは、ユウがいなきゃ、とても生きられない。だからお願い、ユウ。アタシだけを見て。アタシだけを・・・・・・。そんなふうにアタシは、ユウの元へと戻る決心をし、ある夜、夫や子どもを残して、ユウの住む町へと、車を走らせました。
2005/10/28
ある夜のこと。何気に夫のケータイを覗いたら、メールボックスの一番上に1件、夫の会社の後輩の男の子の名前からメールが入っていた。アタシも知ってる子だった。「高田」という男の子。中を覗いてみた。「○○(夫の名前)、今日は美味しかったねーっ。ごちそうさま。また行こうね♪」コイツ誰?女?しかも、そのメールアドレスを見て、度肝を抜かれた。その主のメールアドレスには、夫の誕生日の数字が刻まれていたのだった。女の直感で、これは夫の女に違いないと思った。慌ててケータイのメールボックスを隅々まで眺めた。夫のケータイには、「ごみ箱」があった。そこには、「高田」というヤツのメールがぎっしりと詰まっていた。男の名前で登録するなんて確信犯だわ・・・・。メールの内容を全て読みつくし、相手が誰だか理解した。海が生まれてすぐに、夫が買い換えた車のディーラーの営業の女だった。二十歳そこそこの、独身、顔は可愛いけど、ちょっと太った、やけに色気のある女だった。夫には、黙っていようとも思ったけれど、もちろんアタシの性格じゃ、黙っていようにも居られなかった。その夜、子どもたちが寝静まった時間に、夫へ問いただした。夫は、眠いからと言って話しをしようとしない。それでも問い詰めると、「彼女もうすぐ結婚するからお祝いにと思って食事に誘ったんだよ。」と、ふてぶてしい態度。嘘だと思った。翌日の夜、また夫に言ってみた。「彼女に、結婚するんですってねってお祝いのお電話をしておいたわ。そんな予定はありませんけど? って言われたわよ。どういうこと?」これはもちろん作り話だった。夫はそれを聞いて、「あれ? 彼女確かに結婚するって言ってたのになぁ。」バカかコイツは・・・・・。そのまま、白を切り通す夫に、アタシももう、責めるのをやめた。ただただ、虚しかった。ユウもカズも・・・そして夫も・・・・・。救われるのは、ユウだけが、まだアタシを必要としてくれているということだけだった。
2005/10/17

アタシがみるみるうちに痩せ細って目の下が窪んでいく間も、ユウからはずっとメールが入っていた。アタシを必要としているという内容のメールばかりが続いていた。ひたすら冷たいメールでしか返信できなかったアタシだったけど、本当は、アタシ自身、ユウのいない生活などに耐えられる筈も無かった。ユウはアタシを必要としているのだし アタシもユウが必要。それが答えだと思った。アタシが我慢しさえすれば、ユウとは仲良く付き合っていけるのだ。ユウとの付き合いが、また以前のように戻り始めた矢先のことだった。カズから、会社のPCにメールが入った。以前、海が生まれるずっと前にメールを貰ったきり、音信も無く、当然別れて以来、一度も会ったことないカズからのメール。「久しぶりだね。元気にしてるかい?お子さんは無事生まれたのかい? もう仕事には復帰してるのかな?俺んとこだけど、1月に二人目が生まれることになったよ。今日はその報告。キミのほうも、育児大変だとは思うけど、頑張るんだぞ。」・・・・・・・・・・。何ですって?ユウのところも予定日は1月。その上、カズのところにまで子どもが出来るってワケ?今なら冷静に、夫婦の間なんだもの、ユウにしろ、カズにしろ、子どもが生まれることはごく当たり前で自然なことだと理解できる。だけど、この頃のアタシには、そんな心の余裕は無かった。カズには、それでも、「おめでとう。幸せにやってるみたいで安心したわ。カズ、もし女の子が生まれたら、めろめろになっちゃうだろうね。無事生まれたら、教えてね。こっちは、二人目も男の子だったよ。名前は海っていうの・・・・・・」そんなふうに、メールを返した。そのメールに、カズからの返信は無かったし、結局、その後も、赤ちゃんが生まれたという報告のメールも無かった。アタシとの本当の意味での終わりを告げるメールのようなものだったのだろうか。アタシは、カズのそのメールで、また気がおかしくなった。ユウに当り散らした。「ユウだけじゃなく、カズにまで子どもができるんだって。アタシって、なんか呪われてる?」ユウは、カズの存在を知っていた。元々、出逢い系サイトに登録したのも、すべてカズの存在が根底にあったからだということを、付き合い始めた頃に話してあったからだった。ユウは激怒した。まだそんな男と連絡を取り合っているのかという意味での激怒だった。「あなたにそんなことを言われる筋合いは無いわよ。」平常心でいられるはずも無かった。どんなに我慢しようとしても、結局、ユウの裏切りという根本的な解決しない部分へと気持ちがいってしまい、到底許せる気持ちを持てなくなっていた。
2005/10/16

心療内科? って思うかな?いわゆる 精神科のようなところ・・・マキの姉さんが通っていたところだった。マキの姉さんも、10年も付き合ってた彼と結婚できなくて、確か、ヤバくなってたときがあったのよね。病院では、まず、初診の患者には、簡単な問診表を求められた。その後、診察室に通され、まるで神様のような優しい顔をした40代の男性ドクターが、アタシの話を、うなずきながら聞いてくださった。人に聞いてもらったからどうなるってもんでもないのにね。でも、真摯に話を聞いてくださって、それだけで救われる思いだった。「欺かれた・・」という言い方は、語弊があったように思う。ユウは、アタシを欺くつもりはなかったんだと思うのね。ドクターもそうおっしゃってた。ユウは、病気のこともそうだけど、言えなかったんだよね。アタシを失うのが怖くて言えなかったんだ。許そう。ユウを許して、そして・・・・さぁ、許してしまってどうする??? どうするの? Rei・・・・
2005/10/14
ユウに聞きたいことが山のようにあるはずなのに、アタシの頭の中は、何がなんだかわからなくなって、そのまま、その日からどう過ごしたのか、今となっては断片的な記憶しかない。ただ、そんなメールの後も、何通かメールのやりとりがあった。アタシは冷静に、ユウの子だということを確認をした。そして、奥さんの、出産の予定日を聞いた。ユウの言い訳じみた言葉も嫌ってほど聞いた。だからどうしろとアタシに言うの?どうして謝るの?おめでとうだなんて、これっぽっちも思っていないよ。予定日は、もうすぐそこに迫っているというのに。いつからアタシを騙していたの・・・・・・・・・・・?必死で逆算をした。そして、いつ頃の子かを突き止めた。アタシの生理が遅れていて、子どもができたかもしれないと騒いでいた頃の子だった。春頃の子だった。アタシに子どもが出来たら、そりゃまずかった筈だわ。梅雨頃、ユウが、子どもは一人っ子じゃ可哀想だとよく言っていたもんな。子作りするなら、別れようね、ってよく話してたっけ。そのときには、もう奥さんのおなかには、赤ちゃんがいたんだ。そういえば、夏の初め頃から、少しだけメールが減った。そして秋になった。ユウに告白された、あまりにも突然すぎる奥さんの妊娠。すべて、つじつまが合うことだった。じゃあ、あの変なメールの内容はどういうことなの?ユウにしかわからないことだった。もう、どうでもよかった。ユウの奥さんは、ユウの子を妊娠している。少なくとも、それは事実だった。アタシが離婚を迫ったとき、ものすごく嫌な顔をしたのも、こういうことだったのね。その間、約半年。アタシはずっと欺かれていた。何度目?ユウの持病のことも、ずっと隠し通されていたし。絶望しかなかった。病気のことぐらい、何でもなかった。こんなショックなことは、後にも先にも、これが最後だろうと思った。何かしらわからないけれど、こういう事態は、アタシが最も恐れていたことだった。悪い夢を見ているようだった。夢なら醒めて・・・・・・・・・。ユウからは、言い訳のメールがどんどんと入った。開き直って、アタシを説得する内容のメールだった。読んだのだけれど、ほとんど記憶にない。あれから2年たった今、その当時使っていたケータイは、機種を変えたときに貰ってきたけれど、ロックをしたまま、読み返したこともない。未だに、読み返す勇気がない。ユウからのメールに対して、アタシはどんどん怒りがこみ上げてくるのを感じた。嘘で塗り固められた優しい言葉は、もうアタシからは出なかった。激しく狂ったようなメールしか返せなくなった。怒りと絶望しかなかった。欺かれていた半年間、楽しいこともたくさんあった。一体、その半年間に、アタシはユウと何回セックスしたんだろう。考えただけで吐き気がした。別の女と、同じ男を共有していたの?どんなやりとりをしたのか憶えていない。その日から、アタシはどんどん痩せていった。ユウからの告白があり、3日間くらい、嘔吐が続いていた。食べ物を一切受け付けなくなっていた。頬がこけ、ふらふらとしていて、今にも消え入りそうな自分。もう、死んでもいいかなって・・・・思った。あまりにも無残で、見かねたアタシに、心療内科を勧めたのは、親友マキだった。アタシは、マキに付き添われ、小さな心療内科を訪れた。
2005/10/14

ユウと、また連絡が途絶えた。ユウ・・・・。どうしちゃったの?何かあったのだろうか。心配しながらも、普段と変わらないメールを送り続けた。ユウからの返事は無かった。次にユウから連絡があったのは、いつ頃だっただろう。ユウからのメールを見たアタシは、固まった。「カミさんは、妊娠しています。ごめん、Rei・・・・・。」たった、これだけ。意味がわからなかった。何のこと? 頭が真っ白になった。あまりにも突然で、涙も出なかった。「おめでとう。」アタシの指は、そういう文字を返信していた。
2005/10/14

これ以上綴るのがキツイです・・・・。これから先のBlogは、あまりにも記憶が曖昧で、アタシが壊れていくだけの日記になりそうです。時間をかけて、ゆっくり回想していきたいと思っています。いつも読んでくださっている方、メッセを入れてくださる方、ありがとう。もう少し更新を待ってください。 Rei
2005/10/08

あれから何日が経っただろう。ある日、ユウから一通のメールが入った。「Rei、俺にはReiが必要です。」アタシから去ったはずのユウからのメールは、アタシともう一度やり直したいという内容のメールだった。涙が流れた。アタシとユウの付き合いは、また以前のように戻った。でも、ユウへの嫌がらせのメールは、まだ続いているようだった。アタシの身辺に変化は無かったので、これは明らかに、ユウへの嫌がらせ、それも奥さんの近くに居る人からの嫌がらせのようにとれた。アタシにも、時々そのメールを転送してくれたりしてたけど、それも次第に無くなった。Reiに見せられるものではないと言い出した。夫婦間のことだもんね。アタシも、正直あまり見たいとは思わなかった。それよりも、アタシが今までのように、ユウのそばに居てもいいものなのか、そこだけが不安だった。ユウは、やはりメールに怯える日々を送っていた。相手のわからない誰かからの嫌がらせメールを、なぜユウは受信し続けたのだろう。どうして、拒否しないの?ケータイちょっといじれば、出来るじゃない。ユウは、その誰かからのメールの内容を、確かめたかっただけなのかもしれない。だけど、再びユウからメールがこなくなるまでに、そう時間はかからなかったように思う。「どうしちゃったの?ユウ・・・・。」
2005/10/06

奇妙なメールの一件があり、ユウは別人に変わってしまった。あんなに優しかったユウが、アタシに牙を剥いていた。ユウからの連絡は無くなった。音信が途絶えたのは、どれくらいの期間だっただろう。一週間? 一ヶ月?? 記憶していない。途方も無く長く感じた。ユウは、一日に20通もメールをくれる人だったし、それと同じくらいは返信していたアタシだったから、ユウの居ない生活は、耐え難いものがあった。逢えない日、アタシたちは、いつもメールで繋がっていた。そのメールが途絶えたことで、ユウとアタシの間には、何の接点もなくなった。ユウは、アタシに構うことより、自分に忍び寄る、ワケのわからない者の影に怯え、苦しんでいたのだろうと思う。ユウのことが心配だったけれど、何より、近寄りがたいものを感じていた。どうしてアタシに牙を剥くの???ユウの心は、奥さんの方に向いてしまったに違いなかった。こんなままで別れるのも、仕方ないかなと思っていた。誰かに見張られているかもしれない不安が、これ以上ユウと付き合っていくことを躊躇させたし、このまま終りにしたほうが、アタシたちの関係も、静かに幕を閉じる気がした。アタシと連絡を絶っていた間、ユウはどんな想いで過ごしていたのだろうか。奥さんと、話し合ったのかな・・・・。アタシのほうはと言うと、特別に変わったこともなかった。一時は、もしかしてうちの夫の仕業??? なんて疑ってみたりしたけれど、やはり夫は、どう考えてもそこまでするような男ではなかった。夫とアタシと、陸と海と・・・4人の平凡な生活が始まっていた。ユウの居ない間に、家族で京都を旅行した。海を連れて旅行をするのは初めてだった。愛しい海。1歳半だった。可愛い盛りだった。そして、なんといっても、物心ついてきた陸。この二人を傷つけないためにも、終りにしてよかったんだ。そう、自分に言い聞かせていた。だけど、こんな終わり方は不本意だった。ユウを怒らせたまま、終わるなんて嫌だった。何より、まだユウを好きだった。ユウ、お願い。アタシを見て。アタシのことを見て。もう一度、やり直そうよ。叫べるものなら、叫びたかった。けれど、ユウの心がアタシに無いのであれば、後を追うつもりもなかった。それくらい、アタシは疲れきっていた。
2005/10/06

ユウのケータイに奇妙なメールが入りだしたのは、8月のお盆を過ぎた頃の話だったと思う。ユウの話しでは、送ってきた人物は誰だかわからないのだけれど、ユウやユウの家族のことを知っている人物からのメールだとのことだった。そして、内容。「お前の奥さんには男がいる。」みたいな内容から始まっていたらしい。悪戯だよ・・って、ユウをなだめたんだけど、そんな内容のメールが、以来、度々ユウのケータイに入りだしたのだそうだ。ほとんどが、ユウの奥さんの男関係の、中傷内容だったらしい。そして、その内容は、次第に、ユウのことにまで及んできたらしい。アタシのことまで書いてあったそうなのだ。ココまできたら、アタシも関係無くは無かった。考えられるのは、うちの夫???夫がまさか探偵でも雇ったか?そんなことするか?いや・・・・うちの夫は、アタシとユウとの付き合いに気づいていない。気づかれていない。夫はアタシに対しては、普通だった。じゃあ、一体誰?????見えない何者かに見張られているようで、怖くてたまらなかった。何より傷ついていたのは、ユウ自身だった。余程ショックだったのだろう。ユウの奥さんが、浮気をしているなんて・・・・。アタシは、ユウの奥さんを見たことは無かった。一度だけ「ユウの奥さん見たよ」って嘘をついたことがある。「キレイな人だね。」って言ったら、ユウは否定しなかったことがある。きっと、美人だったに違いない。口では、ユウは、「うちのカミさん、男いるよ。」なんてよく言ってたけど、実際、そういうことを誰かしらに言われたら、ユウは相当ショックだったに違いない。ショックだったに違いないのだけれど、ユウは、明らかに変貌していった。その怒りの矛先を、アタシに向けてきたのだった。それは、アタシが、そのメールのことや、最近ユウがちょっと変わったってことを、親友のマキに相談しているメールを、間違えてユウに送信してしまったことからだった。ユウは火がついたように怒った。でも、以前から、マキに、ユウのことを相談していることは、ユウも知っていた。間違いメールのことは、謝った。だけど、ユウは、メールの内容をマキに喋ったことを激しく怒った。こんな恥話をよくも他人に!!!って、ユウは怒った。あんなに怒ったユウは、初めてだった。そういうユウを見て、そのショックがどれほどのものかを想像できた。それだけでも、もう無理だと思った。ユウは、別人に変わった。怖かった。アタシたちには珍しく、何日も、ユウから連絡が途絶えた。8月の終りのことだったように思う。このままアタシたちは、終わってしまうんだろうなって理解した。ユウの、奥さんへの愛情の深さも判ったし、アタシは、もうこれ以上いいと思っていた。ユウ、ごめんなさい。ユウの悲しみを、解ってあげられなかったことをごめんなさい。マキに話したことも、悪気は無かったんだよ。アタシがマキに伝えたかったのは、ユウとうまくいっていないってことだけだったんだよ。そんなふうに説明しても、全然聞く耳を持たなかった。ユウは、アタシがユウとの付き合いで悩んでいることなど、どうでもよくなっていたのだろう。
2005/10/05

ユウと二人っきりの世界にいけたら、どんなに幸せだっただろう。ユウは言ったよね?もし俺たちが独身同士だったら、俺、絶対にReiと結婚してたよ、って…。所詮、叶わぬ夢です、ユウとの結婚なんて…。でも、不思議です。ユウに離婚を迫ったのは、ユウの出方を見たかったからだったけど、内心、本当に離婚してくれたらな…って思ったのも事実。だけど、ユウが離婚したとしても、アタシが夫と離婚したかどうかは判らない。しなかったかもしれないな。なんて無責任なアタシ(笑)。でもね、アタシ、本当に、嫌だったの。ユウが毎晩、奥さんと寝ていることが嫌だったの。彼女の作った料理を食べていることが嫌だったの。ましてね、奥さんと・・・・・・・・・・。ましてね、奥さんと・・・・・・・・・・・・。嫌だった。本当に。奥さんとユウが同じベッドに寝ていることが。そこを我慢できるほど、アタシは我慢強くなかった。かと言って、ユウと結婚したかったか? って聞かれると、その答えが「YES」ではないのもまた事実。ユウと家族になることは、望んでいなかった。ただ、ユウを愛していただけだった。家族になったら、きっと、夫とアタシの関係みたいになっちゃうだろうし、ユウのことだから、絶対に浮気する(笑)。それは嫌だったからね。というか、結婚を考えたことなんて一度も無いよ。それからも、相変わらず、ユウとの付き合いは続いていた。でも、ユウからのメールは、気のせいではなく、やはり減っていた。特別、ユウのアタシへの感情が変わった様子は無かったけれど、どことなく、やはり、以前とは違っていた。もう、やりきれない。ユウとはこれ以上無理だ。そんなことを、思わない日は無かった。親友のマキにも、そんな泣き言をよく相談していた。マキも、あまり彼と上手くいっていなかったので、二人で笑いながら、慰めあったりしてた。あるとき、ユウのケータイに、奇妙なメールが入り始めた。
2005/10/05

ユウと付き合っていた2年間の間に、アタシからユウに、別れ話を切り出したことは、一体何度あったことだろう。自分でも憶えていないくらい、何度もあった。大抵が、アタシが壊れていたときだった。不倫とは、そういうものだと思う。図太くなければ、心を無にしなければ、持続できない関係だと思う。元々アタシって、不倫体質ではない。かと言って、"恋愛体質" じゃないわけでもない。結婚するまでは、いろんな恋愛をしてきたし、そのたびに、一生懸命に相手を愛し、そしてその相手が、他人のものだったなんてことは、一度も無かった。だけど、結婚してしまうと、恋って・・できなくなっちゃうよね。旦那さんがいるじゃない、って、思うかな?結婚と同時に、夫とのそんな関係は無くなったよ。夫は、いつしか、子どもたちのお父さんでしかなくなった。家族だった。家族と恋は…できないよ。だけど、結婚していながら、恋をするなんてこと、恋をしたいだなんて思うこと、それも一度も無かった。カズと出逢わなければ、アタシは、フツーの主婦だった。そして、ユウと出逢うこともなかっただろう。ユウと出逢ったことは、偶然のようにも思えたけれど、カズと出逢ったときから、ユウと出逢うために、アタシは走り続けていたのかな。なんて言っては、カズに悪いのかしら。ユウに別れ話を持ち出しても、いつもユウの優しい口説き文句に言いなだめられ、アタシの気持ちは、踏みとどまざるを得なかった。2年間の間、楽しいこともたくさんあったけど、アタシの精神力は持たず、そんなことの繰り返しだった。今回もまた、あんなに酷いことを言われながら、アタシは踏みとどまった。なぜ、踏みとどまることが出来たか。それは、単純に、アタシがユウを愛していたからだった。第三者の存在がなければ、アタシたちは、幸せだった。ユウは、アタシを説き伏せてまで、別れに応じなかったのは、アタシがユウにとって、都合のいい女だったからだろうか?それとも、そんなにまで、アタシを愛してくれていたのだろうか?これは、ユウの心に、訊いてみないと、アタシにはわからない。ユウは、アタシを愛してくれていましたよね?決して、都合のいい女だと思って付き合ってたのでは、ないですよね・・・・・・・・・?そう信じています。だから、今でも、好きだと思えるんです。
2005/10/05

正直、ユウとは別れたくは無かった。だけど、もう苦しくて苦しくて、どうしようもない頃だった。気がおかしくなりそうだった。いや、もう既に、おかしくなっていたかもしれない。"ユウと別れたい・・・・・。別れなければ、この苦しみからは逃れられない・・・・。"そう思った。そこでアタシは、最後の最後に、ユウに切り出した。ユウを試すつもりだった。「奥さんと別れて!」「アタシと結婚して」って意味で言ったんじゃない。だけど、ユウは、アタシに向かってこう言った。いつものユウらしくない、激しく怒った顔をして、「一緒になってもいいよ、だけど、陸は連れてくるなよっ!海ならいいけどなっ!」なんて酷いことを言う人だと、思った。陸をアタシがどれだけ心から愛しているかを知っているくせに。ユウは更に続けた。「陸はお前に似てないから。お前の旦那に似てるからイヤなんだよ。」・・・・・・・・。じゃあ、ユウの娘さんはどうなのよっ!ユウに全然似てないじゃない!アタシだって、そんな子、いやだよっ!自分のことはさておいて、アタシの子どものことを言うなんてズルイ!あまりの悔しさに、もうアタシは、涙でぐちゃぐちゃで、放心状態だった。そして、少しずつ、アタシもユウに言った。「ユウとは結婚しないよ。旦那とは離婚しても、そういうこと言うユウとは絶対に結婚しない。」ユウは、離婚するつもりなど微塵も無かったのだろう。建てたばかりのマイホームもあったし、娘も可愛い。それに、自分だけでは育てられない。それを重々承知していた人だったから。それを解っていて、アタシはユウに離婚を迫った。結果、このとおり。Rei、アナタもバカな女だよ。ココで別れておけばよかったんだよ。だって、ユウが離婚するつもりが無い理由、ほかにもちゃんとあったんだもん。まだ、このときのアタシは、その理由を知らなかった。何で、ココで、ユウと別れなかったの?おそらく、ユウに、何かしら説得されてしまったんだろうな。止め処もなく流れる涙を拭いながら、ユウの車から降りた夜だった。
2005/10/04

妊娠騒動があり、ユウの持病のことがあり、アタシの心はもうズタズタだった。ユウの奥さんの存在も疎ましかった。嫉妬心から、ユウとの喧嘩も増えていたし、そんな付き合いにも限界を感じていた。もう無理だとわかっているくせに、もう一歩前にススメないアタシ。第一、ユウには、アタシと別れたいなんて考え、これっぽっちもなかっただろうし。そんなズタズタの心に、さらに拍車をかけたのは、ユウの微妙な変化だった。その頃、ユウ自身の言動に、以前とは違うものを感じ始めていた。「子どもは一人っ子じゃ可哀想。」こんな話をすること、以前のユウには無かったのにね。よく口走るようになった。「ユウ、二人目つくるの???」そんなことで、何度も揉めたことがあった。アタシは、ユウが奥さんと子作りをしながら、同時にアタシと付き合うことだけは、絶対に受け入れられないと思っていた。だから、子どもを作るのであれば、邪魔はしないから、必ず事前に、そう知らせて欲しいと言った。そのときには、すんなり別れてあげるからね、って言ってあった。ユウは、そんなつもりで言ったんじゃないよって笑っていたけれど。おかしいよね。海を生んだ後のアタシ、ユウに、「子どもは可愛いよーっ!一人っ子じゃ可哀想。」なんて、メールしてたじゃん。アタシもアタシだよなーっ。 それから、一緒にいられないときのユウからのメールが、ほんの少し減った気がした。疑心暗鬼だったのかもしれないけれど、あまりにも不安で、ユウのケータイを盗み見た。ユウのケータイのメールボックスを開くと、アタシの送ったメールばかりがずらりと保存されていた。大昔に送ったメールも、ユウは保護して、大事に保管してくれてあった。それを見て、ちょっと安心した。けれど、こういう細かいユウの変化は、決してアタシの気のせいではなかった。ちゃんとした理由があったのだった。そのことに気づくまでには、まだまだ道のりは長かった。
2005/10/04

アタシは、ユウといるときは、幸せだった。アタシがどん底に陥るのは、ユウと一緒に居られないときだけだった。ユウは、いつでも優しかったし、アタシのことを想っていてくれた。ユウの心の中を覗くことが出来たなら、もっと別のユウを知ることができたのかもしれない。ひょっとしたら、アタシとのことは、ほんの火遊びに過ぎなかったのかもしれない。ほかにも、彼女がいたのかもしれない。奥さんとも、すごく仲良くやっている人だったのかもしれない。だけど、付き合っている間は、そんなことは一度も感じたことはなかった。アタシとセックスしたいだけなの???って思ったことは、正直、何度もあったんだけどね。ユウは、逢うたび、必ずアタシを求めてきたし、拒んだのって、最後に逢ったときくらいだったかもしれない。でも、セックスの無いデートもあったんだよ。ユウと釣りに行った思い出がある。あれは真夏だった。ユウと二人で、海辺で竿を垂らしながら、魚を釣ったひととき。凄く楽しかった思い出。ユウとは、美味しいものもたくさん食べに行ったよ。ずら~~~~~~~~~~~~っと行列のできていたお店なんかも、二人で手を繋いで並んで食べたっけ。ショッピングもよく行ったよ。アタシの服を、ユウが見立ててくれたこともあったし、ユウのジーンズを選んであげたこともあった。アタシの好きなブランドTシャツを買って、ユウにプレゼントしたこともあったよね。ユウが選んでくれたTシャツを、プレゼントしてくれたこともあった。そういえば、RAKUWAのネックレスとブレスおそろいをつけてたの、覚えてますか?結局、アタシの分も、ユウにあげちゃったよね。ユウ、もう使っていないかな? アタシは、ユウの気持ちが、嘘だったなんて思わないよ。ユウは、まっすぐに、アタシだけを見てくれてたんだよね?
2005/10/03

ユウのことは、ただ一人、親友のマキに相談していた。マキは、中学時代からの大親友。マキも、アタシと同様、家庭のある人と恋をしていた。だからこそ話せた唯一の相手だった。ただ、たまに会ったりする友達に、見破られてしまうことが無かったわけではない。「Rei、絶対アナタ、男いるでしょ???」なんて言われると、ちょっとニヤついてしまったアタシ。きっと、その当時のアタシには、そういう匂いがしてたのかな。ユウは、というと、ユウの周囲で、アタシのことを知っている人はいなかったと思う。これは、正直、寂しいものだった。でも、ある日のこと。ユウの出席した、会社の同僚との飲み会の席でのことだったと思う。ユウは、同僚に、見破られてしまったんだそうな。"彼女がいるんだろう???"みたいなことを単刀直入に言われたって言ってたっけ。ユウは、そのとき、否定しなかったんだって。それを聞いて、ちょっとだけ、アタシうれしかったんだ。(*^_^*)心残りは、何十年か後のいつか、ユウがこの世から去るとき、その死を知らせてくれる誰かが居てほしかった。もちろん、アタシが死んでも、ユウには連絡はいかない。ユウもそんなの望んでないだろうし。でも、ユウが死んでしまったら、アタシに誰か、知らせてくれない?知らずにいるのは嫌だよ。
2005/10/03

前後するのだけれど、妊娠騒動は、確か、ユウの病気が判る少し前の話だったと思う。妊娠騒動があり、ユウの病気のことが判ってからも、アタシのユウへの想いは変わらなかった。変わらなかった、というよりは、それくらいのことで、ユウへの気持ちが変わってしまう自分が嫌だった。ただ、必死に、ユウを好きでいようと、気持ちだけでしがみついていた。アタシが、もし彼を嫌いになったら、彼は、どれだけ傷ついただろう。病気のことを告げたときのユウの涙。ユウの涙は、そのとき初めて見た。いつも明るくて、前向きで、男らしいユウが、初めてアタシの前で見せた、気弱な自分。彼のつらさは、計り知れないものがあった。アタシには、到底、わからない苦しみだった。抗体が一日も早くできることを願いつつ、ユウとは、それまで同様、付き合いが続いていた。気になることがひとつあった。ユウの奥さんは、この病気のことを当然知っている筈。ユウの子どもまで出産しているのだ。少しだけ、ユウに聞いてみた。「奥さんは、注射したの??? 抗体持ってるの????」ユウの答えを聞いて、びっくりした。ユウは、結婚してから、奥さんに病気のことを告げたのだということだった。奥さんの家族は、今でもユウの病気のことを知らないとのことだった。アタシにしたのと同じで、騙して結婚したんだ!!!奥さんは、このことを告げられたとき、どんな風に感じたんだろう。アタシのようにうろたえたのだろうか?それとも、それくらいのことには、一切動じなかったのだろうか?もし、後者であれば、アタシは完全なる敗北者だった。そのことは、奥さんに直に聞いてみないとわからないことだけど、なんとなく、後者の気がした。なぜなら、奥さんは、予防接種など受けていないらしいのだ。そして、抗体は、予防接種をしなくても、自然にできているとのことだった。この病気は、予防接種をすれば、もちろん感染は免れる病気だが、一度この病気に感染しても、病気を発症せずに抗体が出来る人もいるらしい。奥さんは、一度感染して、抗体を持っているのだった。アタシは、ユウと一年半も付き合っていながら、どうして抗体が出来ないのだろうか。奥さんには出来て、アタシには出来ない。ユウは悪くないのに、アタシはそんなことで、ユウを責めた。この頃から、アタシの、奥さんへの嫉妬心は、急速に増していった。ユウとの関係も、どことなくぎくしゃくしてきて、それまでにも何度か別れたいと思ったことはあったけれど、本気で別れたいと思ったのは、この頃だった。
2005/10/02

生理が遅れていた。それまでも、アタシの生理は、毎月不順なほうで、一週間や10日のズレは、当たり前のことだった。だけど、今回は、1ヶ月無かった。ユウに告げた。「もしかしたら、妊娠したかもしれないわ。」ユウは驚いて、すぐに検査しようと言ってきた。「アタシ、産むよ。」と言うと、ユウは笑って首を振った。ユウは、「Reiが俺の子を育ててくれると、離れて暮らすのがつらくなるよ。」そう言った。"じゃあ、結婚すりゃいいじゃん"そう、思ったけど口にはしなかった。とりあえずは検査だった。簡単な妊娠検査薬を買ってきて、ユウと一緒に検査してみた。結果は「陰性」。少しホッと胸を撫でおろした二人だった。だけど、それから先も、1ヶ月、生理はこなかった。さすがにおかしい。やっぱり出来たかも。もう一度、今度は独りで検査をしてみた。やっぱり、結果は「陰性」だった。アタシは、産婦人科を受診して、あまりの不順さに、ピルを飲むことに決めた。ユウは、ものすごく安堵していた。アタシは、面白くなかった。 ものすごく不愉快だった。ユウは、もしアタシに子どもが出来ても一緒に育てる気は無いし、アタシとこの先も、一緒になろうとは、微塵も思っていないことがわかったからだった。お互い、家庭もあるんだし、確かに、もしアタシが妊娠していたら、大変なことになることは、必至だっただろう。これでよかったのかもしれない。だけど、ユウが、アタシが子どもを産むことを拒んだ理由は、まだほかにあったのだった。それは、この妊娠騒動の、3ヶ月も後にならないとわからなかった。
2005/10/02

ユウは、毎月1回、内科で診察を受けていた。アタシは、その理由を、深く追求したことは無かった。ただ、漠然と、彼があまり健康ではないということだけは、薄々感じてはいた。ある日、ユウは、今まで黙っていて悪かったというように、アタシに病名を打ち明けた。アタシは、それを聞いて、「ふぅん。」という感じだった。その病気がどういう病気かを、アタシが知らなかったからだった。"ユウの体を蝕む病気は、一体どんな病気だろう?"すぐに医学書とインターネットで調べることが出来た。驚いた。その病気の怖さというよりも、その病気が、「性的接触により、感染する」んだという文字を見つけて。さすがに、そのときばかりは、ユウの体のことよりも、自分の体のことを思って、怖くて泣いた。ヘタすりゃ、感染して、アタシは死んでしまうという病気だった。これは、アタシに下った天罰に違いないと思った。アタシは、時間を置かず、すぐに診察を受けた。感染してなかった。しかし、海がおなかにいるときにも、ユウとは関係を持っていた。「もし、海に感染していたら・・・・・・。」絶対にユウを訴えてやる!そして、もし海に感染していたら、海は治るの???ユウみたいに、一生その病気と縁が切れずに病院通い???そんなの絶対に許さない。犯罪だ!アタシはそこまで思った。でも、「アタシ自身がやっていること=不倫」自体が、すでに犯罪なんだな・・・。これは、「自業自得」って言葉が一番似合いそう。しばらく、どうすることも出来ずに、アタシは独り泣いていた。海にも、夫にも、酷く申し訳ないことをしたと心底思った。しかし、結果は、海にも感染していなかった。少し正気を取り戻したアタシは、そのユウの病気の感染を防ぐ抗体を作るために、予防接種を受けることにした。ユウに付き添ってもらって、アタシは一度目の予防接種に行った。そこまでして、ユウと離れたくなかった。ユウも、きっと同じ気持ちであっただろうし、だからこそ、病気を打ち明けてくれ、付き添ってくれたのだと思う。予防接種は3度受けないと、通常、抗体は出来なかった。アタシは結局、2度しか受けていない。3度目の予防接種を受ける予約を入れた日には、アタシとユウは、別れていたからだった。だから、アタシの体には、抗体は出来ていない。これでよかったんだと、今は思っている。もし、抗体が出来ていたら、アタシは、自分の体にまで、ユウとの不倫の事実を刻み込んだまま、一生を終えなければならなかっただろうから。でも、抗体が無くても、アタシはやはり、ユウを一生忘れないんだけどね。生きていれば、いつかは逢う日があるのだろうか。ユウは、死ぬまでアタシを覚えててくれますか?ユウには、いつまでも長生きして欲しい。いつまでも、健康であってください、ユウ・・・。
2005/10/01

Web上に公開する意味はあまりありません。アタシのこんな日記を、まさか共感していただけるとも思っていません。ひたすら、記憶を辿って綴っているだけですし、見知らぬ人からコメントを頂いたところで、それも無意味な感じがします。もちろん、このBlogが現在進行形だったとしても、コメントをいただく意味はあまりなかったかもしれません。アタシとユウとの泥沼不倫は、結局誰にどんなことを言われても、最後に自分が泣くまで、断ち切ることは出来ませんでした。申し訳ありませんが、書き込みは禁止させていただきます。こんなバカな女が、バカな母親がいることを、嘲笑していただいてもかまいません。静かにスルーしていただくことを、願っています。
2005/10/01

その年の暮れ、アタシの育児休業は終了した。海、生後11ヶ月のときのことだった。12月から、海は、保育園に通い始めていた。年明け、久しぶりにスーツに身をまとい、オフィスに戻ったアタシ。それまで以上に、ユウと逢える回数も増えるだろう期待に胸を膨らませた。ユウとは、アタシが会社に復帰したら、絶対に実行しようと約束していたことがあった。それは「旅行」だった。近くてもいい、どこか行きたいね、ってそんな話をよくしていた。だから、アタシが復帰してからは、「出張」と託けて、よく、ユウとお泊りなんかをしたりした。いつものホテルで泊まることもあれば、少し遠くまでドライブをし、そのまま、その近くのホテルに入って泊まったこともあった。ユウとは、ホテルで過ごすデートが多かったから、一緒にお昼寝なんかもしたことあったし、お泊りをするからと言って、特別変わったことがあるわけでもなかったけど、やっぱり、朝まで一緒にいられるなんて、夢のようだった。普通にテレビを観たり、おしゃべりをしたり、気が向けば抱き合って・・・。時間を気にせず過ごせたし、ユウとそんなふうにのんびり過ごせるのが、うれしかった。普段、ユウと逢っているときなら、心のどこかで、託児所に預けている海のことが気になっていたりしたけれど、こういう夜は、少しも子どものことを思い出さなかった。出張と言って家を空ける度に、家に一本の電話も入れないアタシを、夫はよく怒っていた。ユウの前で、夫に電話をするのは嫌だった。ユウがアタシの目の前で奥さんと電話で話すのも、アタシは凄く嫌だったから。だから、アタシと居るときは、ユウはケータイの音を消していた。友人からの着信であれば、すぐにかけなおしていたけれど、奥さんにかけているのは見たことがない。一度だけ、娘さんから電話があったときがある。ユウは、娘さんに、「パパはもうすぐ帰るよ。待ってて。」と優しく話していた。どうしようもなく切ない思いだった。アタシは悪い女だと、心の底から思った。
2005/09/30

初めて迎えたアタシの誕生日。ユウは、アタシに何か欲しいものがあるかと聞いてきた。もちろん、欲しいのは 「ユウ」。なんて、そんなこと言わないよーっ(笑)。すかさず、リングが欲しいって答えた。指輪。いつも、ユウを感じることができるモノが欲しかったからー。ユウは、結婚指輪をしない人だった。もし、ユウが指輪をしていたなら、アタシはユウと、付き合っていなかったかもしれない。アタシは、そういう男は嫌いだった。でも、アタシは指輪を入れていた。これも、夫へのカムフラージュだった。離婚届を用意していることも、夫には内緒だった。以前から、いつか指輪と一緒に、用紙を夫の前へ叩きつけてやるつもりだった。だけど、不思議とユウとこうして付き合うようになってからは、夫へのそんな気持ちは、ほとんど芽生えなかったように思う。そして迎えた誕生日。この頃になると、海を連れてユウと逢うってことは無かった。海も、離乳食が2回食となっていたので、平日は、海をみてもらえる託児所を利用していた。休日なら、夫に海を預けて、育児休業中の身でありながら、「仕事を見てくるから」という理由を告げて、ユウと逢っていたりした。アタシの誕生日は、託児所を利用していた日だったように思う。ユウに、どんなシチュエーションでプレゼントを渡されたのか、もうそんな細かいことは記憶に無い。だけど、その日から、アタシの左手の薬指には、夫から貰った結婚指輪と、ユウからの指輪が並んで入っていた。ユウと最後に逢ったときのことを覚えている。ユウとアタシが別れた日のことだ。「指輪は今日で外すわ…。返すって言っても、困るでしょう?」けれど、ユウは、アタシが指輪を外すことを、最後の最後まで嫌がった。アタシは、そうでもしなきゃ、ユウを忘れられないから…って思ってしたことだったけど、指輪が指から無くなったくらいでは、ユウを忘れることなんて出来る筈も無かった。ユウを忘れることは、死ぬまで無いと思う。
2005/09/30

TOPにもありますが、このBlogは、アタシの2年以上も前の、過去の回想記録です。済んでしまった出来事ですので、批判、お叱りは受けても、アタシの過去を、塗り替えることはできません。今更ではありますが、アタシは不倫を肯定していません。自分がハマった、泥沼のような不倫地獄を忘れないために記録しています。いい事も、悪い事も、全て真実を記録するつもりです。このBlogを通して、たくさんの婚外恋愛中の人が、自分を省みる時間を持っていただけたらとの思いで一杯です。不倫から足を洗わない限り、女性は、幸せになどなれないと思います。これが、現在のアタシの持論です。アタシは、きっと、今でもユウが好きです。別れてから、もうすぐ2年の歳月が経ちますが、一日たりとも、彼を忘れたことなどありません。本当です。だけど、"彼を忘れるために、別の人・・・" というような、カズのときや、マモルのときにしてしまった稚拙なことを、二度と繰り返すつもりはありません。アタシをそういう女にしてくれたのが、ユウだったと言えます。最後まで読んでいただければ、それは解ると思います。この日記を読んで、どう思うかは、皆さんそれぞれだと思います。良識あるお方であれば、まずこんなBlogに辿り着かないでしょうし、もし、何かしら偶然辿り着いた方がいらっしゃても、誹謗中傷内容のコメントは、せっかく書き込みしていただいても、残念ながら、削除させていただいております。全ては、過去の記録です。最後まで読んでいただければ、必ず、婚外恋愛中の苦しみから逃れる解決の糸口や、何かしらヒントのようなものが、見えてくるのではないかと思います。事実に基づいて、これからも、勇気を出して綴っていきたいと思いますし、皆さんにも、読んでいただけたらなと思っております。宜しくお願いいたします。 Rei
2005/09/30

ユウとは、一度だけ、一緒にプールに行ったことがある。しかも、子連れで(笑)。というのも、ユウが、娘さんを連れて、今度の日曜、プールに行くって話を聞いたからね、じゃあ、アタシも行くわよ( ^-^)♪って感じで、一緒に行くことになったってやつ。待ち合わせ場所のプールに、お互い、子どもを連れてやってきた。アタシは、海は夫に預けて、陸と二人で行った。陸には、ユウを、会社の人だと紹介した。偶然逢ったようなフリを、陸にしてみせた。ユウの娘さんは、アタシを見て、ものすごく怪訝そうな顔をした。嫌な目をする子だった。ユウには似ていなかった。奥さん似だと直感した。アタシは、ちょっと戸惑った。勘付かれては困る。子どもと言えども、女は鋭いからネ!アタシは、ちょこっと娘さんに微笑んでみせて、あとは無視して、陸と二人で泳ぎ始めた。だけど・・・・。「ユウと泳ぎたい!!!!」ユウを探して近づいた。ユウの娘さんは、浮き輪を持っていなかった。「陸の浮き輪、使う???」 と聞いてみた。娘さんは、ちょっと照れくさそうに笑って頷き、陸の浮き輪を使い始めた。アタシは、しばらく彼女と一緒に泳いでいた。そして、「お母さんは???」なんて話しかけてみた。いやなことを聞くアタシ(笑)。「今日はお仕事なの。」と、少し寂しそうに、彼女は言った。「あらー、それでパパと来たのね。ママ、お仕事忙しいのねぇ。遊んではくれないの?」・・・・・・・・ホント、アタシってヤな女。娘さんは首を横に振っていた。ユウは一人で、アタシたちの少し前方を泳いでいた。そばに寄って行くと、ユウは水中で、アタシの手を握った。アタシはうれしくて握り返した。そばには、ユウの娘さんがいた。まさか、気づいてないわよね???不安になった。だけど、気づいたのは、陸のほうだった。陸は、「お母さん、このおじさんと結婚したいの???」なんて聞いてきた。ユウと二人で、顔を見合わせて笑った。楽しい夏の思い出だった。
2005/09/29

アタシとユウとの関係は、周囲にバレないのが不思議なくらいだった。不倫に、今やケータイはつき物だけど、アタシのケータイは、使わないときは常時ロックしてあった。お風呂に入るときも、トイレに行くときも、寝るときまでも、絶対に体から離さなかった。ユウは、寝る時だけロックしてるって言ってた。陸でさえ、「ママのメールってビョーキだね!」って呆れていたっけ。これが、夫の行動であれば、妻のアタシならすぐに気がつく。夫は、アタシに男がいることに、気づいていたのかな…。結局、ユウと付き合う以前も含め、ユウと付き合い始めてから終わるまでの間、夫にケータイを取り上げられそうになったことはあったけど、中身を見られることもなければ、浮気を疑われることもなかった。夫は、アタシより10も年上だったし、元々、あまり大っぴらに妬いたりする男ではなかった。だから、もしかしたら、薄々気がついていたけど、黙っていたのかもしれない。アタシは、誰と付き合っても、妬かずにいられない女だった。独占欲の塊のような女だった。そういえば、同じような男がいた。それがカズだった。カズもアタシも、血液型はO型。O型以外の男とは付き合ったことはあったけど、O型の男は、カズが初めてだった。O型の嫉妬心って、自分もそうなんだけど、凄いのよ。カズのことを、それはもう愛していたけれど、その凄まじい嫉妬心に、しばしアタシは、辟易した。たとえば、アタシが会社の人らと飲み会に出る。その間、アタシからのメールが途絶えたら、カズは、電話の向こうでキレていた。「もう、二度とメールしてくるな。」「俺のことを忘れて、ほかの男と・・・・・・・・。」言っとくけど、アタシは、ここまで酷くは無いよ(笑)。カズのそういう嫉妬心を、最初は可愛いと思っていたけれど、ホント、嫌気がさしたよ。度々ね。カズとの喧嘩は、たいていがこういう内容だった。カズとは、そういうことからお互い罵り合うようになり、耐え兼ねて、別れたようなもんだった。ユウは、というと、あまり、妬いていることを表に出さないタイプ。夫と似ていたかもしれない。まぁ、相手がアタシだと、妬かなくてもよかったとも言えるかな。そうか! ユウが妬かなかったのって、アタシが妬いてたからか!!!(と、今になって気づくRei)(^.^) 話がソレちゃったけど、アタシとユウとの付き合いは、どんどんエスカレートしていくようだった。逢う回数はハンパじゃなかった。夫の留守中に、夜も逢えることを知ってからは、夫が出張から家に戻っても、大胆にも、夜の逢瀬を続けていた。それは、夫の寝静まった時間にこっそり…のときもあれば、友達のうちに遊びに行くと言い残して…のときもあった。よくバレなかったもんだ。今さらながら、そう思う。そして、バレないことって、不倫中の男女には、とても大切だと思う。
2005/09/29

海が生後3ヶ月くらいのときだったと思う。そう、ちょうど夫の書斎事件があった頃。夫は、海外出張で、3ヶ月も家を空けることになった。夫がいないことで、アタシが困ることは無かった。むしろ、彼が家に居ないほうが、ずっと気が楽だったし、子どもたちとも、のんびり過ごせた。陸も海も、父親の居ない夜を、寂しがるでもなくね。それに第一、夫が居ないことは、ユウとアタシにとってはかなり好都合だった。ユウは、時間があるときは、毎晩のように、アタシの家のそばまでやって来た。アタシは、子どもたちを寝かしつけた後、夜な夜な、ユウと逢っていた。陸は、一度眠れば、目を覚ますことは無かったけど、まだ赤ちゃんの海が心配だった。でも、ほんのちょっとの間だけ。ママに時間をちょうだい。お願い。ユウとの夜の逢瀬。夜に逢えるなんて、ユウもアタシも初めてだった。ユウとは、海を見に行った。潮風に吹かれながら、いろんな話をして、やがてそのまま、砂浜の上で一つになった。真っ暗な海岸で、月と星だけが、アタシたちを見ていた。暗闇の中、月と、アタシの白い足だけが、浮き上がっていた。二人っきりの時間。ホテルではない場所で、抱き合う二人。誰にも遠慮は要らなかった。何度も何度も、抱き合った。そんな夜があったことが、今では、まるで夢のよう。ユウ、貴方は、今でも覚えていますか?
2005/09/29

ユウの家庭のことを少しだけ書きます。ユウには、年下の奥さんと、娘さんが一人。奥さんは確かフルタイムで働いていて、娘さんは陸と同い年だったかな。付き合い始めた頃は、よく家族の話をしてくれたユウだったけど、アタシの嫉妬深さからだろうと思うのね、次第に話さなくなったよ。聞きたいこと、山ほどあったけどね。ちょっと聞き出そうと、話題をふってみても、聞いてしまうと、やっぱダメ。気分が悪くなったよ(苦笑)。聞きたいの? 聞きたくないの? どっちだよ、って感じでしょ?奥さんには、男、いないの???いてくれたらなぁーなんて思ったりね。ユウのところの夫婦関係も、うち同様冷えてたらしい。ユウの話だけど。もちろんセックスレスだって言うのね。どうだか。アタシに「俺んちはセックスしてるよ。」なんて言う筈ないもんね。そりゃ、絶対に無いよ。冷静に考えてみれば、それくらい想像つくじゃん。なのに、付き合ってるときって、ユウの口からそう聞けば、安心する自分がいた。「うちのカミさんも、たぶん男いるよ。怪しいもん。」なんて聞けば、心の中で、奥さんにエール送っちゃったりしてた。こういう気持ちって、きっと、婚外恋愛中だとか、不倫中の女の子なら、きっと誰しも思うことじゃない???ユウは亭主関白気取ってたけど、アタシにはそうは見えなかったな。すごかったよ。仕事から帰ると、洗濯物を取り込み、たたむ。そしてお風呂のお湯も溜める。子どもをお風呂に入れて、寝る前は歯磨きさせちゃって、そして子どもを寝かしつける。そんな感じのパパでした。これって、亭主関白じゃないよね?よく出来たパパ、すごくいいパパって感じよねーっ。すべて、働いている奥さんのために、ユウが頑張ってるんだと思ってた。そう思うと、なんだか切なくなったけど。奥さんは、ユウの話だと、何にもしない人だった。お料理も、お掃除も。そういえば、マモルの奥さんも、カズの奥さんもそういう人だった。うちとまったく逆じゃん。うちは、夫が何にもしない。だから、アタシだけが動き回ってる。まるで正反対の家庭だよね。でも、ユウの奥さんがそういう人だと思うと、ちょっと気が楽だった。ユウの衣類を洗濯したりしてるって思うだけで気分悪かったし。お料理だって、手抜きでいいのよ、奥さん。ユウのために頑張って美味しいお料理作ってるって思うと腹立つもん。ってね。アタシってそういうヤな女。奥さんは、アタシに何をしたわけでもないのにさ。だけど、ごめん。アタシ、ユウと付き合ってたときは、奥さんより愛されてました。絶対に。
2005/09/28
一見幸せそうな家庭に見えただろうけど、アタシの家庭は、そんなふうだった。夫婦関係は、冷えきっているというよりは、むしろそれが自然体であった。寝室も、海が生まれる前からずっと別だった。海を妊娠するきっかけとなった、あの結婚記念日の夜が、夫と寝た最後の夜だった。 それも、苦痛に耐えた、数分の出来事。アタシの中には、記憶の欠片すら無かった。アタシの体は、もはやユウの体を受け入れるためだけに存在していた。ユウと触れ合い、一つになることは、当たり前のような、挨拶みたいな、自然な行為となっていた。ユウのために、今よりキレイになりたかった。産後、すぐにアタシの体重は、妊娠前の体重に戻ったけれど、アタシは、毎晩、夫が仕事から帰って夕飯が終わったら、ウォーキングに出かけるようになった。アタシがスニーカーに履き替えて、ユウに、「今から出るから。」とメールをすると、ユウも同時に家を飛び出した。そして、二人で、一緒に歩いた。正確に言えば、一緒に、というよりは、同じ時間帯に、別々の場所を歩いていた。歩きながら、二人でメールしたり、時には電話で話したりもしながら・・・。1時間くらいだったかな? 約6キロを、毎晩歩いていた。ユウはダンベルを持って出たり、足に錘をつけたりして歩いていた。あ、そうそう、その当時、通販で流行っていた、アブトロニックとか言うのも、確かユウは巻いてたっけ(笑)。そんなに太ってたわけじゃなかったけど、やっぱり、ちょっとおなか気にしてたんだね、ユウ。毎日、そんなふうにして、何かしらユウと共有できる時間を見出していた。ユウがいなきゃ、ここまで頑張ろうと思わなかったと思う。見る見るうちに、ユウの体も、アタシの体も、変わっていった。そうすることで、お互いに、相手の体を、より愛しく感じるようになっていった。ユウとの付き合いは、本当に楽しくて、お互いに家庭がなければ、ごくフツーの恋人同士のような、そんな関係だった。ユウは、後に、アタシたちが別れ話をしていた際に言っていた。「もし、俺たちが結婚してなかったら、Reiはどうした?俺は絶対に、迷わずReiと結婚してたと思うよ。」アタシは、ユウとの2年の付き合いの中で、そりゃ何度も何度も泣いたけれど、この言葉を聞いたときが一番泣いたように思う。別れを目前にしていたときだったけど、別れたくなかった二人を別とうとしていたのは、紛れもなく、二人の「家庭」だった。アタシたちがそれぞれに結婚していなければ、アタシたちにはきっと、別の未来があっただろうに。
2005/09/28

春になって、陸は幼稚園に入園した。年長さんになった。お兄ちゃんになった陸は、弟思いの、優しい男の子へと育っていた。母はこんな調子なのにね・・・。ごめんよ・・・陸・・・。海の育児と、陸の幼稚園への送迎で、毎日アタシは忙しい日々を送っていた。それでも、子どもは可愛かったし、家庭も恋も、うまく両立させていたようにアタシは思う。 アタシなりに・・だけどね。ユウとは、短時間だけど、たとえば待ち合わせた場所で、ユウの車の中でおしゃべりして、海がぐずりだすとそのまま別れる――なんてデートも多かったけど、一秒も逢えないよりはずっと幸せだったし、ユウがそうやって、アタシのために、時間を割いてくれることがうれしかった。ユウの存在があることで、アタシの家庭も穏やかだった。そう、あの事件がある日までは・・・。
2005/09/28
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