君へのメッセージ

庭先の山茶花の木に、山鳩が巣を作った。山茶花の枝を整えたいと思っていた夫もそっとヒナが巣立つまで見守ることにした。あまりにも道に近く人通りもあるところ。猫まで横目でうかがうような場所なので、家族の気遣いも大変なもの。雨にも負けず風にも負けず懸命に暖め続けてがんばったはずなのに、孵った様子がなかった。それどころか、巣から離れたところに止まっている母鳥を見た。時折巣が留守になる。ついに心配になって覗き見をした私の目に入ったのが、一羽のひな鳥の骸であった。１３，４センチにまで育っていた。あの嵐のような風雨のあった日、幼いヒナは耐えられなかったのだろう。思えば，軒先の電線で，珍しく長いことゴロゴログー、ゴロゴログーと鳴いていた山鳩の姿を目撃していた。