君へのメッセージ

君へのメッセージ

2012.10.08
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かつての祐二の務めていた会社の車が病院に来ていた。息子の車いすを押しながら庭を散歩し
ているところだった。若者が車のそばで仕事をしていた。

「息子も昔おたくの会社にいたんですよ』と、私が声をかけると、
「祐二さんですね。上司から聞いていました』そう言って息子に声をかけてくれた。
大きな声で息子は笑い、拍手をして上機嫌であった。本物の笑顔であった。

何かが伝わっているのだ。でもこの様子を初めて見た若者は、息子をどう見たであろうか。
つい言ってしまった。交通事故には本当に気を付けてね。こんな姿になってしまうんだからね、って。

天気よし、祐二の機嫌も良しの戸外散歩。赤とんぼが祐二の顔のあたりを旋回している絶好の秋景色であった。赤とんぼがとんでいるよ。祐二の頭にとまれ、と声を発すると、確かにトンボを指差した。飛んでいるのを目で追っている。

ベッドを離れて、好天気の病院の戸外散歩は、祐二にかすかな一歩を脳に残したかもしれない。





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最終更新日  2012.10.15 22:20:41
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Re:祐二さんでしょ、って声をかけてくれた若者に、この喜びようはなんだ(10/08)  
sazae3 さん
祐二さんの表情に生き生きしたものが出るなんて本当に素敵な事です。
10月になったら少しは時間が出来るかと思っておりましたが、今までよりさらに多忙になってしまいました。就業する人の給料を間違えなく入力するという仕事なので、気がぬけません。馴れない仕事なので尚の事、年内は多分無理のようです。是非一度お尋ねしたいと言う気持ちは変わらないのですが、収入のチャンスも逃したくないのですみません。
少しでも祐二さんへ心が伝わる事をして見たいなと考えております。
何か祐二さんの心に伝わる事で生き生きした表情を取り戻したいですね。いきなり知らないおばさんが訪ねてもどうかと思うのですが・・・でも何か発見があるのではと一途の望みを持っています。どのような計画でお尋ねしたら良いか?ご迷惑にならないような方法は無いものかと考えております。 (2012.10.16 20:08:12)

Re[1]:祐二さんでしょ、って声をかけてくれた若者に、この喜びようはなんだ(10/08)  
ばあば321 さん
sazae3さん
>お忙しい中お心をかけてくださりうれしい限りです。お気持ちだけで十分、感謝いたしております。決してご無理なさいませんように。先はまだまだ長いですから。ところで今年度の「あけぼの」という会誌にあなた様とのブログがつむいだ出会いを作品にしました。できましたら、お送りします.その節はご笑読ください。 (2012.10.18 23:14:14)

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