君へのメッセージ

君へのメッセージ

2012.10.08
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
かつての祐二の務めていた会社の車が病院に来ていた。息子の車いすを押しながら庭を散歩し


「息子も昔おたくの会社にいたんですよ』と、私が声をかけると、
「祐二さんですね。上司から聞いていました』そう言って息子に声をかけてくれた。
大きな声で息子は笑い、拍手をして上機嫌であった。本物の笑顔であった。

何かが伝わっているのだ。でもこの様子を初めて見た若者は、息子をどう見たであろうか。
つい言ってしまった。交通事故には本当に気を付けてね。こんな姿になってしまうんだからね、って。

天気よし、祐二の機嫌も良しの戸外散歩。赤とんぼが祐二の顔のあたりを旋回している絶好の秋景色であった。赤とんぼがとんでいるよ。祐二の頭にとまれ、と声を発すると、確かにトンボを指差した。飛んでいるのを目で追っている。

ベッドを離れて、好天気の病院の戸外散歩は、祐二にかすかな一歩を脳に残したかもしれない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.10.15 22:20:41
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: