君へのメッセージ

君へのメッセージ

2015.04.01
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類


 自宅介護を助けてくれる事業所の人たちとのモニタリングのときのことだった。早速行動を起こしてくれたのは、介護タクシーの方であった。まずは手近な所での花見をと提案してくれた。
予定したのは四月一日。花見には早過ぎると思っていたのだが、予想に反しての好天続きで、満開にちかい桜を見ることが出来た。暑くもなく寒くもなく絶好の花見日和であった。春休みのとちの木ファミリーの遊園地は、子供連れの家族で賑わっていた。車椅子を二十代の青年運転手さんに押してもらいながら、息子は終始手ばたきをしたり、声を上げたりして上機嫌であった。
 ジェットコースターの音に歓声を上げている息子が、突然体を覆っていた毛布を投げ上げた。宙に舞う直前を私は偶然カメラでキャッチしていた。その時は私も夫も介護タクシーの方たちも大笑いして大らかに桜を満喫していた。ところがボート池にかけられた太鼓橋を渡っているときだった。懐かしい子供列車を大声で笑って眺めていた息子の膝の毛布が宙を舞った。付き添いの誰もが大声を上げ手を伸ばしたが、時遅く慌てる人を翻弄するかのように、魔法の絨毯さながらに大きく広がって空中を舞い、ゆったりとふんわりと池の中へと落ちていったのだった。
水面に大きく広がって浮かんでいる毛布を、運転手さんが水際に腹這いになって回収してくれた。
もしかしたら、息子は遠い昔、何度となく私とこの列車に乗った記憶が甦ってきたのかな、と息子の興奮状態が私にも伝わって言葉にならない思いが走った。
さらに幼いころから祖父と一緒にボールで遊び、学校ではバスケットを楽しみ、社会人となってからも、会社の野球チームのキャッチャーとして鍛えた腕力が戻りつつある証を確かめることが出来た。
 すっかりタクシーの運転手さんと付き添いの看護師さんにお世話になってのお花見だった。

「思いがけずお花見ができました。仕事を離れて楽しませていただきました」という言葉が返ってきた。
この日のためにあれやこれやを心配してくれた担当看護師さん、場内の安全散策の場所など、秘かに下見をしてくれたという若い運転手さん、感謝してます。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015.04.04 18:00:17
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: