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「靖国」で明言避けた安倍総裁 自民圧勝の報を聞きつつコラムを書いている。いつか見た光景だ。3年前の民主党の圧勝と一体何が違うのか、私にはさっぱりわからない。
いずれにせよ再び、自民党政権が誕生する。
選挙の開票結果を受けて安倍晋三自民党総裁の記者会見があった。今後の対中関係を問われた安倍総裁は、尖閣諸島問題への対処について明言を避けた。賢明だ。これを弱腰だと批判すべきではないだろう。尖閣諸島は名実ともに日本の実効支配下にある。8月に上陸した香港の活動家を現行犯逮捕したのが、何よりの証拠だ。公務員を常駐させよとか船だまりを作れとか、威勢のいいことを言って中国の感情を逆なでするのが得策ではないことぐらい、政権を取れば当たり前にわかることだ。
そもそも隣国同士の関係なんて、古今東西、お互いに文句を言いながらにらみ合いを続けていく程度の距離感がちょうど良いのである。力の均衡が取れている状態を「平和」という。この状態を維持しながら、どのような落としどころを見つけていくかが、政治家の役割だろう。
一方、靖国参拝についても明言を避けた。安倍総裁はかつて、首相在任中に参拝すべきだったと反省の弁を述べている。しかし記者会見では、首相として参拝するかどうかには触れず、「外交問題にすべきではない」と言うにとどまった。これはケシカラン。本当に外交問題にすべきではないと思うならば、参拝しなさい。隣国の顔色ではなく、英霊の嘆きに耳を傾けなさい。明らかな内政干渉に対しては、落としどころを探るのではなく、毅然(きぜん)とした態度で臨むのが政治家の役割だろう。
ちなみに私の尊敬するある経営者は、社長就任を打診された際、まず自分がいつまで健康を維持できるかを考えたと言っていた。健康でなければ社長業に専念できず、判断を誤り、部下たちに迷惑がかかるからだ。至極まっとうである。社長業は大変だ。一国の首相はもっと大変だ。"腹痛"で政権を投げ出した安倍総裁、今度は大丈夫だろうか。(ジャーナリスト 笹幸恵)
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