夢と花と風

夢と花と風

2007.02.20
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カテゴリ: エッセー


私が子供のころ近所に狩猟をする、アイヌのおじさんがいました。

茅葺きの家の庭には木の皮を剥き白い幹をクルクルと渦巻くように削った杭が
何本も立っていました。

そしてその杭には動物の頭の骨が白く不気味の乗っていた。
とても怖くていつも遠回りをしてその家を通り抜けた。

ある日「イヨマンテ」があるからとその家のおばさんが誘いに来てくれた。
なんなのかわからないまま後ろに付いておばさんの家へ行った。

焚き火を囲んでアイヌのおじさん達がたくさん集まっていた。
いつも鉄砲を担いでいる近所のおじさんはお椀にドブロクを入れて
モゴモゴとお祈りをしながら火の中へドブロクを振り入れていた。

そばには大きな熊の頭があった。
おばさん達はご馳走を造っている。

米の粉に熊の脂を入れてこねて茹であげたもの。
ジャガイモを茹でて鮭の卵(イクラ)を混ぜてこね合わせたもの。

シコロの実で甘く味を付けたお汁粉。
凍ったジャガイモを水に晒し匂いを抜いて団子にして焼いたもの。

私はまるで童話の世界にいるみたいにあれこれと聞いて回った。
でもアイヌ語の答えは私には理解出来なかった。

たったひとつイオマンテは「熊の葬式」ではなく神として送る祭りだということ・・
それだけを教えてもらった。

翌日、おじさんの家の庭には新しい熊の骨だけになった頭が杭に乗せてあった。
そのとき初めて白い杭の骨が全部熊だということを知った。

そしてそれは「熊を仕留めた」自慢ではなく「神」として熊を送った証だったのだと
今になって思う私です。






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Last updated  2007.02.20 20:58:32 コメント(16) | コメントを書く
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