ダマスクローズジャム屋日記

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2006.06.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類

しっとりとした雨もまたよからずや。

夕方からは雨も止みアンコールに応えて今日2度目の詩の朗読会です。

素敵な声でレオ・バスカーリア作の「葉っぱのフレディ(いのちの旅)」を朗読して下さいました。



 春が過ぎて 夏が来ました。

 葉っぱのフレディは この春 大きな木の梢に近い太い枝に生まれました。
 そして夏にはもう 厚みのある りっぱな体に成長しました。
 五つに分かれた葉の先は 力強くとがっています。


 はじめはフレディは、葉っぱはどれも自分と同じ形をしていると思っていましたが、やがてひと つとして同じ葉っぱはないことに気がつきました。

 となりのアルフレッド、右側のベン、すぐ上のクレアは女の子です。みんな春に生まれていっし ょに大きくなりました。春風にさそわれて くるくる 踊る練習をしました。

 日光浴のときは じっとしているのがよいということも覚えました。
 夕立ちがくるといっせいに雨に体を洗ってもらいました。

 フレディの親友は、ダニエルです。だれよりも大きくて、昔からいるような顔をしています。
 考えることが好きで、物知りでした。

 ダニエルはフレディに、いろいろ教えてくれました。
 フレディが木の葉っぱだということ。木の根っこは地面の下にあって、見えないけれど四方に張 っていて、だから木は倒れないこと。

 目の下にあるのは公園で、おはようとあいさつにくるのは小鳥たちであること。
 月や太陽や星が秩序正しく、空をまわっていること。

 そしてめぐりめぐる季節のことなど、みんなダニエルが教えてくれたことです。



 友だちはたくさんいるし、見はらしはよいし、枝はしなやかだし、その上風通しも
 日当たりも申しぶんなく、お月さまは銀色の光りで照らしてくれるからです。

 夏になるとフレディは、ますますうれしくなりました。
 お日さまが早く昇って、おそく沈むのでたくさん遊べます。

 かんかん照りの暑さはなんて気持ちがよいのでしょう。


 公園に、木かげを求めて大ぜいの人がやってきました。

 ダニエルは立ちあがり「さあ、体を寄せてみんなでかげを作ろう。」と呼びかけました。
 フレディは、ダニエルにたずねました。

 「どうしてそんなことをするの?」

 するとダニエルは、「暑さから逃げだしてきた人間に、涼しい木かげを作ってあげるとみんな喜 ぶんだよ。」と言いました。

 ダニエルの言ったとおりでした。
 木かげに、おじいさんやおばあさんが集まって来ました。
 子どもたちも来ました。
 お弁当を広げる人もいます。
 フレディたちは、葉っぱをそよがせて涼しい風を送ってあげました。

 「フレディ これも葉っぱの仕事なんだよ。」

 ダニエルの話を聞いて、フレディはますますうれしくなりました。老人たちは木かげから出ない で小声で昔の思い出を話しているようです。
 子どもたちは木に穴をあけたり、名前をほったり、いたずらもするけれど笑ったり走ったり生き 生きしています。

 けれど 楽しい夏はかけ足で通り過ぎていきました。

 たちまち秋になり、十月の終りのある晩とつぜん寒さがおそって来ました。
 フレディも 仲間のアルフレッドも ベンもクレアも ぶるぶるふるえました。

 みんなの顔に 白く冷たい粉のようなものがつきました。

 朝になると 白い粉はとけて 雫がキラキラ光りました。

 「霜がきたのだ。」とダニエルが言いました。

 もうすぐ冬になる知らせだそうです。
 緑色の葉っぱたちは一気に紅葉しました。
 公園はまるごと虹になったような 美しさです。
 アルフレッドは濃い黄色に、ベンは明るい黄色に、クレアは燃えるような赤、ダニエルは深い紫 色に、そしてフレディは赤と青と金色の三色に変わりました。

 なんてみごとな紅葉でしょう。

 いっしょに生まれた 同じ木の 同じ枝だの どれも同じ葉っぱなのに どうしてちがう色にな るのかフレディにはふしぎでした。
 「それはねー」とダニエルが言いました。「生まれたときは同じ色でも いる場所がちがえば  太陽に向く角度がちがう。風の通り具合もちがう。月の光 星明かり 一日の気温 なにひとつ 同じ経験はないんだ。だから紅葉するときは みんなちがう色に変わってしまうのさ。」

 風が変わったのは そのあとでした。夏の間 笑いながらいっしょに踊ってくれた風が 別人の
 ように顔をこわばらせて 葉っぱたちにおそいかかってきたのです。

 葉っぱはこらえきれずに吹きとばされ まき上げられ つぎつぎと落ちていきました。

 「さむいよう」「こわいよう」葉っぱたちはおびえました。そこへ 風のうなり声の中からダニ ルの声がとぎれとぎれに聞こえてきました。

 「みんな 引っこしをする時がきたんだよ。とうとう冬が来たんだ。ほくたちは ひとり残らず ここからいなくなるんだ。」

 フレディは悲しくなりました。ここはフレディにとって 居心地のよい夢のような場所だったか らです。
 「ぼくもここからいなくなるの?」
 「そうだよ。ぼくたちは葉っぱに生まれて 葉っぱの仕事をぜんぶやった。太陽や月から光をも らい雨や風にはげまされて 木のためにも他人のためにもりっぱに役割を果たしたのさ。だから 引っこすのだよ。」
 とダニエルは 答えました。
 「ダニエル きみも引っこすの?」とフレディはたずねました。
 「ぼくも引っこすよ。」
 「それはいつ?」
 「ぼくのばんが来たらね。」
 「ぼくはいやだ! ぼくはここにいるよ!」とフレディは おお声で叫びました。

 アルフレッドもベンもクレアも そのとき が来て引っこしていきました。見ていると風にさか らって枝にしがみつく葉もあるし あっさりはなれる葉っぱもあります。やがて木は葉を落とし て裸どうぜんになりました。残っているのは フレディとダニエルだけです。

 「引っこしをするとか ここからいなくなるとか きみは言ってたけれどそれはーーー」とフレ ディは胸がいっぱいになりました。

 「死ぬ とういうことでしょ?」

 ダニエルは口をかたくむすんでいます。
 「ぼく 死ぬのがこわいよ。」とフレディが言いました。「そのとおりだね。」とダニエルが答 えました。
 「まだ経験したことがないことは こわいと思うものだ。でも考えてごらん。世界は変化しつづ けているんだ。変化しないものは ひとつもないんだよ。春が来て夏になり秋になる。葉っぱは 緑から紅葉して散る。変化するって自然なことなんだ。きみは春が夏になるとき こわかったか い? 緑から紅葉するとき こわくなかったろう? ぼくたちも変化しつづけているんだ。 死 ぬというのも 変わることの一つなのだよ。」

 変化するって自然なことだと聞いて フレディはすこし安心しました。枝にはもう ダニエルし か残っていません。
 「この木も死ぬの?」
 「いつか死ぬさ。でも”いのち”は永遠に生きているのだよ。」とダニエルは答えました。

 葉っぱも死ぬ 木も死ぬ。そうなると 春に生まれて冬に死んでしまうフレディの一生には ど ういう意味があるというのでしょう。
 「ねえ ダニエル。ぼくは生まれてきてよかったのだろうか。」とフレディはたずねました。

 ダニエルは深くうなずきました。

 「ぼくらは 春から冬までの間 ほんとうによく働いたし よく遊んだね。まわりには月や太陽 や星がいた。雨や風もいた。人間に木かげを作ったり 秋には鮮やかに紅葉してみんなの目を楽 しませたりもしたよね。それはどんなに 楽しかったことだろう。それはどんなに 幸せだった ことだろう。」

 その日の夕暮れ 金色の光の中を ダニエルは枝をはなれていきました。
 「さようなら フレディ。」
 ダニエルは満足そうなほほえみを浮かべ ゆっくり静かに いなくなりました。

 フレディは ひとりになりました。

 次の朝は雪でした。初雪です。
 やわらかでまっ白でしずかな雪は じんと冷たく身にしみました。

 その日は一日中どんよりしたくもり空でした。日は早く暮れました。フレディは自分が色あせて 枯れてきたように思いました。冷たい雪が重く感じられます。

 明け方フレディは迎えに来た風にのって枝をはなれました。
 痛くもなく こわくもありませんでした。 
 フレディは 空中にしばらく舞って それからそっと地面におりていきました。

 そのときはじめてフレディは 木の全体の姿を見ました。なんてがっしりした たくましい木な のでしょう。

 これならいつまでも生きつづけるにちがいありません。
 フレディはダニエルから聞いた ”いのち”ということばを思い出しました。

”いのち”というのは永遠に生きているのだ ということでした。

 フレディがおりたところは雪の上です。やわらかくて 意外とあたたかでした。引っこし先は  ふわふわして居心地のよいところだったのです。
 フレディは目を閉じねむりに入りました。

 フレディは知らなかったのですがーーーー

 冬が終わると春が来て 雪はとけ水になり 枯れ葉のフレディは その水にまじり 土に溶け込 んで 木を育てる力になるのです。

 ”いのち”は土や根や木の中の 目には見えないところで 新しい葉っぱを生み出そうと準備を しています。

 大自然の設計図は 寸分の狂いもなく”いのち”を変化させつづけているのです。

          また 春がめぐってきました。






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Last updated  2006.06.17 23:12:10 コメント(2) | コメントを書く


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