遠恋がはじまったのは、今から3年前のことでした。
「遠恋が始まる」と知ったのも、同じくらいの時期でした。
私は彼が東京に就職がきまったことを、引越しの直前まで知りませんでした。
就職がどうなったのか、きちんと話をしていなかったのも原因だったと思います。
就職活動中の人に、「どうなった?」と聞くのは、
ちょっと勇気がいるものだったので、
相手が言うまで待っていようと思っていたのでした。
当時の私は、ほとんど毎日彼と過ごしていたので、
彼が東京に行くと聞いたとき、「遠恋はできない」と話しました。
離れて暮らすなら、もう終わりにしよう、と。
しかし、「やらないうちからできないなんて言わずに、やってみよう」と彼から言われ、
「確かにそうかも」と私も納得して、遠恋をスタートさせました。
彼の方は、環境や生活ががらりと変わったこともあり、
忙しい毎日を過ごしているようでしたが、
私の方は、今まで一緒に過ごした土地で、今まで通りの仕事を続けていたので、
寂しさはひとしおでした。
それもあり、また仕事の契約が一区切りしたのもあり、
私はその地を離れて実家に戻る決心をしました。
実家に戻って、新しい仕事についたころは私も忙しかったのですが、
それも落ち着くとまた寂しくなってきて、
ある日彼にこう言いました。
「仕事をやめて、東京に行きたい。一緒にいたい。養ってくれない?」
その時は、冗談半分、本気半分という感じで言ったのですが、
彼から返ってきた答えは
「今はそういうの考えられない。きみの気持ちが重い」
というものでした。
そりゃそうです。
就職したばかりで、仕事も大変、慣れない土地での生活も大変な中で、
他の人のことなんか考えていられないんです。
分かっていても、私はかなりのショックを受けました。
「重い」と思われたことが、一番ショックでした。
それは、私が一番思われたくないことだったから。
それから、私は「一緒にいたい」とか、「東京に行きたい」と言わなくなりました。
必要以上に気をつけていたような気がします。
そんなこんなで、遠恋1年目は、環境の変化などでばたばたと過ぎていきました。
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