晴れ、ときどき手作り。

晴れ、ときどき手作り。

2020.10.02
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キラキラクリスタルを作ろう!というキットで
結晶を作りました。
  • AC17479A-4489-424A-96E4-1D949361A217.jpg


  • IMG_5579.JPG

  • 開封すると,説明書と白い粉。
    使う薬品は「リン酸二水素アンモニウム」という物質でした。
    アズワン AS ONE リン酸二水素アンモニウム500g 添加物 4-2912-79 [A101301]
    (詳しい性質はブログ後半で)
    初めて使う物質だったので,色々調べました。

    結晶を作るの際に大切なのが水への溶け方です。
    例えばカリミョウバンは温度による溶解度の差が大きく,
    また冷水にほとんど溶けなくなるので
    温度をゆっくり下げていくことで大きな結晶ができます。
  • 無題.jpg (縦軸;溶ける量 横軸 温度)

  • 一方食塩は温度による溶解度にほとんど変化がないので
    水を蒸発させながら,結晶を作ります。
    吸湿性が高いので,湿気の多い夏は作れません。
  • 図2.jpg


  • リン酸二水素アンモニウムの溶解度の変化は下の青いグラフです。
  • 溶解度曲線.jpg
  • これを見るとリン酸二水素アンモニウムは
    温度が上がると溶ける量は増え,
    さらに塩と同じくらい冷たい水にも溶けるようです。

    作り方を見るとキットに入っていたのは35g。
    これを70gの水に溶かすようになっています。
  • リン酸3.JPG
  • グラフに当てはめると,30℃で飽和水溶液になるようです。
    ここから室温まで温度を下げても
    ほとんど析出しない…ということは
    水を蒸発させながら結晶を作っていく
    食塩の結晶づくりと同じ作戦をとるみたいです。

  • IMG_5580.JPG
  • ゆっくり温度を下げるのが大切とのことだったので
    保冷ボックスを用意してゆっくり温度を下げ
    1時間ほどしたら種結晶の粒を入れて…
  • IMG_5587.JPG
  • 12時間後。何やら底面がキラキラしてきました。

  • IMG_5611.JPG
  • 5日間放置して,細長い結晶が見えてきました。
    正方晶という形だそうです。
    一番長い結晶が5mmくらい。あとは粉々の結晶になってしまいました。
    種が多すぎたみたいです。
  • IMG_5614.JPG

  • 大きさ2センチほどでこれで3g。
    35gも溶かしているのですからもっと大きいのが作りたいな~
    と,種を減らして繰り返すこと数回。
    何度でもやり直せるのが結晶づくりのいいところです。
  • 1日後.jpg
  • 条件が整ったみたいで上方向に結晶が伸びてきました。
    面白いです~。
  • 6日後.jpg
  • 毎朝結晶が伸びているのを楽しみに,放置。

    そして2週間が経過。
    結晶の先端が水面から出たところで終了にしました。
    上から見るとなんだかよく分かりませんが…
  • A1258A4C-8B61-425E-97F3-3B666B8C1B6D.jpg

  • AC17479A-4489-424A-96E4-1D949361A217.jpg
  • 横から見るとニョキニョキと
    柱状に伸びていて,とても面白くキラキラ綺麗です。

  • 2ECF6022-6588-4449-B42C-D3F5391D0C0A.jpg
  • ついつい背景に凝って写真を撮ってみたり…
    動画を撮ったり…たのし~い。

  • CB7CD33D-AD76-4052-AE91-9650C060D352.jpg
  • これで23g。あと10g以上溶けているんですね~。
    残り水溶液は試験管に移して,気長に放置する予定です。

    美しい形が見られて嬉しいです。
    どうやって保存しようかなあ~
    毎日の観察が楽しい実験でした。

    注意点
    ・素手で触らないように注意してください。
     自分は少しチクチクしました。
    ・熟成させる場所は
      長期間放置しても安全(誤飲の恐れがない,誤って手が触れない)
      温度変化が少ない(直射日光が当たらない)
      振動しない,水溶液がこぼれず安静に放置できる
      …ところを探してください。

    実験とは関係ないですが酸性塩について書きたいだけ
    リン酸二水素アンモニウムは,リン酸という酸とアンモニアという塩基の
    中和反応で生じる酸性塩(酸が残っている塩)です。
  • リン酸2.JPG

  • リン酸は3価の酸なので,1価のアンモニアとは3段階で反応します。
    このうちまだ1つしかアンモニアと反応していないものが
    リン酸二水素アンモニウムです。水溶液は弱酸性。
    もうひとつアンモニアが増えると弱塩基性になります。
  • リン酸1.JPG

  • 酸性塩で有名なのが重曹ですが,こちらは塩基性。
    酸性塩は酸と塩基の組み合わせで酸性だったり塩基性だったりします。

    化学の用語は漢字から見るイメージと内容が異なることがあり,
    「酸性塩」はその1つだと思います。
    酸性塩は,水素Hが残っている塩のことで,その水溶液は
    酸性のものも,塩基性のものもある。
    化学を大学受験に使う方は,間違えずに覚えておいてほしいと思います。

    参考文献
    http://bsikagaku.jp/f-industry/MAP-industry.pdf
    実際の工場での製法も,リン酸とアンモニア混ぜて中和させ,
    pHで中和点を検出しているようです。

    このキットもかっこいいですね。色が付けられるようです。
    リン酸アンモニウム粉 とあります。




    自然の美~結晶づくり大好き。
    S__13623308.jpg
    試験管に降る雪
    塩化アンモニウム結晶
    S__13197314.jpg
    松ぼっくりを
    尿素の結晶でおめかし
    塩の結晶8.JPG
    綺麗な形の
    塩の結晶にチャレンジ


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