仙人さんの話
今日、以前勤め先の部下から(本当に)数年ぶりに電話連絡が有った、そう昨日のヘリコプター事件の時一緒に乗っていておしっこをちびった仲間である。
話はこうである「ヘリでちびった事件の帰り道、ものすごい所に住んでいた仙人さんに会いに行来ましたよね、今やっている仕事の関係であの時の仙人さんへ連絡はつきませんか?」と言う。
仙人さんとは風貌や生活生き方がまるで中国の昔話に出てくる仙人様の様だから親しみを込めて「仙人さん」と彼の事を呼んでいた、当時でよわい70歳位と思うが今では90歳を有に超えているはず。
今日時点では存命かどうかから調査に入った。
まだ不明・・・・
仙人さんの主な仕事は超特殊な金属を超特殊な能力と方法で加工し磨き上げ寸分の狂いもない計測器の原器部分を作る(当時、日本にただ一人の方)と言った内容である。
住まいは中部地方の奥深い険しい山の中腹、ふもとの村までは道路が通っているが、そこからは片道3時間強の山道を延々と上って行く、人があまり通らないのでちょっとよそ見しながら歩くと遭難!しそうなけもの道。
(私は以前一度だけ本人に連れられて行った事が有ったのだが・・・不安!)
本当にこんなところへ人が住んでいるの??部下たちは半泣き状態。
もちろんアポもとっていない、今では考えられない突撃行動。
スーツを着た3人組が肩から大きな荷物を抱え山を登って行く 、何とも滑稽な姿である。
沢筋を目印に山を登って行くと、時代劇に出てきそうな「ほったて小屋」が二棟建っている目的地に着いた。
もちろんスーツはこの時点でムチャクチャ。
「仙人サーン」呼んでも返事がない???
小一時間待っていると沢の上流から行水を終えた仙人さんが帰って来た。
「ほいほい、お前か、ひさしぶりじゃの~~~」日本昔話の様な会話。
よわい70歳を超えていると思われる肉体ではない、顔はシワクチャだが筋肉隆々!
お土産に米と塩・砂糖・みそ・高野豆腐・ネギの種・お酒・・・・お供えをしている訳じゃないのだが
元々仙人さんは、とある関西の大学教授で退官後この山へ一人で移り住んだのである。
特殊な金属や特殊な作業工法などはこのときに見つけ、山にこもって研究し特殊な能力も身に付けたのだと言う。
世捨て人ではない、とても話やすく情報通であるがたまたま研究と実証の為にとんでもない処へ移り住んだだけである。
以前から知り合いだったため特に異議なく商談成立。
夕刻から山小屋での宴会となった・・・
その夜はお宅に泊まり明日朝出発予定、私はアウトドアが好きだったので問題はなかったが、連れの二名は都会育ちで初めての経験、獣の声や、風の音、床を這う虫たちに一睡もできなかった様で翌朝のスーツはヨレヨレ!
会社では「やつら遭難したのでは??」との話が出た様であったが、当方は携帯電話も無く、翌日の無事と報告電話で一件落着、もう少し遅ければ捜索願いが出される寸前だったとか。
下山してやっと電車に乗った時点でスーツはボロボロ・・・そのまま次の仕事直行・・・悲惨!
あれから何年たったかしら?お元気で有ればと願って捜索中。
不思議な話だが、昨日「ヘリ」の話を書いたとたんに電話とは。
何かのお知らせか????
日本にも「仙人さん」がいたお話・・・・
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