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絶園のテンペスト　ハムレット名言　「たとえ幾千幾万の兄があり、その愛情すべてを寄せ集めたとしても、おれ一人のこの愛には到底、およぶまい」

テーマ：アニメあれこれ(26875)

カテゴリ： ★アニメ・本・映画

☆絶園のテンペスト「第1話～第9話ハムレット名言集＋愛花

第2話「彼女はとてもきれいだった、と少年は言った」　に出て来ましたが、

第17話「マリンスノー」でふたたび引用されていたので補足です。

☆第17話は、吉野が自分の彼女は愛花だと葉風に話す場面。

吉野に好きだと告白した葉風は、はじまりの姫宮である自分が欲すれば、はじまりの樹が吉野の彼女をわたしのために殺し、排除しようとするかもしれないと言い、

「わたしは、もはや自身で気持ちをコントロールできん。だから吉野、わたしにおまえをあきらめさせろ」

吉野は、

「彼女のことは心配いりません。どうせ、はじまりの樹にも、どうにもできませんから」

『 オフィーリアを愛していた。たとえ幾千幾万の兄があり、その愛情すべてを寄せ集めたとしても、おれひとりのこの愛にはとうてい... 』

「一年前に死んだ彼女の、何をいまさら心配する必要があるんです?」

と続きます。

☆ハムレット英文は、

Love'd Ophelia: forty thousand brothers,

Could not, with all their quantity of love,

Make up my sum.

・ハムレットの台詞です。「おれは、オフィーリアを愛していた。実の兄が、たとえ何万人集まろうと、おれひとりの愛の大きさにかなうものか」

☆ハムレットの第五幕第一場。長いお話の後半のほう、場所はお墓。オフィーリアはハムレットの恋人です。オフィーリアが亡くなって、兄が埋葬しているところに、その墓に入るのが自分の恋人とは知らずに、墓掘りの男と話していたハムレットが、それを知って兄につかみかかり、そう言います。

☆そこから悲劇が始まるのですが、殺された男は、恋人オフィーリアの父親でした。オフィーリアはショックを受けます。それ以前にも、ハムレットがおかしくなってしまい心配していて、父には、それはお前へのかなわぬ恋のせいではと言われていました。

☆探りを入れるように言われ、ハムレットをたずねると、冷たくされます。実際は父の死の真相を確かめるべく、ハムレットは心を鬼にしていたのですが、純真で心優しいオフィーリアは傷つきます。その時のハムレットの台詞が「尼寺へ行け」です。

☆たび重なる悲しみにオフィーリアのほうは、本当に心を病んでしまいます。最期の場面は、花言葉を語りながら花を摘み、首飾りを作ります。それを木の枝にかけようと木に登り、枝が折れて川に転落。そのまま、自分から川底に沈むかたちで溺れて亡くなります。

☆このあと、恋人を失ったハムレットと妹を失った兄が毒を塗った剣で決闘、つまり殺し合うことになり、ふたりとも命を落とします。

★ハムレットは長編で、全部のあらすじは記事にしておりませんが、できましたら、こちらにリンクしておきます。シェイクスピアになぞられた物語、絶園のテンペスト。恋人を失った吉野と、妹を失った真広は、この物語を、ハムレットの悲劇ではなく、最後はみなが幸福になれるテンペストで終わらせることができるでしょうか。

シェイクスピア「テンペスト」とは

☆愛花は言っていました。「全てのことには、わけがあるんです。日々おこる悲劇も不幸も、いつかおこる最良の結末のための価値ある出来事なんです」

・私が読んだハムレット、テンペストと、アニメで引用されているものの訳が違うので、言葉のニュアンスが少し違っているものがあるかもしれません。ご容赦ください。絶園のテンペストで引用しているハムレット、参考までに下に載せておきます。