ラッコの映画生活

ラッコの映画生活

PR

Calendar

Comments

Jeraldanact@ Проститутки метро Электросила Брат замминистра инфраструктуры Украины…
SdvillkeS@ ИнтерЛабСервис [url=https://chimmed.ru/ ]brueggemannal…
hydraGes@ Новая ссылка на гидру v3 новый сайт гидры v3 <a href=https://hydraruzpnew4afonion…
間違い@ Re:『沈黙の行方』トム・マクローリン監督(米・加2001)(02/21) 姉ではなく、妹です。 なので、弟ではなく…
RogerEQ@ Это вам будет по вкусу разработка сайтов веб сервис - <a hr…

Profile

racquo

racquo

Favorite Blog

コイケランド koike1970さん
Kabu + Plus エースNo1さん
行きかふ人も又 はる **さん
Nobubuのbu… Nobubuさん

Keyword Search

▼キーワード検索

2007.08.06
XML
カテゴリ: フランス映画
DIEU EST GRAND, JE SUIS TOUTE PETITE

100min

*0.jpg

決して成功はしていないので、駄作と言えばその通りだけれど、日本での無理解は邦題にもあるのではないだろうか。無理に直訳すれば「神は大きい、私はほんとに小さい」とでもなる。「大きい」は「偉大」と訳した方が日本語らしくなるが、ここでは grand と petite(大きいと小さい)との対比があるわけだし、toute petite には「ほんの子供」と言ったニュアンスもある。その辺を良く理解して見る方が良いかも知れない。駄作ではあるけれど、それなりに楽しめた。オドレイ・トトゥの演技の感じもボクは 『アメリ』 より好きだ。

*1.jpg

ミシェルは二十歳そこそこ。前の彼氏とは別れたが、中絶(流産?)もした。彼女の父親は継父だったりで、そういう家庭の事情もあったのかも知れないが、精神的に成長した独り立ちはできていない。TOUTE PETITE、つまりほんの子供なのだ。だから彼女は人間関係に、家族でも友人でも恋人でも、まだ解らぬ 自 分 を与えてくれる何かを求めている。だからといって彼女には彼女なりの何かもあるわけで、ただ誰かに頼って追随すれば済むわけでもない。それで家族とも中々上手く行かないし、恋人ともそうだ。彼女は幼児洗礼のカトリック教徒だろうが、キリスト教も指針を示してはくれないので仏教を試す。

*2.jpg

そんなときユダヤ人で、もちろんユダヤ教徒のフランソワ、32才とかなり年長、つまりは大人の彼氏ができる。それで彼女はこの彼氏とユダヤ教にのめり込む。それが良いかどうかの是非ではなく、フランソワもその両親も敬虔なユダヤ教徒ではあるが、と言うかユダヤ教はユダヤ人としてのアイデンティティーなだけで、決して必ずしも実践的信者でもないし、原理主義でもない。断食や安息日を厳格に守ったりはしない。そこが良くも悪くも(欺瞞をも含む)大人の宗教感なのだ。フランソワのミシェルへの態度を身勝手な男の無責任と批判する観客もいるようだが、この辺の子供ミシェルのフランソワ(や他の人々)に対する態度のあり方を読み取るべきだ。そしてこのフランソワやユダヤ教も結局ミシェルに回答を与えてはくれず、彼女はGRANDE 大きくなることはできない。そんな彼女の成長の試みと困難がこの映画のテーマだと思う。だから最後に描かれる結婚式の友人ヴァレリーは、成長をして大きくなって結婚まで至ることのできたヴァレリーなのであり(その前にヴァレリーの分析医としての独立も描かれている)、そんなヴァレリーを眺めるミシェルで映画は閉じられ、彼女の成長への道はこれからも続くという意味で「続く」のテロップも出るのだ。

*3.jpg

この映画ではユダヤ教がずいぶんと描かれているし、フランソワの口からは「ホロコーストはナチの言葉であり、(ヘブライ語の)ショワが正しい。」と言わせている。このバィイーという女性監督のことはよく知らないのですが、映画界にはユダヤ系の人が多いんですね。だからユダヤ問題が映画の端々に登場することが多いようです。子供的原理主義でユダヤ教を学び実践しようとするユダヤ人でないミシェルの態度に、本当のユダヤ人ユダヤ教徒のフランソワが戸惑うという作りは面白いですね。ヴァレリーがはまりをうになったエセ新興宗教、フランソワがユダヤ人であることをご近所に隠している事実、こういうすべてから宗教や人種差別問題に関して何を監督が言いたかったのかはちょっと不明でした。 『アメリ』 『愛してる、愛してない...』 の方がはるかに良いという人もいるが、 『愛してる、愛してない...』 見 せ る 映画ではあるし、それで楽しませてくれるが、内容的にはほとんど皆無であり、不成功ながらこの『ミシェル』の方が原案は内容豊かだと思う。

*4.jpg




監督別作品リストはここから
アイウエオ順作品リストはここから
映画に関する雑文リストはここから





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.08.17 02:47:07
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: