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2004.10.02
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“Somethin' Stupid”by Nancy & Frank Sinatra 1967


 竹内まりやのアルバム "Longtime Favorites" で採り上げている『恋のひとこと (Somethin' Stupid)』は、デュエットの相手が大瀧詠一で、実に見事な仕上がりだ。
 また、まりや&詠一よりも2年ほど前に、イギリスのクリスマス・チャートで1位になった、おなじみのニコール・キッドマンとロビー・ウィリアムスの歌ったバージョンも、なかなか捨てがたい。
 でも、まだ聴いたことがない人には、ぜひオリジナルのシナトラ親子盤も聴いてもらいたい。何と言っても、これがやはり一番良いのだ。

 1967年というから、もう37年も前になるのかあ。御大フランク・シナトラが、娘のナンシー・シナトラを従えてこの曲を出したときには、いろんな意味で驚いた。
 まず、このシナトラ親子のデュエットという発想が、当時の僕らにはなかなか理解しにくかった。何しろ、あの父ちゃんに、あの娘だよ。ちょっと恐ろしい組み合わせでしょ。
 でも、一番驚いたのは、曲が良いこと、そして二人の声がその曲にぴったりだったことだ。

 まず、ラテン・ポップ風の生ギターを軽くフィーチャーした短いイントロ。ところが、歌が始まると、これはラテン・ポップでもないし、ジャス・ボーカルでもない。まあ、いわば良質な大人の米国歌謡。アレンジも、ストリングスや管の使い方が、控えめながらつぼを心得ていて、囁くような歌い方を支える。


 この『恋のひとこと (Somethin' Stupid)』が、普通のデュエット曲と大きく違う点がある。それは、男声パートが終始主旋律を歌い、女性が一貫して低音部でハーモニーを付けるという点である。
 デュエット曲といえば、掛け合い部分とコーラス部分で構成されるものが最も一般的だろうか。今、とっさに思いつくデュエット曲の大半がこれだ。
 典型的なのが、ポールとポーラの『ヘイ・ポーラ』『けんかでデート』。あ、でもこの人たちの場合、コーラスになるはずの部分がユニゾンだ。仲の良さをユニゾンで表そうとしたのかなあ。
 日本でいえば、トワ・エ・モワがこの型に入るでしょう。彼らはコーラス部分をしっかりハモっていた。
 あとは、ほら、「♪ (♂)貧しさに~負けた~ (♀)いえ世間に~負けた~...」とか、「♪ ...(♀)あなーた (♂)なんだい? (♀+♂)そーらは青空 二人は若~い」だの、「♪ ...(♂)愛しているぅなとそのとき感じた (♀)愛されてるぅなとそのとき思った」みたいにね。
 そもそも男女がペアで歌うんだから、それなりの役割分担がある訳だし、歌う側も聴く側も当然その辺は暗黙の了解というやつですな。
 この意味から言えば、『恋のひとこと』は、デュエット曲の王道からそれている、異端のデュエット曲なのだ。

 では、なぜフランク・シナトラが主旋律を歌いっぱなしで、ナンシー・シナトラは最後までハモリに徹しているのか。
 答は簡単だ。つまりこの歌は男の歌なのだ。
 ナンシー姉さんのパートは不可欠で、もしこれを一人で歌ったら、実に不安定な歌になってしまうだろう。でも、敢えて言うなら、歌詞の内容からすると、男性のソロでもかまわないのだ。僕らは、この歌がデュエット曲としてインプットされてしまっているので、それ以外の歌われ方を想像しがたいだけなのだ。


   それでもし二人で踊りに行けたらチャンスだね
   その後静かなちょっとした場所で軽く一二杯
   でもその時馬鹿な一言を発してその場を台無しにしてしまう
   「アイ・ラブ・ユー」とかって

   前夜に聞いた古くさいおなじみの嘘を君は軽蔑している

   君にはただの一言に過ぎないけれど僕には本当のこと
   今までは一度も正しいとは思えなかったけれど

   思っていることが叶うよう気の利いた科白を毎日練習する
   夜が更け二人だけになるのを待つ
   時来たりて君の香りが僕の頭を満たし星は赤く夜は青さを増す
   でもその時馬鹿な一言を発してその場を台無しにしてしまう
   「アイ・ラブ・ユー」みたいな

   君の香りが僕の頭を満たし星は赤く夜は青さを増す
   でもその時馬鹿な一言を発してその場を台無しにしてしまう
   「アイ・ラブ・ユー」とかって
   「アイ・ラブ・ユー」みたいに
   「アイ・ラブ・ユー」などと
   「アイ・ラブ・ユー」なんちゃって

 う~ん、…ついついうなってしまう。実にしゃれた歌詞ではないか。思わず全訳してしまった。この男、とにかく何か気の利いたせりふを言おうという段になって、いつも "I love you" なんて陳腐な科白を吐いてしまう。いつかはかっこよく決めてみたいと思いながらね。
 原題の "Somethin' Stupid" は、この "I love you" のこと。もちろん "I love you" は本音だからつい口をついて出てきてしまうわけだ。この気持ちを言い表すもっと良い表現はないかと、あれこれ練習する姿が浮かんで可笑しい。

 このような、名曲のハーモニーを娘につけてもらった父親は、やはり相当な幸せ者といわねばなるまい。しかも、この歌は、当時全米ナンバーワン・ヒットになり、各国で流行ったのだ。
                     (文中訳:穴沢) 





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Last updated  2004.10.02 16:17:10
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