「寿式三番叟」
開場45周年を寿ぐ幕開きにふさわしい演目でしょう。
3等席の端席から観たせいもあるとは思いますが 一輔さんの三番叟の左遣いさんが残念なことに・・・
三番叟は 左袖を巻き上げるしぐさが何度も出てきますが 思い切りが足りないのか(?)
上手に巻き上げられなくてその都度 直す→袖を下した時に形がおかしくなっている(ななめ?)→袖の形が崩れているのでまた巻き上げがうまくいかない と悪循環に陥ってました。
そのため 左遣いさんの背中で 三番叟の人形が全くみえないことも。
足遣いさんも腰が立っちゃって 3人ばらばらで遣っているようにみえてしましました。
動きが多い三番叟とはいえ 幸助さんの方の三番叟は3人がよりそってみえたので(通常の形?) 差が出てしまった感じがしました。
「伽羅先代萩」
政岡の心情にシンクロできなかったので ずいぶん退屈な幕になってしまいました
歌舞伎では誰が政岡であろうとお家のためにわが子を犠牲にした政岡の悲嘆に こちらも同調して泣かずにいられない演目なんですが・・・
防音ガラスの向こうで 政岡の人形がどうやら愁嘆場を演じているらしいなぁ という感覚で観ていました。なぜそうなったのか???
お家転覆を狙う一味の連判状をネズミがくわえて逃げ去る → 御殿の下で男之助がそのネズミを足で抑え込んで 眉間に扇で傷をつける →男之助から逃げたネズミが 仁木の正体を現してすっぽんから登場 →不敵ない笑みを浮かべた後仁木の引っ込み(これが 口伝を逆手に取った猿之助の宙乗りだったら最高) という流れが お芝居的に大好きなので それがないことにガッカリ感が増したのかもしれません(苦笑)
「近頃河原の達引」三味線を弾く人形の手が上手にできてるよなぁと感心しきり。もちろんこの演目用の特殊な手だそうですが。
源大夫さん 途中休演もありましたが復帰されてなにより。もうかなわぬことになってしまいましたが(それだから余計にそう思ってしまうのかもしれません)腹から力が出る声で聴きたかったなぁ~と思います。20数年前はどうだったのか?あの頃の記憶は 文楽を観にいったことがある 狐忠信の宙乗りにびっくりした 清治さんの御髪も黒々してたくらいで大夫がどうだったかは・・・(汗)
お猿さん可愛かった(そこしか覚えてない私の記憶って・・・)