岩手大会を制したのは花巻東だったが、公立勢の活躍も目立った。盛岡三、盛岡四、盛岡商、そして県内随一の進学校盛岡一も健闘したが、準決勝で花巻東に敗退した。
(岩手大会 準決勝)
盛岡一 000 004 000 =4
花巻東 101 100 70X =10
盛岡一を率いたのは 國保陽平
監督。3年前、岩手大会の決勝戦でエース・ 佐々木朗希
(現千葉ロッテ)を登板させなかったことで物議を醸した、当時大船渡高の監督だった。今年春、大船渡から盛岡一に転勤となっていた。今度こそはとリベンジを期したはずだが叶わなかった。
今でこそ花巻東、盛岡大附、一関学院などの高校があり”準強豪”の末席ぐらいには名を連ねると思うけれど、岩手は花巻東が台頭するまでは”野球後進県”のひとつに過ぎなかった。当時甲子園で勝利を期待できるのは、盛岡一ぐらいだった。少なくともボクにとっては。
忘れられないのは、昭和43年夏の盛岡一の快進撃だ。初戦で徳島・鴨島商を4-2で下すと、3回戦は大分・津久見を9-2で圧勝、あれよあれよという間にベスト8まで勝ち進んだ。残念ながら準々決勝で
主将で4番の 我喜屋優
(のちに興南高監督など)がいる興南高に4-10で敗退した。
盛岡一 000 010 021 =4
興南高 000 424 00X =10
(盛)小笠原-三浦、(興)安次嶺
たしかボクはこの興南戦を、盛岡駅の待合室にあるテレビで見ていた記憶がある。当時は甲子園の1回戦負けが岩手県勢の常だったから、ベスト8まで進出した盛岡一の戦いを興奮しながら見ていたはずだ。
ただ、本土復帰前の沖縄チームが相手ということもあって、少々微妙な空気が漂っていたことは後から知った。
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